食べてないのに太るに潜む本当の原因|食べないだけでは痩せない理由
食べていないのに太る人には理由がある
「特に暴飲暴食をした記憶はないのに、なぜか体重が増えている」「食事に気を遣っているはずなのに、なぜか体重が減らない」「生理の際になぜかいつも体重が増える」女性にとって永遠の課題である体型の悩みですが、20代後半の大人の女性の多くがこういった悩みを抱えています。
自分では気を付けているはずの「はず」に隠されている、見落としがちな太る原因を細かく解説していき、対処方法も紹介します。自分がどのタイプに当てはまるのかを確認して、理想的な体型を目指していきましょう。
食べていないのに太る原因
それでは食べていなくても太る原因について紹介します。実はただ食べなければ痩せるわけではありません。それでは何が足りないのか、食事以外に何が必要なのか、ダイエットしている人はぜひ参考にしてください。
運動不足が原因
ソフトブレーンフィールドによる「働く女性の健康と運動に関する意識調査」によると、働く世代の女性の約8割が運動不足を実感しているとのことです。仕事終わりや休日は日頃の疲れを癒すために家でゴロゴロしたくなるところですが、ダイエットはやはりどうしても運動抜きには語ることはできません。
運動がつらい、と感じる人は、運動不足が原因で心臓が弱くなっている可能性があります。心臓が弱くなると少し動いただけで息切れを起こして疲労感を感じ、それが原因で運動を避け、より心臓が弱くなるという悪循環が生まれてしまいます。心臓が弱くなっていると自覚のある人は、負担の少ないウォーキングから始め、楽しく運動できる強い心臓を作っていきましょう。
基礎代謝が悪い
特に大きな運動をせずにじっとしていても、人は生命維持のためにカロリーを消費します。この生きるために必要な消費エネルギーのことを基礎代謝と言い、人の一日の消費エネルギーの約6割はこの基礎代謝にあたります。成人女性の平均的な基礎代謝は約1200Kcalと言われ、年齢とともに下がっていきます。エネルギーはもちろん食事から摂りますが、基礎代謝が悪くなると食事から摂ったエネルギーを上手く消費しきれず、余ったものが脂肪として体に蓄積され太ってしまいます。
逆に言えば、基礎代謝の良い体はそれだけでたくさんのカロリーを消費するので自然と痩せやすい体になるのです。基礎代謝が悪くなる原因としては、体の筋肉量が少ないことや血流が滞っていることなどがあげられます。
栄養に偏りがある
食事の量に気を遣っているはずなのに痩せずにむしろ太ってしまう、という人は食事の栄養バランスに問題があると考えられます。前項で触れた基礎代謝ですが、体の筋肉量が減ると基礎代謝が下がり太ってしまう原因になります。筋肉のもととなるたんぱく質が充分に摂れていないと、せっかく運動をしていてもたんぱく質不足が原因で筋肉のつきにくい体になっている可能性があります。
肉類は太るから、と避けられがちですが、そうとも言えないようです。また食事からエネルギーを作り出す一連の流れを代謝といいますが、代謝にはビタミンが必要不可欠です。
糖質はビタミンB1、脂質にはビタミンB2、たんぱく質にはB6がそれぞれ必要になります。これらのビタミンB群が不足することで栄養をエネルギーに変えることができず、脂肪として体に蓄えられ結果太ってしまうのです。
ストレスが原因
働く女性は多かれ少なかれストレスを抱えている人が多いといわれますが、このストレスも太りやすい体を作る原因のひとつです。まず日頃のストレスや忙しさのせいで睡眠不足になっている人は要注意です。人の体は充分な睡眠が取れていない状態が続くと生命の危機を感じ、危険に備えるために脂肪を蓄えようとして太ってしまいます。
また、食べなければ痩せる、と食事に気を遣いすぎることでも体に大きなストレスがかかります。基礎代謝を下回る摂取カロリーが続くと体が飢餓状態になり、生命維持のために基礎代謝を摂取カロリーと釣り合わせようとします。また一度飢餓状態になると体はさらなる飢餓に備えて脂肪を蓄える準備をしようとするので少し食べただけでも太りやすい体質になってしまうのです。
水分が不足している
ダイエットに敏感な人なら「水太り」というワードに聞き覚えがあり、水分はあまり摂らない方がいいと思っている人もいるようですが、実は水分不足も太ってしまう原因の一つなのです。水分が不足するとまず便秘になり体重が増えるうえにお腹が出て太って見えてしまいます。
さらに水分の摂りすぎが原因と思われがちなむくみですが、実はむしろ水分不足によってむくんでしまうことのほうが多いのです。体が水分不足を感じると、水分を溜め込もうとして排出すべき分まで体の中に留めておこうと働き、老廃物が排出されずむくみの原因となるのです。
実は食べている
食べていないはずなのに太ってしまう、という人の中には自分でも知らず知らずのうちに実は食べているという人も多くいるようです。仕事のお供に砂糖がたっぷり入ったカフェラテや清涼飲料水をついつい飲んでいる、ちょっとした休憩にお菓子をつまんでいる、身に覚えがある人は実感のないままに実はけっこうなカロリーを摂取している可能性があります。
ながら食べは満足感が得られにくく、ついつい思った以上に食べてしまいがちです。また、ダイエットに良いとされているドライフルーツやスルメもカロリーの面でいえば高めで、白米が100g約168Kcalに対してドライマンゴーは約335Kcal、スルメは約330Kcalです。ダイエットに向いているおやつといえども、食べすぎては本末転倒になります。
食べていないのに太る人の対策
先ほどの項目では食べていないのに太ってしまう原因を確認していきました。ここからは食べていなくても太ってしまう人のための対策を細かく解説していきます。意外なところが太ってしまっているかもしれませんのでこの項目を参考に意識してみましょう。
食生活の見直しをする
太りやすい体質になってしまっている人にまず取り組んでほしいことは食生活の見直しです。痩せ型体質を目指していくためには、先ほどから何度も出てきている代謝を上げていくことが第一の課題と言えます。栄養バランスの良い食事を心がけ、特に代謝を上げるために必須な筋肉のもととなるたんぱく質は積極的に摂っていくと良いでしょう。
ただし早く代謝を上げたいからといって、たくさんのたんぱく質を一度に摂ろうと、お腹が空いていないのに無理やり食べることは体に負担がかかりますので避けましょう。美味しくバランスよく適量を、が健康的な痩せ型体質を目指すうえで大切なのです。
ストレスを減らす
睡眠不足や無茶な食事制限が太りやすい体を招いていることはすでに解説しましたが、ストレス太りなんていう言葉があるように、ストレスを感じている状態というのはそれだけで太りやすくなる危険な状態なのです。神経物質の一つに精神を安定させる働きのあるセロトニンという物質があります。ストレスを感じるとこのセロトニンが低下し気持ちが落ちこんだ状態になるといわれています。
実はセロトニンは満腹感を感じさせて食欲を抑える働きも持っているので、ストレスによって低下することで、たくさん食べたい、食べても満足感が得られないからもっと食べてしまう、といった衝動が生まれるのです。ストレスを溜めてしまわないように、自分に合った発散方法を見つけることが大切です。家族や友人に話を聞いてもらう、短時間でも趣味に没頭する、ヨガなどのリラックス効果のある運動を取り入れるのも良いでしょう。ストレスと上手に向き合うことも痩せ型体質への一歩です。
食事の際の食べる順番に気を付ける
毎日の食事の際、食べる順番を意識することも大切です。空腹の状態での食事は血糖値が急激に上がりやすくなっています。その状態でいきなり炭水化物などの糖質を摂ると、食事で摂ったエネルギーを脂肪として溜め込みやすくなり、結果太りやすくなってしまいます。
食事の始めには食物繊維を豊富に含む野菜などの副菜から頂くようにしましょう。そのあとに肉・魚といったたんぱく質を摂ることができるおかずを食べ、最後に炭水化物を食べる、というサイクルを意識して食事を摂っていきましょう。実はこの食べ方は糖尿病治療でも勧められている食べ方で、食後の血糖値の上がり方を緩やかにしてくれる効果があります。
早めに夕食をとる
忙しい働く女性は夕食を摂る時間が遅くなりがちですが、これも太りやすい体質を招く悪習慣の一つです。夜は代謝が落ちるため、脂肪を溜め込みやすくなる傾向があります。夕食は遅くとも20時頃までに食べ終わるように意識してみましょう。ただし20時を過ぎてしまったからといって夕食を抜くことは厳禁です。
就寝中も体は代謝活動を行いますが、夕食を抜くことで体がエネルギー不足を感じ、代謝が落ちて脂肪が付く原因となります。いつも通りの食べることは避け、食物繊維や低脂肪のたんぱく質などのメニューを中心に、軽く済ませるように食事内容を工夫してみましょう。食物繊維を多く含む海藻類やキノコ類、低脂肪高たんぱく質な鶏肉、豆腐、チーズなどの食材がおすすめです。
生活習慣の見直しをする
睡眠不足や運動不足といった生活習慣の乱れによって太りやすい体質に陥ってしまった人は、まず規則正しい生活にしていくことを目標にしていきましょう。
充分な睡眠時間を確保して早寝早起きを心がけ、起きたらまず朝日を浴びることが大切です。人の体には体内時計という生体リズムの調整機能が備わっていて、体内時計が乱れると、日中での活動に支障が出てしまったり不眠を招きやすくなったりと悪影響が出やすくなります。
朝日にはこの体内時計をリセットする効果があり、乱れてしまったリズムを元に戻してくれます。朝の時間に余裕があれば、朝日を浴びながらウォーキングをするとさらに効果的なうえに、軽度な運動によってリフレッシュ効果まで期待でき、痩せ型体質を目指すうえでかなり理想的と言えます。朝が苦手な人や生活が夜型で早起きは難しいという場合は、普段より少し早めに就寝することを心がけるところから始めてみましょう。
体を温める
痩せ型体質のキーワードといえる基礎代謝ですが、体温もこの基礎代謝に大きく関係しています。日本人の平熱は大体36.6℃~37.2℃くらいといわれていますが、働く女性の中には35℃台の人も多く、最近ではこういった低体温の人が増加の傾向にあるようです。
体温が下がると基礎代謝が落ちてしまい、その上血流不良も招き、むくんでしまったり老廃物を上手く排出できなかったりと負の連鎖が起こります。体温が下がると免疫力も下がりますし、さらにはガン細胞は体温35度を好むといわれるように、ガンになるリスクまで上がるとされています。体温を1℃上げると基礎代謝が13%~15%上がるといわれていますので、痩せ型体質目指すうえでも健康的に過ごしていくためにも体を温めることはとても重要であるといえるでしょう。
体の冷えを感じたら、太い血管の通っている首の後ろや手首、足首を温めると全身が温まります。ショウガや根菜類にも体温を上げてくれる効果がありますので食事に取り入れるのも良いでしょう。
生理の時に食べていないのに太る理由
普段はそうでもないのに、生理の時には太りやすくなるという人も多いです。生理とは妊娠に向けて体が準備をし始めることに由来しますので、実は体が栄養を蓄えようとするのは実は自然な流れだといえます。そのしくみと対策について解説していきます。
むくみやすくなる
生理の前にはプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンの一種が多く分泌されます。このプロゲステロンの働きで体は水分を溜め込み排出しないようになり、むくみが出て一時的に体重が増える傾向になっていきます。むくみを改善するために水分を普段より多く摂るように意識しましょう。リンパマッサージなども効果的です。
イライラが原因
プロゲステロンの働きの影響で、生理前や生理中は精神的に不安定になり、イライラしたり悲しくなったりと感情の起伏が激しくなる傾向にあります。イライラしているときに無性に甘いものが食べたくなるという経験をした人が多いでしょうが、生理中にもこの衝動が起こりついつい食べ過ぎてしまいがちです。
我慢しようとするとよりストレスを感じ余計に甘いものを食べたい衝動が増しますので、少量を食べて気持ちを落ち着かせるようにしましょう。
便秘ぎみになる
プロゲステロンには大腸のぜん動運動を低下させる働きもあり、便秘を引き起こしやすくなることで体重増加につながっている場合があります。またガスも溜まりやすくなるのでお腹が張って太って見えることもあります。
意識して食物繊維を多く含む食材を摂り、水分もたくさん摂り便秘の改善を目指しましょう。マグネシウムを多く含む軟水のミネラルウォーターを飲むのが理想的です。そのほかお通じを良くするにはお腹を温めることやマッサージをするのも効果的です。
血糖値が低くなる
プロゲステロンは血糖値を下げるインスリンにも影響が出ます。インスリンの効きを悪くすることが分かっており、体が血糖値を下げようとしてインスリンが過剰に分泌され必要以上に血糖値が下がってしまいます。血糖値が下がることで体は糖分を補充しようとし、甘いものを食べたくなるのです。
食べたいままに甘いものを摂ってしまうと血糖値が急上昇して太りやすい体質を招きますので、チョコレートなど糖分を多く含むものを少し食べるのが良いでしょう。
代謝が悪くなる
生理が始まると、女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンともに徐々に分泌量が減っていき、体温の低下を引き起こします。体温が下がると基礎代謝も下がりますが、新陳代謝にも影響が出ます。新陳代謝とは古い細胞が新しいものに入れ替わることをいい、新陳代謝が低下すると体の老廃物の排出がスムーズにいかなくなり太る原因になるといえます。
生理中の入浴を避ける人もいるかもしれませんが、新陳代謝を上げるには湯船にしっかり浸かって体を温めることが大切です。生理後は体が痩せやすくなる時期ですので、生理中にしっかり老廃物を出しておくと痩せ型体質の近道になります。
食べていないのに太る人から食べても痩せる人になろう
太りやすい体質を招く様々な原因は、働く女性であればだれもがやってしまいがちな些細な生活リズムの乱れから生まれるものがほとんどです。
自分の生活を見直し、思い当たる点があれば改善することで食べても痩せるお得な体質に体を変えていくことで理想的な体型に近づくことができるのです。一度に全ての生活リズムを直そうとすることは逆に体調不良やストレスを招くこともありますので、自分に合ったペースと方法で、美しく健康的な女性を目指していきましょう。