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看護師の年収、高給取りで安定した良い仕事の真実を追求してみた結果

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看護師の年収、知っている?

看護師の年収は高いらしい、それは真実なのでしょうか。仕事は注射もしたり夜勤もしたり大変そうだけど、結局給料よいのだから得だよねという声をあちこちで聞きます。本当にそうなのでしょうか。

看護師の給料についてチェック

平均年収

看護師の賃金について日本看護協会が2013年に病院に勤務する看護職に関して個人調査と施設調査をを行っています。これによると非管理職の平均年収は、532万5,324円です。

看護師は大きく分けて、看護師と准看護師という資格があります。この2種類の資格により平均年収も大きく変わってきます。また、看護師にも役職があり看護部長を筆頭にそれぞれ管理職と呼ばれる職務につくと年収も違いがでてきます。夜勤回数や専門看護師などの資格があるかないか、管理職であるかも含まれていますが、統計調査によるおおよその年収を上げてみます。

20代平均年収

20代前半は379万6,000円、20代後半は436万8000円です。卒業した学校や資格の違いにより初任給から高収入の場合もありますが、夜勤手当危険手当などの手当てが多く加算されていることもあります。

30代年収

30代前半は、450万4,000円、30代後半では465万6,000円です。この年代は結婚や子育て等で離職するひともいるなかでキャリアを積んで主任や看護師長などの管理職や認定看護師などという資格を取得するひとも増えてきます。そのキャリアや管理職が増えるという点において30代後半になると500万円以上の年収のひとが増えています。

40代平均年収

40代前半は492万円、40代後半では511万2,000円です。400万円台の年収も見られますが、500万円以上が圧倒的に多くなり、600万円から700万円という高年収のひとも増えてきています。

50代平均年収

50代前半は528万7,000円、50代後半は550万1,000円です。この年代になると多くの看護師が管理職となり基本給も上がり、役職手当なども加算されてきています。高年収のひともありますが、500万円や400万円台の年収も平均的に多くなり、特に後半では顕著になっています。

看護師は専門的な認定看護師、専任看護師などの資格をとりキャリアを積むことにより資格手当などに大きな違いが出てきます。また、看護学校の教員や看護大学での講師、教授などといった職に就くと年収にも違いが出てきます。

平均月収給料

年収から考えられる平均月収は、同じく看護師の場合ですが、20代前半で27万3,000円、20代後半で30万1,000円、30代前半で31万1,000円、30代後半で31万9,000円、40代前半で33万8,000円、40代後半で34万4,000円、50代前半で35万2,000円、50代後半で37万円です。

あくまでもこれは平均であり、この数値よりかなり低い給料で勤務する看護師も数多くいます。都道府県による格差もあります。もちろん、大病院か中規模の病院か個人経営の病院か、また、介護施設勤務なのか、という働く場所によっても給料は変動してきます。
【参照リンクhttps://kango4job.com/nurse-annual-income】

生涯年収

では、平均年収から考えられる生涯年収はいくらでしょうか。単純に60歳定年退職まで働いたとして、1億8000万円ほどになります。

この金額だけ見れば、とても高収入ですね。ただし、まだまだ、女性看護師の多い職場です。結婚や出産や子育て、または、介護のために職場を離れる時期もある人が多いのが現状です。

一度、退職して再就職すると、給料は今までよりも下がる場合もあります。また、公的病院の救急現場や手術室などは危険手当などの特殊な手当てが付いたりしますが、こういう場所での心身共にハードな勤務は何十年も続けられるものではありません。そんな転職や休職や異動などの条件を考えると、もう少し生涯年収は減ると見込まれます。

看護師は他の仕事とくらべて高い?それとも低い?

看護師の給料は他の仕事とくらべて高いのでしょうか。なんと221位ですね。世の中には特殊な技能や資格で高収入を得ている人が結構いるものです。
【参照リンクhttps://kyuryobank.com/salaryranking】

同じ医療業界でも、医師は月収80万円から100万円というのが一般的です。そして、薬剤師も理学療法士や作業療法士も看護師よりは高収入です。

それでも資格のない事務職などからしたら高収入と言われます。しかし、その収入の中には、月に数回の2交代の夜勤手当や、休日出勤や残業手当も含まれています。自分の家族のイベントにも参加できないことも多々あります。日曜祭日正月関係なく勤務は続きます。

そして毎日生死のはざまでケアを続けています。自分の体調管理には気を配りながら、少し具合が悪くても我慢して出勤し、休日にも学会やセミナーなどの勉強会や研究会出席などもあります。心身共にストレスがあり、勤務時間が不規則なことや、休日も仕事の影響を受けています。もちろん、医院やクリニック勤務の看護師はもう少しゆとりがあるでしょう。でも、給料は低く設定されています。

看護師で年収1000万円は可能?

そんな条件の厳しいハードな看護師なら、もっと年収を上げたいと思うのが普通かもしれません。例えば、看護師で年収1000万円は可能かどうかというと、不可能ではありません。でも、それにはかなり頑張ってみる必要があります。

高収入の病院に変わる、そして、看護主任、看護師長、看護部長と出世する。若いなら可能性もありますが、ある程度の年齢になると厳しくなってきます。働く場所を病院に限定しない、これはたとえば、有名製薬会社での治験薬コーディネーターなどの仕事をする、そしてキャリアを積んで責任者になるという道です。

また思い切って、起業するのはどうでしょうか。資格を生かした訪問看護ステーションや介護施設などを経営するという方法です。実際に1000万円というのはハードルが高そうです。しかし、まったく不可能な訳ではないようですね。

看護師の仕事概要

看護師の仕事の内容は知っていますか、一般的に知られている以上に色々な内容があります。一般的な病院では、外来勤務と入院病棟勤務に分かれていることがほとんどです。

一般病院 外来勤務

外来診察勤務における看護師の仕事は、主に 診察前の準備、診察中の患者さんの介助、診察後の医師の指示による注射や検査を行う、検査に対する説明、などがあります。患者さんはいろいろな年代の方がいて体が不自由なかたも会話がままならない方も小さな子供もいます。車いすを押したり、体を支えたり、家族への連絡をしたり、検査室へ付き添ったり。また、注射や採血、急に具合が悪くなれば、瞬時に対応する必要があります。

一般病院 病棟勤務

入院設備のある病院では、いろいろな専門の科に分かれています。20~40人ぐらいの入院用ベッドがあるところを病棟といいます。入院するともちろん数日間から数週間、または数カ月、24時間その病棟で過ごし、治療を受けます。

病棟看護師の仕事は、毎日の各患者さんの熱や血圧や全身状態の観察を時間ごとに行う検温、医師の指示による薬や注射や点滴、または、傷、手術後のガーゼ交換、毎朝の洗面や歯磨き、体を拭く、髪を洗う、お風呂に入れるなどの清潔ケア、検査室への移動の介助、トイレに行けない人のための介助、おむつ交換、体を動かせない人のために時間ごとの寝返り介助 などがあります。

その上に、これらの全てを記録し報告します。交代制勤務なので、毎日の朝と夕方の申し送りもあります。ただ、基本的にはどんな場面でも患者さんの具合や気持ちは流動的で、その変化に常に敏感に観察対応していくことが必要な仕事です。

施設の看護師

病院ではなく、介護施設や福祉施設で働く場合は、主に毎日の入所者の方の健康チェックや血糖測定や傷の手当てを行います。医師は常駐していないところがほとんどなので、自分の判断で医師や家族への連絡対応が必要な仕事です。

訪問看護ステーション

病院や施設勤務ではなく、訪問看護ステーションという事務所に所属して、自宅に訪問して看護を行う仕事です。自宅で療養している患者さんに必要な注射や点滴、また装着している機器の観察、体を拭くなどがあります。1軒1軒訪問し、決められた時間で必要なことを行います。訪問にはひとりで行くことが多くなります。

看護師になるための勉強や資格

看護師の資格には、看護師と准看護師という2種類の資格があります。将来的には准看護師制度を無くすということが言われてきていますが、実際は資格も学校もあります。

看護師(正看護師)

看護師の資格は国家資格です。専門の学校を卒業し、国家試験に受かることで資格を得ることができます。学校は専門学校と大学に2種類に分かれています。

専門学校は高校卒業見込み、高校卒業資格があれば誰でも受験可能です。専門学校は通常3年間の授業と実習によるカリキュラムが組まれています。その内容ですが、看護学、医学の専門的な知識を学習し、1年生の後半には、実際の病院にでて学習する準備をします。

各科目は多岐にわたり、看護教員や医師や講師の方が授業をされ各科目のテストを受けます。実習では、主にいろいろな内科、外科、整形外科などといった科に数名のグループに分かれて入院病棟で実習します。各病棟には学生の指導係がいて、実習中に学んだことを毎回レポートし提出します。3年生では看護研究もあります。

看護大学も通常の大学と同様4年間です。専門学校との大きな違いは、より専門的に研究的な学術的な分野まで踏み込んだ授業内容になっています。そして、看護師資格と保健師資格を受験することができます。看護系の短期大学もあります。専門学校との違いは、他の学部が併設されていて、幅広く社会学や心理学などを学ぶことができます。しかし現在は短期大学は減少傾向にあるようです。

准看護師

准看護師は、国家資格ではなく、都道府県における試験を受けます。看護師と同じく専門学校に通います。准看護師の専門学校は中学卒業資格で入学することができます。中学校卒業後、または、高校卒業後准看護師専門学校または、衛生看護科のある高等学校に進学します。准看護師の専門学校には全日制と半日制があり、働きながら通うこともできます。准看護師の学校は2年制がほとんどで、授業単位数も実習時間も看護師よりは短い時間になっています。

女性は働きやすい仕事なの?

看護師の大半は今でも女性の占める比率が多いことは、一般的によく知られています。病院での病人のお世話という部分においては、デリケートな面が多く、特に、産婦人科などはほぼ女性看護師だけであると思われます。

収入が安定して、いつでも転職が可能で選択の幅も広いという点においては、昔から女性の良い仕事のひとつに挙げられているようです。高い専門性と資格手当、危険手当、夜勤手当、休日手当などいろいろな手当てによって収入は多くなります。

実際の仕事は生死に関わる現場で、昼間勤務したり夜間に勤務したり、日曜祭日も関係なく勤務したりします。夜間の勤務は2人または3人の少人数です。どんな重症の患者さんがいようと、救急患者さんが沢山こようと、その人数で仕事を行います。

しかも人間相手であり、病気の人の心身の状態はいろいろと変化し、多くの問題を抱えています。専門的な勉強を積んできても、予期せぬことが起こりミスのできない非常に緊張した命に関わる場面もあります。経験の浅い看護師は先輩看護師と組むことにより成長していきますが、私生活への精神的肉体的なストレスも多い仕事です。

女性が多く、女性の細やかな優しさや気遣いという点だけを考えれば、働きやすいと言えるかもしれません。しかし、他の医療職との関係性やパワーハラスメントなどもあり、精神面で厳しい職場もあります。最近増えてきている男性看護師は、とくに精神科などの特殊な科に多いようです。ただし、男性にしては収入が少ないという現実もあります。

看護師の仕事内容は高収入だけではない幅広いもの

看護師は、一見して優しく、医師の指示の通りに仕事をしていれば、高収入を得られると取られがちです。看護師資格があってもいざ仕事につけば、それぞれの職場による特徴には大きな差があり、仕事を始めてから研修や勉強を常に行いながら、仕事をしています。基本的に医師の指示があるとはいえ、病気を持つ人の体や心の状況は大きな変化があり、その変化に自分の判断で冷静に適切に対応していかねばなりません。

高収入と言われる仕事には、奥の深い仕事内容があります。心身ともにストレスの多い仕事のひとつです。しかし、やりがいも生きがいもある仕事だともいえます。仕事内容に見合った収入なのかは、個人個人の感じ方考え方次第によるかもしれません。

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LITORA編集部

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