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【自己評価の書き方と高め方のコツ】就職や転職に役立つ自己評価とは

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自己評価とは

自己評価とは、自分に点数をつけることでも、「私にはこれができます!」とアピールすることでもありません。企業選考における自己評価とは、「これまでの経験を通して、どのようなスキルを得たか」という積み重ねの意味で使われており、地に足のついた自己評価ができる人材は、就職および転職では優遇されます。

自己評価について定期的に見直し、目に見えるかたちで整理することで自信を高めることにもつながります。さらに面接の場でも長所・短所について客観的に伝えられます。

自己評価シートの書き方と例文

自己評価シートの書き方には、体系化されたメソッドがあります。一定のフォーマットを覚えておくことで、転職初心者でも迷うことなく自己アピールを記入できます。

自分の仕事の内容を把握しておく

転職の場合は、職歴が重要な選考のポイントです。職歴とはつまり、知識とスキルの積み重ねです。企業側が職歴を見ることでその人がどのようなスキルをもっているか、実際に採用したらどのような仕事をまかせられるのかを判断しています。

転職前にあわてて準備するのではなく、新入社員のうちから将来の転職にそなえ、仕事の内容をひとつひとつノートに書きだしておくことは決して無駄ではありません。

自分がした仕事の評価を付ける

与えられた仕事をただ漫然とこなしている人と、若手のうちから目的意識をもって自己評価をつけている人では、5年後、10年後の転職ビジョンに大きな差が出てしまいます。転職について少しでも検討しているのなら、今現在自分がこなしている仕事内容についてひとつひとつ具体的な評価をつけ、点数化していく習慣をつけておきましょう。

仕事内容を点数化することは、日々の業務を意識的にとらえられます。上司や家族など第三者からの視点をくわえると主観的になりすぎず、バランスのとれた自己評価になります。

直すべきところをまとめる

面接の場では、自分のポジティブな情報ばかりをアピールしてしまいます。しかし、自己評価ではネガティブなポイントもバランスよく組み込むと客観的な印象になり、人事担当者にも好印象を与えます。

ネガティブな情報は自分では気づきにくく、いったん気づきはじめるととことんまでネガティブになりがちです。「ポジティブ7割、ネガティブ3割」ぐらいのバランスでポイントをメモしていくと、面接でのイメージもよくなります。

職業別の自己評価例文

自己評価の大まかな意味がつかめたところで、職業別の自己評価シートの記入例について見ていきましょう。テンプレートをそのまま転用するのではなく、自分の体験や実感を盛り込んでオリジナリティを付け加えることも忘れてはなりません。

目標が明確な営業職の場合の書き方

ビジネス分野のなかでも、営業職はトータルの成果が具体的なデータや数字で表されるため、将来のヴィジョンが立てやすい職域であるといえます。

自己評価でもできるかぎり具体性を盛り込みましょう。「コミュニケーションスキルに自信があるので、御社では月に50万円以上の売上を達成したい」など、数字やデータをあげて目標をアピールしたほうが企業の印象も格段によくなります。

事務職など数値目標がない仕事の場合の例文

事務職は、営業職などとくらべると仕事の成果が具体的な数字として見えにくい職種です。しかし、工夫次第では数値化できる項目も数多くあります。

企業へのアピールにおいては、現在の評価と今後の目標(課題)を分けて考えることが大切です。「現時点では以上のような実績ですが、入社後はさらに30万円上乗せした実績を残したい」というかたちの自己評価が基本的なフォーマットです。そのための努力のプロセスを視覚化してアピールすることも、有効なアプローチです。

人事考課で特に強調しておきたいポイント

今の時代、企業としては仕事ができる人材をもとめているだけではありません。それだけなら高性能のロボットやAIを導入すればよく、新しい人材を採用する意味もなくなってしまいます。

企業側のいう「即戦力」とは、職場の人間関係を円滑に調整しつつ、着実に成果を残せる人材のことです。「前の職場で新人教育係として後輩の指導に長らくあたっていた」などのアピールポイントがひとつあるだけで転職が有利に進められます。

自己評価が高い人の特徴

自己評価が高い人は、転職市場においてどのように見られているのでしょうか。

根拠のない自信を持っている

自己評価が高すぎる人の話をよく聞いてみると、実際には根拠のない自信のみにささえられていることがあります。本人はなぜか「自分は仕事ができる」と思い込んでおり、少々のミスやつまずきは「まわりの条件が悪い」と自己防衛することで自信を保っています。

具体的な成果や努力をともなわないため、職場においてはやや迷惑な存在です。が、そんな評価にさえも気づかないほど自信をもっているため、よほどのことがないかぎり落ち込むことも、自分の欠点を認めることもありません。

ただ、根拠のない自信があるからこそ成し遂げられる偉業があることも事実です。このタイプの人を人材として活かす場合には根拠のない自信を傷つけないようにし、得意分野で力を発揮させるようにしましょう。

プライドが高い

社会的地位の高い人のなかには、自己評価を「高いプライド」と混同している人がいます。プライドが高い人は態度が傲慢であることが多く、自分に自信があるわりにプライドが少しでも傷つけられると相手を容赦なく攻撃する、というややエキセントリックな一面をもっています。

適度なプライドは社会人として必要ですが、それは自分のなかにとどめておくべきものです。相手よりも優位に立とうとしたり、相手を傷つけるための武器にしてはいけません。

他の人を見下している

プライドが高い人が客観的視点を失うと、次第に他者を見下すようになります。具体的な数値やデータにもとづいた評価ではなく、あくまでも自分だけのものさしに頼った査定のため、その相手が社会的に見てどれだけ有能か、ということは一切関係ありません。

このタイプの人は一見すると傲慢で、弱点がまったくないように思えるかもしれませんが、実は繊細な小心者であることがほとんどです。いったん懐に飛び込んでしまえば、相手をとことん信頼し、実力通りに評価する傾向があります。

自分の非を認めない

自己評価が高い人と仕事をすると、自分のミスや欠点をなかなか認めないので何かと対立してしまうでしょう。あきらかに非がある場合でも、決してそのことを認めようとせず、誰かにミスを指摘されると反対に相手への攻撃に転じ、最終的には逆上してしまうこともめずらしくありません。

自分の非を認めない人は心が折れやすく、強気な態度を貫くことで、かろうじて自分のプライドを守っています。たとえミスが発覚したとしても、あからさまに指摘することをさけ、プラスの実績のみに目をむけて自尊心をくすぐってあげるのが、このタイプの人への基本的な対処法です。

大きな仕事をやりたがる

自己評価が高い人は、仕事を規模の大きさで判断する傾向にあります。大きな仕事ばかりをやりたがるのですが、そのために必要な経験と実力が根本的に不足しているため、成果を残せないどころかミスばかりを繰り返し、まわりにフォローしてもらうことも。

フォローする側にしてみれば迷惑ですが、それでも、大きな仕事にチャレンジするのは育て方次第でのびしろがあるということです。プラス面を上手に評価し、正しい自己評価に結びつけることができれば有能な人材へと大化けする可能性を秘めています。

自分を積極的にアピールする

自己評価が高い人は、プレゼン能力に長けています。自分の長所やセールスポイントを誰よりも熟知しているわけですから、プレゼン材料には事欠きません。

若手社員のうちは「プレゼンと実力が見合っていない」と見られがちです。が、自己評価にふさわしい実力と経験がついてくればバランスのとれた自己PRができるようになり、仕事でも安定した成果を残せるでしょう。

自己評価が低い人の特徴

では反対に、自己評価が低い人にはどのような特徴が見られるのでしょうか。

自分に厳しい

自己評価が低い人は、自分に対して極端に厳しい傾向があります。自己分析でも、何ができるか、ということよりも何ができないか、ということを基準にして組み立てていくのがこのタイプの特徴です。少しでも不安なことについては興味を失ってしまうため、就職や転職においてもチャンスを自分から見逃してしまい、実力通りのポジションにつくことができません。

ネガティブな言葉が多い

「どうせ、だって、なのに」。これは自己評価が低い人の典型的な口ぐせです。ネガティブワードは繰り返し使っているうちに、自分自身にはね返ってしまい、本当にその通りの実力になってしまいます。

自己評価を高めるためには、口ぐせになっているネガティブワードを使わないようにし、かわりにポジティブワード(できる、やりたい、だから、など)を意識的に使うようにしましょう。気分が前向きになり、自分に向いている仕事をまかされるチャンスが広がります。

褒められることに慣れていない

自己評価は、両親からの育てられ方に左右されます。子どもの頃から両親やまわりの大人に「正しく褒められる」経験を積んできた人はセルフイメージを適切につくることができます。褒められずに育つと「自分は何もできない人間だ」と思い込み、大人になってからもチャンスをつかむことができません。

このタイプの人と接する場合は、とにかく長所を見つけて褒めつづけ、「あなたには可能性があるんだよ」ということをつねに伝えていく必要があります。

他の人を批判してばかりいる

自己評価が低い人は大きく、自罰タイプと他罰タイプに分かれます。批判ばかりする人は他罰タイプの典型例で、表面的な言動が攻撃的なため自己評価が高い人と混同されることもしばしばです。

ただ、このタイプの人の批判は自己評価の低さをカモフラージュするためのものであり、他人のマイナス面をあげつらうことで今にもこわれそうな自尊心をかろうじて守っている、というのが本当のところなのです。

自慢が多い

自己評価の低い人にとって、自慢話は数少ない武器です。そのほとんどは著しい誇張であったり、あるいはまったくのうそなのですが、本人としては「そうでもしないと自分が守れない」という心理状態であり、自慢話を聞かせている瞬間だけが心地よい時間なのです。

このタイプの人の自慢話を真っ向から否定するといよいよ自尊心が傷ついてしまい、さらに深刻化すると「演技性パーソナリティ障害」などにつながる可能性があります。

自己評価を高めるための方法

自己評価は後天的な要素であり、ちょっとした努力によっていくらでも高めることができます。

そのままの自分を好きになる

自己評価の低い人にとって、そのままの自分を受け入れることほど難しいものはありません。

まずは、評価そのものをやめてみましょう。自分に点数をつけることをやめることで、ネガティブにしかとらえられなかった性格特性も、自然なセルフイメージに形づくられていきます。さらに、自分が嫌いな自分自身の性格を、考えつくかぎりノートに書きつらねてみましょう。そして、ひとつひとつの性格の最後に「それがどうした」と付け加えるのです。

「私は行動が遅い、それがどうした」。「私は人前で赤面してしまう、それがどうした」。「私はプレッシャーに弱い、それがどうした」。最後に「それがどうした」と付け加えることで、マイナスにしか見られなかったはずの自分の特徴がニュートラルなもののように感じられ、少々の悩みではへこたれなくなります。

自分のいいところを伸ばす

自己分析はいってみれば「いいところ探し」の積み重ねです。自分にはあれができる、これもできる、こんなこともやってみたい、など、プラスのセルフイメージを積み重ねることによって、就職や転職にも前向きになり、実力通りの結果を残せるでしょう。

自分だけでは長所やセールスポイントがどうしても見つけられないなら、カウンセリングの力を借りるのもひとつの方法です。

良かった経験を思い出す

自己評価を高めるためには成功体験が必要です。簡単にいえば他人から認められた経験で、そうした記憶をベースにすれば、自己評価が低い人でも自尊心を保つことができます。「高校の頃、数学のテストで満点をとった。」「演劇部で演技が褒められた。」「小学校の運動会で2年連続の一等賞になった」など、細かいことでいいのです。

自分自身にとって、心の底から喜べる成功体験であれば、自己評価の根拠となり、大人になってからもプライドのささえとなるはずです。

嫌な記憶は見方を変えてみる

記憶は本人が思っている以上にあいまいで、不確かなものです。成功体験がしばしば年月を経て美化されるように、嫌な想い出もまた時間とともにディテールが変形し、よりネガティブな記憶として定着してしまいます。

いったん定着した物事の捉え方を変えてみるプロセスを、心理学では「リフレーミング」と言い、カウンセリングではよく使われる手法となっています。

自分を褒めることから始める

自分自身を褒めるというと、うぬぼれのように思われるかもしれません。しかし、自己評価の低い人にとっては「自画自賛力」こそが何よりも欠けている要素であり、チャンスをつかむために必要な要素でもあります。

まったく同じ1日はありません。昨日との違いを敏感に感じ取りましょう。たとえば「今日はいつもより5分早く仕事を終えることができた」など、ささいな変化をプラスにとらえることにより、ポジティブに自分の実力を評価できます。

自己評価は高過ぎず低過ぎずが適切

自己評価が高い人、低い人。一見すると正反対のように思えますが、実は「自分以外のことが見えていない」という点で共通しています。自己評価が高い人も低い人も、結局はプライドが傷つけられることを極端に恐れ、第三者の客観的な評価が受け入れられない状態になっています。

まずは自分自身について冷静に見つめ直し、他者のアドバイスに冷静に耳を傾けるようにしましょう。ありのままのセルフイメージを受け入れられるようになり、周囲とのずれを修正できます。適切に自己評価を行い、就職や転職だけでなく、人生にも役立てましょう。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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