相手に好印象を与える、プレゼンのコツを掴んで最強のプレゼンターに
プレゼンのやり方1つで印象は変わる
話し方や資料のわかりやすさなどで自分の印象が大きく変わるプレゼン。営業職ではプレゼンのスキルは必須といっても過言ではないほど、日常的に行われるものです。自分の印象が変わるということは会社全体のイメージも変わるということ。社内だけでなく取引先との商談や講演会など、あらゆる場面でプレゼンスキルは役に立ちます。「プレゼンの前はどうしても緊張してしまう」という方もいるのではないでしょうか。今回はプレゼンのコツや資料作成のコツをご紹介します。
プレゼンする際の8つのコツ
相手の印象にしっかり残るためには何をするのがよいのでしょうか。プレゼンをするときはこれらを徹底的に行えば覚えてもらえる可能性がぐっと上がります。
【1】自己紹介をしっかりと行う
プレゼンを始める前にまずやらなくてはいけないこと、それは自己紹介です。自己紹介は自分を覚えてもらうための第一歩ですので、必ずフルネームで伝えましょう。緊張してしまうと名乗るのを忘れてしまったり、苗字だけではどうしても印象が薄くなってしまいます。あまり耳にしない苗字や名前は口にするだけでは相手も覚えにくいため、ボードに書いて伝えることをおすすめします。
同じ会社の、顔がよく知れた相手に対して行うプレゼンでは自己紹介は必要ありませんが、全く違う部署などの初めて会う相手に対しては自己紹介は必要です。自分の名前を言うだけでなく、所属している部署、簡単に特技や趣味を紹介することも印象に残りやすいでしょう。
【2】本当に重要なところだけを言う
プレゼンにおいて大切なのは、伝えたい内容をしっかり伝えて、かつ、聞き手が賛同してくれるように話すことです。そうするにはどうしたらよいのだろうと考えたとき、重要な内容を要点にしてまとめましょう。
要点もなるべく少なくするために、伝えたい情報をふるいにかける必要があります。できれば、3個か4個程度の数にしましょう。なぜなら、たとえば要点が両手で数えなければいけない数と片手で数えられる数の伝え方だと、人間の脳の構造上要点が少なくまとめられている方が耳に入ってきやすいからです。要点を話す前に、「ここは重要です」と伝えることも意識してもらえる一つの手段です。
【3】重要なところは繰り返して話す
みなさんはテレビの通販番組を見たことはありますか?番組内では価格に関することや電話番号など、重要なことは何度も何度も繰り返しています。このように、重要なことを繰り返すことでプレゼンの内容すべてが頭に残らなくても、繰り返し話していることは頭に残ります。
プレゼンの最後にはまとめとして繰り返すと、内容のおさらいにもなり締めくくり方としても使いやすいでしょう。「またその話?」と思わせないためには、重要なことをいくつかの単語で表すことも大切です。
【4】資料に書いてあることを読むだけはNG
プレゼンの場では資料に書いてあることと、書いていないことを7:3の比率で話すとよいとされています。なぜなら、資料に書いてあることをただ読むだけではプレゼンターは必要がなくなってしまうから。資料だけを配れば解決してしまいます。
資料と資料の間を繋ぐ説明をする、資料に書いてある言葉を噛み砕いて説明するのがプレゼンターの役割です。意味合いが同じ話をするときでも、資料に書いてある言葉はなるべく使わず、アレンジして話を言い換えるのがよいです。
【5】結論から述べる
プレゼンにおいて、結論から述べるということは聞き手の興味を惹くのに最もわかりやすい手段です。内容の一番伝えたい部分を絞りに絞って、「まず最初に結論を言うと」などの切り出しで伝えましょう。
なぜ最初に結論を述べるかというと、プレゼンの内容を先に話すと、さまざまな情報が聞き手の中で行き来してしまいます。そうすると前置きが長くて聞き手は次第に飽きてしまうのです。ですから、情報が行き来していて何が一番伝えたいのかがわかりにくくなってしまったとき、結論から話しておくと「自分がなにを伝えたいのか」が明確になります。
また、結論から話すことによって話の面白さが最初に伝わるので「続きを聞きたい」と思わせることができます。最初に結論から話し始めるだけでなく、最後にもう一度結論を話すと、内容がしっかり繋がるので理論づけしやすく聞き手の注目を惹きつけます。
【6】ベネフィットを述べる
その事柄の長所や利点を意味する「メリット」とは違い、自分がプレゼンする商品やサービスを利用することでどのような結果が得られるか、という意味を持つ「ベネフィット」。
プレゼンの場において受け手側のメリットを伝えるのはとても重要ですが、ただメリットだけを伝えていても聞き手はそのまま聞き流してしまいます。その先にある未来の話をすることによって、プレゼンを聞いた後の未来を想像させることができるので聞き手の興味をぐっと引き上げられます。
【7】批判はせずに比較をする
プレゼンの場に限らず、批判はマイナスな印象を持たせてしまう最大の失敗です。うまく比較する言葉に変えましょう。
例えば、プレゼンの内容がA社の商品と似ているとします。ですがここでA社の商品の欠点だけを並べてはいけません。「A社の商品はここがよくてここが人気の理由です、その商品をさらに使いやすくしたものを開発しました。」といえば批判をすることなく、お互いのメリットも伝えられるので聞き手の気分を害することなく進められます。プレゼンは相手の機嫌をとるための会ではありませんが、機嫌を損ねないようにするのは大前提です。
【8】聞き手に問いかける時間をつくる
聞き手の注目を引き付けるには、質問を投げかけるのも一つの方法です。「これはどうでしょうか?」や「これについてはどう思われますか」などの質問時間を作ることによって聞き手との言葉のキャッチボールがうまれるので、聞き手も興味を持ちます。聞き手の意見を聞き出す質問や、答えのある問題を投げかけるなど質問の方法はさまざまで、「聞くだけ」のプレゼンにならないので聞き手も飽きることなく過ごせるでしょう。
質問をする際には全体に問いかけるのもよいですが、聞き手を指名して答えてもらう場面を作ることもおすすめです。なぜなら、「自分も指名されるかもしれない」と思わせることができるので、その場にいる全員が考えるようになるからです。
プレゼンの話し方の4つのコツ
プレゼンは人前で自分を表現し、スキルを最大限使って提案する場。だからこそ、話す上で重要なことをまとめました。プレゼン以外にも使える話し方のコツですので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
【1】自信をもって堂々と行う
もしあなたがプレゼンを聞いていて、不安に思ったり、大丈夫かな?と心配になってしまう時はどんな時でしょうか。プレゼンターが不安がっていたり、自信がなさそうに話していると、聞いている方にも伝わります。聞き手を見ると緊張してしまい、声がだんだん小さくなってきて聞き取りづらくなってくると、聞いていても内容が頭に入ってくるのは難しいです。
発表は自信をもって、堂々と行うのが一番です。
発表する内容をしっかり理解し、練習を繰り返すことによって自信に変わるのでプレゼンの成功率はぐっと上がります。自信をもつといっても謙虚さを常に忘れてはいけません。大事な用語は強調する、わかりにくいところには説明を付け加えるなど、「自分がプレゼンをされたとき」を考えながら練習をするとよいでしょう。また、プレゼンの練習を動画に撮影して見直すのも参考になります。プレゼンが成功する経験は自分の財産といえるほど重要です。
【2】表情と動作を付けて飽きさせない
まず自分のプレゼンを飽きさせないために、笑顔を忘れないことを意識しましょう。これは相手に自信と余裕を見せるためであり、「表情の強張った人のプレゼンは自信がなさそうに見えるが、笑顔の人のプレゼンには自信が見える」ということから相手の心を動かすきっかけにもなります。
もちろん、ただ常に笑顔では意味がありません。ここぞという、見せ場にはしっかり真剣な表情で伝えないと、ふざけていると思われてしまうこともあります。言葉の所々で動作をつけることも重要です。体を動かしながらプレゼンをすることによって熱意を伝えることができ、聞き手の視線を集めるので飽きさせないと同時に印象も残りやすくなります。
【3】声のトーンを使い分ける
人は緊張すると自然と声のトーンが下がってしまいがち。聞き手もそれだと飽きてしまいますし、聞こえるように神経をすり切らしてしまっては内容も頭に入ってきません。人前で話すときはいつもよりも声のトーンを高くすることを意識しましょう。もちろんボリュームも意識することを忘れずに。声のトーンを高くすることを意識しすぎてうわずってしまうことのないよう、やりすぎには注意しましょう。そうすることで、自分がリラックスした状態で始められるので、心に余裕が出てくるからです。
強調したい部分や大事な内容は少しトーンを低くして、使い分けることによって聞き手への印象は大きく変わります。低いトーンでもしっかり聞き取れるように、口を大きく開けて発音しましょう。
【4】話の区切れに無駄なノイズを減らす
「あー」、「えーと」、「あのー」など、話の前に詰まったかのように何度も出てくるこの言葉、プレゼン以外でもよく耳にします。これらはノイズと呼ばれ、話し手は無意識に発音してしまっていても聞き手からは無駄な雑音でしかありません。飽きさせるというより、イライラさせてしまう可能性が出てくるので、できる限り減らしましょう。
ノイズが出てしまう原因としては、緊張して早口になってしまい、話す内容に頭が追い付かないために出てくることが最も多いです。落ち着いて、話す内容を頭でしっかり考えながらゆっくり話すとノイズは格段に減ります
プレゼン資料作成の4つのコツ
資料はプレゼンで話す内容を手助けしてくれるもの。「どれだけ聞き手の心を動かせるか」に資料が大きく関わってくることも。聞き手が途中で見ることをやめないような資料の作り方をしましょう。
【1】テーマを明確にする
まず、資料を作成する際はテーマをしっかり設定するところから始めましょう。テーマが明確になっていることによって、より説得力があり聞き手も頷きやすい環境が作れます。テーマを決めるときはプレゼンの目的、聞き手が誰なのか、プレゼンする場所、1番伝えたいことを意識しましょう。
例えば、「聞き手の心を動かし実行に移してもらえるように、同じ会社の同僚や上司なのか取引先なのか、広さはどれくらいあってプロジェクターなどは使えるのか、このプレゼンの大きな内容はなんなのか」を考えるとテーマが設定しやすいです。
【2】目次を大まかに考える
テーマ設定が終わったら、次は目次を大まかに考えましょう。ページ数などはあとから決めるのもよいですが、バランスよく内容を盛り込むために目次と一緒に早い段階でページ数も決めておきましょう。「プレゼンをする際のコツ」にもありますが、先に結末や盛り上がる場面を持ってきて、あとから分析やデータをいれると聞き手はその先が聞きたい感じるのでよいです。起承転結を意識してストーリー仕立てにするのも耳に入ってきやすいです。
プレゼンをストーリー仕立てにするのも効果的です。問題解決に向けたプレゼンであれば、「空・雨・傘」を意識しましょう。「空が曇っている、雨が降りそう、傘を持って出よう」という意味で、「事実を認識し理解して解決する」という流れをプレゼンに活用しましょう。
【3】短くインパクトのあるフレーズを入れよう
プレゼンにおいて長い文章は相手の集中力を削いで飽きさせてしまうので好ましくありません。文字の量をできる限りまで減らし、重要なフレーズを短い箇条書きにして入れてみてはいかがでしょうか。インパクトのある文章で相手の心をつかむことが大事。
「覚えやすい」という意味をもつ、「キーフレーズ」を作ることも、聞き手の記憶に残しやすくおすすめです。コマーシャルのキャッチコピーなどは覚えやすいフレーズに溢れています。全くテレビを見ていないときでも生活の中でぱっと頭に浮かんでくるものがあるのではないでしょうか。音楽と一緒に映像やフレーズが頭に残ります。それをイメージしましょう。音楽はなくとも、一呼吸している間に言えるほどの長さを意識して作ってみましょう。
【4】文字情報を入れ込み過ぎない
どんなに伝えたいことが多くあっても、文字の量を入れ込みすぎてはいけません。その分理解するのが大変になりますし、文字も小さくしなければならなくなる可能性もあります。文字が小さいと見る気も失せてしまい、プレゼンを聞くのが嫌になってしまうことも。
要点をまとめる、大事なフレーズは文字を大きくしたり色を変える、各要点には情報を詰め込みすぎないことが、資料作成の重要なポイントです。
パワーポイントでの資料デザインの6つのコツ
パワーポイントでのプレゼンをおこなう際の主役は聞き手です。聞き手が見やすい、わかりやすいと感じるものでなければなりません。どういうデザインをしたら見やすくわかりやすい資料ができるのでしょうか。
【1】表の数字は主張したい数字を強調
表作成では主張したい数字を強調することが大切。色を変える、フォントを変える、サイズを変えるなど、注目してもらいたい数字の部分は表の色を周りと別にするのも見やすくする一つです。棒グラフなどはメモリが細かすぎると見えにくくなり、その分主張したいデータがどれなのかわからなくなってしまいます。
グラフの内容によって棒グラフを使うか、円グラフを使うかなどの調整もしましょう。グラフの形式が違うだけで見やすくなることもあります。
【2】スライドの文字は見やすさにこだわる
スライドで一番重要なのは、文字の見やすさ。フォントや大きさ、行間隔にもしっかり気を配りましょう。
フォント
フォントは、文字をすぐ認識できる(可視性)、読みやすい(速読性)を参考にすることをおすすめします。Windows Vista以降のパソコンではメインフォントとしてメイリオが使用されており、こちらは可視性が高いフォントです。文字の特徴としては横に長くプレゼンの資料には最適ですが、文字のサイズを小さくした場合潰れて見えにくくなるという欠点があります。
フォントのサイズ
フォントのサイズは28~30ポイントが見やすいとされていますが、これは会場の広さやスクリーンの大きさによっても変わってきます。フォントサイズ比較表などを参考にしながら見やすいサイズで作成しましょう。もしも、パワーポイントで作成した資料を印刷するのであれば、A4サイズの紙に16ポイントが見やすくおすすめです。また、タイトルと内容で文字のサイズを変えると読みやすくなります。
行間隔
行の間隔にも気を配りましょう。パワーポイントの初期設定では狭すぎる可能性があり、行間隔が狭くなってしまうと文字を詰め込んだように見えてしまいます。フォントサイズの0.7行分の行間隔が丁度良いとされており、しっかり確認しながら設定しなおす必要があります。
字間
行の間隔だけでなく、字と字の間隔もとても大切です。こちらも初期設定では狭すぎる可能性があります。一行に入れる文字数として読みやすいとされているのが、35~40文字。メイリオを使って作成する場合、横に文字が長いのが特徴ですので、そのまま文字がぎっしり詰まって見えにくいです。
字間を広くする設定もあるので、文字の量などを考慮しながら行ってみましょう。行間もそうですが、狭すぎても開けすぎても見えにくくなってしまいます。
箇条書きの行数
要点をまとめて伝えるのに多く活用される箇条書きですが、スライド1枚につき6~7行で作成するのがよいとされています。箇条書きの行数が多いと聞き手はスライドを読むことに集中してしまうだけでなく、文字が多い事によってスライド一枚に情報すべてをおさめようと文字が小さくなってしまいます。
【3】要点のみを箇条書きにする
箇条書きはスライドを見やすくし、聞き手に伝えたいことをわかりやすく伝える最も適切な手段です。箇条書きは普段の生活でも重要性を持ち、例えば買い物リスト、やることリストなどを箇条書きでまとめる人も多いのではないでしょうか。プレゼンの場で箇条書きを使用することは大きな時間短縮にもなり、聞き手も長文を読むより簡単に内容を把握することができます。
ここで重要なのが1行の中に詰め込む文字の量。多いとせっかくの箇条書きがただの文章になってしまいます。要点をしっかりまとめましょう。要点も、内容の核心を突く部分は出さずに、聞き手が説明を聞きたくなるように作るのがポイントです。行間や文字のバランスを見て箇条書きの順番を構成できればなおよいです。
【4】背景は白色がおすすめ
スライドの背景は伝えたい内容がはっきり見えるように、画像やイラストを使わず、白色で作成することをおすすめします。白であればこの先重要なフレーズを色で塗りつぶしたり罫線でアンダーラインを付けるときに見やすく、そして強調してくれます。スクリーンに投影する資料は背景を黒にしている場合も多くみられますが、白であれば印刷する際も毎回調整しなくてよいのです。
【5】使う色は同系色でまとめたほうが良い
パワーポイントを使って資料作成をする際は、テーマになる色を決めましょう。全体を通してみたときに配色が一番多くなる背景色、資料のイメージや印象をつけてくれるメインの色、目立たせたいときに使う強調色の3色くらいが目安です。比率としては70%:25%:5%が目安です。テーマカラーを決めて資料作りをすることによって、「この色は重要なことを伝えている色」だと聞き手に思わせることができ、重要な部分と他の部分の見分けがつきやすいという利点があります。
色使いも好きな色や綺麗だなと思う色を適当に詰め込んではいけません。色相環というものをご存知でしょうか?対になっている色や近い色が一目でわかる図ですが、色相環を見ればどの色にどの色を組み合わせれば目立つかがよくわかります。スライドやプリントする資料はできるだけ色の彩度を下げた配色にします。なぜなら、ビビットカラー使うと目が痛くなる、疲れるなどのことが起きるため。少し暗さのある彩度で資料作成をすることによって見やすくなります。
また、白い背景に真っ黒な文字も強調が強すぎて目を疲れさせてしまいます。そんな時は、濃いグレーを使うことによって視覚的負担を減らすことができます。
【6】イラストなどのイメージ画像をポイントで使用
スライドにプレゼンの内容に関係するような、あるいは連想させるような画像を挿入することは多々あります。この記事でもそうです。プレゼンとはまた違いますが、タイトルを連想させるような画像を挿入しています。プレゼンの場ではスライドの表紙になるページや、最後のページ、話がいったん落ち着くところなどに画像を入れると印象に残りやすくなります。
例えば、大事な商品の開発に関するプレゼンで、聞き手は他社の人間であるとします。みなさんは最後のページにどんな画像をいれるイメージをしますか?他社との共同開発や、開発した商品を取り扱ってもらおうとする場合、握手をしている画像だと前向きな締めくくり方がイメージできます。プレゼンの状況や内容に応じた画像を使用してみましょう。
より良いプレゼンにするには
プレゼンをするにあたり準備はとても大変です。苦労して作り上げたプレゼン内容だからこそ、成功させたいもの。「よくあるプレゼン」にまとめられないようにするために、プレゼンをよりよくする方法をまとめました。
自分の体験も交えて話す
資料をもとに理論ばかりを話していては聞き手は確実に飽きてしまいます。飽きさせないためにプレゼンは面白くする必要があります。面白くといっても、踊ったりふざけたりするわけではありません。聞き手が一番面白いと感じるのは、自分の体験談を盛り込むことです。そうすることによって聞き手は自分に親近感を持ち内容に共感しやすくなります。
堅苦しくなりがちなプレゼンこそ、身振り手振りを加えた体験談などを交えて話すと、自分も肩の力が抜けますし、聞き手の興味も惹きつけることができて双方によい影響があります。
意見を述べる際はクッション言葉で和らげる
自分の意見をプレゼンの内容に混ぜるときは、「賛否両論ですが」や「いろいろなお考えもありますが」の言葉を入れると批判的にもならず柔らかく相手に伝わります。「自分の意見をいう」ということは必ず、反論がうまれます。プレゼン中にその場で反対されるということはあまりありませんが、意見をいう前のクッションとして忘れずに伝えてから自分の意見を発言しましょう。
適度な間を作り意識を集中させる
プレゼンの最中は聞き手はさまざまなことに意識が向きます。資料の内容、スライドのグラフや写真、聞き手の声に耳を傾けることにも意識がいきます。もしあなたが聞き手の側であれば、全部に意識を集中させることはできますか?人間は同時にいくつもの作業ができる人とできない人に分かれます。聞き手全ての人が同時にいくつも意識を集中できるとは限りません。むしろ、いろいろなところに意識が拡散してしまう人の方が多いです。
そんなときこそ、間を作ることで一味違うプレゼンになります。スライドのページを更新した時など少し間をあけて、聞き手が目を通す時間を作りましょう。印象的な写真があれば、一言「ご覧ください」と話して時間を空けると、聞き手は見ることだけに集中すればよいのですから、落ち着いてプレゼンを聞くことができます。
プレゼンの練習方法
「相手をジャガイモやニンジンだと思って」や「本番前に人という字を3回手に書いて飲み込む」など、緊張する場面での行動としてよく耳にしますが、「効いたことがない」という人もいるのではないでしょうか。緊張しても練習通り進められるために、有効な方法をまとめたので参考にしてみてください。
1、録画して客観的に確認する
プレゼンの有効的な練習方法として、自分のプレゼンを録画して見直すことがあります。録画するのは少し恥ずかしく感じるとは思いますが、実際に映像として客観的に自分のプレゼンを見ることは自分の課題や苦手なところに気付けるのでとても大切です。
また、録画した映像を上司や同僚に見てもらうことも重要。自分だけでは気付かなかった欠点が他人の意見として気付けることで、聞き手の目線を見ることができるでしょう。
2、時間を計りながら行う
いくら資料や上手な話術を持っていても、決められた時間以内にプレゼンできなければ意味がありません。先ほど説明した、「要点をまとめる」ということにも似てきますが、テレビコマーシャルなどではいかに短時間で画面の向こう側の人に伝えたいことが伝えられるかが重視されています。それと同じで、プレゼンもいかに決められた時間の中で人の心を動かせるかが大切です。
最近では時間を計る携帯アプリなども多くあり、途中一定間隔の時間で画面が光ったりバイブでお知らせしてくれるものもあります。練習では大いに役立つので、ぜひ自分に合ったやり方を見つけましょう。時間は無限ではありません。
3、有名なプレゼンテーションを見て学ぶ
自分がプレゼンをする上で有名なプレゼンを見て練習することは最も大切です。テーマは違えど、話の構成の組み方、基本の立ち振る舞い、笑いの取り方など、「誰かを参考にする」ということは手本があるのと同じで、「どうやればこの人のようにできるか」を考えるのは自分の練習に大きな成果をもたらしてくれるでしょう。
もし時間に余裕があるのであれば、まず何もお手本がない状態で行うプレゼンを録画し、そのあと有名なプレゼンを動画や本で見た後にまた録画してみてください。誰かに刺激される前とされた後では、自分でも驚くほど見違えるものです。話の構成の仕方は本やネットの情報でも理解できますが、立ち振る舞いや笑いの取り方、力の抜き方は映像でしか把握できません。
プレゼンで緊張しない方法
そうは言っても、「緊張しない」のは無理に近い話。自分で緊張しないやり方が把握できているならまだしも、人前に立つだけで汗をかいてしまう人もいるほどです。ここからは上手に力を抜く方法をご紹介します。
緊張するのは当たり前のことと理解する
日本はもともと学校で発表やスピーチをすることがあまり多くありません。ですから、人前でスピーチするときに緊張してしまうのは慣れていないので当たり前のことです。プレゼンの場も例外ではなく、緊張していなさそうに見える人は、「実は緊張しているがうまく隠せている」か、「プレゼンや発表の場を何度も経験して慣れを習得している」のどちらかです。
緊張してしまうのは人間の心理的作用なので、もし緊張することで異常さを感じていたらこれは当たり前のことだと考えるようにしましょう。
相手に伝えることに意識を集中させる
人間はどうしても緊張していると、緊張しないようにしないようにと考えてしまいます。ですが、その思考は自分に意識が向いていて余計に緊張してしまいます。相手に内容を伝えることに集中しましょう。相手の表情や姿勢に意識を向けてみてはいかがでしょうか。
どんなに練習をしても、予想外のトラブルや質問があると緊張してしまいます。「この内容はどんな質問をされることが予想できるか」を考えて答えを用意した練習の仕方をすると、突然質問を投げかけられてももたつくことはありません。突然の質問に素早く答えることができるとその分自信にも繋がりますし、緊張している自分のことは忘れてしまっているでしょう。
練習をたくさんして丸暗記してしまう
いくら時間の短いプレゼンでも、話す内容を丸暗記するのはとても難しいものがあります。ですが、台本を作ってみたらどうでしょうか?話す言葉はもちろん、動作や間の作り方など、本番をイメージして細かく書きます。先ほどもあげたように、人は予想外のできごとがあると緊張が増します。細かい台本を作成した時点で、一度プレゼンをしてるようなものですので、練習も始めやすいのではないでしょうか。
実際に練習するときも本番のように立って身振りもつけて話しましょう。何度も練習しているうちに、体の動きにセリフが付いてくるようになります。もっとよいのは、ある程度セリフを暗記したら実際にプレゼンする会場で同じように、相手がいる想像もしながら練習するとしっかり記憶に残ります。
始まる前に勝者のポーズで緊張を和らげる
社会心理学者のエイミーカディが、講演や面接などの前には2分間人目のつかないところで勝利のポーズをすることによって自分に及ぼす影響について説いた講演があります。体を小さく丸めていた場合と、体を大きく広げた場合ではそのあとの評価されるような場面で大きく違いが出るというもの。
体を小さく丸めることは自信の無さを表し、逆に体を大きく広げて見せることによって力があると思わせることができます。胸を張り両手を上げる姿勢は身体を大きく見せるポーズとしてもっともわかりやすいもの。徒競走やマラソンで1位をとった時にする、あのポーズです。一人になれる空間でこのポーズをし、できれば胸いっぱいに息をため込んで大きく声を出します。そうすることによって気合が入り、本番の緊張度はぐっと和らぎます。
水を飲んで心を落ちつかせる
プレゼンや発表会の場には水が置いてある光景を多く目にします。水を飲むことは自律神経を整え心を落ち着かせる作用があります。水を一口飲むだけで喉が潤うだけでなく心がリラックスし、適度な間も空くので、一呼吸置いた話し方ができます。
ただし、たくさん飲むのは厳禁です。プレゼン中に尿意を感じてしまう可能性が高く、もしも尿意を感じても当然トイレには行けないからです。目安としては500mlのペットボトル一本。水を飲む際には堂々と飲むのではなく、話の切れ目などに後ろを向いて聞き手からなるべく見えないように一口二口の量にしましょう。
深呼吸して呼吸のリズムをつくる
「緊張したときは深呼吸をしましょう」といわれたことや、なにかで読んだことはありませんか?ゆったりした呼吸をリズム的におこなうことで落ち着きを取り戻す効果があります。ゆったりした呼吸を自分で意識して感じることによってさらにリラックスする効果もあり、目安は2秒間息を吸って8秒間息を吐くことです。
緊張が強くなってきたと感じたら目をつぶって自然体でいることを意識してみましょう。
胸を張り姿勢を正す
日本人に多く存在する猫背や、体が縮こまっていると喉の緊張がほぐれず、はっきりした声も出せません。まず、肩甲骨と肩甲骨を寄せることを意識します。そうすると自然と肩が起き上がり胸を張った状態になります。頭を上から引っ張られてることを意識することも重要です。
姿勢を正したら、喉の緊張を解くことも意識します。喉を床と平行にすることが基本の姿勢です。そして、一度天井を見上げて元の位置に戻すことで、喉がリラックスした状態になります。
家族などの親しい人の写真を見る
緊張した時こそ、見慣れている人や家で飼っているペットの写真を見ると心がリラックスするので緊張がほぐれます。親しい人の写真だけでなく、緑の画像などもリラックスには効果的です。
そして一緒に頑張ってきたメンバーや、家で待っている家族のためにプレゼンを成功させるぞという意欲を持つことで緊張は落ち着くでしょう。
プレゼンに関するおすすめの本
プレゼンの初心者がコツを掴める読みやすい本をまとめました。実践できる内容が多くのっているので、参考にしてみてください。
プレゼンかけこみ寺 天野暢子
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プレゼンの「恥ずかしくて聞けない」ことや「どうしよう」と思うようなことを、88問のQ&Aで紹介。著者は25年の現場経験があり、プレゼンスキルだけでなく社会人のマナーやビジネス作法などについても書かれているので、プレゼン超初心者の人や就職活動中の大学生にも自分の売り込み方を教えてくれる一冊。「仕事の受注につなげる」ことの重要さが書かれていてプレゼンの基本と原点を再認識することができます。
プレゼンは「目線」で決まる NO.1プレゼン行使の人を動かす前77のメゾット
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人間の脳が「いま目で見ている情報」だけを理解しようとすることから、話ベタの人が相手をくぎ付けにするスライド、トーク、シナリオ3つのコツを、IT業界で圧倒的実力を誇るプレゼンの講師が紹介してします。交渉や打ち合わせ、セールストークなどさまざまな場面で「本当に使える」技術が満載で、最速最短で成果につながるプレゼンの極意が書かれた一冊。
コツを掴んでプレゼンを成功させよう
いかがでしたでしょうか。プレゼンを成功させるコツは多くあっても、実際に相手の心に響く使い方をしなければ意味がありません。プレゼンや講演会が当たり前のように多くおこなわれている時代ですし、「誰かと同じようなプレゼン」では相手の記憶に残りません。しっかり覚えて自己流のプレゼンスタイルを作りましょう。誰でも参加のできる人気の講演会などに足を運んでみるのも多くの刺激がありおすすめです。