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中国語検定は難しいの?難易度と勉強法を押さえて取得を目指そう

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そもそも中国語検定とは?

中国語検定とは、日本中国語検定協会が主催する、中国語に関する検定試験です。正式名称は「中国語検定試験」ですが、略称として中検とも呼ばれます。日本国内において、中国語の学習成果を測る指標として、最も多く利用されています。英語でいうTOEICのような試験です。

そんな中国語検定ですが、どれくらい難しい検定試験なのでしょう?中国語検定は、準4級から1級までの6段階あります。だいたいの難易度の目安としては、以下のように分けられます。

初級:準4級・4級・3級
中級:2級
上級:準1級・1級

今回は、お手軽に受験できる3級・4級、そしてチャレンジできる2級の難易度と、勉強法を解説します。また、申し込みの方法と注意事項についても触れていきます。

中国語検定3級について

3級問題は筆記とリスニング

3級では、筆記試験とリスニングの試験が行われます。両方とも100点満点で、ともに65点以上で合格となります。どちらかが65点未満の場合は、不合格となるので注意しましょう。

学習方法ですが、対策本が豊富に出版されているので、それを基に勉強しましょう。週1回の学習で、半年~1年程度で挑戦可能だといわれています。

中国語検定3級のリスニングは4択問題

3級のリスニング試験は、選択肢の形式です。四つの選択肢から、正しいものを一つ選んで、マークシートに記述します。

3級で用いられる質問文は、ほとんどすべてが基本的な疑問文です。さまざまな疑問文の構文と、それに対する答え方を覚えておくとよいでしょう。インターネット上には、リスニング試験を練習できるサイトもあるので、それを利用することも効果的です。

中国語検定3級は初級レベル

中国語検定の認定基準によると、3級は「基本的な文章を読み、書くことができる」ことが望まれます。そのため、初級文法と単語を勉強する必要があります。しかし、中国語の初級文法はそれほど多くないので、ポイントを絞ったドリルをやることで、合格を目指すことが可能です。

また、過去問を解いて、試験の傾向をつかむことで合格に近づけます。試験の2~3週間前には過去問を解き始めて、試験に慣れることが大事です。

中国語検定3級の単語数は1000から2000

3級で求められることは「基本的な文章の読み書き」なので、合格のための単語数は、それほど多くありません。中国語検定の出題内容に「常用語1000~2000を利用した複文の日訳、中訳」とあるので、1000~2000単語が求められているといえます。

ボキャブラリーを増やすためには、「日本語を見たら、それに対応する中国語が言えるように」または「中国語を聞いたら、日本語の訳が言えるように」といった練習が効果的です。特に、さまざまな単語が含まれた短文を、そのまま覚えるように工夫していきましょう。すると、語順問題や穴埋め問題対策になるだけでなく、長文問題対策にもなります。

3級合格率は24パーセント

3級は初級であり、それほど難易度は高くありません。しかし、合格率は24%と、4人に1人しか合格しません。受ければ受かるという試験ではないので、きちんと対策をして、1回で合格できるように頑張りましょう。

3級で注意しなければならないのは、時間配分です。中国語検定3級は、筆記セクションの41問を70分で解答しなくてはなりません。そのなかには、日本語を中国語に訳する筆記問題が5問もあります。そのため、得意な部分を先に解答し、残りの時間で苦手な部分を解答するなど、時間配分の作戦を立てることが、合否を分けるポイントになります。

中国語検定4級について

4級は基本を身につければ解けるレベル

3級は難しそうだと思う方には、4級がおすすめです。難易度のイメージとしては、「大学の第二外国語で中国語を履修し、大学1年で習う内容を習得しているレベル」だといわれているからです。これは、基本的な文法と単語をマスターしたら、合格できるレベル感です。

4級は筆記試験とリスニングの試験からなり、両方で60点以上を獲得すれば合格となります。どちらかが60点未満だと、不合格になってしまうので注意してください。

中国語検定4級の合格率は45パーセント

4級の合格率は45%です。3級の合格率が24%であることからも、4級の難易度は、ずいぶん優しいことが分かります。

しかし、二人に一人は不合格になっているのですから、気は抜けません。中国語検定4級に合格するためには、「ピンインの正しい理解」「動詞述語文と形容詞述語文の理解」「単語の学習」という3点をおさえる必要があります。

中国語検定4級の独学方法

音読をする

中国語検定4級に合格するためには、「ピンイン」を完璧にすることが求められます。「ピンイン」とは、その漢字をどのように発音するのかを、学ぶための道具です。加えて、中国語では発音の上がり下がり一つ間違うだけで、意味が全く変わってしまいます。つまり、中国語の学習においては発音が欠かせません。

発音に最も効果的な学習は、音読です。特にシャドーイングとよばれる学習方法は、正しい発音を身につけながら、リスニング能力も伸ばせます。

シャドーイングのやり方は簡単です。中国語の音声を聞きながら、それに続いて声を出し、同じように読み上げます。テキスト等は見ずに、耳で聞いた音声を、そのまま発声することに集中します。このときに、音の高低にも注意してください。聞き取れないところや、発音ができないところには印をつけ、聞き終わったあとに確認します。

これを繰り返すことで、発音力が向上していきます。会話文をそのうちに暗記してしまうこともありますが、これはボキャブラリーを増やしたり、構文を覚えたり、リスニングに役立つのでまったく問題ありません。

文法力を身に着ける

中国語の文法は、スペイン語や英語に比べて、比較的簡単だといわれています。しかし、勉強していると、誰しも苦手な文法があることに気が付きます。例えば「把」「被」の使い方が覚えられないであるとか、「出来」「出去」など、補語の使い分けがわからないなどです。

そのような場合は、苦手な文法を使用して、たくさん文章を書いてみましょう。自分で作文をすることで、文の構造を覚えられるうえに、単語も覚えられるので一石二鳥です。

読解力を身に着ける

中国語でコミュニケーションを取る場合には、読解力は必ずしも求められませんが、中国語検定4級では、必ず読解問題が出題されます。出題パターンがある程度決まっているので、よく出題される問題形式を勉強することで、合格にぐっと近づきます。出題パターンには、以下のようなものがあります。

空所補充問題

「空欄を埋めるのに最も適当な語はどれか」という問題です。この問題は、文章全体を眺めるよりも、空欄のある一文の構造をみることで、正解を導くことが可能です。

日本語訳問題

下線が引かれている中国語を、日本語に直す問題です。中国語の構文に注目して、日本語訳とかみ合っていない選択肢を排除することで、正解を導けます。

内容把握

「この文章の内容にあてはまるものを選べ」という問題です。4択の選択問題なので、本文を最後まで読んだあとに、当てはまらない選択肢を排除することで正解を導けます。ひっかけ問題が出題される可能性もあるので、拾い読みはしないほうがよいでしょう。

参考書はCD付きを選ぶ

中国語の学習には音読が重要で、特にシャドーイングが効果的です。シャドーイングで用いる音声を得るために、参考書は、ぜひCD付きを選びましょう。その際に、口の形や下の位置などを、細かく図示してくれる参考書を選ぶとよいでしょう。

また、CDを聞き流すことで、中国語の音に慣れることができます。CDの音源をスマートフォンやミュージックプレイヤーなどに入れることで、電車やバスなどの移動中にも、中国語検定の勉強ができます。

中国語検定2級について

2級の合格率は21パーセント

中国語検定2級の難易度は、「大学の中国語専攻で卒業目標のレベル」だといわれています。すなわち「4年間中国語を専門的に勉強をしたら合格して当たり前」というレベルです。難易度が高い試験であるため、合格率は21%程度です。

2級は、筆記試験とリスニングの試験からなり、両方で70点以上を獲得すれば合格となります。どちらかが70点未満だと、不合格になってしまうので注意してください。また、勉強期間が長期にわたるので、1回で合格することを目標にするのではなく、2~3回で合格することを目標に、勉強をしていくとよいでしょう。

2級の合格に必要な勉強時間は600時間

中国語検定2級の合格に必要な時間は、600時間だといわれています。600時間がどれくらいの時間かというと、毎日1時間勉強したとしても、1年8カ月かかるほどの時間です。一般的に、中国語をスタートしてからの「トータル勉強時間」の目安としては、3級の合格は200時間程度、2級の合格は600時間程度とされていて、3級と比べると、3倍の時間がかかることが分かります。

合格のためには、早めに過去問題に着手し、試験の傾向をつかむことが大事です。もし、2級の過去問を解いてみて、3割も解けなかった場合には、基本の知識が足りないといえます。その場合は、3級からの受験を検討したほうがよいかもしれません。過去問題は、中国語検定協会の公式ホームページからダウンロードできるので、ぜひ利用しましょう。

就職に役立つのは2級から

中国語検定2級では、「実務能力の基礎づくり完成」、「日常的な話題での会話が行えること」が保証されています。そのため、2級からは就職活動においてよい影響を与えるといわれています。感覚的にも「私は中国語が話せます」というよりも、「中国語検定2級を持っています」のほうが説得力が出るでしょう。

特に商社や外資系企業など、グローバルな取引を行っている企業では、重宝されるようです。したがって、中国に支店や取引先を持つ企業などに、就職を考えている方は、2級を取得する価値はありそうです。

中国語検定の申し込みについて

中国語検定の日程は年に3回

試験日は年に3回設けられており、3月6月11月の第4日曜日に行われます。ただし、1級は11月のみしか受け付けられていないので注意してください。申し込みの締め切りは、試験日の1カ月程度前なので、余裕をもって受験の申し込みをするとよいでしょう。

また、海外からの申込も受け付けられています。北京や台北やシンガポールでも受付が行われているので、そちらが近い方は、北京等の施設で受付することも可能です。こちらも、インターネット申込も可能です。

ネットでの申し込みは安くなる

受験の申し込みは、「郵送申込」と「インターネット申込」の2種類に分けられます。インターネット申込だと受験料が少し安くなります。

・4級だと「郵送申込」が3,800円なのに対し「インターネット申込」は3,700円
・3級だと「郵送申込」が4,800円なのに対し「インターネット申込」は4,700円
・2級だと「郵送申込」が7,000円なのに対し「インターネット申込」は6,800円

このように、100円から200円安くなるので、インターネットに不自由しない方は、インターネット申込がよいでしょう。

申し込みの写真の条件がある

中国語検定に申し込む際に、注意しなければならないことは、申し込みの写真です。以下の条件を見たす写真でないと、受付をしてもらえません。したがって、申し込みの写真を撮るときは、この条件を満たすかどうかを確認しましょう。

・縦4cm×横3cm・コピー紙への印刷不可
・3カ月以内に撮影したもの(カラー・モノクロともに可)
・本人のみ・無帽・頭部全体が写っているもの(頭部は写真全体の半分以上を占めること)
・無背景の写真(白、薄い色であれば可)
・正面を向いて顔が確認できる

申し込みは書店でも行っている

郵送申込を行う場合は、まず受験案内を入手します。挟込みの受験申込書に必要事項を記入し、支払証明書類を添えて、協会あてに送付することで申し込みが完了します。

受験案内は、近くの書店や大学の生協でも入手できます。日本中国語検定協会のHPから、受験案内を取得できる書店があり、大学の生協でも検索できます。

中国語検定とHSKの違い

中国語検定は翻訳能力が必要

中国語検定は日本国内と中国・シンガポールで行われています。そのため、日本国内で活躍したい、日本国内の企業に就職したい、日本国内で通じる中国語の資格が欲しい、趣味あるいは旅行会話を学びたいといった方に、おすすめの資格となります。

設問の構造上、「聴解能力」「読解能力」「翻訳能力」が求められます。しかし「対話能力」は求められません。そのため、中国語検定に合格したからといって、中国語が話せることにはなりません。

海外で就活や就職するならHSK

中国語の検定として、漢語水平考試(HSK)というものがあります。HSKは世界中で実施されている国際的な中国資格です。中国政府が公認し、母語が中国語でない人の中国語の能力を、はかることに使われています。

日本国内のみならず、アメリカやフランス、中国、韓国など、88の国と地域で試験が行われている国際的な基準となります。そして、特に中国国内の大学や、海外の企業で採用、研修の評価基準に利用されています。

HSKは、中国語を用いたコミュニケーション能力の測定に特化しており、より実用的な中国語能力が求められます。そのため、外資系企業に就職したい方や外国で就職したい方は、HSKを受験することをおすすめします。たとえるなら、中国語検定は英検やTOEICの立ち位置であり、HSKはTOEFLあるいは、ケンブリッジ英語検定に当たります。

HSKで難易度が高いのは6級

HSKのレベルは、初級レベルの1級から、上級レベルの6級まで6段階に分かれており、幅広い学習段階の方の中国語能力を、測定することが可能です。何級からでも受験可能なので、もし、中国語学習がゼロの状態であれば、一番低い級である1級に申込めばOKです。

中国語検定とHSKの対応表は以下のようになっています。中国語検定を受けている方は、この対応表を基にHSKも受験してみると、よいかもしれません。

・中国語検定の準1級~1級=HSKの6級
・中国語検定の2級=HSKの5級
・中国語検定の3級=HSKの4級
・中国語検定の4級=HSKの3級

中国語検定は国内での中国語スキルに欠かせない検定

中国語検定は中国語の読み・書き・翻訳を、バランスよく養えて、ビジネスや就職活動の助けになります。中国語を強みとしてキャリアアップを望む方は、HSKと合わせて学習すれば、中国語でのコミュニケーション能力をより高められます。

オリンピックを控えて、これから中国語を使う機会はますます増えていくと考えられます。中国語検定を上手に使いながら、中国語のスキルアップを目指しましょう。

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LITORA編集部

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