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アラフォー世代は受難の時代|楽しい40代を迎えるためには?

生き方

アラフォー世代の実態とは?

会社でも中堅と呼ばれるようになってきた今日この頃、アラフォー世代の女性たちは多くの悩みを抱えながら生きているのではないでしょうか。「ハタチで成人した時に思い描いていたのはこんな大人だったっけ?」そんな思いを抱える女性たちが明るく40代を迎えられるように、今どんな困難がアラフォー女子たちを取り巻いているのか、またそれらに対してどのような支援の手があるのか、一緒に考えていきましょう。

ストレスと疲労

アラフォー世代の人々

アラフォーという言葉自体を耳にすることは多いけれど、実際にアラフォーってどのような人のことを指すのかご存知ですか?テレビ番組や映画などで話題になってたからだいたいのイメージはつくけど…まずはその実態を把握することから始めてみましょう。

40歳前後を指す「アラウンド・フォーティ」の略称

「アラフォー」とは「アラウンド・フォーティ」の略称で、40歳前後の層を指してこう呼びます。定義には様々あるようですが、いろいろな意識調査などを見ると平均して37.6歳~44.6歳までを指すようです。アラフォーという言葉の語源は「アラサー」にあります。もともとアパレル業界などを中心として30歳前後の女性たちをアラウンド・サーティ「アラサー」と呼んでいたことが派生して、その後の40代の世代をアラフォー、50歳代の世代を「アラフィフ」と呼ぶようにだんだんと言葉が増えていきました。

「アラフォー」という言葉自体は、今から10年前の2008年に流行語となりました。この年はアラフォー世代の、特に女性の活躍が目立った年でもあり、2008年4~6月に放映されたドラマ「Around40」(TBS)がヒットしたことで話題となったためです。このドラマに出てくるような様々な立場の40代の女性の抱える問題が多くの女性の共感を生み、大きな注目を集めました。当時のアラフォー世代はもうアラフィフに移行していますが、現在のアラフォー世代も似たような問題を抱えるとともに、働く上ではより困難を抱える世代でもありますのでそれについては後程詳しくご紹介したいと思います。

結婚・出産後でも仕事との両立が比較的容易になった

男女平等、男女共同参画という言葉は日本社会で戦後ずっと問題となってきましたが、ちょうどこのアラフォーの世代はそれらの施策も進んできて、仕事と家庭を自由に選択する条件が整備されはじめた世代でもあります。結婚、出産やその後の仕事との両立に対する様々な選択肢を選ぶことが許されたことで生きやすくなった一方、ライフスタイルや人生設計が多様化・複雑化しすぎてしまったことで生じる悩みも増えてきて、ちょうどこれからの人生のことを強く意識する人生の岐路に立たされた世代がアラフォーです。

購買欲と消費欲が強い

この世代は1980年代半ばを高校・大学で過ごした世代です。丁度バブル経済に入るころに思春期を過ごしていることが影響しており、40代に入っても洋服にしても食事にしても、そのころの名残で購買欲と消費欲が現在の20代、30代に比べると強めだという傾向があります。なんでも豪華にしたい、そんな世代が現在のアラフォーなのです。

ライフスタイルに強いこだわりをもつ

先程ご紹介したドラマ「Around20」の副題は「注文の多いオンナたち」。それが示すように、アラフォー世代の女性たちは自らのライフスタイルに強いこだわりを持っています。

価値観が多様化したことで「おひとりさま」を貫く自立して仕事を頑張る人もいれば、パラサイト・シングルとして親との同居を続け収入も親に依存せざるをえない状況の方、育児奮闘中のママ、介護格闘中という方もいるでしょう。当然のことながら社会的な立場や経済状況は様々であり、高度経済成長期までのほとんどの女性が専業主婦として家にいて家庭を守っていたころとは異なる女性間の格差の拡大を顕著に映し出している世代ともいえます。

80年~90年に青春を謳歌している

アラフォー世代の女性たちは80年代から90年代に中高生として青春を謳歌しています。PRINCESS PRINCESSの大ヒットや、渡辺美里、小比類巻かほる、中村あゆみらが一世を風靡した時代でもあり、R&Bやロックなどそうソウルフルな歌手が人気を博していきました。それまでの王道的なかわいらしいアイドルや日本らしい演歌歌手とは違った「かっこいい」女性像がさらに浸透していった世代ともいえます。

2018年人気のアラフォーファッション

そんな流行に敏感なアラフォー世代の女性たちに今年人気のファッションとはどんなものなのか見てみましょう。40代以降ならではの、大人の女性の魅力を生かせるコーディネートで気を付けるべきポイントについてもご紹介していきたいと思います。

定番の黒アイテム

定番のブラックを使ったコーデはどんなシーンでも重宝しますし、他の色との相性も抜群なのでかわいらしいコーデの中に取り入れることでコーデ全体を若すぎず大人の女性らしく素敵に着こなすのに活躍してくれます。例えばフレアスカートやパンツスタイルでピンクや黄色といったはっきりとした色を使っているときにも、革ジャケットやブラウスなどに黒を取り入れることで一気にコーディネートが締まって見えますし、白やグレーなどの膨張色に比べて一気に細見えできますよ。

スタイルよく魅せるパンツスタイル

身体をきれいに見せることに特化したパンツスタイルは、そろそろ体型が気になり始めるアラフォー世代の働く女子にとっては必須アイテムといえそうです。アンクルパンツなら足首を魅せることができるためよりスタイルもよく見せることができますし、オフィスカジュアルにはぴったりです。最近話題のワイドパンツも、カラーや素材にこだわりをみせればスタイルを隠しながら他の人とは少し違ったらワンランク上のおしゃれをアピールできますよ。

上品さを大切に

カジュアルでも女らしさを忘れないアラフォーの休日ファッションでは、ブランドの小物を腕時計やバックに取り入れて見たりと30代までよりもワンランク上の上質なおしゃれを楽しむことが出来るようなファッションが人気です。ちょっと疲れた気分のときなどは、ネイルなど小さいところからおしゃれを楽しんで気分を上げていきたいですよね。

通勤はプチプラアイテムをフル活用

とはいえやはり毎日おしゃれに気を張り詰めているのも疲れてしまいます。通勤はプチプラだけどかわいく見せられるおしゃれアイテムが大変人気です。最近特に人気なのが990円からおしゃれを楽しむことができるGUやユニクロです。オフィスカジュアルに特化した商品も多く、1,990円のゆるっとパンツやヌキ襟、モリ袖のブラウスなど、週5でも着まわせそうなプチプラ万能アイテムがたくさんです。InstagramなどのSNSで#プチプラと検索するだけでもすぐに真似できそうなプチプラコーデがたくさん見れます。意外とアラフォー世代で投稿している方も多いので、ぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。

スニーカーファッションは女らしさをキープ

仕事では毎日パンプスなどヒールの高い靴を履いていて疲れてしまう…休日になると履きたくなるのはやっぱりスニーカーですよね。そんなときに気を付けたいのが全身カジュアルすぎるファッションになってしまうということです。スウェットやジーンズでまとめてしまうと一歩間違えばコンビニスタイルのようにだらしなく見えてしまうリスクもあります。スポーツMixが流行していることからもわかるように、スニーカーをファッションに取り入れる際にはかわいらしいスカートやキレイ目ワンピなどを取り入れてバランスがとれるように気を付けなくてはなりません。

夏に大活躍のTシャツコーデ

夏になると大活躍なのが白Tシャツなどと組み合わせたTシャツコーデです。ただ、年相応の落ち着きなども見せていく必要があるため、ジャケットやジーンズと合わせて大人っぽさも演出しましょう。モノトーンなどシンプルなカラーでまとめて、無地のTシャツにさし色のバックなどを合わせてワンランク上のおしゃれ上級者アピールに挑戦してみてはいかがでしょうか。

羽織りものをプラスしておしゃれに着こなす

シーンや気温でノースリーブのブラウスやワンピースを1枚で着られない気候や、スタイルが気になってしまって着るのに躊躇してしまうというような場合は、シーンにあった羽織ものをチョイスしましょう。おしゃれなアウターを1つ付け足すだけでもコーディネートが一気にこなれ感を演出してくれます。特に春や秋には人々の目はアウターに集まっているので、センスのいいアウターをチョイスすることでよりアラフォーらしさの光る上質なおしゃれを魅せましょう。

ウエストアウトコーデで気になる体形をカバー

40代になってくるとヒップラインやお腹周りなど体型に関するお悩みを抱えるという女性も多いのではないでいしょうか。雑誌などではスタイルやプロポーションの完璧なモデルがシャツインしたパンツコーデなどを魅せていますが、実際そんなきれいに着られるわけない、とお悩みの方はウエストアウトコーデで気になる体型をカバーしましょう。すべてアウトしてしまうと野暮ったくなってしまうこともありますので、後ろ半分だけアウトする、ボトムスはぴったりめのパンツやスカートにしてメリハリを出すなどという工夫をすることでおしゃれさんコーデにも挑戦できますよ。

アラフォーが特に注意したいTシャツファッション

先程ご紹介したTシャツファッションですが、今年らしいカジュアルでこなれ感を出せるファッションではあるものの、アラフォー世代にっては一歩間違えると体型がかなり顕著に表れてしまうコーディネートのため注意が必要なファッションです。どんなポイントに気を付けることができればアラフォー女子にもおしゃれにTシャツが着こなせるのか、確認していきましょう。

太いボーダーは幼稚に見える

夏になるとマリンコーデが街中で多く見られ、太めのボーダーを着たくなりますよね。しかし、太いボーダーはかなりカジュアルな印象となるためにおしゃれというよりかはむしろ元気で幼いというイメージを与えがちです。ですから年相応の落ち着いたおしゃれを楽しむには、なるべくネイビーやブラックのモノトーンで、細めのボーダーを選ぶのがよいのでしょう。同様の理由でストライプを着る際にも細さいによって与える印象はことなってきますので注意が必要です。

無地Tは素材に注意

ポリエステル混毛は毛玉ができやすくなってしまうので素材選びはこだわりをもつことが重要です。30代までのおしゃれとの差をつけるためには、見た目もさることながら目に見えないディテールまでのこだわりをもって洋服選びをしていくことが自分をグレードアップすることにもつながるでしょう。

首回りが中途半端なTシャツは要注意

首の開きが中途半端なTシャツは、昔っぽく見られがちです。デコルテをきれいに見せてフェミニンな雰囲気を演出していくか、詰まったデザインにしてコンサバで洗練された現代風の大人っぽい雰囲気を演出するかのどちらかにしましょう。胸元が開いたデザインのときにはネックレス、胸元が詰まったデザインの場合は腕時計やブレスレットといったように、コーディネートに合わせたアクセサリーなどにも気を使えることができればさらにこなれたおしゃれになるのではないでしょうか。

ロゴに注意の文字入りTシャツ

今季はロゴ入りのTシャツも流行していますが、これをアラフォーの女性がチャレンジする際にも注意が必要です。ロゴが大きいものは元気すぎてアラフォー世代にはアンバランスになってしまいますので、より小さいものをチョイスするようにするとよいでしょう。また、10代~20代までは多少意味の通らない文字でもかわいければ通っていますが、40代になっても外国語などでよくわからない言葉のロゴTを身に付けているとTPOが見についていないと判断されてしまう場合もあります。ロゴの柄や言葉の意味などにも最低限気を使って選ぶことが必要です。

プリントTのチョイスは慎重に

プリントTもまた、センスが顕著に表れるファッションの一つです。プリントTを選ぶときはコーデの主役に出来るかを見極めることが重要です。ファッション雑誌を参考に、自分の手持ちの服とのコーディネートとの組み合わせも考慮して選ぶことが大切になってきますね。

結婚したいと思わせる魅力的なスタイル

40代まで未婚、あるいはバツイチで独身という女性は、そろそろ退職後の生活や老後のこと、親の介護のことなどを意識しはじめ家庭をもつという選択肢も視野に入れ始める時期ではないでしょうか。長く付き合っている彼はいるのになかなか結婚を切り出してくれない、気になる彼はいるけど勇気を出せない、そもそも出会いがあまりなくて悩んでいる、など様々な境遇にいるアラフォー女子たちが男性に「結婚したい」と思わせるための魅力的なスタイルについてご紹介していきたいと思います。

甘さを抑えて年相応に見せるファッション

40代になれば、相手の男性が求めるのも若い子のようなきゃぴきゃぴとしたかわいらしさというよりは自分を癒してくれるような大人の魅力と包容力です。かわいい系の服を着て女性らしさを魅せるというよりは、上質な素材やデザインを取り入れて大人の女性を演出することで若い女の子たちとの差別化を図りあなたにしか出せない魅力を相手にアピールできるのではないでしょうか。

ナチュラルで健康的なメイク

トレンドのメイクなども研究して取り入れつつ、足し算ではなく引き算メイクを覚えていくことも大切です。ナチュラルなのになぜか引き付けられる、そんなメイクを目指してみてはいかがでしょうか。また、年齢を重ねると共にお肌のトラブルも増え回復力も下がってきます。スキンケア商品などにも気を使い、お肌のきれいさや透明感で相手を驚かすことが出来ればポイントが急上昇すること間違いなしです。

相手を建てるような会話術や所作が大切

40代まで独り身で来た女性の中には、バリバリ仕事を頑張ってきて会社の中で一目置かれていたり、重要な役回りを任されているということも少なくありません。そこまで第一線で活躍してきたということは、周囲からの評価も高く、実際に本人の能力が高くて周りから見ると自信にあふれた存在であるということもあるでしょう。そのため気を使わなければならないのが自分でも無意識のうちに経験などをひけらかしているという印象を相手に与えてしまうということです。

あなたにはそんなつもりがなくても、男性はやはり自分の方が相手を包み込んであげたい、自分の方が相手よりも頑張らなければならない、と感じやすい傾向にあります。そのため、かなり積極的に意識して相手を常に見守るような態度で接することを意識することが大切になってきます。

健康的であることと清潔感が大切

40代に入ってくると、若い頃のように体力の疲れを短期間で回復したりすることも難しくなり、健康面への不安も増えてきます。

日頃から食生活に気を配り、お肌の調子も整えておくこと

30代までのように飲み会で暴飲暴食をしても次の日すぐに回復できるわけではありませんし、無理をしすぎずに日頃から食生活に気を配っておくことも必要です。食材や添加物などに気を使うことによって健康的な体作りをこころがければ、精神的にも余裕が生まれます。ストレスがないことでお肌の調子も整ってきますし、一石二鳥ですよね。

アラフォーの見られ方

自分のライフスタイルに自信を持っているアラフォー世代の女性たちですが、実際には周囲からどのようにみられているのか気になったことはありませんか?数年前に「最後から二番目の恋」(フジテレビ)というドラマでも話題になったように、特に40代以降の恋愛に対しては慎重になってしまうことが多いですよね。そんなアラフォー女子に向けて、これから新しく恋に踏み出す際に気を付けるべきポイントについてご紹介したいと思います。

大人の部分に惹かれている男性が多い

男性目線から見れば、アラフォー世代は大人の女性として見られています。普段は女性より強く出たいけど、たまには大人の女性に甘えたい、仕事で疲れた息抜きとして子供扱いされたい=男としての責任を果たしたくないという思いを抱えている男性も意外と多いということなのかもしれません。

結婚は考えていないだろうと男性側が勝手に思い込んでいるケース

40代までシングルということは結婚は考えていないのかな、と勘違いされてしまうという場合もあります。その年まで独身でいる理由には、人それぞれ様々な理由があります。しかし、このように思われてしまうことで、結婚せずに別れた場合でも、寛大な態度で許してくれそうな都合のいい女だと思われているかもしれません。あなたが結婚を視野に入れたいと考えていて、なおかつ相手の彼が年下という場合には特に要注意です。彼がどの程度自分との関係を真剣に考えてくれているのか見極めるのも、傷つかないようにするために大切です。

遊びを察してくれるというイメージ

アラフォー女性ににはやはり大人で落ち着きがあるというイメージがついているせいか、物分かりが良いと勝手に勘違いして不倫関係を持ちたいと近づいてくる既婚男性などもいますので注意が必要です。そのような勘違いで近づいてくる男性によって自分の社会的な価値を下げることがないよう、自分の身は自分で守りましょう。

アラフォー世代が直面する給料の世代格差の危機

そんなアラフォー女子ですが、金銭面でみると他の世代と比較して大きな危機を迎えています。彼女たちが青春時代を過ごした1980年代後半~1990年代前半と、彼女たちが社会に出ていった1990年代後半以降とは大きく社会を取り巻く状況も変化していきました。働くアラフォー世代の彼女たちを取り巻く問題とはいったいどのようなものなのでしょうか、その実情を探ってみましょう。

アラフォー世代の給与のみダウンする理由

アラフォーの人々が直面する問題が以前NHKのクローズアップ現代で「アラフォー・クライシス」と名付けられ紹介されました。現在売り手市場に沸く日本経済でほとんどの職種で賃金の増加がみられているものの、なんとアラフォー世代に注目すると5年前の40代女性に比べてひと月の給与が2万3,000円も下がっていたケースまで見受けられました。これは一体なぜなのでしょうか。

就職氷河期世代が及ぼす影響

アラフォー世代が20代前半だったころは就職氷河期と言われており、新卒一括採用の枠からもれてしまう人も多くいました。他の世代では20代前半からすでに仕事を覚えるスキルや能力を開発する機会にも恵まれているはずが、それできなかったアラフォー世代にとって大きな痛手となりました。この影響は彼女たちが20代の時だけではなく、年齢を重ねても当たり前にもっているスキルなどが不足しているとして転職を考えるときなどその後もずっと課題として残ることとなります。

アラフォー世代と勤続年数

日本の終身雇用制度では、勤続年数が伸びれば伸びるほど賃金がUPしていますが、就職氷河期と重なってしまったアラフォー世代は非正規なども多く、転職を繰り返さざるを得ない状況だったことも多いため同じ企業で15年以上働いている人の割合がバブル就職世代に比べて10%ほど低くなっています。それゆえ勤続年数が伸びずに賃金がなかなか伸びなかったのです。

昇進や昇格に立ちはだかる大きな壁

アラフォー世代のひとつ上の世代であるバブル期の就職世代に比べて同期の人数が少ないため、上の世代と比べて出世できる割合自体が低くなっています。上の人数が多いとそこでつかえてしまっているため、昇進や昇格のスピードが遅くなってしまっているのです。さらに、非正規で雇用されている場合は昇進や昇格の制度もしっかりと整備されておらず、正社員並みに働いていてもなかなかそれに見合った対価を得られていない可能性もあります。政府が働き方改革などの改革に乗り出している一方で、非正規から正規への転換がなかなか進んでいないのも事実です。

今アラフォー世代が抱える問題

アラフォー世代が抱える問題は、給与の格差だけではありません。どんな危機が彼女たちに差し迫っているのでしょうか。

安定しない雇用状況

現在、「アラウンド・フォーティー」といわれる世代の労働人口は約1,500万人おり、その中の約383万人が非正規雇用という実情があります。この原因としては、やはり就職氷河期がもたらした影響の大きさや、ワーキングプアの問題、そしてリーマンショックによる相次ぐ派遣切りなども原因です。非正規雇用は正社員に比べるとやはり福利厚生や労働条件にも制限が出てくるため、収入面でも労働環境面でも不十分だという場合があります。

7040問題とその実情

「7040問題」という言葉をご存知でしょうか。これは、年金頼みの70代の親、稼げない40代の子供の家庭が今後共倒れの危機を迎えているという社会問題です。就職氷河期の影響などで、職を持った後も経済的に苦しい状況から自立せずに親と同居を続けてきたパラサイト・シングルの割合が多いのもアラフォー世代であり、親などと同居するアラフォー未婚女性の7割近くが、親に生計を支えられているともいわれています。しかし、老後の収入源が年金のみとなる親と、40代の子が今後介護などの可能性も考えながら同居していくことを考えると、共倒れの危険性が十分に考えられます。早急に解決すべき問題のひとつとなっているのです。
 

アラフォー女性の引きこもりと現状

これまでは引きこもりというと若い男性のイメージがありましたが、アラフォー世代の女性の引きこもりも深刻になりつつあります。女性の場合、家事手伝いというところに体裁が整い、問題の深刻さに本人も家族も気づかず社会的に孤立してしまっているケースが多くあるようなのです。これからの人生プランを考えていくうえでも、親がいなくなったあとのことも視野に入れてなるべく社会的なつながりや交友関係を広げながら社交的な生活を送れるよう、本人の意識とともに周囲の支援も必要だといえそうです。

危機を脱却するために

そんな不遇なアラフォー世代の女性たちがこれらの機器を脱却していくためにはどのような支援制度があるのでしょうか。国や地方自治体、企業などが行っている取り組みについてご紹介していきたいと思います。

氷河期世代を中心とした就労支援

東京都が行っている就労支援では、費用は無料となっています。面接の練習やエントリーシートの添削など、ほとんどの場合数日間しか行われないプログラムを3か月という長期間で行い、その中で就職活動に必要な様々な内容をカバーしてくれます。さらに受講に専念してもらい、日々の生活の不安から解放されて集中できるように期間中は1日5,000円が支給されるようです。また、横浜市でも非正規シングルの女性たちに向けた窓口で相談を受けている他、35歳以上の女性に向けての就労支援の講座なども開いています。

これらの支援体制が少しずつ整ってきているものの、まだまだそれを本当に必要としている人たちへの周知が広まっていないというのも事実でしょう。就労支援を必要としているアラフォー女性自身だけでなく、家族などそれを助けたいと考える周囲の人への周知も必要となってきそうです。

雇用を改善するための助成金の新設

国も改革に乗り出しています。5回以上の離職や転職を繰り返す35歳以上を正社員として採用した企業に最大60万円を支給する新しい助成金を開設し、民間企業にもより苦しむアラフォー世代の女性たちを雇用させるような政策を始めました。実際に雇用する側である民間企業に対する助成金のもたらす恩恵は小さくはないでしょう。今後も政府からの積極的な支援が大切になってきそうです。

重要視される社会保障

このように、政府や自治体が進んで給付型を取り入れたり、生活費を支給することで、とりあえずの生計を立てていくことに精いっぱいで職業訓練や資格取得など新たに就職活動を行うためのスキルも自信も経済的余裕もない、という女性たちの社会保障制度面での支援を行っていくことが切実に求められているといえます。

また新卒採用が売り手市場の現在、企業の側もアラフォー女性を取り巻いてきた様々な社会的状況から多少履歴書に空白の期間があるなどしてもそれがダイレクトにスキルがない、職務経験が不足している、というような評価につながらないような、新しい人材採用の道を模索する必要があるともいえるのではないでしょうか。

単身アラフォー女性のこれから

アラフォー女性の中でも特に苦難を強いられているのが単身のアラフォー女性です。自ら進んで「おひとりさま」でいるわけではなく、様々な理由から現在まで単身でいるような女性たちを取り巻く環境とはどのようなものなのでしょうか。

景気回復まで大変

就職氷河期で多くの人が正社員になれず、フリーターや派遣という未だに非正規雇用の多いアラフォー世代ですが、非正規雇用の層まで景気が上向いた影響が表れるのには時間がかかります。アベノミクスやオリンピックによる景気回復で恩恵を受けている業種や大企業もありますが、その景気回復の好影響が非正規雇用のシングル女性たちにまで浸透するまでには、もう少し我慢が必要になってくるでしょう。それまでをどのように乗り切ることができるか、生計の維持などが大変になってくることは間違いないでしょうか。

取り返せない失われた20年

この20年の経済的停滞「失われた20年」と成人してから40歳までが重なってしまい、就職も結婚も出産も子育てもすべて経験していないというシングルの女性が多く存在します。今後景気回復の恩恵を受けられたとしても、その時すでに40代後半から50代に差し掛かっていれば、新たに職を探しても定年までの期間が短くなっているし、今から出産するのが厳しい年齢になっている可能性もあります。そういった意味で、失われた20年が彼女たちに及ぼした影響はかなり大きなものであるといえます。

出産可能年齢という壁

アラフォー世代に対しては、現在のように結婚や出産に前向きになるような施策がとられてこなかったという経緯があり、これまで結婚、妊娠、出産を経験してこなかったという方も多くいらっしゃいます。医療技術の進歩などで以前に比べれば高齢でも出産される方が増加してきましたが、高齢での出産はやはり母子ともにかなり負担がかかってしまうため躊躇される方も多いようです。出産可能年齢を超えてしまうという壁は女性にとってはライフプラン全体を大きく変える可能性もあるため、若いうちから施策を打つことが必要でしょう。

単身で生きていく中年女性が増える

これらのような背景から、アラフォー単身非正規女性がこれからのモデルを作っていくことが大切になってくるでしょう。10年ほど前のドラマで話題となったアラフォー世代の女性たちとはまた違ったアラフォー女子たちの「リアル」があり、それをより反映したロールモデルが必要となってくるといえます。

現代では幸せの形はより多様化していますし、キャリアの面でも、ライフスタイルの面でもより多くの選択肢が用意されています。非正規で働くシングルのアラフォー女性たちが共感し、応援したくなるような、またこうなりたいたいと思えるような女性像を打ち出していけるかが、今後彼女たちが少子高齢化を乗り切っていくカギとなってくるでしょう。

時代の華やかさも厳しさも体感している不遇の世代

いかがでしたでしょうか。バブル時代に華やかな青春時代を謳歌したアラフォー世代の女性たちは、その後の就職氷河期やリーマンショックの煽りを受けて厳しい時代も乗り越えてきました。

しかし、現代はより人々の人生観や価値観も多様化してきている他、国や企業、自治体もアラフォー世代の女性たちの支援に向かって歩みを始めています。アラフォー世代ならではの抱える悩みも多くありますが、そんななかでも彼女たちが自分らしく生きていけるように、周囲の支援も必要になってきそうです。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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