イラストレーターの仕事をしたい方必見。必要となる能力と道具
イラストレーターとして働く中で何が必要になるか
イラストレーターとして働くには、さまざまな道具や能力が必要となります。そして仕事の流れを理解すると、なにが必要なのか見えてきます。
イラストレーターは決して簡単な仕事ではありません。
しかし、やりがいのある仕事であり、はじめは割に合わないと思う仕事かもしれませんが、実績を作ればサラリーマンと同じくらい、もしくはそれ以上の給料をもらえる夢のある仕事です。
イラストレーターの仕事必需品
紙とペンで描いて働く
紙とペンで描くといえば水彩画があります。水彩画に必要な道具は水彩絵の具、パレット、筆、水彩紙、筆洗、鉛筆、消しゴムなどです。
水彩絵の具には透明水彩と不透明水彩があり、透明水彩は下地が透けて透明感があり、不透明水彩は下地を覆い、透けず透明感がないのが特徴です。
筆は穂先を円型にまとめたラウンドタイプと平型にまとめたフラットタイプがあります。サイズはさまざまなものがあるので、水彩画を描くときに必要なサイズを揃えましょう。
穂先の材質もさまざまなものがあり、水の含みやすさや穂先の硬さに違いがあります。主にナイロンと動物毛があり、ナイロンは柔らかく動物毛と比べ水を含みにくいです。
動物毛はセーブルやリス、コリンスキーの毛などで作られたものがあります。セーブルの筆は弾力があり、多くの絵の具を含ませることができます。リスの筆は繊細で柔らかく、絵の具の含みがよいです。コリンスキーの筆は他の毛と比べて、弾力性としなやかさを備えています。
また筆にはコピックというものが使用されることもあります。コピックはアルコールインクを使用した筆ペンで、速乾性、発色がよいのが特徴。色を重ねて独自の色を作ることもできます。
水彩紙には細目、荒目、中目があります。細目は表面が滑らかで細密な表現ができます。荒目は大きな窪みがあり、窪み部分に絵の具をのせると白い部分が残り、グラデーションを表現しやすいのが特徴です。中目は細目と荒目の中間で、一番使いやすく、初心者向けです。
鉛筆はHBから2Bがベストで、薄すぎるものは芯が固いので鉛筆跡が紙に残ってしまいます。
他の道具は自分が使いやすそうなものを選び、これらの準備をしたうえで働き始めましょう。
パソコンを使ってイラストを描く
パソコンでイラストを描くにはソフトが必要で、さまざまな特徴をもったものがあります。
代表的なソフトをあげるとPhotoshop、Illustrator、ペイントツールSAI、CLIP STUDIO PAINT、Painterなどがあります。
Photoshopは写真の編集がメインですが、デザイン、イラストの作成ができ幅広い用途をもっています。
Illustratorはイラスト作成がメインでロゴやポスター、地図、グラフの作成ができ、図形や画像、イラスト、テキストを自由に正確にレイアウトできます。
ペイントツールSAIはタブレットによる描きに特化しており、理解しやすいインターフェースで扱いやすいです。
CLIP STUDIO PAINTはイラストや漫画、また水彩、油絵、パステル、鉛筆などの表現ができるのが特徴です。
Painterはデジタルソフトでしか再現することが難しい特殊素材を表現できることや作品の遠近感を正確に描くことができ、エアブラシ、グワッシュ、油絵、墨絵、水彩などを表現できます。
また最近ではタブレットでイラストを描くことに特化した、繊細なタッチで精度が高く、筆圧レベルを感知して筆圧の強さをイラストに表現できる製品などもあります。
イラストはアナログで描くこともできますが、最近はパソコンでもアナログイラストに劣らない、もしくはそれ以上の精度、表現力をもったデジタルイラストが作成できます。ソフトはイラストレーターの仕事に応じて描きやすいものを選ぶのがよいでしょう。
沢山の人に受けてもらえるセンス
たくさんの人に受けてもらえるセンスとは、より多くの人に受けてもらえるデザインを考える能力とハイセンスのある目に留まるようなイラストを描く能力です。
ハイセンスとはイラストに対して必要な要素はなにかを考え、上手く描写できる能力のことです。ハイセンスな作品を作るにはセンスを磨く必要があります。
センスを磨くにはイラストについて、しっかりとした知識をもつことです。それでは知識とはなにかというと、さまざまな作品を見て得るもので、細部の違いが理解できることやそのイラストの特徴から描写方法を学ぶことです。
また目に留まるイラストとは統一感があり、テーマに沿ったものです。そして見る人に伝わりやすい目線誘導をさせているかどうかです。
自分を売り出す営業力
イラストレーターの仕事は自分の作品を自ら積極的に売り出す営業力が必要です。最近ではSNSが流行っており、twitterを宣伝に利用する人がいます。ツイートに自分の作品や、自分の作品を出店する展示会の情報などを流し、リツイートで拡散してもらい、多くの人の目に触れるようにします。
またポートフォリオという、クライアントの求める自分の描いたものを、まとめた作品集みたいなもので、自分の作品を売り込みに行くのに必要なものとなります。
他にも営業するときには言葉を使って自分の作品のよいところを表現し伝える力も必要です。
継続して描いていく根性
イラストレーターの仕事をするうえで、大事なのは継続することです。最初は知名度が低いため、クライアントに相手にされないこともありますが、クライアントのニーズに応じたイラストを描き続けることが大切です。
また漫画が時代の流れに応じて絵柄が変わっていくように、自分の作品も時代の流れに応じて変えていくことが重要です。
イラストレーターの仕事内容と相場
イラストレーターの仕事内容
イラストレーターの仕事内容は、雑誌、本、ポスター、カタログ、パンフレット、CDジャケットなどの印刷物上のイラスト、キャラクターデザインなどの仕事があり、主に依頼主のニーズに応えたものを作ります。
仕事の内容は以下のようになります。
1.仕事の依頼をもらう
仕事の依頼をもらう方法は、付き合いのあるお客様やホームページからお問合わせ、また仕事紹介サイトに登録しておくことで、仕事の依頼が入ることがあります。
2.仕事内容に関する打ち合わせ
仕事内容について納期やどのようなイラストを作成すればよいのか打ち合わせをします。
3.サンプルの提出
打ち合わせどおりの内容でクライアントにサンプルを提出し、作品のイメージや認識を共有します。
4.制作する
サンプルを参考に具体化していき、作品を作りあげていきます。
5.修正、追加を行う
完成した作品をクライアントにチェックしてもらい、修正や追加を行います。
6.納品
作品の修正、追加を行い、クライアントに納品します。クライアントから了承されれば、それで完了となります。
イラスト1枚の相場
イラスト1枚の料金の相場はパンフレットなどの10cm角に納まるくらいのもので、モノクロイラストで3,000円~5,000円、カラーの入ったイラストは5,000円~10,000円となります。
料金はイラストレーターの知名度、クライアントの規模、使用媒体、使用期間、発行部数、使用サイズなどで総合的に判断して決まります。
イラストレーターで気を付けるポイント
健康面に気を付ける
最初はイラストレーターの仕事だけで生活するのは厳しいです。多くの人がアルバイトをしています。
アルバイトをしながら、イラストレーターの仕事をかけもちして生活することは、ハードで睡眠時間を削るような生活になることもあります。
またイラストレーターは座って仕事をすることから、運動不足になりがちです。
イラストレーターとして仕事をするうえで、朝、昼、晩しっかりとごはんを食べて栄養をとり、規則的で健康的な生活をおくるように心がけましょう。
どんな種類の仕事も納期はしっかり守る
イラストレーターの仕事は主にクライアントの依頼を受けての仕事であり、納期が設定されています。納期までに納品しないとクライアントの計画に支障をきたすことがあります。
最終的に設定された締め切りは、作品を完成させた状態であることが前提で決められた期日であるため、計画を立てて作品を制作しましょう。
著作権は譲らない
著作権とは自分の作品であるイラストや写真などがもつ権利で、他の人に譲渡しないほうがよいです。著作権があることで利益を得るための財産権があり、譲渡してしまうと、財産権が失われてしまいます。
またゴーストライターとして働くことは自分の実績の証明にならないのでオススメしません。自分で作った作品は実績を作ることができ、イラストレーターとして信頼を得ることができます。
実績が欲しいときの注意点
イラストレーターとして実績を作るにはコンテストに応募して入賞し、実績を作るのがよいといわれています。そこには注意点があり「入賞作品の著作権、使用、販売権等は主催者帰属とします」という募集です。
このような募集をしたコンテストに入賞もしくは1位になったとしても賞金などはもらえますが、自分に著作権はなく、実績にはなりません。
待っているだけでお仕事は来ない
イラストレーターという仕事は待ちぼうけでは仕事が来ないので、自ら発信、もしくは積極的な行動力が必要となります。
例えばホームページを作成し自分のイラストの実績を紹介したり、twitterなどのSNSを使って発信します。またイラスト依頼系のソーシャルサービスに自分の作品を公開し登録しておくと、仕事が舞い込んでくることもあります。
このように仕事待ちをせずに積極的に発信、準備をしておくことが大事です。
効率性をあげてイラストレーターの仕事を100倍楽しむ
イラストレーターとして効率的に仕事をこなすには、デジタルイラストを描けるようになることです。アナログイラストは自分の描きたい理想の表現を出すことは簡単ですが、その分時間がかかります。
またミスをするとやり直しがきかないので、効率がよいとはいえません。
デジタルイラストは操作を覚えたり、パソコンやソフト、タブレットなど機器を用意するのにお金はかかりますが、使いこなせるようになると、やり直しやコピー&ペーストまた正確なレイアウトで描けることやデジタルでしかできない表現ができることから、効率的にストレスなく楽しく仕事をできるでしょう。
アナログイラストでしか描いたことがない人は、デジタルイラストも描けるようになってみてはいかがでしょうか。