【タコのカロリーと栄養素】詳しく知っておいしく賢く食べよう
タコのカロリーを知りたい
ヘルシーなイメージのあるタコですが、いったいどのくらいのカロリーかご存じですか。タコには、さまざまな栄養分が含まれており、しかも低カロリーです。タコのカロリーや栄養成分を知って、まるっとおいしく、栄養も余すことなくいただきましょう。
タコのカロリーと栄養成分の働きを知ろう
タコのカロリーは、いったいどのくらいなのでしょうか。タコに含まれる栄養成分も一緒に勉強しましょう。
100g当りのカロリーは76kcal
一般的に「タコ」と呼ばれて食用されているものは、「真蛸」のことです。タコを食用する国は、世界にあまりなく、世界で消費されるタコの半数以上が、日本で消費されています。
カロリーは、真蛸が100gあたり76kcal、イイダコは100gあたり70kcalです。イカの88kcalやエビの87kcal、その他の魚介類と比べても、タコは低カロリーなことがわかります。
タコは高たんぱく質で低脂肪
タコは高たんぱく、低脂肪でダイエットに適した食材です。
たんぱく質は100g当り16.4g
たんぱく質は、真蛸だと生の場合で100gあたり16.4g、ゆでダコの場合は21.7gです。イイダコなら、生の場合で100gあたり14.6g含まれています。
脂質は0.7gで魚介類の中でも低い
脂質は、真蛸の場合は生でもゆでてあっても0.7g、イイダコは0.8gです。他の魚介類はイカが1.4g、まぐろ赤身が1.5g、まぐろ脂身が24.9g、平目が1.3g、鯛が3.5g、鯖が16.6g、鮭が8.3gと、タコが魚介類の中でも脂質が低いことがわかります。
ビタミンB2は0.09mg
タコは脂質・糖質の代謝に優れたビタミンB2も、他の魚の2~5倍含まれています。ビタミンB2は、粘膜や皮膚、髪を保護するとともに、細胞の再生をサポートする働きがあります。ビタミンB2は、加熱することによって損なわれてしまうので、刺身で食べればビタミンB2も摂取できます。
アミノ酸の一種であるタウリン593mg
魚介類に多く含まれているタウリンは、タコにも593mgと豊富に含まれています。タウリンは体によい、さまざまな働きをしてくれます。
血中コレステロールを正常化する働きがある
タウリンには、肝臓で胆汁の生成を促進する働きがあります。胆汁の生成にはコレステロールが必要になり、結果として、コレステロール値を正常にすることになります。
さらに、胆汁が生成されることで肝臓内の中性脂肪を取り除き、肝臓から脂肪を排出されることが期待できます。肝臓は取りすぎた糖分や脂質を、脂肪として蓄える働きがあるので、これによりダイエットにも効果的といわれています。
乳酸を抑えて脂肪の分解を促進させる
タウリンは乳酸を抑えて、脂肪の分解を促進し、エネルギーの生産性を高める働きがあります。これらは、疲労回復効果が期待でき、ビタミンB群と一緒に摂るとより効果的です。
ビタミンB群とタウリンは、余った分は体外に排出されてしまいます。よって、不足しないように、毎日摂り続けるようにしましょう。
網膜の働きを正常に保つ働きがある
タウリンは、目の網膜にも存在する成分です。視力の衰えを防ぎ、網膜の働きを正常に保つ働きがあります。また、視神経や筋肉の緊張をほぐす作用もあり、疲れ目の改善にも効果的です。そのため、タウリンは目薬にも用いられています
二日酔いにも効果が期待できる
タウリンは、二日酔いの原因になる「アセトアルデヒド」の分解に役立つ効果もあります。アルコールの分解は、肝臓に負担がかかりますが、タウリンには肝臓の細胞を守り、再生させる働きがあるので、その点でも二日酔いにも効果が期待できます。
必須ミネラルである亜鉛1.6mg
亜鉛は、100種類を超える酵素の活性に関わる重要なミネラルです。その亜鉛が、タコには100gあたり1.6mg含まれています。
たんぱく質の合成に必要な働きをする
亜鉛はタンパク質やDNAの合成、糖質の代謝などに関わる酵素の構成成分として、これらの働きを補助しています。骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などに多くある成分で、必須ミネラル16種のひとつです。体内で作り出せないため、食事で摂取するしかありません。
免疫力を向上させる働き
亜鉛が体内に十分にあると、風邪や感染症にかかりにくくなるといわれています。粘膜を保護するビタミンAを、体の中にとどめる働きがあり、のどの痛みなどの症状を緩和する効果が期待できます。
また亜鉛は、病気などの原因となる細菌を攻撃する「白血球」にも含まれているので、傷や病気の早期回復にも必要とされています。
味覚を正常に保つ働きがある
舌にある「味蕾(みらい)」という味を感じる器官に、亜鉛は必要不可欠です。味細胞は、短期間で次々と新しく作り変えられています。その細胞の形成のために、亜鉛が常に必要です。亜鉛を十分に補うことで、舌の味を感じる味蕾の細胞組織の働きを、維持することができます。
亜鉛不足で健康被害の可能性
亜鉛が不足すると、子どもでは成長障害、大人では貧血や味覚障害、皮膚病やうつ病などを引き起こす可能性があります。さらに女性では無月経、男性なら精子数の減少や、機能低下などの心配もあります。
このように、亜鉛は体内で大変重要な栄養素のひとつです。タコなどを食べて、積極的に摂取していきましょう。
調理されたタコの100g当りのカロリー
食材は調理すると、カロリーが変わってしまいます。タコの場合は、どのように変化するのでしょうか。食事に取り入れる際の参考にしてみてください。
タコの酢の物は44kcal
タコとキュウリを甘酢で味付けした「タコの酢の物」は、深皿の小鉢約1皿分で26kcalほどです。100gあたりだと44kcalになります。低カロリーなキュウリと合わせたものなので、ダイエットにもピッタリのメニューです。作り方もとても簡単です。
材料
- タコ:100g
- キュウリ:1本
- 酢:大さじ3
- 砂糖:大さじ1と2分の1
- 醤油:大さじ2分の1
- 塩:適量
作り方
- 1.薄く輪切りにしたキュウリを塩もみしておき、たこも薄切りにする
- 2.ボウルに酢と砂糖、醤油をよく混ぜておく
- 3.水気をきったキュウリとタコを加えて、和えたら完成(ワカメをプラスするのもおすすめ)
タコ焼きは257kcal
タコ料理の代表格、「タコ焼き」は100gあたり257kcal、8個123.5gで317kcalです。小麦粉を使うことや、味付けのソースなどでカロリーはやや高めになってしまいます。
材料
- ゆでダコの足:120g
- 青ネギ:2本
- 揚げ玉:15g
- 紅ショウガ:30g
- 卵:2個
- 水:2と2分の1カップ
- 顆粒だし:小さじ1と2分の1
- 小麦粉:140g
作り方
- 1.小麦粉に、卵、水、だしの素を入れてよく混ぜて、タコ焼きの生地を作る
- 2.タコは7~8mm角に切り、青ネギは小口切り、紅ショウガをみじん切りにする
- 3.タコ焼き専用の鉄板に生地を入れ、具を入れてくるくるっと丸く焼けばできあがり。最後にソースや鰹節をかける。
明石焼きは87kcal
タコ焼きに見た目は似ていますが、使用する食材や食べ方が違う「明石焼き」は、100gあたり87kcal、10個だと約379gで330kcalと、タコ焼きよりも少しだけヘルシーです。
材料
- ゆでダコの足:100g
- 小麦粉:80g
- 卵:2個
- 醤油:小さじ2
- 顆粒だし:小さじ2分の1
- 湯:400cc
<だし汁>
- 顆粒だし:小さじ4分の1
- 水:200cc
- 塩:少々
- サラダオイル:大さじ1
- 青ネギ:2本
作り方
- 1.小麦粉に湯、卵、だしの素、を入れ明石焼きの生地をつくる
- 2.タコ焼き器に生地を入れ、タコを加えて焼く
- 3.顆粒だし、醤油、水、塩少々を混ぜてだし汁を作る
- 4.3にサラダオイル大さじ1と、小口切りにした青ネギを加えたら完成。だし汁に明石焼きをつけていただく
タコのから揚げは164kcal
タコに衣をつけて揚げた「から揚げ」は、100gあたり164kcalです。冷めると固くなってしまうため、揚げたての柔らかいうちに食べるのがおすすめです。
材料
- タコ:200g
- ニンニク:少々
- ショウガ:2分の1片
- 醤油:大さじ2分の1
- 酒:大さじ1
- 塩コショウ:少々
- 片栗粉:大さじ1と2分の1
- 小麦粉:大さじ2分の1
作り方
- 1.食べやすい大きさに切った茹でタコに、酒、醤油、ニンニク、ショウガ、塩コショウで味付けをする
- 2.味付けをしたタコに、片栗粉と小麦粉をつけてカラッと揚げれば完成
タコせんべいは1枚32kcal
タコの含有量にもよりますが、小麦粉メインのお菓子である「タコせんべい」は1枚32kcalです。栄養の面からも、もともとのタコのよさが出ない食べ方といえます。
低カロリーで栄養豊富なタコを賢く食べよう
タコに含まれた栄養分を損なわずに食べるためには、調理法を工夫することがおすすめです。おすすめの調理法で、余すことなく栄養素もいただきましょう。
水溶性の栄養素を逃さない蒸料理がおすすめ
タコに含まれるミネラル分である亜鉛やナイアシンは、水溶性の栄養なので、茹でてしまうと水に栄養素が溶けだしてしまいます。そのため、茹でダコを作る際は、茹でるのではなく蒸すことがおすすめです。
また、タコに含まれるビタミンEは、油と合わせると吸収力が高まります。そのため、から揚げなどの油を使った料理もおすすめです。
火をじっくり通せばタコは柔らかく煮える
タコを炒め物にする場合は、火を通しすぎると堅くなるので気をつけましょう。しかし、タコは火をじっくり通すことで、再び柔らかくなるという特徴があるので、煮物もおすすめです。煮物にすると、溶けだした栄養素ごと食べられます。また、タコはトマトとの相性がとてもよいので、「洋風のトマト煮」もおすすめです。
材料
- タコ:400g
- ホールトマト缶:1缶(400g)
- ニンニク:3片
- ブラックオリーブ:20個
- 赤トウガラシ:2本
- 塩、コショウ、オリーブオイル:適量
作り方
- 1.厚手の鍋にオリーブオイルとニンニクを入れて炒め、香りが立ったらタコを入れる
- 2.ホールトマトを缶汁ごと加え、オリーブ、トウガラシ、塩、コショウを入れ、タコを柔らかくなるまで煮込む
- 3.最後に味をととのえたら完成
ポイント
一人前302kcalと低カロリーで、冷たくてもおいしくいただけるので、夏にもおすすめのメニューです。もちろん、温めてもおいしいですよ。
ネギのβカロテンと相性が良い
タコのビタミンCとE、ネギのβ-カロテンには肌の生成に働く作用があり、これらが合わさることで、美肌効果がより期待できます。また、髪や爪の形成にも役立つといわれています。ネギと一緒に食べるおすすめメニューは「タコとネギの炊き込みご飯」です。
材料
- タコ:150g
- 米:1合
- 粉ガツオ:大さじ1
- 万能ネギ:4本
- 酒:大さじ1
- 醤油:大さじ2分の1
- 塩:小さじ4分の1
作り方
- 1.お米は炊く時間前までに研いで、普通の水加減で準備しておく
- 2.ゆでダコを食べやすい大きさに切り、ネギを小口切りにする
- 3.ご飯を炊く直前に、準備したお米から水を大さじ3減らし、そこにタコと調味料を加えスイッチをいれる
- 4.炊き上がったらネギ、粉ガツオを加えてさっくりと混ぜてできあがり
亜鉛の摂りすぎには注意する
タコに豊富に含まれる亜鉛は、体に必要な栄養素ですが、摂取しすぎると健康被害を引き起こす可能性があります。亜鉛を摂りすぎると、亜鉛と同じ必須ミネラルである鉄や銅の吸収が妨げられてしまい、貧血などの症状が引き起こされることがあるようです。
亜鉛の食事摂取基準は、1日当たり15~69歳の男性で10mg、女性で8mgが推奨されており、上限量は男性で40~45mg、女性で35mgとされています。亜鉛はさまざまな食品に含まれており、最近ではサプリメントもよくみられます。
しかし、健康によいからといってどんどん摂取していると、逆に身体を壊すことになるかもしれません。亜鉛の取りすぎには、注意しましょう。
タコはカロリーも栄養的にもダイエットの味方に
タコはカロリーも低く、ダイエットメニューにぴったりで、体に良い栄養素も豊富なため、ぜひ取り入れたい食材です。身近なスーパーなどで簡単に手に入るので、すぐに取り入れられる点がうれしいですね。
栄養素を逃さない食べ方で、タコのよいところを余すことなく取り入れましょう。ダイエット中にもおすすめなので、お肉の代わりにタコを食べてみてはいかがでしょうか。