転職活動時の封筒の扱いについて。正しい書きかたやマナーを知ろう
履歴書を送る際の封筒の正しい扱い方は
昔は知人に向けて手紙を書いていたものですが、昨今ではEメールが主流となっています。そのため応募したいと思っている企業に応募書類を郵送する際、封書の送りかたに不安を覚える人も増えてきました。
ほとんどの人事担当者は正直、それほど封筒の美しさなどを気にはかけていません。しかし正しい書きかたやマナーを知らずに郵送した場合には悪目立ちをしてしまう可能性があります。常識がないと思われることは、転職活動において大きなマイナスポイントです。
この記事では、表面・裏面の正しい封筒の書きかたや、封筒を送る際のマナー、封書を通じて人事担当者がみているポイントなどをまとめていきたいと思います。常識的な封筒の扱いを覚え、不安なく応募書類を送りましょう。
転職活動での正しい封筒の書き方
当然のように書いていたスタイルが、じつは常識からはずれていたということもあり得ます。表面・裏面の書きかたなど、正しい封筒の書きかたをみていきましょう。
黒のサインペンを使用する
最近は手書きに自信がないのか、それとも応募書類を複数出しているために手書きの手間を省いたのか、印刷したものを使用する人もいます。宛名が印刷してあるからといって不採用にはなりませんが、手書きの封書が多い中で目立つことは確か。
応募書類の封筒は、基本的に手書きです。封書を書く際のペンは、黒のサインペンを使用しましょう。ボールペンで書く人も多くいますが、ボールペンは細すぎて読みにくいです。またマジックは裏写りしやすく、下手すると応募書類にペンが写ってしまうことがあります。
唯一カラーで記入しなければならないのが「応募書類在中」という文字です。この文字だけは赤いペンで記入してください。あらかじめ応募書類郵送用の封筒で「履歴書在中」と印字があるものは手書きで再度記入する必要はありません。
全て略さず正式名称で書く
都道府県などを省略して市などから書きはじめる人がいますが、基本的には都道府県からすべて記入します。たとえ企業と同じ県に在住していたとしても、人事担当者が同じ県の出身者だとは限りません。市名などから県名をすぐに把握できないことがありますので、書類を受け取る側の気持ちにたって正式名称で書いてください。番地も同じで、3-3-5のような書きかたはせず、3丁目3番地5号のように記載します。
企業名ですが、「株式会社〇〇」と記載し、「(株)〇〇」という書きかたはしません。省略スタイルの(株)は避けるのがマナーです。また住所と会社名の高さをそろえるようにするときれいにみえます。
表面の書き方
たとえ字が上手でなくても、丁寧に書いていれば伝わります。基本的に手書きで記入しましょう。下記にポイントをまとめています。
住所
右端に都道府県からの住所を省略せずに書きます。一行で書き切らない場合には、二行目を一文字分下げて書いてください。またマンション名や住所だけが書ききれなかった場合には、冒頭から書かず下のほうに書くときれいにまとまります。
会社名と宛名
会社名は(株)などと省略せずに正式名称で記入しましょう。部署を宛先とする場合には「~部御中」、担当者の名前がわかっている場合には「~部~様」、名前はわからないけれど担当者宛に出したい場合は「~部~課採用ご担当者様」と記載します。
応募書類在中の表示
左端には、赤字で「応募書類在中」と書きます。履歴書等を購入した際についてくるような封筒では、あらかじめ「履歴書在中」と赤印字されている場合も。
文字の周りは定規などを使用して四角で囲んでもよいですし、囲まなくても問題はありません。自筆に自信がない人は、100均などで「履歴書在中」のハンコが売っているので、それを使用してもよいでしょう。
裏面の書き方
封筒に書類を入れたら封をします。テープではなく、のり付け後〆マークを書きます。×マークにならないように注意してください。
次に自分の住所です。真ん中の継ぎ目の右側に都道府県から記入しますが、こちらも番地などを省略せずに「3丁目3番地5号」のように書きます。継ぎ目の左側には氏名を記載してください。もしくは継ぎ目の左右で住所と氏名をわけず、左端にすべて記入する方法もあります。
最後に投函する日付を封筒の左上に漢数字で書きましょう。
直接持参して手渡しする場合
直接持参して手渡しする場合には、宛名不要です。表面には「応募書類在中」とだけ赤字で記載しましょう。また中に入れる書類ですが、添え状も必要ありません。
裏面の記入ですが郵送時と同じ記入方法で問題ありません。住所と氏名、それから履歴書を提出する年月日を漢数字で書けば完成です。持参後に中身の提出を求められるかもしれませんので、封はせずにおきます。
持参の場合は、移動中の鞄の中でしわがついたり汚れがついたりしやすいです。また封をしていない分中身を紛失しやすいので注意をしてください。
封筒を出す際に気をつけたいマナー
記入して後は提出するだけの封筒。提出の際に気をつけておきたいポイントをみていきましょう。
封筒は白色の角2サイズ
まず封筒の色ですが、白が無難です。以前は茶封筒は失礼に当たるといわれていましたが、昨今ではそこまで気にする必要はありません。しかし、茶封筒は白い封筒に比べて薄手のものが多く、しわになったり破れたりしやすいので、白のほうがよいのです。
またサイズですが、A4サイズが折らずに入るものがよいです。市販の履歴書を購入した際によくついてくるのは長封筒ですが、使用するのはアルバイトに応募するときにしましょう。おすすめは履歴書を折らずに入れられて、なおかつ大きすぎない角2サイズです。封筒に郵便番号欄はなくてもよいです。
汚れや折傷は厳禁
封筒そして中身の応募書類に、汚れや折傷がつかないように心がけてください。どんなに丁寧に中身を書いても、郵送中の事故で汚れることがあります。雨などに多少濡れても大丈夫なように、応募書類はクリアファイルに挟んでから中に入れるとよいでしょう。
また直接持参するときには鞄などに封筒を入れていくことが多いと思いますが、しわになりやすいので注意が必要です。途中で飲み物や食べ物を購入した際には、水滴などがつかないように気をつけてください。
切手の柄に注意
切手の柄にまで注目する人事担当者はそれほど多くないですが、それでもキャラクターものや記念切手を使用している場合には悪目立ちしてしまう可能性があります。
特にキャラクターものに関しては、デザインによって幼さやオタク感を印象づけてしまったりするので注意が必要です。
応募書類の基本は、悪目立ちせずに社会人としてのマナーが守られていることです。企業へ書類を送る場合には、きちんと重さをはかり郵便料金が足りないことがないように、そして最も無難な切手のデザインで送るようにしましょう。
必要書類と共に添え状を同封すること
自分が仕事をしているときのことを考えてください。メールに書類を添付して送るときに、「書類を添付いたしました。ご確認ください」のように言葉を添えて送信しませんか。応募書類を郵送する際も同じです。まして相手はこれから書類選考を行ってくれる相手です。一言添えるのが常識です。
添え状は長々としたものでなくてもかまいません。A4用紙1枚程度のもので十分です。また他の企業への応募書類に使えるような定型文でもよいでしょう。大事なのはマナー違反していないことです。
郵送は郵便局窓口から速達で
郵送する際には、そのままポスト投函ではなく郵便局の窓口からがよいです。窓口の人に重さなどを量ってもらえば、料金不足の心配もありません。
通常郵便でもかまわないのですが、応募期限がギリギリの場合などには速達郵便のほうがアピールできます。また採用枠が少ない場合は、先に届いた書類のぶんから面接などを行い、採用につながってしまう場合があります。スピードは大切です。
また書留は、必要もないのに高い金額をかけている印象があるので、コスト意識が低いと判断される可能性があります。避けるようにしましょう。
転職活動で人事が見ているポイント
人事担当者がもっともみたいのは書類の内容ですが、残念ながらそこにたどりつくまでに減点ポイントがついてしまう応募書類もあります。注意点をみていきましょう。
応募書類の扱い方
応募書類の扱いかたが雑だとわかってしまうと、マイナスの印象を与えてしまいます。応募書類の折りかたや入れかたは丁寧に行いましょう。
たとえば応募書類にコーヒーか何かのシミがついていたらいかがでしょうか。みた瞬間、書類選考で落としたくなってしまうでしょう。そこまでいかなくても、折り目が斜めになっていたりして雑だと、そこから「事務仕事を頼んでも、きちんと仕事ができなそうだな。おそらく仕事が雑だろう」と採用後の仕事の質まで想像されてしまいます。
応募書類は丁寧に扱い、人事担当者からの客観的な視点で最終確認を行いましょう。
一般的なマナーができているか
応募書類からみえてくる人柄というのも確かにあります。たとえば誤字脱字が多い人は、教養の低さが垣間見られますし、実際に採用して仕事をはじめたとしても仕事上で誤字脱字の多い書類を作る危険性があります。
また応募期日を過ぎて書類が到着した場合も同様です。1日遅れたくらいで、さらに速達便で届けばまた印象は変わるでしょうが、通常は印象がよくありません。実際に仕事をする中で締め切りを守らないのではないか、遅刻常習犯だったりしないかといった不安をあおります。
宛名の敬称が間違っていた場合なども、取引先相手に失礼なことをしてしまう可能性がかいまみられてしまいます。
応募書類の誤りは、一般的なマナーができていない、常識がないと判断される可能性があります。不明なことはきちんと調べて、相手にとって失礼のない応募書類にしましょう。
悪目立ちしないよう封筒の扱いには気をつけよう
封筒の扱い1つで、人事担当者にマイナスイメージを抱かせてしまうことがあります。それは封筒の扱いは社会人なら誰もが知っている常識だからです。
だからこそ書類の扱いに不備があった場合には悪目立ちしてしまい、一般常識のない人、マナーのなっていない人と思われてしまいます。しっかりと封筒の書きかたを学び、相手の企業にとって失礼のないようにしてください。そして転職の成功をつかみましょう。