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インタビュー

これからの時代に必要なロールモデルを探しにいく場を提供したい【キャリアと私#1 河野千佳世さん】

【キャリアと私】これからの新しい時代を生きる女性にとって考えておくべき"キャリア"とは何か?多様化する働き方の中で、自分にとって心地の良いキャリアとは?同時代を生きる女性にインタビューしながらキャリアについて考えていきます。

今回お話しをお伺いするのは、まるで華が咲いたようにふわりとした優しい笑顔がとても印象的な河野千佳世さん。

現在は、株式会社プラスセン代表取締役 兼PRデザイナーや、クロアチア セレクトブランド「クロアチカ」の代表を務めるなど、自分らしいキャリアを積み重ねていらっしゃいます。クロアチア人の旦那さんとお子さんがいらっしゃり、仕事と家庭を上手に両立しながら活躍している彼女ですが、実は自身でも「こんな風に私が、自分でスタートアップする(何かを始める)とは全く想像していなかった」のだそう。

彼女の経歴や考え方、どのようにしてスタートアップ(独立)するに至ったのかや、定期的に開催されている働く女性たちのための「startuproom(スタートアップルーム)」についてもお話をお伺いしました。

7月28日(日)第二回startuproomトークイベントの詳細を知りたい方はこちら

とても恥ずかしがり屋だった幼少期
父の影響で海外にも目を向けるように

―早速ですが、まずは河野さんの経歴からお伺いできますか?

「私は大学で日本文学を専攻しました。実は“自分とは違う文化に触れたい”という気持ちが強くて、大学では外国語を学びたかったのですが、まずは外を見る前に、自分の国の文化を理解していくことが大切だと直感的に思ったんです。まずは自分の育った国の文化に矢印を向けたんですね。この時の経験は、このあと、社会人になった後約2年間イタリア・ミラノに留学したのですが、そこで日本の文化や歴史について聞かれることが多くて、とても役に立ちました。本当によい選択だったなと、昨日(インタビュー前日)改めて振り返ってみて、思いました(笑)」

―どうしてイタリアに留学されたのですか?

「高校生のときに、はじめて母に連れられて旅行したのがイタリアだったんですけど、私はちょうど思春期まっさっかりで、悶々としていたものがあるタイミングだったんですよね。だけど、イタリア独特の“いい加減”さがすごくマッチしたんです。『チャオ』っていう言葉だけで人と繋がれて楽しめる。人生楽しもうよ!と言われているようで、その感覚がすごく心に響きました。いつかイタリアに行きたい!という気持ちが高まり、帰国してからは、ラジオやテレビなどで、語学を勉強しました」

―子供のころから海外への興味が強かったのですか?

「いえ。実はもともとは、とても恥ずかしがり屋でした。祖母は、『あんなに恥ずかしがって、海外には行きたくないって言ってた千佳ちゃんが、留学までして、まさかクロアチアの人と結婚しちゃうなんて』と驚いています(笑)」

―そうなんですね!とても意外です。好奇心旺盛になったきっかけがあったのでしょうか?

「父が20年ほど単身赴任で中国にいたので、その影響で私もよく遊びに行っていて、中国各地を回ったのですが、そのときの経験が大きかったと思います。父からはたくさんのことを教わりました。例えば、食文化の違いに驚いた時も拒否するのではなく積極的に楽しみました。現地ではそれがごちそうだったり、おもてなし料理だったりするわけです。彼らが美味しいと思う料理を一緒に食べることで、彼らと一緒の価値観を共有できるんですよね。

そうすると人としてより深いコミュニケーションをとることが出来る。これを身に着けたことで経験できた大切な時間がたくさんあるので、もっともっと知りたいと好奇心旺盛になったのだと思います。」

独自の視点から自分らしく
発信できる女性が求められる時代に

―確かに、海外での常識と日本の常識は異なることがありますよね。

「まさにそうなんです。日本で大事にされている常識が、海外では全く価値のないものだったりします。

日本ではルールを大事にする傾向があるなと感じていて、もちろんそれが決して悪いことではないけれど、そこにこだわっても仕方がない場合もあると思います。ITの進化などで、無くなってしまうと言われる職業があるなど、今まで当たり前だと思っていた常識が崩れつつありますよね。」

―日本の女性と海外の女性を見て違うと感じる点はありましたか?

「海外の女性は特に、芯の強さを感じました。私は中国・イタリア・クロアチアの女性を見てきていますが、どの国の女性もしっかり自分の意見を発言していたりして、その姿がとてもステキだったんです。私もこうあるべきだなと思っています。

日本も女性の活躍の場や環境がだいぶ整ってきていますが、海外から見るとまだまだと感じることがあります。そういう社会を少しでも変えるには、女性としてしっかり意見を主張して、声を上げていく必要がある。

だからこそ、今後は独自の視点から自分らしさを発信できる女性がもっと増えてくれれば、女性の活躍できる場はもっと広がっていくと思っています。」

人とつながることで可能性が増えていく

―イタリア留学のあとは、アパレル、そして食の分野へと移られますよね。広報というお仕事はどのように出会ったのですか?

「食の業界で、初めて広報を担当しました。広報は全くの未経験だった私を、社長がいきなり抜擢したんです。当時はびっくりしましたが、おかげで仕事に対する喜びをより強く感じられるようになり、いまではとても感謝しています。

当時の上司は、私がやる仕事に対して一切否定することなく見守り、認めてくれたんです。だから私は広報として、いかにメディアに取り上げてもらうかを、日々自分なりに試行錯誤し、小さな成功体験を増やすことができました。

―どんな試行錯誤をされていたのですか?

例えば、私の場合はメディアや出版社によく足を運んだり、丁寧に手紙を書いたり、名刺を工夫したりなどしていました。

まずは覚えてもらうこと、そして一回お仕事でご縁があった人とはそのあともご縁がつながるように、関係を続けるを大切にしていましたね。

その広報の活動の中で出会った魅力的な人たちとは、今もよい関係が築けていますし、多くの人とつながっていたことで、仕事をする上でも、新しく何かを始める時でも、すごく助けられた経験があります。

何かを新しく始める時に、いいアドバイス頂いたり、新たに人を紹介してくれたり、応援してくれたりと。結果、自分が想像していた以上の結果を残せたりすることもありました。

私も多くの人に助けられてきたので、人とつながることで得られる喜びだったり、新たな可能性を、出来るだけたくさんの人とシェアしたいです。私の広報で培った人脈は必要な人にどんどんつなげて行きたいと思っています。」

妊娠・出産・病気を乗り越え
やりたいことをしようと独立を決意

―充実した仕事の環境を手放して、スタートアップ(独立)しようと思ったのはどうしてですか?

「広報の仕事の喜びを知って、もっと仕事の範囲を伸ばしたいと考えていたところに、出産や病気を経験したことがスタートアップする大きなきっかけになったと思います。

産休に入る2ヵ月前に、切迫早産で突然出産・育児休暇に入ることになりました。ご迷惑をかけてしまった分、早く取り戻したいという気持ちが強くなって、実際に復帰してみたはいいのですが、“何か違う”という違和感が高まりました。

離れた時間が長かったことで環境が変わっていたり、私自身も子供のお迎えで残業もできない、仕事と育児で時間がなくて、常に早いスピードで流れるベルトコンベアーの上にいるような感覚。こんな生活がいつまで続くのか…と不安になりました。

もっと緩やかに、自分のペースで働ける場所を探したいと思って、まずは転職を考えました。だけれど転職してみても自分の理想通りかは会社に入ってみなければわからないところも不安でしたね。

そんな悩みを抱えているときに、定期健診で初期の子宮頸がんが見つかり手術をすることになりました。もし定期健診で病気が見つかっていなかったら、このままベルトコンベアーの上で働き続けて、両親よりも早く亡くなっていたかもしれないと思うと、『日々に流されている場合じゃない』と強く感じるように。

また、そのあとに夫の実家があるクロアチアに帰省したのですが、そのときに国籍や肩書に関係なく、こんなに歓迎してくれる人がいるということを実感して『自分のやりたいことをやらないなんてもったいない!』と確信して、独立を決意しました」。

―スタートアップを決意した時に、不安はありましたか?

お金の不安はありましたね。スタートアップ(独立)するには、まとまった資金が必要ということや手続きが難しいというイメージがあり、なかなか行動には移せませんでした。

ですが、スタートアップ経験者の話を意識的に聞いて、情報を集めることで、「私にも出来るかもしれない」と不安が消えたのを覚えています。

その後も、友人には相談したり、お互い支え合って進んできたことはとても大きな経験でした。

自分のやりたい事を少し先を行くロールモデルに出会うことで、自分がイメージしているよりもっと簡単に新しいことは始められる!ということを、これからスタートアップしようとしている女性には伝えていきたいですね。」

何かを始めたいと思っている女性の
背中をそっと押しながら支え合う

―今回河野さんがキャリミング・キュレーターとして導くイベント「スタートアップルーム」は、ロールモデルに出会える場とに伺っています。どんな内容のイベントなのでしょうか?

「いろいろなスタートアップの経歴を持つ女性たちをゲストに迎え、彼女たちの経験を共有していくトークイベントです。

彼女たちの経験の中に、スタートアップ(=なにかを始めること)できる秘訣が隠されています。お話しを聞きながら、『それなら私もやってみようかな!』と思ってもらえるような気づきや、実際に一歩を踏み出せるよう背中を押せるような内容にしたいと思っています。私はキャリミングキュレーターとして、みなさんをナビゲートしていきます。」

―次回は7月28日(日)に開催を予定していらっしゃいますが、今回はどんな方をゲストで呼んでいらっしゃるのですか?

「第二回目のゲストは、株式会社アイドマ・ホールディングス冨田梨紗さんと、「勇気づけのお片づけ」を提唱されている丸山郁美さんの2名の方をお呼びして、お話しをお伺いしていきます。

冨田さんは、日本最大規模の在宅ワーク「ママワークス」の運営担当者として、限られた時間内でも働きたい女性の想いと情熱に日々触れている方です。いま、時代に求められている働きかた、企業からの要望をひとつひとつ丁寧に見つめながらも、女性らしい視点から多様化する現代社会の在宅の「可能性」と「キャリア」を一番見ている女性と言ってもいいと思います。

丸山さんはアドラー心理学とお片づけを組み合わせた独自のお片づけメソッド「勇気づけのお片づけ」を提唱されています。自身の子育ての経験と偶然の出会いから導かれたスタートアップをひも解くことはひとつのロールモデルとして身近に感じていただけると思います。

誰かの当たり前が自分の特別な毎日になるスタートアップの面白さ、「快・不快」という素直な気持ちにまずは向き合うこと、モノが片付くプロセスでのときめきや“結果”以上にそこに見え隠れする心理や人間関係、そして素直に生きる心地よさをとても大切にされています。お二人の専門知識をリンクさせると自然な形で女性の活躍の未来が明るく見えると思いました。」

ー河野さんから見て、ゲストお二方のどんなところに注目して欲しいですか?

「在宅ワークの最新動向や今の時代に在宅ワークが選ばれる理由の数々など、どんどん広がる選択肢の可能性に触れるだけでもヒントが降り注ぐことになるのではないでしょうか。働きかたそのものの新しい当たり前がすぐそばにやってきているのかもしれません。

在宅で心地よく働く環境のつくり方、モチベーション維持の工夫などがみなさんの働きかたにも参考となり、明日からの働きかたが変わってくると嬉しいですね。

お片づけには人それぞれに悩みがありますが、当日は自分の性格や悩みのタイプが診断できるワークを用意しています。ワークを通じて自分のキャラクターを知り、向き合う時間も貴重だと思います。モノを片づけているようで実は心の整理をしていること、その見えない効果や人間関係のあり方まで自分らしい働きかたのヒントとして可能性をお伝えできたらと思っています。」

ーこれからの女性がキャリアについて考える時に必要なヒントがたくさん伺えそうですね。

「一見、在宅ワークとお片づけというかけ離れたワードのようですが、実は密接に絡み合っています。女性ならではの繊細に感性を信じるひとつひとつの行動、スタートアップルームをはじめとするコミュニティを通じて自分の価値を高められるリアル社会は私が提唱する“キャリミング”にもつながる要素がたくさん詰まっていると考えています。女性が自分らしく働くことで成し遂げられること、明るい未来が目の前に広がることを実感いただけると嬉しいですね!」

7/28(日) 第二回スタートアップルームのトークイベント
詳細&お申込みはこちら

“ささやかだけれど、きっと届く何か”
みんなと共有できる場所を作りたい

―新しい時代の女性の働き方についてお伺いします。これからの時代必要なキャリアの考え方とはなんでしょか?

「今までの“キャリア”の考え方とは、一人での経験を縦に積み上げていくことがメインでした。しかし、私自身もそうでしたが、女性は結婚、出産、病気、介護などで方向転換しなければならないこともあります。今、新しい時代に必要なことは自分が楽しいと思えることを楽しんでつながりを大切にして心の幸せを増やしていくことだと考えています。

そんな時に、自分の感性を信じて複数のキャリアを持つことでスムーズに方向転換できたり、自分の支えになったりすると思うんです。スタートアップルームでは、キャリアを縦に積み上げるだけではなく、横に広げる“キャリミング”という新しいキャリアの概念をお伝えしていきたいです。」

―あまり聞きなれない言葉ですね。“キャリミング”とはどういう意味ですか?

「キャリアを自分に合うようにプログラミングするという考え方で、“キャリア+プログラミング”から出来た言葉です。

例えば、自分の体調や環境によって仕事にかける時間の割合は、時々によって変えてもいいと思っています。今は仕事をがんばる時期だったり、少しセーブする時期にしたり、自分でコントロールしながらキャリアを広げ、続けていくことが大切です。

そのためにキャリアにバリエーションを持たせ、いろいろな可能性があることをまず知ってもらうこと、そして柔軟に組み替えられるようなしなやかなキャリア形成ができるようお手伝いしたいです。」

―そのためにロールモデルにたくさん会って、自分の中にいろんなキャリアの引き出しを持っておくことが重要なんですね。

「そうです。ロールモデルを見つけるというと、ある特定の人物やひとつのキャリアを見つけるというイメージが強いですが、これがなかなか難しく、ロールモデルが出会えず悩んでいる人も多いと思います。

なので、ロールモデルは必ずしも人だったり、ひとつではなくていいと思っています。それぞれで感じたロールモデルの良いところを、自分の中に取り込んでいって頂きたいです。今回のトークイベントではそれを出来る場となっています。

またイベントに参加しているみなさんで、リアルタイムにコメントを共有できる新しい仕組みをご用意しました。イメージはライブ配信の時に出てくる視聴者のコメントのような感じです。みなさんが何を感じているのか?どう思っているのか?を共有できれば、より深い学びの場になるのではないかと考えています。」

―なかなか意見を言うことや質問することが出来なかったりする人も多いですが、そのような人でも参加しやすいですね。

「先ほどお話しした自分の意見をしっかり主張する海外の女性に比べ、日本の女性はなかなか自分の意見を主張する人は少ないように思います。
日本人の気質もありますが、意見を言っても変わらない環境であったり、声を上げる場が少ないことも原因だと思っています。

だからこそイベント内では、どんなに小さな意見でも発言しやすい環境で、意見を認め合うことで、同じ想いの仲間の輪を広げていきたいです。

また、大きな目標としては、1人1人の意見は微力でも、多くの女性の意見や声を集めることで、大きな力を持ちます。その声に、企業や団体にも気が付いてもらい、なにか社会全体に大きな影響を及ぼせるようになりたいと考えています。

そうすることで、もっと女性が自分の好きなことでスタートアップ出来るような社会、女性にとってもっと働きやすい環境を作っていきたいですね。」

―最後に、どんな方にこのトークイベントに足を運んでもらいたいか、また、働く女性たちへメッセージをお願いします。

「スタートアップルームは、これから週末に何か初めてみたい主婦の方や会社員の方、何かやりたいと思っていることがある方、やりかけている方にぜひ来ていただきたいです。ここは、実際にそうした小さな想いから行動に移して成功した人に出会える場所だからです。

このトークイベントでは少し先を行く様々なロールモデルをのぞき見することができます。人は未来が見えないと不安になりますが、その未来の扉を開けた向こう側が見えると安心しますよね。

今後は、イベントだけではなくWebサイトも立ち上げる予定です。ひとりひとりに合ったいろいろな扉を用意していこうと思います。そこでたくさんの共感が生まれて、ひとりでも多くの女性たちが手を伸ばして、明るい未来の扉を開けて進んでいけるお手伝いができれば嬉しいです」

7/28 startuproomイベントの詳細・申し込みはこちら


LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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