放置するとシワの原因にも|首の凝りは簡単なストレッチでほぐそう
簡単に首のストレッチができる
首の凝らない生活ができれば理想的ですが、なかなかそうはいきません。日々たまっていく凝りや疲れは、1人でも簡単にできるストレッチで取り除いておきましょう。
首の凝りを解消することで身体のゆがみを正せたり、シワ予防などの美容にも嬉しい効果が期待できます。なぜそのようなことがいえるのか、そもそも首が凝るとどうなってしまうのかをまずは確認していきます。
首の凝りが招く様々なトラブル
首の凝りを放っておくと、肩や視神経など首以外の部分にも支障をきたすことがあります。具体的にどのような症状があるのか知っておきましょう。
めまいや頭痛の原因になる
首にはたくさんの重要な血管が通っています。首が凝っていると、それらの血管を圧迫してしまうため血行不良につながります。中でも頭に向かう血管に影響が大きく、めまいや頭痛の原因の50%は首や肩の凝りにあるといわれるほどです。
さらに首には目や耳につながる神経も集中しており、目のかすみ、耳鳴りといった症状が起こることもあります。例えば枕が高すぎたり、首を冷やしやすい状態で就寝すると、起床するまで首に負荷がかかりやすくなります。めまいや目のかすみといった症状が朝に起きやすいという方は、寝るときの状態を見直してみるとよいかもしれません。
自律神経失調症になる可能性もある
だるさ・めまい・動機・火照り・不眠症・耳鳴り・イライラ・憂鬱・不安感などの症状。これらの原因となりうる自律神経失調症は「交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態」を指します。生活リズムが乱れたりすることでも発症します。
交感神経や副交感神経は全身に関わる神経で、もちろん首にも通っています。そのため首の凝りはそれらの神経の負担にもなってしまい、自律神経失調症につながるというわけです。
また、うつになる人の多くに首凝りがあるとも言われています。そもそも首は脳と体をつなぐ重要な器官ですから、ここで何か不具合が起きるということはそれだけ影響を及ぼす可能性と範囲が広いということです。
ほうれい線ができやすくなる
実は首の凝りはほうれい線のできやすさにも関係しています。まず首は顔と繋がっているため、首が固まってしまうと表情の作り方にもクセがつきやすくなり、シワができやすくなります。
さらに首や肩が凝っている人がとりがちな姿勢(猫背や顎を前に突き出すなど)が、皮膚を引っ張ってしまうことによってフェイスラインのたるみにもつながります。
顔の筋肉を鍛えたりほぐすことである程度予防できるほうれい線ですが、それを支えているのは首や肩です。首が凝って血行が悪くなっていると当然顔の血行も悪くなってしまい、顔の筋肉も固まりやすくなります。
ほうれい線対策のスキンケアやマッサージに取り組んでいても、原因を放置していてはあまり意味がありません。首凝りを解消することは、ほうれい線対策にもなるということも覚えておきましょう。
座ってできる首ストレッチ
まずは座りながらできるお手軽なストレッチから取り組んでみましょう。
首の緊張をほぐす「脱力ストレッチ」
スポーツ選手などがトレーニングの最初に行うこともあるストレッチで、筋弛緩法とも呼ばれます。ポイントはあまり力みすぎず、70~80%ほどの力で行なうことです。
2. 頭の後ろで手を組み、頭を前に倒そうと力を込めます
3. 同時に頭を後ろに倒そうと力を込めます(手と頭で押し合う感じ)
4. 5秒ほど力を込めたらスッと力を抜き、手もおろす
5. 脱力をしたまま10秒
最初は「スッと力を抜く」のがスムーズにできなくても、数回繰り返すとうまく脱力できます。このストレッチは立って行ってもOKです。
仕事場でも出来る「首回し」
凝りを感じたとき自然と行ってしまう首回しにもコツがあります。先に説明した通り、首周辺は血管や神経が多く通っているデリケートな部分ですから痛みを感じたら無理に続けてはいけません。
2. ゆっくりと顎を胸に引き寄せ、首の後ろを頭の重みで伸ばす
3. 鼻で呼吸をしながら左へ頭を回す。顎で鎖骨を撫でるように大きく回すと良い
4. 1周したら逆回しも行う
特に3で息を止めないようにしましょう。頭をボールと思って、肩の上で転がすようなイメージで、ゆっくりと行いましょう。
首の前後に効果的な「丸まるストレッチ」
次のストレッチは背中から首にかけての筋肉もほぐすことができます。こちらもあまり力まないように、自然な力で行いましょう。
2. その手を後頭部より少し上に置き肘を内側に入れ、背中を開いていく
3. そのままお辞儀をするように、頭を下げて肩を丸めていく
4. 肘と膝がつくぐらいまで肩と背中を丸めると良い
頭部から順番にぐーっと姿勢を丸めていきましょう。組んだ手はその補助をする感じで、あまり力いっぱい引っ張らないようにします。
どのストレッチも過度に力を込めるとかえってケガにつながることもあります。無理なく、ゆっくりとリラックスできる程度に取り組んでください。
自宅で行う首ストレッチ
これまでのストレッチよりもしっかりと伸ばせる、自宅で行うストレッチです。入浴中にできるものや、首以外の部分も同時にほぐせるものもあり、どれも手順は簡単です。全て試してみて気持ち良いと感じたものを継続するのがおすすめです。
力が無くても強めに行える「タオルストレッチ」
1人では力をかけづらい部分にも、タオルを使えば効率よく力を加えられます。このストレッチも呼吸を止めないように意識して行いましょう。
2. 正面を見たままタオルを左にゆっくり引っ張る
3. タオルを右手に持ち替え、反対も同様に行う
4. タオルを頭の後ろ、耳上にかけなおし、両手で持つ
5. タオルを前に引いて頭を倒す(首の後ろに効いてくる)
6. タオルを首の後ろ真ん中にかけなおす
7. 両手でタオルを斜め上方向に引っ張り上げ、頭は少し上に倒す(少し見上げるような形)
8. その状態から顎を喉元に引き付けるように頷く動作をする
首を温めながら行うとより効果的です。入浴中、湯船につかりながらゆったりと行うのもよいでしょう。
首と腰を同時にほぐせる「猫ストレッチ」
デスクワークやなどが要因で腰も凝ってしまっている人は、首と骨盤を同時にほぐせるストレッチが効果的です。いきなり大きく動かすのではなく、じっくりとほぐしていきましょう。
2.呼吸を止めないようにしながら、おへそを覗き込むように首、背中、腰の順にゆっくりと丸くなる
3. 続いて天井を見るように顎、首、背中、腰の順にゆっくり背中を反らしていく
2と3の間で一度脱力すると凝った部分に血液が流れやすくなり、ほぐされていることをより感じられるでしょう。猫ストレッチは自宅でテレビを見た後や、就寝前など思い立った時にこまめに行うのがおすすめです。習慣化して凝りやゆがみを蓄積させないようにしましょう。
お風呂で出来る「首肩ストレッチ」
次は湯船につかりながら行う、入浴中ならではのストレッチです。湯船に入る前は必ずかけ湯をし、急激な血圧の変化による体への負担を避けましょう。
2. 息を吸い、ゆっくりと口から吐きながらおへそを覗き込むように前傾し、膝の前で両腕をクロスしていく(肩甲骨が開いていくイメージで)
3. 身体を起こして胸を開き、左右の肩甲骨を寄せるように両腕を後方へ動かす
4. 両腕を腰の後方で組み頭を下げ、左右にゆっくりと2往復動かす
4まで行ったら再び肩までお湯につかり、しっかり肩と首を温めて、もう一度2から行います。
寝ながら出来る首ストレッチ
そもそも身体が硬い方や、「今日は起き上がってストレッチをするのも疲れた」という時にもできる、寝ながらのストレッチです。就寝前に行えば、睡眠のクオリティも上がり、翌日スッキリ目覚めることができそうです。
身体が硬くても出来る「うつ伏せストレッチ」
うつ伏せで頭をゴロゴロと転がすだけのストレッチです。ポイントは転がすときに首に力を入れないことです。入眠時のルーティンにして、自律神経を整えましょう。
2. おでこをバスタオルに付ける
3. 両脚は肩幅に開き、踵が外側を向くようにしてお尻の力は抜く
4. 両手は肘を曲げて頭の上あたりの、楽な位置に置いてリラックス
5. 頭をゆっくり左右に転がす(頭の重みを利用してごろんと力を抜きながら)※5往復程すると良い
6. 両脚のつま先を立て、左こめかみを床に付ける
7. そのままつま先で全身を上下にゆらし、こめかみに振動を伝える※10回ほど行い、右側も同様に
こめかみに振動をあたえることで、周辺の凝りがほぐれ、目元の疲れにも効果的です。頭痛があるときは、症状によって痛みが増すことがあるため注意してください。
自然な首のカーブを戻す「バスタオルストレッチ」
長時間のスマートフォン操作などが原因で、頸椎のカーブが失われた首をストレートネックと呼びます。ストレートネックは首・肩の痛みの元になるだけでなく、首のシワを作りやすくすると言われています。1日5分でできるストレッチで、ストレートネックを予防しましょう。
2. バスタオルを首の中央に当て寝転がる(バスタオルの向きは首と交差するように)
3. その状態で身体の力を抜いて5分間維持
3の姿勢がつらい場合はまず3分くらいから、慣れてきたら5分間行ってください。ただし長時間行うほどよいというものではありませんから、適度に加減して行いましょう。
すぐに出来る「後頭部押し付けストレッチ」
後頭部を押し付けるだけのシンプルなストレッチです。寝ながらはもちろん、頭まで背もたれがある椅子などでもできます。
2. 押し付ける際は視線は変えずに、床と並行を保ったままにする
3. 5秒をほど行いゆっくり力を抜き、戻す(5回繰り返す)
とても簡単ですが猫背や巻き肩にも効果的なストレッチです。頭を押し付けるときに歯を食いしばったり、肩に力を入れずに、首の筋肉をしっかりと意識するのがポイントです。
ストレッチの注意点
以下はどのストレッチにも共通する基礎的な知識です。注意点やポイントを意識して取り組むことで、ストレッチの効果をより高めることができます。
温まった身体で行う
筋肉を中心に、温まっていないと身体はよく伸びません。寒いときに凝りがひどくなりがちなのは、冷えにより筋肉などが収縮してしまっているからです。そのような状態で急に動かしたり、負荷をかけるのは望ましくないため、起床後すぐなどの筋肉が固まっているときのストレッチはあまり推奨できません。
反対に身体が温まった状態で行えば、ストレッチの効果は高まります。好きなテレビや音楽を聴きながらなど、さらにリラックスした空間で行うことで筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
またアロマオイルなどを用意するのもおすすめです。例えば入眠に効果的なアロマを使ったお部屋で身体をほぐせば、ストレッチとの相乗効果で睡眠の質も上がり一石二鳥です。
ストレッチはゆっくりと行う
しっかりストレッチ行おうとつい反動をつけたり、せかせかと素早く行ってしまうとかえって首を痛めてしまう可能性があります。その日の身体の状態を感じながら、落ち着いてゆっくり行うことが大切です。
例えば特定の方向へ曲げるのがつらい・これ以上は痛いといように、自分の首がどの程度動くのかを確認しておきましょう。ストレッチによって普段あまりしない動かし方をしたときは、思わぬケガにつながることもあります。ストレッチの初めは特に注意して少しずつ動かし、だんだん動きを大きくしていくようにしましょう。
「痛気持ちいくらいがちょうどいい」という方もいますが、痛みの場所や凝りの状態にもよるため無理は禁物です。ストレッチを行った後、身体の状態が改善されているかどうかチェックしながら回数・時間・強さを加減してください。不適切な強さでストレッチを行ってしまわないように、ゆっくり・じっくりを意識して気持ち良い範囲にとどめておくことも大切です。
寝違えた時は無理にストレッチしない
寝違えによる痛みを和らげようとストレッチをしたり揉んだりしたことがあるかもしれませんが、実はあまりよくありません。そもそも寝違えるというのは軽度の肉離れを起こしている状態です。睡眠中、不自然な形で固まってしまった筋肉を起床時いきなり動かすことで肉離れが起きます。
こういった場合は首をできるだけ楽な位置から動かさないようにするのが大切です。ストレッチやマッサージを行う場合はある程度痛みが落ち着いてきてから、温めながら行うようにしましょう。
痛みがなかなか治まらない場合など、病状により対処は異なるのでひどい場合は自己診断で対処せず、病院への受診が必要です。首は重要な血管や神経の集まる、デリケートな器官であることを忘れないでください。
おすすめの首ストレッチ用具
次は凝って硬くなってしまった身体を手軽にマッサージできる製品3選です。どれも首に使用でき、コンパクトで初心者でも気軽に扱えるものばかりなので、ぜひストレッチと併用して使ってみてください。
Crixx マッサージボール ピーナッツ型 ストレッチボール トリガーポイント
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見た目にもカラフルなストレッチボールです。テニスボールを2つ並べたくらいの大きさで、凝る部分にコロコロ当てて使用します。首だけでなく、肩や腰、足の裏にも使えるので、むくみ取りに利用する方もいるようです。適度な重さがあり、ツボ押しにも使うことができます。
持ち運びもしやすく、背もたれと身体の間に挟むなど座ったままでも使えるので、デスクワークが長い人におすすめです。
PROIDEA 美バランス コリニグイー
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名前の通り、凝りにグイっと効くというクッションタイプのストレッチ用具です。ほぐしたい部分に当てて寝転がり、ゆらゆらと体重移動することでクッション内のエアーが移動し、指圧のような気持ちよさが生まれます。置く位置を変えながら使用すれば、首・肩甲骨・腰のゆがみを整えることができます。
6つの突起がツボにフィットするので、お尻や脚などさまざまな部分に使っている方もいるようです。大きさはA4用紙大くらいで、高さは11cmです。
背中 肩こり マッサージ 広い範囲を一気に押圧 グイ押しネックストレッチャー
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こちらも上から寝るだけで使えるアイテムです。大小16個もの突起が内向きのハの字についているため、外から内へと荷重がかかりやすく、頭・首・肩の広い範囲を一度にすっきりさせてくれます。また全体の形状が人体に合わせたカーブになっていることで、頭から背中にかけてのラインをしっかりとストレッチします。
「就寝前に使用すると、目覚めが良かった」という使用者の声もあります。大きさはA4用紙弱くらいで、高さが10cmです。
首凝りになりやすい悪習慣
職業や趣味によって、首や肩が凝るのはある程度仕方ないとしても、普段の生活で少し意識を変えれば、今よりは症状が軽くなるかもしれません。下記に思い当たる習慣があれば直してみてください。
スマホを長時間使用する
スマートフォンを見る際の1点を凝視する姿勢は、首と骨盤をゆがませてしまいます。これまででも少し触れましたが、スマホ首(ストレートネック)になってしまうと、首への負荷はますます大きくなるばかりです。
特に日中デスクワークをし、通勤中の電車でスマホを見ているという人は要注意です。改善策として、スマホを見るときはなるべく上顔の高さまで持ち上げる(顔を下に向けない)、ときどき顔をあげて遠くを見るなど、首の後ろの緊張をとく体勢を心がけましょう。
鞄の斜め掛け
ショルダーバッグなどの斜め掛け(たすき掛け)は、首から肩にかけての筋肉部分を刺激する持ち方です。毎日同じ側で持っていると左右のバランスが崩れ、さらに首や肩が凝りやすくなります。首や肩の凝りがひどい場合には避けるべき持ち方です。
改善方法としては、日によって掛けるほうを変える、バッグを下ろしたらストレッチをする(先述の脱力ストレッチなど)、バッグを2つにわけるなど。あるデータではOLのバッグは平均3kgほどあるともいわれ、書類などを持ち運ぶ場合はそれ以上の負担を首や肩にかけてしまいます。凝りがひどい方は、バッグも見直してみましょう。
首を鳴らす
凝っているとつい首を鳴らしてしまうかもしれませんが、実は凝りを悪化させる行為だといわれています。ポキポキと鳴るのは、首などの関節がこすれて生じている音です。筋肉が硬くなるだけでなく、靭帯や軟骨に悪影響を及ぼすこともあり、関節の痛みからくる慢性的な凝りにつながっていく恐れがあります。
首を鳴らすとき、関節にかかる負荷は1トンもあるといわれ、ひどい場合は首の中の神経を傷つけてしまう可能性すらあります。ポキポキと鳴らしたくなるのをこらえて、温める、またはストレッチを行うほうが賢明です。
凝りやすい首をストレッチしよう
放置すると様々な影響を起こしてしまう首の凝りは、日々の習慣を見直したり、簡単なストレッチで解消できることもあります。スマートフォンを見る時間を減らしたり、可能であれば仕事中座ってできるストレッチを行うなど、首への負担が少ない生活を意識しておくことが大切です。
首の凝りはだんだん蓄積されるため、ストレッチはときどきたくさん行うよりも、軽くても毎日続けることを心がけてください。ストレッチでリラックスしながら、凝りや疲れをためにくい身体づくりを目指しましょう。