不安やストレスを感じているときの対処法。体だけでなく心のケアも
不安やストレスが原因で起こる症状などを紹介
疲労感、息苦しさ、吐き気、不眠やイライラ、不安感、無気力など不安やストレスは心身に様々な不調をもたらす原因になります。このような症状を「なんとなく調子が悪い」という言葉で終わらせていることは大変危険なこと。不安やストレスといった心の不調が体にも影響を及ぼし始めたら、早めに対処しましょう。
不安やストレスの解消法
不安やストレスは早めに解消しておくことが大切。その解消法は人それぞれ違いますので自分にあったものを早めに見つけておくことが大切です。
ゆっくりと深呼吸をする
不安やストレスを多く感じやすい現代社会。夜型のライフスタイルを送る人も多く、自律神経が乱れやすくなっています。自律神経の乱れは、うつ病の原因にもなるので、早めに対処しましょう。
自律神経は、交感神経と副交感神経という相反する働きの2つの神経から成り立っています。この2つの神経のバランスが崩れたときに起こる倦怠感や不眠、動悸や頭痛、不整脈、食欲低下などの症状が自律神経失調症。うつ病や自律神経失調症など、心の病が進行する前に、お腹を意識した深呼吸で自律神経を整え、リラックスしましょう。
散歩に出かける
ストレス解消やうつ病に効果があるとされているウォーキング。不安やストレスなど、心に疲れを感じていないときでも、新緑の中を散歩することが気持ちよく感じることです。適度な運動になるウォーキングは、会館ホルモンのドーパミンが放出されるため、脳が歩くことを楽しいと伝達。そのため、ストレス解消やうつ病の改善に効果があるとされているのです。
また、うつむき猫背の姿勢で歩くよりも、背筋を伸ばした姿勢を意識して歩くとさらに効果が得られます。姿勢を正して歩くことで、前向きな気持ちへと変化。さらに、日光を浴びることで心身に重要な役割をするセロトニンが分泌され、不安やストレスによる体調不良を改善します。
感情のままに泣く
「笑う門には福来たる」という言葉もあるほど、笑顔には心を前向きにする効果がありますが、心が疲れ果てているときまで、無理に笑う必要はありません。不安やストレスを感じているときは、涙を流すことで副交換神経が働き、ストレスに効く脳内物質が放出。無理に頑張ろうとするのではなく、感情のままに泣くことで、気持ちをすっきりさせることができます。つらい、悔しい、疲れたと感じているときなど、無理に笑うのではなく、泣くようにしましょう。
悩みを吐き出す
不安やストレスの原因となっている悩みはなにか、家族や友人に話してみましょう。心に留めていた悩みを誰かに吐き出すことで、すっきりした気持ちになります。また、紙に書き出すだけでも気持ちを整理することができます。
毎晩日記をつけることもおすすめ。日記に書く内容は箇条書きでもOK。心に溜め込まず、紙に書き出すことで客観的に物事を見ることができるようになり、解決策を見つける糸口になることもあります。
不安やストレスが起こる仕組み
不安やストレスはなぜ感じてしまうのでしょうか。起こる仕組みを見てみましょう。
不安やストレスは自分を守るための防衛反応
不安や恐怖は、これから起こる危険な状況を回避するために脳が生む感情、防衛反応になります。恐怖という感情は、一時的なものなので、時間の経過とともに軽くなるのに対し、不安という感情は、これから起こる事態に対しての恐怖心のため、いつまでも残ってしまいます。
また、子どもから大人まで、当たり前のように使われるようになった「ストレス」という言葉。ストレスは日常生活におけるストレッサー(ストレス要因)に対応するための心身の反応のことをいい、心や体に影響を及ぼしている状態を指します。過度な不安やストレスは、自分でケアすることが難しくなります。気力の低下や喫煙量・飲酒量の増加があるときは、専門医を受診しましょう。
不安やストレスを作り出すのは扁桃体の機能
大脳辺緑系の一部分である扁桃体。研究により、扁桃体が私達を危険から守るために不安や恐怖、ストレスを作り出すことが分かりました。この不安や恐怖、ストレスを感じているときに扁桃体からだされる物質をドーパミンといい、極度に緊張している状態のとき、緊張状態の緩和や興奮状態へと導くためにだされる物質です。
必要以上に不安や恐怖、ストレスを感じさせてしまうドーパミンは、セロトニンを増やすことで、扁桃体の興奮を抑えることができ、不安やストレスは軽減。不安やストレスを過剰に感じてしまうことでうつ病になってしまった人も、セロトニンを増殖させ、扁桃体の機能を抑えることで、改善することができるのです。
日常生活から心にとどめておくとよいこと
不安やストレスなど、心の病を抱えてしまう前に、日常生活で緩和できる方法を利用しましょう。
扁桃体を鍛えてストレスに強くなろう
不安や恐怖を感じたときにドーパミンをだすことで、症状を緩和させる扁桃体。不安や恐怖を感じるたびにでてしまうドーパミンは、排出を抑制することができます。疲れているときや落ち込んでいるとき、簡単に栄養を補給できる方法をとってしまいがちですが、赤みを基本とした肉や卵などのたんぱく質を効果的に摂ることで傷ついた脳を回復。
脳細胞の壊死を防ぎ、思考力や神経機能をアップさせ、精神の安定をもたらす効果があります。また、忙しい毎日をただこなすのではなく、忙しくても楽しいことや嬉しいことを考える時間を作ることで、扁桃体から過剰に分泌されるドーパミンを減少させることができます。
ストレスに効くツボを覚えておく
言葉やイメージで理解していても、不安やストレスを緩和することは難しくなります。そのようなときは、おまじないを作るのもよいでしょう。ストレスに効くといわれているツボ、神門(しんもん)や合谷(ごうとく)があります。おまじないのようにツボを刺激すれば、一呼吸置け、ストレスにもアプローチすることができます。
・神門:手首の横じわの小指側の少しくぼんだ場所にあるツボ。
・合谷:手の甲側、親指と人さし指の骨の分かれ目のやや人さし指側にあるツボ。
感情を抑え込まないようにする
怒りや悲しみなどつらい気持ちを抑えこむと体が緊張します。緊張状態が続くと体は耐えられなくなり、うつ病や自律神経失調症、ひどいときは、他人を巻き込んで、感情を爆発させようとしてしまいます。怒りや悲しみといった感情は我慢しないようにしましょう。
自分の心としっかり向き合う習慣をつけることでストレス解消の近道になります。自分のよかった点や悪かった点を自己評価する機会として、紙に書き出したり、誰かに話すなど、感情を抑え込まないようにしましょう。
日常生活の心がけで健康な毎日を送りましょう
体に負う傷と違い、心に負う傷は他人からは見えにくくなります。また、自分でも見えにくいために、上手に発散できないと、うつ病や自律神経失調症など、病の原因にもなります。日常的に、心にもやさしい生活を送ることで、病を回避。日常生活の心がけで健康な毎日を送りましょう。