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行政書士として就職したい。仕事内容を理解して多様な働き方を知ろう

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頑張って取得した行政書士の資格を活かすには

毎年1月末に試験の合否が分かり、合格すると晴れて得ることになる「行政書士」の資格。そこからいざ就職活動を始めると、思いのほか求人情報が少ないことに気付きます。大々的に募集をかけている行政書士事務所は、そんなに多くはないのが現状です。

事務所に勤める以外に、行政書士の資格を活かした働き方には、どのようなものがあるのでしょうか。行政書士の仕事内容について確認するとともに、キャリアにおける選択肢は複数あることを知り、自分自身の可能性を広げてみましょう。

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行政書士の仕事を知る

実際に行う業務はどのようなものでしょうか。また、選択できる4つの働き方についてみていきましょう。

官公署に提出する書類の作成や申請を代行する仕事

行政書士の仕事は、簡単にいうと「国や自治体に提出する書類等の作成を代行すること」です。官公署(かんこうしょ)とは、国と地方公共団体(=自治体)の諸機関の総称です。

具体的には、会社の設立や飲食店の開業手続き、内容証明郵便の作成、相続や自動車関連の手続きなど、知識がない人にとっては難しい作業を、依頼主から報酬を得て行います。単純な書類作成業務から、行政書士の知識を活かしたコンサルティング業務まで、幅広い仕事があります。

思っているより外出することが多い

書類の作成と聞くと、事務所内でデスクワークばかり行うことを想像してしまいます。しかし実際は、顧客とのミーティングや諸機関へ書類の提出に行くことがあり、外出の多い仕事です。

企業や公共機関のコンサルティング業務を請け負っている場合はもちろんですが、個人が相手でも、遺言や相続、土地活用、債権債務問題の手続きなど、オフィス内だけでは完結しない業務が数多くあるのです。

行政書士には4つの働き方がある

行政書士の仕事は、その働き方によって肩書が変わります。

行政書士事務所の代表になる開業行政書士として

資格を取得後、すぐに独立して開業するパターンです。求人が少ないことからも分かるように、行政書士の最もメジャーなコースといえます。

事務所に雇われてキャリアを積んでから独立、という経歴は少数派です。

行政書士と別の業務を兼務する兼業行政書士として

開業行政書士と同じく事務所の代表となり開業しますが、行政書士以外の仕事もする「副業」パターンもあります。具体的な例では、税理士や司法書士など他の資格を活かした仕事をしながら、行政書士の業務も請け負うケース。平日は会社勤め、土日だけ行政書士、というスタイルの人もいます。

集客や打ち合わせにネットを駆使するなどして効率化をはかることが可能になり、昔は難しかった兼業のハードルが下がってきています。いろいろな形で仕事を展開できるのが、行政書士のメリットです。

行政書士事務所に就職する使用人行政書士として

求人情報を調べて就活し、行政書士事務所に就職するパターンです。行政書士として業務ができますが、年収は頭打ちのところが多い傾向があります。人を積極的に雇いたいと考えている事務所は少ないといわれているので、仮に求人が出ていなくても、就職を希望する事務所には直接コンタクトをとってみましょう。

行政書士事務所に就職する補助者として

使用人行政書士も補助者も、行政書士事務所に勤めるのは同じです。ただ補助者は、行政書士の資格がない人でも携わることができ、行政書士の業務はできず、あくまで「補助者」にすぎません。

事務所が行政書士会に支払う会費が、使用人行政書士とは変わってくるため、行政書士の資格を持っていても、補助者としてしか雇ってもらえない場合もあります。

なぜ求人が少ないのか

そもそも、どうして行政書士の求人が少ないのでしょうか。就職における現状と、考えられる傾向を挙げます。

独立開業型の資格だから

行政書士の資格は、取得できたらすぐに独立して開業、というのが主なコースです。経験を積むために行政書士事務所に勤めることもありますが、最終的には独立することが多くなっています。

また、売上が1,000万円を超える行政書士事務所は、全体の1割ほどといわれます。積極的に人を雇う余裕のある事務所が少ないのも、求人が多く出てこない理由です。

大きく募集をかけていない

「いい人がいれば欲しいな」くらいの考えでいる行政書士事務所は、大手求人サイトや求人雑誌には採用情報を載せず、各事務所のホームページで募集していることが多いです。

ただし、行政書士としてではなく補助者として募集しているケースが多々あるので、契約内容はしっかり確認することが大切です。

どこにも採用情報は出さず、問い合わせがあれば答える、というスタイルのところもあるので、就職活動は地道な作業が必要です。

行政書士としてのニーズが減っている

不況により、行政書士に依頼せず、自分で書類を作成して提出する人が増えています。ネットの普及も手伝って、複雑な書類の書き方や手続き方法も、調べれば分かることが多くなりました。

また、弁護士や税理士などのように「その資格がなければできない」という独占業務がないことも、行政書士の出番が少なくなってきた原因の1つと考えられます。

行政書士事務所以外にも行政書士の就職先がある

独立ではなく就職を希望していて、事務所が見つからない場合、他にどのような就職先があるでしょうか。

建設工事を受け持つ建設業

建設業の許可申請や更新手続の代行のため、建設業者が行政書士の有資格者を募集していることがあります。建設業務にはさまざまな種別がありますが、その許可取得には面倒な書類準備と手続きが必要です。どの許可を取得すればよいかを判断できるのも行政書士です。

建設業関連業務を専門にして、仕事を受注している行政書士も多く存在します。建設業は法律と深く関わるため、できる仕事がたくさんあるのです。

民泊ビジネスに活路を見出す不動産業

不動産業にも、行政書士の資格を活かせる分野があります。その1つが、民泊申請の代行業です。

外国人旅行者の急増により宿泊施設の不足が問題になっていますが、その打開策である「民泊ビジネス」に参入した不動産業者において、行政書士は民泊申請手続きの代行を担います。

また、建物や部屋のオーナーに民泊ビジネスを提案することも、不動産活用のコンサルティング業務として行うことができます。

法務の業務を行える一般企業

一般企業でも、行政書士の資格を持っていることで有利に就活を進められる場合があります。法務関係の部署なら、民法や行政法、商法などを学んでいる行政書士の知識が役立ちます。

また契約書の作成やチェックなどの業務があるため、法律に詳しく書類作成に長けた行政書士がやはり有利です。行政書士は法律に関する業務に強く、就活における市場価値が、無資格者と比べて高いといえます。

行政書士として働く場所は1つではない

行政書士の活躍の場は、多岐に渡ります。独占業務はありませんが、働く場所も、働き方も、時代のニーズに合わせて変えていけるのが強みです。うまく需要を読めば、新たな市場を開拓し、多くの顧客を獲得することもできます。

単純に「資格取得後は事務所に就職」とだけ考えていては、望むような職が見つからず、就活でつまづいてしまう恐れもあります。行政書士の資格を持っているとできる仕事の内容をきちんと理解し、いくつもの可能性があることを把握して、自分のキャリアを選択していきましょう。

行政書士の年収は実際にはいくらなのか。稼ぎ方による違いは?

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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