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インタビュー

誰かの行動を変えるきっかけになれて幸せ。【起業した私だから話せること。#1 秋元里奈さん】

LITORA世代で活躍する女性起業家の方々に、起業に至るまでの気持ちの変化や、苦労、そして現在の心境まで赤裸々に教えていただくインタビュー連載、「起業した私だから話せること」。

第一回目は、農家とお客様を直接つなぐサービス「食べチョク」を提供している秋元里奈さん。大手IT企業の若手エースだった彼女は、25歳で独立を果たしました。彼女の背中を押したものとは何だったのか?起業してみた今どう思っているのか、語ってくれました。

秋元里奈さん
株式会社ビビッドガーデン代表取締役社長。“農家と消費者の縁結び”をテーマに農家と個人を直接つなぐサービス「食べチョク」を運営する若手起業家。生産者の顔が見える、オーガニックの農作物が、お手軽に美味しくいただけるとあって20~30代のLITORA世代を中心に支持を集めている。おしゃれで素敵なサイトも女性たちから人気を集めている要因のひとつ。「食べチョク」(https://www.tabechoku.com/

やりたいことに時間を使いたい 
その想いが強くなり、独立

-秋元さん、本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まずは起業されるまでに至った経緯を教えてください。

「私が農業というものを軸に何かやりたいと思うようになったのは、2016年2月ぐらいからです。実家が農家で、私自身も自分名義の農地を持っているのですが、久しぶりに実家に帰った時に畑を見たら、何も植えられていなくてとても悲しい気持ちになったんです。昔みたいにたくさんの野菜で彩り豊かだった畑に戻って欲しいなと思ったのがきっかけです。当時は、まずは趣味の範囲でやってみようと考えていたのですが、4~5月くらいには『こちらのほうがおもしろそう!』という気持ちに傾いてきて、起業を決意したのは6月くらいでした。社名の“ビビッドガーデン”には、“色鮮やかな(vivid)農地(garden)をもう一度取り戻したい”という想いを込められています」

-実際に会社を創業されたのは11月ですよね。決意されてから、たったの5ヵ月しか経っていませんね。動きが早いですね!

「実は、起業すると決めた1週間後には上司にその旨を伝えました。悩んでいる間に時間はすぐに経ってしまうじゃないですか。やりたいことが明確にあるのに、すごくもったいないなって思って。これでも1週間は本当に後悔しないか自問自答し続けました(笑)」

-起業を決意するきっかけになったことは何だったのでしょうか?

「(起業を)決めたのは、自分のやりたい事業(農業)に対して自分の置かれている状況に矛盾を感じたからです。当時は、ワークル(http://goinggoinggoing-an.wixsite.com/workle)という“仕事版のサークル“のようなものに入っていました。そこで週末プロジェクトとして農業事業を検討していたのですが、月1回のメンタリングで『本業が忙しくて農業事業に割ける時間が少ない』という悩みを相談しているときに、“あれ?やりたいことがあるなら、それを本業にすればいいじゃん”って、思ったんですよね。ただ、当時は本業で私が責任者の新規プロジェクトが動いてしまっていたので、それを終えるまでは会社にいようと思って、9月を最終出社に設定しました」

-その間も本業をやりながら、事業を進めていたんですか?

「それができていなかったんです。当時は本業のほうが関わっている人が多かったので、その分影響も大きいと思っていて、つい土日も本業のプロジェクトに時間を使っていました。そして10月は準備期間にして、11月29日に創業しました。今振り返ると、もっと効率的に時間を使うべきだったなと反省しています」

独立前は不安だったけれど 
周りに伝えることで道が開けた

-不安に思われたことはないんですか?

「もちろんあります!失敗したら借金を負ってしまうのではとか、そもそも自分のスキルでうまくいくのかなとか。だけど、20代の今だからこそリスクが取れる、とも思ったんです。月並みな表現ですが、やらないで後悔するくらいなら、今やって後悔すればいいかなって。実は私は元々すごく保守的な性格なんです。なので意識的に退路を断つ、つまりまず会社を辞めることを決めて追い込まれた状況を作り出せたのがよかった。自分の性格に合っていたのだと思います。ただ、性格やライフステージによって最適な方法は異なると思うので、私の事例はあくまで一例として、自分に合ったやり方が見つけられるといいと思います」

-やりたいと思っていることがあっても、まだ温めている段階だと、なかなか人にそれを伝えられないなと思うのですが、秋元さんはどうだったのですか?

「分かります。私も、農業をやりたいということはギリギリまであまり周囲に言っていなかったんです。成功する自信がなかったので、成功するまで言いたくなかったんですよね。ただ、30%の段階でもいいから周りに言ってみると、フィードバックがもらえて、だからこそ早いタイミングで軌道修正できたということもありました。周りからの評価を気にしがちで言えなかったりするのですが、批判を恐れずに口に出していくということも大切だと学びました。

それからもうひとつ周りに伝えてよかったと思うことは、いい協力者たちが見つかったことです。私は、もともと完璧主義で、全部自分でやろうと思っていたんですけど、協力してくれる人がいかに多く見つけられるかが成功することのひとつの要素だと今実感しています。やりたいことを発信し続けることで、協力してくれる人がどんどん増えました。一人だったら本当に何もできなかったし、協力してくださる方々がいるからこそ、事業が正しく進んでいっています。本当にありがたいです」

-起業するにあたって、特に苦労したことはどんなことですか?

「情報がとても少なかったので、どこでどう集めたらいいのかわからず、手探り状態でしたね。そこで、すでに起業している方にお話を聞いたり、本を調べたりして集めていきました。ただ、『会社を辞めて起業します!』とFacebookで公表したら、多くの人が『困っているだろうから』と手を差し伸べてくれて、情報をくださったり、人を紹介していただけるようになったんです」

-秋元さんが会社を辞めて一人で進めるという覚悟と熱意が、周りの人を動かしたのかもしれないですね!

「本当にありがたいです。覚悟をして周りの方たちに伝えてよかったと思っています。そこからは自然に情報が集まってきて、人ともつながっていきました」

もっと早く起業してもよかった!
事前の情報収集や勉強はとっても大切!

-逆に、今振り返ってみて、「あのときこうしておけばよかった」、または「やらなければよかった」と後悔していることはありますか?

「土日や平日の夜の時間を使って、もう少しちゃんと準備をしてから独立すればよかったと思っています。前職では、とあるアプリの宣伝責任者をやらせていただいていたのですが、自分がいなければ回らないと思い込んでいて、上司に辞める旨を伝えてから3ヶ月は会社に残りましたし、ギリギリまで土日も使って仕事をしていました。でも実際は私がいなくても全然余裕で会社は回るんですよね(笑)。もう少し効率的に時間を使えばよかったという後悔はあります」

-準備というのは具体的にどういうことですか?

「具体的には二つあって、一つ目は仲間集めです。採用がうまくいかない中で、事業を無理矢理進めていった結果、最初のフルタイム社員が入社したのは会社設立10ヶ月後でした。事業を前に進めることはもちろん一番大事なのですが、採用は出会ってから実際に入社してくれるまで時間がかかるので、とにかく早めに動き出すべきだったと思っています。二つ目は、農業関連の知識やリサーチが不足していたなという反省です。実は、当初のビジネスモデルと今では全然違うことをやっているのですが、それももっと早くにちゃんとした知識があれば、迷わず選択できたと思うからです」

-会社を辞める前に戻れるとしたら、全部やりなおしますか?

「やりますね!綺麗に本業のやるべきことはやって、土日や平日の夜には自分の事業をやれる気がします。時間は作ろうと思えば作れるのと、前職の名刺があるから出会える人もいたと思うので、もっとアグレッシブに動き回ると思います」

-起業する際に役に立った本やサイト、アプリがあれば、教えてください。

「王道ですけど磯崎哲也さんの『起業のファイナンス』(日本実業出版社刊)はとても役に立ちました。それから『inQup』というサイト。起業のノウハウをわかりやすくまとめられていて、これもよく見ていました。また、ビジネスマッチングの『yenta(エンタ)』を通じて、様々な業界の起業家の方にお会いしました。実際にビジネスにつながりましたし、ここで出会った方々は、今でも情報交換をする仲です」

-ところで、着用されているオリジナルTシャツですが、これは毎日着ているんですか?

「そうなんです!これで通勤してます(笑)。『食べチョクって何?』って声もひそひそ聞こえてきたりして、意外とインプレッション(人の目につく回数)を稼いでいますよ(笑)。こだわった点は、パッと見て野菜のサービスかつWebのサービスだということがわかること。あとは、あえておしゃれにしすぎないこと。おしゃれに作るとファッションとして馴染んでしまって目につきづらいので、これくらいのデザインの方がファッションとしての違和感があって『何のTシャツなのかな?』って、見てもらえるんです!これを着て飲食店に行くと、お店の方から話しかけてもらえることも。そこから実際にお取引にもつながっています。その結果、脱げなくなっていますが(笑)」

誰かの人生を少しでもプラスに  
それが実感できることが幸せ

-仕事をしていて、今、一番幸せを感じる瞬間はどんなときですか?

「少しずつコアなユーザーさんが増えてきていて、熱量の高い言葉をいただけることになったのがとても嬉しいです。ユーザーさんの多くは、30代の子育て中のお母さんたちが多いのですが、先日は『にんじんが嫌いだった子供が食べられるようになりました』という声をいただいたんです。その方の人生の中で、少しでもプラスになったのかなと思えて、本当に嬉しかったですね。また、それを農家さんにお伝えすると、彼らからは『自分たちの野菜に自信が持てた!』と言ってもらえるように。誰かの行動を変えるきっかけになっていると思うと、とても幸せです」

秋元さんの「三種の神器」はコレ!

秋元さんに、仕事になくてはならない三種の神器を教えてもらいました!

① PC
② スマホ
③ 食べチョクTシャツ

「やはりPCは欠かせないですね。どこにいても仕事ができるように常に持ち歩いています。スマホの同様。ハンドメイドを売っているminne(ミンネ)で購入した野菜のケースがお気に入りです。食べチョクTシャツは、広告代わりに毎日これを着て生活しています。通りすがりの人が『食べチョクって何だろうね?』と言っていたり、電車で凝視されたりと、意外と効果を実感しています(笑)」

私のストレス発散方法!

①映画『グレイテスト・ショーマン』を観ること!

「最近は『グレイテスト・ショーマン』という映画にハマっています。起業家が共感できるシーンが多いのと、良い歌ばかりで観ていて元気が出ます。友達に勧めてはついて観にいき、あまり大きな声では言えないのですが、もう6回観てます(笑)。DVDも買いました」

②カラオケに行く!十八番はKiroroの『未来へ』

「カラオケに行くことでも発散しています。よく歌うのはKiroroの『未来へ』や、岡本真夜さんの『TOMMOROW』、AKBの『365日の紙飛行機』とか(笑)。ポジティブソングを歌いまくります!」

秋元さんからのアドバイス

その1 やりたいことがあるならとにかく動き、外に発信する!
その2 会社は自分がいなくても回るもの。自分にしか叶えられないことをやる!
その3 独立前には人集めと情報収集を念入りに!

20代で独立するという道を選んだ、秋元さん。大きな不安に押しつぶされそうになることがあっても、恐れずに突き進んだことで今があり、大変な中でも得られる幸せや楽しさのほうが大きいと話してくれました。

私たちの前にはいつだって、独立や転職という道があります。やりたいことや好きなことに没頭することで見える景色は、やった人にしかわからない素晴らしいもの。その景色を見に行きたい!と強く感銘を受けた筆者でした。

(撮影/大村聡志 取材・文/LITORA編集部)


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