調理師の年収はどのくらいか。食べて「おいしい」を仕事にしよう
調理師の年収を把握しよう
調理師といっても幅広く、さまざまな調理師の業態があります。調理師免許取得にもそれぞれ方法があり、かかる時間、年月にも差があります。長時間勤務の可能性、休みの不定休など、意外にも肉体的に厳しい仕事でもあり、さらに業種によって、また立場によっても年収が全く違いますが、「自分の趣味を仕事にできる」とてもやりがいのある仕事です。
趣味を仕事にするには、中途半端な気持ちではいけません。「自分にやりきれるのか」「しっかり生活していけるのか」それを頭に入れておくことが大切です。その調理師の年収がいったいどれくらいなのか把握しておきましょう。
調理師の給料についてチェック
平均年収
まず理解することは、調理師は手に職をつける仕事だということ。そして一般企業の平均年収よりはスタートが低いということです。その代わり、力をつけて一流ホテルの料理長になったり、自分の店を持ったりと独立などをしていくと年収は格段にアップをしていく夢のある仕事です。
調理師の平均年収は、310万~340万の範囲といわれています。また男性では370万円、女性だと270万円が平均年収です。ほかの企業の平均年収よりは、調理師の平均年収はとても低い位置にあります。
年代別の平均年収
年代別の平均年収では、20代で240万(210万~270万)、30代で平均270万(220万~320万)、40代で320万(240万~400万)、50代で370万(320万~430万)が調理師の平均的な年収です。※( )内は年収の範囲です。
この平均年収は全体の平均年収となっています。では女性だけでいうと全体的に年代での差があまりなく平均270万となっています。まだまだ男性のほうが調理師としての待遇がいいのが調理師の現状です。
職種別の平均年収
職種別の平均年収では、一流ホテルなどの調理師だと、ホテル勤務になっていくため350万~1千万円以上は見込めます。外食チェーン勤務だと250万~350万ほど、病院食勤務で180万~220万ほどです。また独立などになれば仕事の繁盛具合によりますが、220万~1千万円以上と振り幅は大きいですが、稼げる可能性があります。
上記のように調理師の平均年収は低いです。しかしこれはあくまでも平均。調理師の仕事には店を持つこができる「独立」があります。独立をして店が繁盛すれば年収は格段に跳ねあがります。そのため悲観的になるようなことは全くありません。
平均月収給料
では平均年収ではなく、平均的な月収はどれくらいになるのでしょうか。データによると調理師の平均月収は約25万円です。またボーナスなどが年間30万ほどになるため、月平均はそれくらいになるといわれています。
しかし調理師には見習い期間があるところが多く、見習いの場合だと月収14~19万円程度、一人前になっての平均月収が25万がだいたいの相場です。また職人の世界なため、時間の縛りは結構あり(技術の習得などによる練習の時間など)時給に換算するとあまりよくないかもしれません。
生涯年収
調理師の平均年収から算出をすると、新卒から定年退職まで調理師として働いたとして、推定1億5千500万円が調理師の生涯年収です。
日本の平均生涯賃金が1億8千400万円なので、差額がマイナス約2千900万円です。このように調理師の生涯年収は、そのほかの職種の生涯年収に比べると、日本の平均年収より低いということがわかります。
調理師は他の仕事とくらべて高い?それとも低い?
調理師はほかの仕事と比べて高い?それとも低いのでしょうか?正直にいうと、ほかの仕事と比べて高くはなく、むしろほかの仕事よりも低い平均年収です。
ですが、平均年収が低いからといって調理師は大変なのか?というとそうではありません。調理師には自分の店を持つ独立などの「夢」が形になる可能性が高い職業なのです。自分の好きなこと、やりたいことをスキルアップさせることで「店」と「手に職をつける」という財産が持てる、素晴らしい仕事です。
調理師で年収1千万円は可能?
調理師はほかの仕事よりも平均年収は低いです。また見習い期間になるともっと平均年収はさがります。では年収1千万円は夢のまた夢なのでしょうか?そんなことはありません。調理師でも年収1千万円は可能です。
一流ホテルの料理長や独立すれば年収1千万円も可能
例えば一流ホテルの料理長になると、1千万以上の年収をもらっている人もたくさんいます。またそれ以外にも調理師には「独立して自分の店を持つ」という夢があります。調理師は技術を学んでいく職人の仕事です。技術をモノにしていけば、自分の力で店を持つこともできます。
しかし独立して店を作ったからといって1千万以上の年収を出すことはできません。店が繁盛しなければ稼ぐことなどできませんが、逆に繁盛さえすれば1千万以上の年収を出すことは可能です。さらにそれは年収1億でも夢ではありません。
調理師の仕事概要
調理師の仕事の内容はどうでしょうか?調理師はレストランや料亭、ホテルなどで料理を作る仕事です。また学校の給食や病院の食事を作るのも調理師の仕事です。日本料理のなどの「板前」、フランス料理やイタリア料理の西洋料理などの「シェフ」、洋菓子やデザートなどのお菓子を作る「パティシエ」というように同じ調理師でもさまざまで、呼び方や職種があります。
仕事の内容は、基本的には「食材を加工して調理をすること」が仕事です。ただそれ以外にも食材の仕入れや、新メニューの開発をしたりなど、いろいろな仕事があります。
調理師になるための勉強や資格
調理師になるためにはどうしたらいいか。調理師になるためにはまず「調理師免許」という資格が必要です。ただ調理師免許がなくても料理はできますが、「調理師」と名乗るためには調理師国家試験に合格した人のみです。そして調理師免許取得の勉強には、いくつかの手段があります。
調理師専門学校に行き免許を取得
資格取得ではこの手段が一番多いのではないでしょうか?調理師専門学校に行くと卒業と同時に試験を受けずに調理師免許を取得できます。
調理師専門学校では1年学校に行き、無事に卒業すると調理師免許を取得できます。免許取得のために「実務経験2年以上」という経験が専門学校では免除です。最短で免許取得をするのであれば専門学校に行くのが一番でしょう。
店に入って実務経験2年を経て試験に合格し取得
もう一つは飲食店に入り、飲食店での実務経験2年以上の試験の受験資格を得て、調理師免許試験を受験し、試験に合格して調理師免許の取得です。この取得方法は、専門学校などに行く費用はかかりませんが、2年以上の時間がかかります。
女性は働きやすい仕事なの?
女性にとって調理師という仕事は働きやすい職業なのでしょうか?はっきりいうとまだまだ調理師は男性のほうが優遇されているのは否めません。それは平均年収をみることでわかります。女性のほうが約100万円ほど平均年収が低くなっています。
しかしそれでも一流のホテルの料理長や、独立をして年収1千万円以上稼いでいる女性もいます。そのため働きやすいというよりも、調理師として働こうと思う人には最大限自分をアピールして発揮できる仕事ではないでしょうか。
食のスペシャリスト「調理師」を目指すあなたへ
これまで見て調理師になるためのメリットやデメリットがわかりました。そして調理師は職人です。手に職をつけてそれが形になる素晴らしい仕事です。確かに見習いの間は苦しいこともあります。しかし力をつけていけば自分の描く「夢」を達成できる仕事です。年収も決して低いままではありません。
男性だからとか女性だからではなく、自分の作ったものを相手に食べてもらい「おいしい」といってもらえる仕事は、調理師だけではないでしょうか。そんな素敵な「可能性」のある調理師という仕事はやはり最高の仕事の一つだといえるでしょう。