リンパマッサージによる効果とは?デトックスで健康な身体を目指そう
老廃物を流しだし健康なからだを目指すために
リンパマッサージは、自分でも手軽に取り入れやすいマッサージのひとつ。滞りがちなリンパの流れを促して、老廃物を流し出す効果も期待できます。しかし、「難しそう」「本当に効果があるの?」など、リンパについての詳しい知識を知らない人も多いもの。
そこで今回は、リンパマッサージのために知っておきたいリンパの働きや効果、方法についてまとめました。セルフマッサージで不調が起こりやすい体をすっきり整えてみましょう。
リンパマッサージの前にリンパについて知る
まずはリンパについて、詳しく学んでいきましょう。リンパマッサージで重要とされるリンパとは、一体どのようなものなのでしょうか。
リンパ管とリンパ液とリンパ節の役割
リンパとは、毛細血管から漏れた水分や血漿成分などからなるリンパ液、そしてリンパ液の通り道であるリンパ管、リンパ管の中継点であるリンパ節による循環のことをいいます。リンパ液の役割は、血液中の栄養分や酸素を各細胞まで届けたり、老廃物や水分を回収したりすること。毛細血管から染みだした血漿成分は、栄養分や酸素を届けたあと、静脈へと戻っていきます。
しかし、すべてが戻っていくわけではなく、水分や老廃物などが回収されずに残ってしまうことも。これらを回収するのがリンパ管であり、全身に張り巡らされたリンパ管を通って、老廃物や細菌などを運べるのです。リンパ液は、リンパ管を通ってやがてリンパ節へ入り、細菌や老廃物などの異物をろ過します。
身体全体のリンパ節は約800カ所
フィルターのような役割を果たすリンパ節は、全身に存在し、およそ800カ所ほどあるといわれています。脇の下や鎖骨、足の付け根などのあちこちにありますが、リンパ節によって大きさはさまざま。主要なリンパ節としては、脇の下の腋下リンパ節、鎖骨にある鎖骨上リンパ節、足の付け根にあるそけいリンパ節、膝の裏にある膝下リンパ節などがあります。
フィルターのような働きがあるリンパ節では、不要になった老廃物をろ過し、リンパ液をきれいにしています。また、細菌や異物などがある場合には、抗体を作ったり攻撃したりすることで、病気などから体を守る役割を果たしてくれているのです。
筋肉の動きでリンパは流れている
心臓のポンプによって流れている血液とは異なり、リンパは筋肉が動くことで流れています。そのため、運動不足や肩こりなどにより、筋肉の動きが少なくなると、滞りやすくなってしまうのです。血液はおよそ40秒で全身を巡っていくのに対し、リンパは8~12時間程度かかります。流れる力も弱いため、時間をかけてゆっくり巡っており、ちょっとしたことでも滞りやすくなっています。
リンパをスムーズに流すためには、適度な運動やバランスのとれた食生活など、日常生活から気をつける必要があります。しかし、仕事や家事、育児など、なかなか思うような生活を送れない人も多いでしょう。リンパは筋肉以外にも、マッサージなどによる外からの刺激によっても流れを促せるため、意識して行っていきたいですね。
リンパマッサージで期待できるデトックス効果
リンパマッサージでリンパを流していくと、デトックス効果が得られます。具体的には、どのような効果が期待できるのかを、詳しく見ていきましょう。
むくみの改善とその予防効果
リンパが滞ると、余分な老廃物や水分が体に留まり、むくみを引き起こしやすくなります。特に、ふくらはぎなどの足の部分は、長時間座っているとリンパが滞りやすく、ひどくむくみやすい場所のひとつ。同じ姿勢が続くと、足の筋肉の動きがほとんどなくなり、リンパをスムーズに流せません。
リンパマッサージは、滞りがちなリンパの流れを促し、老廃物や水分をスムーズに排出しやすくできます。むくみの改善や予防につながり、むくみを解消することですっきりを見せられます。
冷え性の改善や肩こり解消効果
長時間座っていたり、寒さを感じたりすると、リンパの流れだけでなく血流も悪くなります。リンパマッサージは血流促進にも効果的。冷えやすく、一度冷えるとなかなか温まりにくい手や足にも、リンパマッサージをして血流を促すことで、冷えの予防や改善する効果が期待できます。
また、肩こりなど、筋肉が硬くなることでも血流が悪くなくなる原因に。リンパマッサージで血流やリンパを促すことで、重く感じやすい肩や首回りの筋肉をほぐすことにつながり、つらい肩こりの症状を和らげられます。
セルライト除去効果
セルライトは、老廃物や脂肪のかたまりのこと。体のラインや後ろ姿にも影響を与えるため、セルライトをなくしたいと思う女性も多いでしょう。リンパマッサージで硬くなったセルライトをほぐすことで、体をスッキリと整えられます。
また、リンパの流れやリンパ節を意識しながら全身をマッサージすることで、セルライトが付きやすい部分の血流やリンパの流れを整える効果も。老廃物が滞ってセルライトができることを防げます。
乳び槽が快適になる便秘解消効果
お腹の中央に位置する乳び槽とは、脚や腸管からのリンパが集まるところ。風船のように伸縮し、リンパの流れを促します。全体の8割ものリンパ液がこの乳び槽を通るため、リンパを促すためには、この乳び槽の周りの動きをスムーズにすることが大切です。
便秘などで腸の働きが悪くなると、乳び槽の働きも滞りがちに。リンパマッサージでお腹まわりの流れを整えることで、腸を刺激して便秘の解消につなげられます。
リンパの流れが滞る要因
リンパの流れが滞るのは、さまざまな生活習慣が原因。滞る原因を知るとともに、普段の生活を見直してみましょう。
運動不足や加齢による筋力の低下
リンパは、筋肉の動きによって流れているもの。運動不足や加齢などによって筋力が低下すると、リンパの滞りを引き起こします。運動不足になると、筋肉の動きが少なくなり、リンパの流れを促せません。さらに運動不足の状態が続くと、筋力の低下につながっていきます。
また、生活環境によっても異なりますが、年齢とともに筋肉は少しずつ落ちてしまうことに。同じように生活をしていても、少しずつ筋肉の動きが小さくなり、リンパが滞りやすくなってしまうのです。
デスクワークなどの同じ体勢の継続
同じ体勢を取り続けることも、リンパが滞る原因のひとつ。デスクワークなどで、1日中座りっぱなしの状態だと、筋肉の動きが小さくなり、リンパの流れが悪くなります。また、座っていることで、脚や腰周りのリンパ節が圧迫され、滞りやすくなってしまうのです。
仕事や生活環境によっては、ある程度は仕方がないこと。しかし、ストレッチを行ったり、意識的に筋肉を動かしたりすることで、滞りやすいリンパの流れを促すことにつながります。
疲労の蓄積
身体に疲労がたまっていると筋肉が硬くなり、リンパが滞りやすくなります。そのまま、さらに疲労が蓄積していくと、体に不要な老廃物がうまく流れない状態が続くことに。そして疲労によって、むくみやだるさ、身体の不調などが起こりやすくなってしまうのです。
リンパの働きが十分に機能できなくなると、細菌や異物などが入ってきたときに対応できず、体調を崩してしまう原因にも。リンパの流れを促すことで、老廃物や異物などをしっかり排出し、疲労改善にも効果が期待できます。
日常の姿勢が悪いこと
姿勢の悪さは、見た目に影響を与えるだけでなく、血流やリンパの流れを滞らせる原因になります。猫背など、背中が丸まって頭が前に突き出した状態では、お腹や背中、腰などの筋肉が正しく使われません。そのため、重たい頭を支えようと、首や肩などに大きな負担がかかってしまうことに。
それによって筋肉が硬くなり、リンパが滞りやすくなるのです。首や顔周りのリンパが滞ると、老廃物や水分がうまく流れず、たるみやむくみの原因にも。姿勢が悪い人は、普段の生活から意識して改善していく必要があるでしょう。
リンパの流れを促進するセルフマッサージ
日常のさまざまなことが原因で滞りやすいリンパ。手軽にできるセルフマッサージでリンパの流れを促し、体を整えていきましょう。
1日1回から3回を目安に継続する
セルフマッサージを行う回数の目安は、1日1~3回程度。体の状態によっても異なりますが、効果を実感しやすくするためには、毎日1回は行うことをおすすめします。リンパの流れは一度流せばよいのではなく、常に滞りなく流れることが理想的。リンパをスムーズに流すために、積極的に取り入れていきましょう。
疲労やコリが蓄積していると、1回のマッサージでは十分に改善することが難しくなります。繰り返しマッサージを続けていくことで、少しずつ体調の変化を感じやすくなるでしょう。最低でも1ヵ月は継続していきたいですね。
顔のリンパマッサージ
二重あごや顔のむくみなど、気になる顔の悩みを解消するリンパマッサージを紹介します。
二重あごの解消効果
二重あごを解消するためには、耳の下からあごにかけてのリンパを促していきましょう。まず、鎖骨の上にあるリンパ節を、人差し指と中指、薬指の3本でしっかり押して刺激します。
次に、両手の親指をあご下の中央に添え、あご下からそれぞれ両耳の下に向かってスライドさせましょう。あごの下の老廃物を耳の下に集めるイメージで行います。
続いて、首に手を添え、耳の下から鎖骨に向かってさすり、老廃物を流していきます。最後に鎖骨の上のリンパ節をもう一度押して、老廃物の排出を促しましょう。
むくみの解消による小顔効果
顔のむくみは、顔を大きく見せてしまう原因に。マッサージですっきり整えていきましょう。まず、鎖骨の上のリンパ節を押して刺激します。
人差し指と中指でフェイスラインを挟み込むように両手を添え、あごからこめかみに向かってさすりましょう。さらに、両手で頬を覆うようにして、人差し指と中指、薬指が鼻の脇に触れるようにします。そのまま指先を耳の方へスライドさせ、リンパを流していきましょう。
続いて、おでこの中心からこめかみに向かって流し、それを真下にある耳の下へ、そして鎖骨へと流していきます。最後にもう一度鎖骨上のリンパ節を押して老廃物の排出を促します。
老化防止による美肌効果
肌を美しく整えるためには、たまりがちな老廃物をしっかり排出することが大切です。顔にたまった老廃物を、鎖骨のリンパ節までしっかり流していきましょう。
まず、中指で小鼻の脇を押して刺激します。頬骨に沿うようなイメージで、少しずつこめかみの方へずらしましょう。次に両手で頬を覆うようにして、耳の方へ向かってさすります。最後に、耳の下から鎖骨に向かってさすり、老廃物を流していきましょう。
足のリンパマッサージ
ふくらはぎやふともものむくみがあると、足が太く見えてしまうので困ってしまいます。そんな足のお悩みに効果的なリンパマッサージを紹介します。
ふくらはぎのむくみ解消効果
気になるふくらはぎのむくみには、老廃物や水分をしっかり排出できるようなマッサージが必要です。まず、足の裏をほぐしていきます。両手で包むようにして、両親指を重ねて左の足裏の真ん中あたりに添えて押し、そのままかかとに向かって押しながら滑らせていきます。
続いて、足の甲にある骨に沿い、指側から足首に向かってスライドさせながら刺激します。また、指先をほぐすなど、足全体をほぐしていきましょう。足首を回したり、くるぶし周りを刺激したりと、滞りがちなリンパをほぐします。
最後に、両手を使って、足首から膝裏までリンパを流していきましょう。しっかりと流せたら膝裏を押して、老廃物の排出を促します。
ふともものむくみ解消効果
太ももにたまった老廃物や水分は、そけい部のリンパ節に流して解消していきます。まず、太ももの外側を両手でつかみ、脂肪をつぶすようなイメージでしっかりとほぐしましょう。続いて、太ももの内側も同じようにつかみ、ほぐしていきます。
最後にほぐした老廃物を、そけい部のリンパ節に流します。両手を太ももに密着させて、膝側からそけい部に向かってしっかりと流していきましょう。
お腹のリンパマッサージ
ぽっこりしたおなかやくびれのないウエストは、女性にとって大きな悩みの種の一つ。気になるお腹をすっきりさせるリンパマッサージをみていきましょう。
お腹周りの皮下脂肪燃焼効果
お腹周りのリンパの流れを促すことで、脂肪燃焼しやすい状態へと導きます。まず、お腹についた脂肪をつかみ、全体的にほぐしていきましょう。
続いて、へその上に両手を添え、ぐるりと円を描くようにやさしくさすります。5回程さすったら、へその上あたりから、左右それぞれのそけい部に向かってさすり、流していきましょう。
ウエストのむくみ解消によるくびれ効果
ウエストをスッキリ整えるためには、脇腹のリンパを流すことがポイント。まず、ウエストラインについた脂肪をつかんでほぐしましょう。次に、両手をそれぞれの脇の下に添え、腰骨に向かってさすります。
最後に腰骨をつかむようにして、腸骨リンパ節を刺激しましょう。流れをスムーズにして、排出しやすくなります。
リンパマッサージの効果アップが期待できるコツ
リンパマッサージは、いくつかのポイントを意識するだけで、効果をさらに高められます。リンパの流れをよくして、体をスッキリ整えたいですね。
オイルやクリームを使って行う
リンパマッサージは、手を肌に密着させて行うことが多いマッサージ方法です。そのままの状態で行うよりも、オイルやクリームを使って行ったほうがすべりがよくなり、スムーズにマッサージを行いやすくなります。肌を保湿する効果もあるため、リンパを流すとともに、肌をなめらかに整えられます。
乾燥しがちなボディを整えることで、肌への刺激を抑えることにもつながるでしょう。また、リンパマッサージには香りがあるオイルやクリームもおすすめ。アロマ効果によって、よりリラックスできるでしょう。
コップ一杯の水を飲んでから行う
滞りやすいリンパの流れをよくするためには、水分補給が大切です。リンパマッサージを行う前には、コップ一杯程度の水を飲むようにしましょう。水分によって老廃物が流れやすくなり、マッサージ効果を得やすくなります。また、マッサージ後にも水を飲むことで、リンパの流れを促進できます。
リンパが滞ることを防ぐためには、普段から適度な水分補給をすることがおすすめです。しかし、一度にたくさん飲むとむくみなどが起こりやすいので、少量ずつこまめに摂ることを意識しましょう。
体を温めてから行う
リンパは、体が冷えているよりも温まった状態のほうが流れやすくなります。そのため、入浴後などの血行がよくなっているときに、リンパマッサージを行うとよいでしょう。肌がなめらかになってマッサージがしやすくなるとともに、リンパの流れが改善されて、効果をより実感しやすくなります。
反対に身体が冷えていると、いくらマッサージをしても、冷えによって血流やリンパの流れが滞る原因に。そのため、部屋の温度はやや暖かめに設定し、床にはマットを敷くなどして、冷えないように環境を整えましょう。
力を入れずになでるようなイメージで
リンパマッサージを行うときには、基本的に力を入れず、なでるように行います。リンパが滞っている部分などは、マッサージによって痛みを感じやすいもの。痛みがあるとつい力を入れたくなりますが、急に強い刺激が加わると、かえって逆効果になることがあります。
したがって、ほどよい力加減を心がけましょう。ただし、太ももや足裏など、場所によってはある程度強めに刺激したほうが効果が出やすいところも。行う場所に合わせた正しい方法で、ていねいに行いましょう。
末端から各リンパ節に向かって行う
リンパマッサージの基本は、気になる部分をほぐしてから、リンパ節に向かって流し込むこと。末端から各リンパ節に向かって、マッサージすることを意識しましょう。詰まりやすいリンパ節を刺激してほぐし、老廃物や水分をすっきり流せます。
リンパ管には弁がついており、心臓の方向に向かって流れています。体全体のリンパマッサージを行うときには、心臓に近い部分は最後に行います。リンパの流れを意識することで、より効率よくリンパを流せるのです。
リンパマッサージ効果で老廃物にサヨナラする
リンパマッサージというと、マッサージ店などで行われている、専門的な施術をイメージする人も多いでしょう。しかし、リンパの基本的な働きや流れを知っておくことで、自分でも手軽なケアが可能です。正しい知識さえあれば、いつでも簡単に行える点がうれしいですね。
滞りがちなリンパですが、マッサージ効果で気になる老廃物を排出して、体をスッキリ整えましょう。