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パワハラを理由に退職したいときの対処法|気持ちを強く保とう

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パワハラを受けて退職したいとき

働く人の人権や雇用環境が整ってきているとはいえ、上司と部下の間には少なからず緊張状態にあり、仮に関係がこじれてしまってもなかなか表向きには訴えられないものです。

特に、閉鎖的な企業風土が根強く残る日本ではパワハラは「熱心な業務指導」などと言い換えられる傾向にあり、このような背景がブラック企業の温床ともなっています。

パワハラを理由にした退職の場合、辞める側としてはどのような手続きをとるべきなのでしょうか。パワハラの証明方法、自己都合と会社都合の違い、退職前の相談窓口について具体的にお伝えしていきます

退職はパワハラ対策のひとつの手段

あなたがもしも今現在パワハラを受けているのなら、我慢する必要はまったくありません。むしろ、働く人ひとりひとりの我慢と忍耐がパワハラを助長している、という見方もできますし、躊躇なく退職することによってパワハラの事実を企業内に広め、労働環境の改善を促すことにつながります。

理不尽なパワハラによってあなた自身が傷つかないためにも、そして、悲劇を繰り返さないように環境を変えるためにも、パワハラを受けてもできるかぎり円満に退職する方法について詳しく解説します

退職することは負けではない

精神論が根強い日本において、パワハラによる退職は一種の逃げか負けであるかのようにとらえられがちです。ハラスメントそのものを認めようとしない企業を相手にパワハラを訴えて退職するのは勇気のいることかもしれませんが、あなた自身が諦めないことで傷つかずにすみますし、また、同じような犠牲者が増えることをふせぐことができます。

どのような理由であれ、退職は働く人に認められた権利ですので、トラブルが起きる前から相談窓口や退職プロセスについてきちんと把握しておきましょう

自己都合と会社都合どっちがいいか

退職には大きく、自己都合退職と会社都合退職があります。どちらも「会社を辞める」という事実そのものは変わりませんが、退職理由によっては退職金の額やその後の転職のしやすさが変わってきますので、どのパターンが自分にとってメリットが大きいのかを判断し、後悔のない退職をめざしましょう

転職先が決まっているなら自己都合

退職する時点で転職先がすでに決まっているのであれば、自己都合による退職のほうがトラブルを最小限に抑えることができます。

会社都合退職ではまず「〇〇があったから辞めます」という原因を論理的、客観的に証明する必要があり、そのプロセスだけでもかなりの時間と労力を割くことになってしまいます。

特に、パワハラによる退職である場合には企業側がハラスメントの事実そのものを認めようとしないケースが多く、冷静に話し合いをつづけているつもりがいつの間にか泥沼状態になってしまう、という哀しいパターンもあります。

できるかぎり円満に退社したい、訴訟には発展させたくない、と考えている場合は自己都合退職にしておいたほうが穏便に事が運びます。

転職が難しい状況なら会社都合

退職前に次の勤め先が確保されているケースは、むしろ少数派であると言えます。多くの人は退職が決定した時点から転職活動を開始しますが、その場合、自己都合による退職ではいろいろと不利益が生じます。

転職時の履歴書には職歴とともに退職理由を記載することになりますが、人事担当者としても自己都合による退職はやや印象が悪く、面接の場ではどうしても具体的な退職理由を尋ねられることになります。

もちろん、パワハラの事実を正直に話すしかありませんが、ハラスメントは一定の主観性を含むものであり、その時の状況や経緯が転職先の企業側に充分に伝わるとはかぎりません。

会社都合退職であれば、転職時も本人の過失や責任は一切問われませんので、次の職場がまだ決まっていない、悪質なパワハラを訴訟で解決したい、などの事情がある場合には多少時間がかかっても会社都合退職に持ち込んだほうが得策と言えます

パワハラの証拠を集めよう

パワハラ問題の難しさは、「双方の認識のずれが大きい」という点にあります。パワハラにかぎらず、あらゆるハラスメント問題は主観性が大きく、トラブルの度合いにもグラデーションがあるため、一律に「ここから先は明らかにハラスメントである」と断言するのが非常に難しいのです。

悪質なパワハラを受けた場合には将来の訴訟を視野に入れ、できるかぎり客観的な証拠を収集するなどして主張が通りやすい状況をととのえておきましょう

自分ひとりだけでは限界がありますので、社内法務などのセクションと連携し、効率よく情報を集めることがポイントです。

退職を決意したら退職までの段取り

退職をきめたからといって次の日から会社に行かなくていい、ということではありません。退職届の書き方から提出、関係者への挨拶まで、社会人として身につけておくべきマナーについて見ていきましょう。

退職の流れについて概要を知りたい方はコチラ
会社退職までの流れを知っておこう|退職後の手続きと注意事項も公開

退職届の書き方で注意すること

退職届を書くうえで留意しなくてはならないのは退職理由です。自己都合と会社都合では退職金や失業保険の給付金額が変わってきますので、退職前にあらかじめ退職理由をきちんと決めておくことが重要です。

▼退職届の書き方についてさらに詳しい解説はこちら
退職届を書くときのポイントとは|知っておきたいビジネスマナーとは

退職届を提出するタイミング

パワハラによる退職では、「もうこれ以上会社にいられない!」という思いから焦って退職届を提出したくなるかもしれませんが、企業のほうにも都合があり、急に会社を辞めてしまうと業務が著しく滞ったり、他の社員への負担が重くなったりと多方面に影響が出てしまいます。

引き継ぎに余裕をもたせるためにも、最低でも1カ月前から退職を打診しておくのがベストの対応ですが、ハラスメントが極端にひどい場合には2週間前からの退職届が法的にも有効と見なされるため、状況に応じて対応を変えていきましょう。

関係各所に挨拶回り

パワハラによって企業側と険悪な関係になったとしても、退職によって取引先やクライアントに少なからず影響が出るのは事実です。

退職の話し合いについては粛々と進めつつ、お世話になった関係各所への挨拶は丁寧に行い、必要なら後任についてもきちんと説明することが社会人としてのマナーになります。

退職届の受理を拒否されたら

退職届を提出したからといって、必ずしも受理されるとはかぎりません。特に、パワハラが常態化しているブラック企業では意図的に退職届を無視したり、法的拘束力がないなどと説き伏せたりして退職そのものをうやむやにしてしまう場合があります。

退職届が受理されなかった場合の対処法について把握し、正当に権利を主張していきましょう。

受け取ってもらえなくても退職できる

結論から先に言うと、退職届を仮に受理してもらえなかったとしても法的効力が失われることはありません

ここが退職願との決定的な違いであり、退職届は提出した時点で法的効力を発揮し、企業側が故意に無視したりした場合にはペナルティの対象になります。

なかなか会社を辞められない時は

退職届を受け取ってもらえなかったり、そもそも怖くて会社を辞めることすらも言い出せないこともあると思います。そんな時は「退職代行」という制度があり、会社に行かずとも、自分に代わって弁護士の方が退職に関わる手続きをしてくれる制度があります。

つらい状況を我慢して、心身まで壊してしまったら、元に戻るまでもすごい時間と労力がかかります。そうなる前に職場から逃げる勇気を持つことも大事なことです。

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転職時の面接で退職理由をどう伝えるか

無事に退職が成立しても安心はできません。履歴書に職歴を記載する以上、転職時の面接では退職の具体的な理由について問われることになりますが、その際、ストレートにパワハラの事実を伝えるのは得策とは言えません

ハラスメントに対する意識がかなり徹底されてきたとはいえ、日本ではまだまだ婉曲表現が好まれる風潮があり、たとえパワハラが事実だったとしても、「職場の人間関係に悩んだ結果です」という風に言葉をぼかしておいたほうが好印象につながる可能性が高まります。

パワハラについて相談できるところ

パワハラ問題において最もやってはいけないのは、我慢しつづけることです。企業側にとっては「我慢=パワハラの容認」となり、ますますパワハラを訴えにくい状況が生まれてしまいます。

労務士や弁護士、弁理士、司法書士など、パワハラに関する相談窓口は広くとられていますので、問題が深刻化しないうちに相談に行き、法的な対応を考えましょう。

▼パワハラの相談窓口などについて詳細はコチラ
パワハラの相談窓口や機関の探し方|悪化前に効果的な対処をしよう

自分の体調や気持ちと相談して決断を

悪質なパワハラを受けつづけていると、精神的にも肉体的にも追い詰められてしまい、ついには訴える気力さえ失ってしまいます。パワハラと無理に闘おうとせず、気力の回復を最優先に考え、早期の退職を検討しましょう。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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