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失業保険の受給期間について。退職する前に確認しておこう

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退職したい方は失業保険について知っておこう

退職予定の人や転職予定の人はまず何を始めにやっておくとよいのでしょうか。誰もがまず心配することとして、退職するとそれまで会社からもらっていた給与収入が当然無くなります。次に就職するまでの間の生活費をどうするのか、まずは考えてみましょう。具体的な対策として、失業保険についてしっかり知っておきましょう。

失業保険が貰える条件を知っておこう

失業保険は申請すれば全ての人が受給できるというわけではありません。受給するにはさまざまな条件があります。それらを確認しておき、もらえるにはどうしたらよいのか具体的に知っておきましょう。

雇用保険に加入

会社で正社員として長期間働いている人は、ほぼ例外なく勤務先の会社で雇用保険に加入しています。なぜなら、この雇用保険は政府が管掌する強制保険となっており、労働者を雇っている会社は従業員を加入させる義務があるからです。まずは、この雇用保険に一年以上加入していることが失業保険受給の第一条件になります。

自分が雇用保険に加入しているか確認する方法は簡単です。毎月もらっている給与明細を確認してみることです。雇用保険料として給与から毎月天引きされているものがあると思います。給与明細を毎月紙でもらう人もまだいると思いますが、最近は社内の電子掲示板で自分の給与明細を確認出来る仕組みになっている会社も多いでしょう。

就職する意志や能力がある

二つめのポイントは、再就職の意志があるかどうかという点です。もし前の会社を退職しても、今すぐにもしくは数カ月以内にまた再就職をしたいという意志が明確にあるかが問われます。何故なら、失業保険の本来の趣旨が、再就職を目指している人が次の職場への就職がなかなか決まらない場合などの経済的不安を支援することだからです。

では、どうやって就職する意志があるのかをハローワークが判断するのかというと、毎月一回失業認定という手続きがあります。ここで、その月にどのくらい求職活動をしたのか書面で申告を行います。例えば、ハローワークで求人検索をした、求職相談をした、民間の人材会社で求人を紹介してもらった、履歴書を提出した、面接をした、などが求職活動に該当します。これらの活動を行っていることを書面で申告し、就職する意志があると認定される仕組みになっています。

▼失業保険がもらえる条件についてさらに詳しい解説はこちら▼
失業保険を貰える条件は人それぞれ。だからこそ知っておこう

失業保険が貰える受給期間はどれくらいか

失業保険の受給条件が確認できたら、続いて実際に受給できる期間や金額を具体的に知っておきましょう。そうすれば、どのくらいの期間を目安に就職活動をすすめていけばよいのかがわかり、計画が立てやすくなります。

まずはいくら貰えるか確認しましょう

実際に失業保険は月当たりいくらもらえるのでしょうか。続いてはその金額を具体的に知っておきましょう。今はインターネットでも比較的簡単に調べられますから、この機会に実際に自分の給与などから計算をしてみましょう。参考までに概算で試算してみると、直近の月給が30万円、直近6カ月の給与合計が180万円の場合は、月当たりの給付額は約176,000円になります。

自己都合での退職の場合

退職については大きく二種類に分けられています。一つは自己都合退職、二つめは会社都合退職です。自己都合退職は一般受給資格者、会社都合の場合は特定受給資格者と呼ばれています。転職のために自ら会社を退職する場合、ほとんどこの自己都合退職のケースにあてはまることになると思います。
自己都合退職の場合の受給期間は下記の通りです。雇用保険の加入期間によって分けられています。

・1年未満、なし
・1年以上5年未満、90日
・5年以上10年未満、90日
・10年以上20年未満、120日

自己都合退職の場合の注意点

自己都合退職の場合、受給開始までに給付制限期間というものが存在します。具体的には3カ月間となります。つまり、退職してから失業保険の申請をすぐに行っても、実際に受給できるのは3カ月後からとなるのです。

ただし、この給付制限期間中はアルバイトなどを行ってもその後の失業保険の支給内容に影響はありませんので、この期間は求職活動と同時にアルバイトを行って、生活費を補填するということも念頭に置いておく必要があります。自分の意志で退職する場合は、会社都合退職と比べてこの点は条件が厳しくなっています。

▼自己都合退職の場合についてさらに詳しい解説はこちら▼
失業手当は自己都合退職の場合はどうなる?制度をしっかり把握しよう

会社都合での退職の場合

続いて、会社都合による退職のケースについてみてみましょう。具体的には、会社の倒産や業績悪化によって退職を余儀なくされたケースなどがこの特定受給資格者に当てはまります。特定受給資格者の受給期間については下記の通りとなっています。

ちなみに、自己都合退職の場合は加入期間のみによって区分されていましたが、会社都合退職の場合は、加入期間と年齢によって区分されています。

・加入期間1年未満の場合、年齢に関係なく一律90日
・加入期間1年以上5年未満の場合、30歳未満は90日、30歳以上35歳未満は120日、35歳以上45歳未満は150日、45歳以上60歳未満は180日
・加入期間5年以上10年未満の場合、30歳未満は120日、30歳以上45歳未満は180日、45歳以上60歳未満は240日
・加入期間10年以上20年未満の場合、30歳未満は180日、30歳以上35歳未満は210日、35歳以上45歳未満は240日、45歳以上60歳未満は270日

▼会社都合の場合についてさらに詳しい解説はこちら▼
失業手当受給の流れとは?会社都合退職~転職の過ごし方を計画しよう

失業保険受給期間中の収入には条件がある

失業保険受給期間中でも絶対に働いてはいけないわけではありません。ただし、申請を行い受給資格が認められた日から7日間は待機期間となるため、一切就業はしないほうがよい期間です。もし知らずに短期のアルバイトでも行ってしまうと、待機期間が延長されるなどのペナルティがあります。

就労とみなされなければOK

アルバイトでも雇用保険の加入条件を満たすレベルで働いてしまうと、就労したとみなされる場合があります。具体的には週40時間以上、1カ月以上の雇用が続く場合などがこれに当てはまります。

収入はハローワークへ必ず報告

失業保険受給中にもしアルバイトなどを行った場合は、必ずハローワークへ正しく申告をしなければなりません。毎月一回失業認定があることは既にご紹介しましたが、その時に、働いた内容を申告することになります。

働いた日数分は一旦停止される

働いた場合は申告を行い、その働いた日数分は一旦受給がストップします。ですが、受給日数が全て終了した後にストップした分の金額が支給されますので、支給金額が減額されるというわけではなく、実際は受給日数の先延ばしということになります。

不正受給は絶対やめましょう

あってはならないことですが、実際によくある事例があります。月に一回、しっかり求職活動を行っているどうかを確認する失業認定の手続きがあることは既に説明しましたが、この時に、実際には行っていないにも関わらず求職活動を行ったと偽りの内容を申告するケースです。

万が一不正受給が発覚すると、それまでに支給された手当を全て返還せねばなりません。さらに、ペナルティとして、既に支給された金額の最大で2倍の金額を別個に支払わなければなりません。例えば、10万を既に受給されていた場合、10万円と20万円(支給された金額の最大2倍)の合計最大で30万を返還しなければならないこともあり得ます。いうまでもありませんが、不正受給は絶対にやめましょう。

失業保険を受給期間延長する方法

ここまで、失業保険の受給金額や期間、条件などをご説明してきましたが、何らかの理由ですぐに失業保険の受給資格が満たせないという人もいると思います。具体的には、就職する意志があるのに、病気やケガや妊娠などですぐに活動が出来ないケースなどがこれに当てはまります。

そういう人のために、受給期間の延長をすることが認められています。その内容についてここで詳しく知っておきましょう。

受給を保留できる受給期間延長制度

失業保険は、退職してから申請を行い、原則一年以内に受給しなければならないものです。しかし、病気などのなんらかの理由ですぐに求職活動が出来ない、働くことが出来ない状況になった場合に受給のタイミングを遅らせることが可能です。

受給期間延長ができるのはこんな人

この延長制度は、具体的に下記の理由ですぐに働けない人が対象となります。

・配偶者の海外転勤などで、同行せざるを得ない状況の人
・妊娠、出産、育児をしなければいけない人
・家族や親戚の介護をしなければいけない人
・病気やケガをしている場合

必要書類は、受給期間延長申請書(ハローワークにて直接受領)、離職票、診断書や母子手帳(病気やケガの人、妊婦の人)です。申請書はハローワークのサイトからはダウンロードが出来ないようなので、直接窓口まで取りに行くか、来所が無理な場合は郵送で送ってもらう必要があります。

代理人や郵送で申請も可能に

病気やケガをしていたり、妊婦などで、どうしてもハローワークに直接申請が出来ない場合は、家族に代理人申請をしてもらったり、郵送での申請も可能となっています。

妊婦なら申請期間は4年

以前は、離職して30日経過後からさらに1カ月以内しか延長申請が出来ませんでしたが、平成29年4月より大幅に緩和され、最長4年以内までとなっています。しかし、早く申請するに越したことはありませんので、該当する人は、早めにハローワークへ確認を行うことが望ましいといえます。

▼失業保険の延長についてさらに詳しい解説はこちら▼
失業保険は最長3年間延長可能。制度の有効利用に必要な情報と知識

失業保険を貰うためには受給期間をよく確認しよう

退職や失業をした後に、収入減のリスクに備える方法として非常にありがたい仕組みである失業保険ですが、人によって受給金額や受給期間も異なります。まずは受給期間を事前によく確認しておくことが、次の就職へ向けて、安心して計画的に活動できることにつながるといえるでしょう。

LITORA編集部

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