ITパスポートの合格点。仕組みや出題方法と合格ラインを押さえよう
ITパスポート合格のために
ITパスポートは、日々インターネットやパソコンに囲まれて仕事をしている人や、これから就職活動をする予定の人にとって、取得しておくと自己アピールとしても非常に役に立つ国家資格のひとつです。また進学にも優位であるといわれています。
ITパスポートを取得するためには、ITの知識だけではなく、経営などの総合的な知識も必要です。合格率は国家試験のなかでも比較的高いといわれているので、取得しやすい国家資格です。出題方法や問題の傾向をしっかり把握して準備しましょう。
ITパスポートの仕組みについて
ITパスポートは経営、マーケティング、財務、法務など経営全般に関する知識の理解と、セキュリティやネットワークなどITの基礎知識の理解を確認する国家試験です。またその出題の方法や解答方式も決まっているので、正しく理解しておくことが大切です。
幅広いIT分野の基礎知識が得られる試験
ITパスポートであげている基礎知識というのは主に次の3つです。
経営全般(ストラテジ系) | 経営戦略、財務、法務など経営全般に関する基礎的な特徴や考え方や特徴 |
IT管理(マネジメント系) | プロジェクトマネジメント、システム開発などのIT管理に関する基本的な考え方や特徴 |
IT技術(テクノロジ系) | ネットワーク、セキュリティ、データベースなどIT技術に関する基本的な考え方や特徴 |
どのような職業(職種)でも。ITと経営全般の総合的な基礎知識を必要としています。これから社会人になるために知っておきたい基礎知識を得ることができる試験であり、また就職活動の際に「IT力」は「英語力」とともに自己アピールのひとつとして役立つ資格です。
小問100設問形式での試験
試験問題は1問につき1設問の小問形式で100設問で構成されています。以前は中問形式の設問もありましたが、2016年3月より小問形式のみに変更されました。
出題される設問は100問ありますが、実際の評価対象はそのうち92問です。残りの8問はなんのために使われるか疑問ですよね。評価対象にならない設問は、今後出題する設問の評価をするために出題されます。
試験問題としてふさわしいと評価されると、今後の試験問題として採用されることがあります。
出題内容はさまざまで、実務で遭遇する問題や、業務を安全におこなうために必要な情報セキュリティ、業務を理解するうえでの経営の基礎知識など、各分野から出題されています。
出題が分野別で分かれています
ITパスポートの試験の特徴は、出題が分野別に分かれていて、分野ごとの設問数が公開されているところにあります。
経営全般に関わるストラテジ系の設問は32問。情報と企業活動に関する分析をおこなうための基礎的な用語や知識などを高等学校の情報科目、新聞、書籍などに掲載されているものが出題されます。
IT管理に関わるマネジメント系の設問が18問。システム開発やプロジェクトマネジメント関する基礎的な用語、知識とネットワーク、オフィスツールを使用した業務環境に関連する知識などから出題されます。
IT技術に関わるテクノロジー系の設問が3つの分野のなかで一番多く、42問出題されます。基礎的な用語、知識、論理的な思考力を問う問題と、身近なシステムの安全な利用に関する基礎的な知識を問う設問が出題されます。
120分間で100問を解く必要があります
試験時間は120分間です。この間に100問解答するには、単純計算で1問あたり72秒で解答する必要があります。出題形式は四肢択一式となっています。解答すれば25%の確率で正解できます。悩んだ場合でも1問に時間をかけず、とりあえず一つ選んで解答して、次の問題に取りかかりましょう。
試験問題は、あらかじめ数百問用意されていて、その都度ランダムで100問が選択されます。そのため、過去の問題の統計などを把握しておくと、ある程度の傾向がわかります。ただし、過去の問題がそのままでるわけではありませんので、参考問題としてみておくとよいでしょう。
解答方法はCBT方式です
解答方法は、CBT(Computer Based Testing)方式と呼ばれるパソコンを用いたものです。このCBT方式を国家試験の中で、1番最初にとりいれたのがITパスポートです。
CBT方式では会場のコンピューターに表示された試験問題をマウスやキーボードを使って解答する方法です。試験問題は受験者ごとに異なるので、同じ会場に、同じ時間で受験をしていても各々出題される問題が異なっています。その都度問題のデータベースから組み合わされ出題するようになっているからです。
またCBT方式は解答するだけではなく、その場での合否判定の確認ができるところがポイントのひとつです。
実際の試験を受験する前には、模擬試験などで解答方式になれておくことも必要です。公式のサイトに過去の問題が出ていますので、慣れるためにも何度も練習しておきましょう。
ITパスポートは独学でも取得できる?
ITパスポートは、比較的独学でも取得しやすい資格です。しかし仕事をしながら資格の勉強をする人やIT初心者の方は、通信講座を利用することをおすすめします。仕事をしながら勉強の時間を確保するのは結構大変で、初心者の方は語彙に慣れるまで時間が多くかかります。出来るだけ少ない時間で、効率よく勉強したいそんな方には、フォーサイトの通信講座がおすすめです。
フォーサイトの通信講座は、eランニングが可能で、通勤通学の電車の中やちょっとした空き時間にも勉強でき、かつリーズナブルな点が人気の講座です。サンプルも豊富なので、本当に自分に合うかどうか資料請求して試してみましょう。
ITパスポートの合格点はなぜ変わるのか
ITパスポートの試験の採点方法はIRT(項目応答理論)方式を取り入れています。TOEFLなどではすでに用いられている採点方式です。
解答結果から点数が算出されるので、今までの1問10点と全体数から配点が事前に決まっていません。そのため、問題形式が四肢択一式であっても配点がことなる場合があります。
仕組みは未公表ですので、運まかせの解答では合格はできません。合格ラインは決まっていますが、配点がわからないので十分な準備が必要です。
総合600点以上が合格のライン
合格基準は、総合評価の点数と分野別の点数がすべて基準の点数を満たしていることです。
総合評価点は600点以上が合格のラインとなります。
出題数は100問ですが、評価対象はそのうち92問です。92問が1000点満点で採点をされることになりますが、採点方式がIRT方式なので、配点の変動もあります。
また、対象外の8問もどの設問かが判別できないので、各分野の基準の点数と総合点の600点以上を獲得するための準備が必要です。
各分野の点数が300点以上で合格
分野別の点数の合格基準点は300点以上です。なお各分野別の出題数は事前に公開されています。
ストラテジ系(経営全般) | 32問 |
マネジメント系(IT管理) | 18問 |
テクノロジ系(IT技術) | 42問 |
3つの分野それぞれで300点以上を獲得することが合格の必須条件です。300点未満の分野がある場合には、総合評価点が600点を超えていても不合格となります。苦手分野を作らないように最低合格ラインはおさえておきましょう。またIRT方式の採点方法ですので、事前の準備はしっかり勉強しておくことが必要です。
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ITパスポートを受けるうえで大切なこと
ITパスポートは独学でも合格することができる資格です。公式のHPには過去問が掲載されていたり、動画で無料講義がおこなわれていたり、スマホを使っての勉強がしやすいのも特徴です。
気をつけなくてはいけないのは、勉強のモチベーションを保ち続けること。きちんと計画をたてて進めていくことが、合格の決め手になります。基礎知識を必要とされる試験内容です。しっかりと身につけるために勉強を進めていきましょう。
最低ラインギリギリの勉強をしない
合格するためには、3分野とも300点以上の点数が必須です。不得意分野をできるだけ作らないようにすることが合格の近道です。まずは基本的な用語や知識を覚えていきます。
参考書なども多くでています。イラストなどが多く載っているのも多く、初心者にも読みやすいタイプもあります。何冊も用意せず、1冊をしっかり繰り返し覚えていくことがポイントです。
また覚えたら問題集で確認しましょう。公式のHPには過去の問題もあり、ダウンロードも可能です。確認の意味と、形式に慣れるための練習としてかならず取り組んでおきましょう。
ITパスポートの試験問題は過去の問題をそのまま出すことはほぼありません。言葉や見方を替えて出題されます。過去の問題は試験の型式に慣れるための練習くらいにしておきましょう。
CBT方式の出題方法に慣れておく
試験の日程が近づいてきましたら、CBT方式の解答方法に慣れるために練習をしましょう。公式サイトでもシュミレーションができるようにwindows対応のソフトが用意されています。無料でダウンロードができます。ぜひ利用しましょう。
また、このCBT方式での出題では文章をはじめ、画像、音声などいろいろな問題をデジタル化にするため、出題のパターンも多数です。そのため、当日にうまく操作ができなかったなどのトラブル、失敗がないように事前にシュミレーションを繰り返しておきましょう。
ITパスポートは、問題数が多いので時間配分の練習もあわせて慣れておくことが大切です。試験の際にPCの画面に試験の残り時間が表示されます。時間を確認しながら試験に取り組む練習をしておくといいでしょう。
余裕をもって挑もう
ITパスポートは誰でも身につけておきたいレベルのIT知識ですが、出題範囲はとても広く、準備をしていくのに長い時間が必要になります。参考書、テキスト、通信講座やスマホアプリなど自分にあった方法を見つけておこなうことと、練習問題、過去の問題などでその都度知識の確認もあわせて必要です。
また国家試験で初めて取り入れたCBT方式にも対応できるようにしておくことが大切です。独学でも十分な準備をすれば合格しやすい国家資格です。しっかりと計画をたて試験に挑みスキルアップしましょう。
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