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心に寄り添う専門家、臨床心理士の仕事とは。資格や仕事内容について

現代、うつ病やパニック障害といった心の病が多く存在します。正確にいえば、脳の誤作動により心のコントロールができない状態です。臨床心理士は、そんな人々に寄り添い、共に解決策を探し、サポートしていきます。資格取得や仕事内容についてご紹介します。

臨床心理士の仕事について知ろう

臨床心理士とは、医師や看護師などの国家資格とは異なり、「公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会」という民間団体により資格を与えられます。

仕事内容は多岐に渡りますが、基本は同じ。クライアントに寄り添う心の専門家です。2018年には心理学における国家資格である「公認心理士」が新設されます。

臨床心理士の仕事内容とは?

臨床心理士とは資格であって、職業そのものではありません。臨床心理士の資格を取得後に、どの分野で、またはどの団体でどのような仕事をメインにするか、それによって肩書きも変わります。

カウンセラー

教育の現場や企業では「カウンセラー」として業務にあたります。民間のメンタルヘルス機関も増えているため、よく耳にする仕事です。身近なところではスクールカウンセラーを思い出す人が多いのではないでしょうか。また、産業医とともにカウンセラーを導入する企業も増えてきているのです。

クライアントは、学校の生徒や先生、企業の職員が対象。いじめや家庭の相談を受けることや、支援が業務内容となっており、内容によっては教育委員会や企業の人事担当との連携が必要になります。また、クライアントの状態を見て、専門医への相談を促すことも必要です。

相談員

医療の現場では、精神科や心療内科に付属する医療相談室の形式が多く、臨床心理士は相談員、もしくはカウンセラーとして従事しています。

病院によってシステムが変わりますが、通院患者全員を医師より先に見て医師につなぐ病院もあれば、医師に求められたときに、相談員として検査や相談を実施したりしているようです。

病院内での仕事はさまざま

精神科や心療内科を訪れる患者さんは、世代や目的などさまざまです。ときには子供を対象に発達調査のテストを実施したり、退職者の人生の悩みについてを聞くことも業務としています。年齢層や背景、それに伴う仕事内容の範囲が、最も広い臨床現場といえるでしょう。

また、雇用形態が公務員であれば、「精神保健福祉相談員」と名乗ることも。こちらも精神科や心療内科と同じで、クライアントの年齢層や背景がそれぞれ異なります。相談にのったり、支援を行うことはもちろん、健康増進の啓蒙活動なども積極的に推進しています。

指導員

児童相談所などを含む福祉の現場では、指導員として従事します。ほかの臨床現場ではあまりない、知的障害者の支援が加わったり、虐待やドメスティックバイオレンス被害のトラウマなど、心のアフターフォローも実施します。

特に児童相談所は、時間を設けて相談に来るのではなく、不登校の児童などが日中活動を行っています。ですから、子供の話を聞くということより、日々共に過ごす中で変化に気付いたり、不安を和らげたりすることが仕事です。

その他、療育施設において心理判定員としてテスト診断や認知療法を行います。場所によって肩書きも変わり、家庭裁判所では「調査官」、刑務所では「法務教官」というようです。いずれも、時間をかけてクライアントと向き合い、新たな一歩の支援を実施します。

臨床心理士の仕事の大変さとやりがい

大変さは「正解はない」

臨床心理士は、目には見えない人の「心」を扱います。外見が違っても同じ風邪の症状の患者に風邪薬を出す医師と違って、同じ世代や環境下の人がこぼす同じ言葉でも、それぞれに見合った支援を施す必要があります。それが認知行動療法の場合もあれば、精神分析療法の場合もあります。

どれがクライアントに効果があるか、適切に選ぶ能力を求められますし、結果を引き出すまで根気よく向かい合う時間と労力を要します。もちろん、効果が出なかったり、発達検査など自分の出した所見で家族や本人が困難な道のりを歩かなければならないときもあります。

「ほかの心理士だったらうまくいったのだろう」というものでもありません。正解がないからこそ、自分の判断について自問自答を繰り返し続けること。これが臨床心理士として働く人々の大変さです。

?やりがいは「クライアントの変化」

やりがいは、クライアントが前進する姿を見ることでしょう。自問自答を繰り返し、真摯に向き合ってきたからこそ、クライアントが壁を乗り越えていく姿にやりがいを見出します。初回は1時間を無言を貫いたクライアントが、半年後には笑って自分のことを語ってくれたりするそうです。

クライアントが何かを掴み、自分の力で乗り越えていく姿を見ること。それは、楽しさや嬉しさという感情ではなく、「ありがたい」と思うそうです。クライアントが前を向いていけるような手伝いをさせてもらえたことに対する「感謝」の瞬間、これが臨床心理士のやりがいです。

臨床心理士になるために必要な技術や資格

臨床心理士になるのに必要な条件は、指定の大学院、または臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了していること。その上で臨床心理士試験に合格してはじめて資格が与えられます。

どんな種類の資格がある?

臨床心理士になるための「資格」はありません。専門課程を経ることが条件であり、それこそが難関。ほかの資格としては、カウンセラーなどの業務にあたっている人は、心理学専攻課程の大学を卒業している認定心理士や、福祉領域を専門とする社会福祉士などが挙げられます。

臨床心理士になるために必要な技術や資格の勉強法

とにかく大学院の勉強に誠実に取り組むことです。大学院で指導する教員は、多くの実績と経験を積んだ大先輩。その教訓や理念を余すことなく、自らに叩き込むことが必要です。

試験対策としては、過去の試験問題を地道に解いていくのがベスト。臨床心理士の基礎であり、症例でもあります。正答ではなく問題に向き合い、根拠まで理解しなければ合格にはたどりつけません。

ステップアップにつながることも

臨床心理士の資格を持っていることは大きなメリットです。就労先の幅が広がり、ポジションも高くなれば、もちろん給与にも影響します。募集の段階で臨床心理士と限定している場合も多いので、専門職を志すのであれば、臨床心理士取得を視野に入れるのはマストです。

教員職や介護職にある方で、臨床心理士の資格取得を考える方も多いでしょう。業務と並行しての大学院生活や試験勉強は、時間が足りず、とても厳しいものとなります。休職を願い出てから取り組むことをおすすめします。

臨床心理士の気になる給料(年収)

臨床心理士の年収は、働いている組織によってさまざまです。一般的な臨床心理士の平均年収は300万円から500万円といわれています。企業を掛け持ちしたり、もともと医師である人などは、年収500万円から1千万円となります。

非常勤のみやスクールカウンセラーを主に活動している人は時給制が多いので、年収は下がり200万円から500万円です。臨床心理士は非常勤からスタートすることが多いこともあります。育児をしながら働くという臨床心理士も。また、公共組織の場合は公務員の年収と変わりません。

臨床心理士で女性はどのくらい活躍している?

臨床心理士や臨床の現場で働いている人は、圧倒的に女性が多いようです。女性7割に対し男性3割となっています。共感性が高く、包容力のある女性にはぴったりの職業といえるでしょう。

共感することと感情移入することは違います。心理学でいうところの「受容」の態勢をキープしながら、冷静さと客観性が必須です。その能力は、現場で培うほかありません。臨床心理士のスタートが非常勤が多いのはそのためです。

臨床心理士・人の心に寄り添うこと

臨床心理士になるのに資格は必要なく、民間のカウンセラーになるのに臨床心理士が必須ということもありません。しかし、いつでも相談者を暖かく迎え入れ、適切な支援をすることが必要。それは、優しいということとは違います。

正解のない現場で闘うには、少しの自信と勇気、多くの知識と経験が必要不可欠。感情や主観を抑え、人の心に寄り添う臨床心理士は、人の人生に関わる仕事といえるでしょう。


LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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