【ワインセラーの上手な選び方】 ライフスタイルに合わせて選択を
ワインを自宅で上手に保管したい
ワイン好きが高じて、「自宅にワインセラーを完備してワインをコレクションしたい」という方も少なくないのでは。しかし、ワインはとてもデリケートで、劣化しやすいことが玉に瑕。常温保存は絶対にNGです。しかも、温度管理は、赤と白とロゼによっても違ってきます。
今は、家庭用ワインセラーも販売されており、値段もかなり手頃になってきています。普段、共働きなどで忙しいため、温度調節などが難しくないタイプがいいと思っている方に、おすすめのワインセラーをピックアップしていきます。
ワインセラーの種類
ワインセラーには、大きく分けてコンプレッサー式、アンモニア熱吸収式、ペルチェ式の3種類あります。ワインセラーは、温度と湿度を一定に保てるので、ワインを最適な状態で保存することが可能です。
デイリーワインにおすすめなペルチェ式
ペルチェ式のワインセラーはコンパクトで、価格が30,000円程度とリーズナブルです。安価なワインセラーは、ほとんどがペルチェ式だと思っていいでしょう。電気で温度管理するので、振動が少なく音が静かです。
また、コンパクトで持ち運びがしやすい点もメリットですが、冷媒が24時間稼働状態ですので、消費電力がかかり、パワーが弱い点もデメリットです。どちらかというとワインクーラー感覚で、デイリーワインを一時的に保管するのに向いているといえます。ペルチェ式は、家庭で使用するタイプとして、人気が高いタイプです。
高級ワインの熟成にはコンプレッサー式
コンプレッサー式は、主に業務用として使われているワインセラーです。冷却能力が高く、飲食店などでワインセラーの扉を頻繁に開閉しても、庫内温度が一定に保てる点がメリットといえるでしょう。ペルチェ式と比べると、冷却能力は約10倍程度優れていて、消費電力も1日5時間程度しか消費しないので、電気代もペルチェ式よりもかなり安いです。
ただし、冷媒はモーターなので、モーター音がかなりうるさいことがデメリットといえるでしょう。構造的に、庫内に常に新しい空気を送り込めるので、カビが生えにくく、長期保存も可能で、高級ワインの熟成をしたい場合に最適なタイプです。
音が静かなアンモニア熱吸収式
アンモニア熱吸収式の冷媒は、アンモニアを使って循環させるために、ヒーターを利用しているので、静音性に優れています。また、モーターを使用していないことから、耐久性にも優れていますが、構造的に冷却力が弱く、消費電力がかかる点がデメリットといえます。
しかし、ペルチェ式よりは冷却力が強いです。アンモニア熱吸収式は静かなので、寝室に置いても音が気になりません。
冷蔵庫ではダメな理由
一般の家庭では、ワインを冷蔵庫で冷やしている方もいると思います。冷やすのであれば、冷蔵庫でもいいように思いますが、冷蔵庫ではなぜダメなのでしょう。ワインを保存するためには、ワインセラーでなくてはならない理由とはなんなのかを見ていきます。
温度が低すぎる
ワインを保存するための適温は、ワインの種類にもよりますが、14~16℃とされています。冷蔵庫の温度は10℃以下でそれよりも低いため、ワインの熟成が止まってしまいます。また、湿度も低いので、コルクも乾燥してしまうのです。さらに、食品も一緒に入っているので、振動やニオイなどがあり、ワインの保存には向いていません。
ワインは熟成させる必要があるので、冷蔵庫では温度が低すぎてしまいます。また、コルクが乾燥するとうまく抜けずに、崩れてしまうこともあるので注意しましょう。
臭いや雑菌がうつりやすい
冷蔵庫には肉や魚、野菜、乳製品など、さまざまな食材や食品が保存されています。ワインは、コルクで栓がされていますが、コルクには細かい気泡が空いていて、コルクを通してワインは呼吸をしています。そういう理由から、冷蔵庫に保管されている食材などのニオイも、ワインに移ってしまうのです。
雑菌も繁殖しやすい環境なので、ワインを開栓しない状態で保管していても、飲んだときに、なんとなく雑味が感じられてしまう原因にもなります。それだけワインの保管には、神経を使う必要があるのです。
頻繁なドアの開閉が熟成を邪魔する
冷蔵庫には、ワインだけが保存されているわけでもありません。そういう意味では、頻繁に冷蔵庫のドアを開閉することになります。そのたびに振動も起こるので、振動が適さないワインには、あまりよくない保存環境といえます。ワインの熟成には、振動は厳禁なのです。
高級ワインを熟成するためには、ワインセラーのように、適正温度で振動がない環境が必要になります。ボージョレ・ヌーボーのように、常温の新酒を、短時間冷やしておく程度なら問題ないかもしれませんが、それ以外はおすすめできません。
ワインセラーを選ぶときに大事なこと
ワインも白と赤では保存温度が違いますし、デイリーワインと高級ワインでは、保存に対するこだわりが変わってくるでしょう。自分のライフスタイルに合ったワインセラーを選ぶことが大切ですが、その選択基準とはどのような点なのでしょうか。
必要な収納本数を考える
まず、ワインをどれだけ収納しておきたいのか。そのキャパシティーにより、ワインセラーのサイズが違ってきます。将来的にワインをどんどん増やして、コレクションをしていきたいのであれば、それを見越したサイズを購入するのがベストです。しかし、普段、気軽に飲むワインを保存することが目的であれば、持ち運びができるコンパクトサイズで十分でしょう。
このように、ワインとどうかかわっていくかで、選ぶワインセラーは変わってきます。デイリーワインは、スクリューキャップや人工コルクがメインで、酸化防止剤も含まれているため、腐ることもありません。デイリーワインだけで楽しむのであれば、加湿機能も必要ないので、手頃な価格のペルチェ式でいいでしょう。
設置場所のサイズを確認する
ワインセラーの設置場所によって、置けるサイズも変わってきます。寝室に置くのとリビングに置くのとでは、おのずとサイズも違ってくるでしょう。マンションでも、ワインのために一部屋を確保できるのであれば、本格的なワインセラーを購入することも考えられます。
まず、自宅の設置場所を決めて、サイズを測定することから始めると、購入したけど収まらないなどのトラブルも防げます。また、ワインセラーのために、どれくらいのスペースが必要なのかを調べて、そのスペースを確保するという流れでもよいでしょう。
光を通さないものを選ぶ
ワインにとっても紫外線は大敵で、紫外線を浴びてしまうと品質が変わってしまいます。ワインセラーには、開閉扉がガラスで作られているデザインもありますが、ガラスには紫外線対策が施されているので問題ありません。
リビングダイニングのガラス製の食器棚に、高級ワインを飾っているお宅を拝見することがあります。ワインが紫外線を浴びてしまっていることで、温度管理もそうですが、ワインにはよくない環境といえるでしょう。
好みのデザインを選ぶ
自宅に置くインテリアとしても、ワインセラーは重要な役回りを果たすことになってくるでしょう。ワインセラーはオシャレなデザインが多く、設置するだけで、室内の雰囲気を洋風に変えられます。室内のインテリアの色に合わせて購入すると、一体感が出てまとまりが良くなります。
ワインセラーのベースカラーはモノトーンが多いので、どんなインテリアにも合わせやすい点がメリットです。家庭対応のワインセラーは、コンパクトで収納スペースを取らないタイプが主流です。
おすすめの家庭用ワインセラー
ご自宅にワインセラーの購入を検討する場合、サイズ、デザイン、価格、用途などがポイントになってくるでしょう。衝動買いをして失敗しないためにも、よく考えて検討することをおすすめします。
意外に見落としがちですが、重要なポイントとしては、ワインセラーの高さです。ワインセラーの高さが高すぎると、威圧感を感じるので、サイズを測定するときは、高さも考慮したほうがいいでしょう。
ルフィエール ルフィエール ワインセラー 12本収納
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マンションでも気軽に置けるデザインになっており、コンパクトサイズにもかかわらず、シャンパンボトル、ドイツボトルなど、大きいサイズのワインも収入可能です。どんなインテリアにも合わせやすい、黒ベースのワインセラー。静音なので、どこに置いても大丈夫。
インテリアライトが付いているので、ドアを開けなくても、ワインの状態を確認できます。ワインボトルが横転しないように、収納棚のワイヤ―にはカーブが付いています。設定温度はタッチパネル式なので、簡単操作で済みます。
ファニエル 長期熟成型ワインセラー
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長期熟成型のワインセラーですが、コンパクトサイズなのに、冷媒はパワフルで省エネ効果もあります。日本の家屋事情に合わせてデザインされた、新しいワインセラーです。一つのワインセラーで、庫内の温度設定を変えることが可能。デイリーワインと長期熟成タイプのワインを、保存できるようにデザインされています。
それぞれのワイン用に、ワインセラーを購入する必要がなく、収納棚を取り外せば、日本酒や焼酎のボトルも保存できるようになっています。従来は技術的な問題から、長期熟成型ワインセラーには、300Lクラスの大型タイプしかありませんでしたが、それを家庭用に実現したのがファニエルです。
フォルスター ワインセラーFJN-65G
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ワインセラーのワインボトルを、LED照明でショーアップできるので、オシャレ感が欲しい人に向いているワインセラーといえます。こちらも収納棚を取り外して、日本酒や焼酎も保存できます。
温度管理はタッチパネルで簡単操作。ファン冷却で、庫内を適温に保ちます。庫内が適温以外の温度になったときには、アラームが教えてくれるアラーム機能が付いていて、3層構造のガラスは、庫内の結露もしっかりと防いでくれます。
ベストな状態でワインを楽しもう
「ワインは生きている」と、ソムリエの方がよくいっていますが、子供を慈しむように、大切に手をかけて管理することが、美味しく飲むコツにもなってきます。適切な温度で管理することで、本来のワインの味が堪能できるといってもいいでしょう。
どんなに高級なワインでも、保管方法を誤ってしまうと、「高かったのに意外に美味しくない…」ということになりかねません。そういうことがないように、ワインセラーを活用して、自宅でもワインを楽しみましょう。