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失業保険を貰える条件は人それぞれ。だからこそ知っておこう

自己都合や会社都合にかかわらず、離職したあとから再就職までの間に貰える「失業保険」。手当を貰うために満たすべき条件とは何か。今、夢や転職のために離職を考えている方が離職前に知っておくべき「雇用保険」と「失業手当」の関係をまとめました。

自分がどのような条件で失業保険をもらえるのか知る

失業保険とは、会社を退職し次の仕事が見つかるまでの生活支援金として厚生労働省所管の国の機関である職業安定所(ハローワーク)から支給される給付金です。しかし誰もがこの失業保険を受け取れるわけではありません。失業保険をもらうためにはクリアすべき条件が大きく分けて2つあります。

また、退職理由が「自己都合」である場合と「会社都合」である場合とでも失業保険の受け取りについての条件が異なります。まずは自分が失業保険をもらえるのかどうかを考えていきましょう。

失業保険をもらえる人

雇用保険をかけていた人

まず1つ目の条件は雇用保険の加入期間についてです。雇用保険は基本的にはすべての事業所が加入しなければならないこともあり、たいていの就業者は雇用保険に加入しています。アルバイトである場合や「雇用保険」というワード自体になじみがない場合は給与明細に「雇用保険料」という項目があるかを確認してみましょう。

ここでは、在職中に雇用保険に加入していたことを前提にして、退職した日からさかのぼって2年間の間に被保険者期間が通算12ヵ月以上あることが必要です。被保険者期間とは退職した日付から1ヵ月ずつさかのぼっていき、その1ヵ月の間に働いた日数が11日以上ある月のことを指し、それの12ヵ月分が必要ということになります。

「通算12ヵ月以上」とされているので、2年間の間に転職をしていたとしてもそれぞれの被保険者期間を合算して満たしているかどうかを確認しましょう。この条件をクリアしているかどうかは退職をする前に給与明細などを見て確認しておくことをおすすめします。

働く意欲のある人

雇用保険では「退職=失業」とは定義していません。そのため失業保険は「離職したら貰えるもの」ではなく、「再就職活動中の生活支援として貰えるもの」となり、前提として「働く意欲がある」ことが2つ目の条件となっています。

ただし、「働く意欲がある」と意思表示するだけではこの条件を満たしていることにはなりません。この条件の真意は、「離職状態の中でも再就職したいという意欲があり、積極的に求職活動をしているにもかかわらず、思うように再就職ができないでいる状態の人」が対象とされています。

この条件をクリアするためにはさらに、健康状態や家庭環境の問題がなく、いつでも就職できる状態であることも必要です。意欲や積極的な求職活動は、勤務実績とは異なり、前職の会社は関与しないので、離職後にそれらを自分で証明しなければなりません。

まとめると、

・働く意欲がある
・積極的に求職活動を行っている
・健康状態や家庭環境の問題を抱えておらず、いつでも就職することができる

これらのうち1つでも該当しないものがあるとこの条件を満たしているとは認められません。その証明方法はのちほど手順に沿って確認するとして、ここでは自分がこの条件にあてはまる状態かを確認しておきましょう。

失業保険受給者の名称

自己都合で離職した一般受給資格者

15歳以上65歳未満の間で離職する際、自ら退職を願い出た自己都合が理由の場合は「一般受給資格者」と呼ばれます。ここでの退職理由は後々、失業保険受給手続きの場面で確認されることがあります。

会社の都合で離職した特定受給資格者

15歳以上65歳未満の間で倒産や解雇などの会社都合によって退職を余儀なくされた場合は「特定受給資格者」と呼ばれます。倒産や解雇の他に、賃金の未払いが2ヵ月以上続いていたり、月45時間を超える時間外労働が3ヵ月続いたために離職した場合なども特定受給資格者に区分されます。

正当な理由で自己退職した特定理由離職者

一般受給資格者、特定受給資格者のほかに「特定理由離職者」という区分があります。特定理由離職者とは、労働契約期間の更新を希望したにもかかわらず契約の更新がされずに離職に至った場合や、正当な理由のある自己都合退職であった場合の人を指します。

正当な理由とは以下のような場合です。

・負傷、病気などで業務遂行が困難となり、離職を申し出た
・両親の死亡や負傷、介護など家庭事情の急変により離職を申し出た
・事業所が通勤の難しい土地に移転となり離職を申し出た
・結婚に伴う住所の変更で離職を申し出た

どれも自己都合ではあっても就労者本人が回避できない事情である場合と考えられます。

退職の仕方で変わる失業保険の給付期間

一般受給資格者の場合

一般受給資格者は自己都合での退職による一時的な失業が想定できており、再就職準備に時間的余裕を確保できます。そのため失業保険を受けられる期間は雇用保険に加入していた期間が10年未満の場合で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日間と定められています。

そしてここでも雇用保険の被保険者期間が重要となっています。被保険者であった期間が長ければ長いほど、受給期間も長くなりますが、給付には制限があります。給付制限とは、失業保険の受給資格があっても実際に給付されるまで3ヵ月のタイムラグが生じてしまうものです。

特定受給資格者の場合

特定受給資格者は会社都合により離職を余儀なくされているので、再就職準備をする時間的余裕がありません。そのため失業保険の給付期間が一般受給資格者よりも長く、さらに雇用期間と退職時の年齢によっても違いが出てきます。

・15歳以上30歳未満…(5年未満)90日間、(10年未満)120日間、(10年以上)180日間
・35歳未満…(5年未満)90日間、(10年未満)180日間、(20年未満)210日間、(20年以上)240日間
・45歳未満…(5年未満)90日間、(10年未満)180日間、(20年未満)240日間、(20年以上)270日間
・60歳未満…(1年未満)90日間、(5年未満)180日間、(10年未満)240日間、(20年未満)270日間、(20年以上)330日間
・65歳未満…(1年未満)90日間、(5年未満)150日間、(10年未満)180日間、(20年未満)210日間、(20年以上)240日間

なお、再就職準備が前もって可能である一般受給資格者とは違って給付制限はなく、特定受給資格者と認められたらすぐに給付金を受け取ることができます。

特定理由離職者の場合

特定理由離職者は、特定受給資格者と同等とみなされ、給付制限がなく、6ヵ月以上の被保険者期間があれば受給が可能です。ただし、受給期間については特定受給資格者と同じではなく、自己都合の一般受給資格者と同じ日数での受給となります。

失業給付の金額の決定の仕方

退職6か月前の給与で決定

失業保険の給付金額は退職する前の6ヵ月間の賃金をベースに算出します。賃金とは、残業代や役職手当、税金などを含めた総支給額のことであり、ボーナスや退職金などの一時金は含みません。まず対象の6ヵ月間の給与総額を180日間で割った「賃金日額」を算出します。

(例)6ヵ月間の給与総額が144万円の場合

144万円÷180日=賃金日額8,000円

算出した賃金日額に50%~80%の給付率をかけ合わせて「基本手取日額」を計算します。

(例)8,000円×80%=基本手取日額16,000円

給付率は50%~80%とされていますが、賃金日額と年齢によって細分化されており、正確な金額の算出には最新の情報が必要となります。

失業保険の給付額計算については、雇用保険法第18条の規定により前年度の勤労統計における平均給与額の変動比率に応じた給与水準に修正されたものを毎年8月1日以降に厚生労働省が発表し、その年のデータに基づいて算出されます。

退職時の年齢も関係する

基本手取日額と月額支給額は年齢により上限が決められていますが、基本手取日額の下限は年齢に関係なく設定されています。こちらも厚生労働省の最新のデータでの確認をおすすめします。

失業保険をもらうまでの流れ

求職の申し込みに行く

まずは最寄りのハローワークに行って手続きをします。あくまで「再就職のための求職の申し込み」を行うことで、失業保険の受給手続きとなります。

失業保険は原則として離職日の翌日から1年間を給付期間としており、この期間内の失業状態にある日について所定給付日数を限度として支給を受け取ることができます。

しかしこの期間を過ぎてしまうと、所定給付日数分を受給し終わっていなくてもそれ以後の支給を受けることができなくなりますので、離職したら早めにハローワークへ申し込みに行きましょう。

待機期間を過ごす

最初にハローワークに行って、受給手続きを開始した日から失業の状態が通算して7日間経過するまでを「待機期間」といい、この間はアルバイトでも就労しないことをおすすめします。

理由は、この待期期間はハローワーク側が本人確認や失業状態の事実確認を行っているので、そこでアルバイトをしていることが判明すれば、失業状態にないと判断され受給が先延ばしになる場合があります。

やむを得ず生活のためにアルバイトをしなければならない状況の場合はハローワークに申し出る必要があります。そしてそのアルバイト期間を除いた失業期間が7日間必要になるのでさらに失業保険を受け取る日が先延ばしになってしまいますので注意しましょう。

離職票を提出して受給資格を得る

求職申し込みの際、必要書類などの提出を求められます。その際に必要なものは次の7点です。

・雇用保険被保険者離職票(1)
・雇用保険被保険者離職票(2)
・印鑑 ※シャチハタ不可
・写真2枚(縦3cm×横2.5m)※直近3ヵ月に撮影したもの
・マイナンバー確認証明書(マイナンバーカード、通知カード、住民票など)
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、年金手帳など)
・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

1と2の離職票2枚とともに就職先の希望条件や経験した仕事などを記入した「求職申込書」を窓口に提出し、職員の方の指示に従いましょう。

ちなみに離職票(1)と(2)は会社側が社員の退職後10日以内にハローワークで手続きを行い、発行されたものを郵送などで送付してくれます。手元に届くのは1~2週間かかることになります。

これらは失業保険の手続き上、必須となる書類であり、書面には在籍時の月額給与や失業保険の受給金額や日数を算出する基礎となる情報が記されているので、退職後に引越を予定している場合の郵便物には要注意が必要です。(必ず転送手続きを行っておきましょう)

また、この手続きから次の雇用保険受給者説明会への参加を求められ、そこで受給資格者証など必要な書類の交付に繋がりますので不備のないように準備しておきましょう。手続きが完了すると、「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」など資料が貰えますので初めての方はしっかりと目を通しておきましょう。

雇用保険受給者説明会へ出席する

最初の求職申し込みから待期期間を経て、指定された日程の雇用保険受給者説明会に参加します。ここでは雇用保険の内容や今後のスケジュールに関する説明を受けるだけでなく、給付金の受け取りに必要な「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」の交付を受けます。

これらはこのあとの求職活動を行う上で、求職活動の実績や失業状態の証明に必要な書類であることと、気になる「基本手当日額」や「所定給付日数」などの情報が記載されているので内容も確認しておきましょう。

求職活動の確認

基本手当の支給を受けるためには、原則として4週間(28日)に1回の指定された日(失業認定日)に失業の状態であったことを「失業認定申告書」で申告し、認定されなければいけません。認定日には、説明会で渡された雇用保険受給資格者証と失業認定申告書、印鑑が必要ですので、忘れずに持参しましょう。

また、失業認定申告書には失業状態であった申告とともに、客観的に確認することができる求職活動の実績を記入することになります。原則として前回の失業認定日から翌認定日の前日までに最低2回以上の求職活動を行っていることで失業の認定を受けることができます。

求職活動と認められる活動とは、ハローワークの窓口での相談やハローワーク主催のセミナーへの参加、求人への応募のほか、資格試験の受験なども含まれます。ただし、求職活動は1日に1回のカウントにしかならなかったり、パソコン利用に時間制限がある場合もありますので職員の方のアドバイスをよく聞いておきましょう。

基本手当が支給される

失業の認定を受けた後、その認定された日数分についての給付金は最初の手続きの際に届け出た指定の銀行口座に振り込まれます。なお、口座に振り込まれるのは、失業認定日の約7日後となります。本人名義の銀行口座でなければ振込がされなかったり、インターネットバンクも対応してもらえない金融機関もありますので届け出の際にも確認しましょう。

▼失業保険認定までスケジュールについてさらに詳しい解説はこちら▼
「失業保険の認定までのスケジュール」知っておきたい手続きの流れ

失業保険給付期間の過ごし方

公共職業訓練を受ける

公共職業訓練とは、国や地方公共団体が求職者を対象にした就職支援のための訓練で、専門の訓練施設や委託された民間の専門学校で開催されます。公共職業訓練は基本的に受講料が無料で、受講タイミングによっては失業保険の給付制限が短縮できたり、受給期間が延長されることもあります。

そのため、無料で介護やITなどの就職に役立つスキルを身につけて、その経験やスキルを活かせる就職先を探すことができます。また、公共訓練校によっては失業手当とは別に受講手当や通諸手当などの各手当を貰える可能性もあります。

「就労」となるアルバイトに気を付ける

以下の場合は就職または就労したとみなされて、失業手当をストップされる可能性がありますのでアルバイトをする際には注意しなければなりません。

・雇用保険の被保険者となり、週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用の見込みがある場合
・事業主に雇用され、1日の労働時間が4時間以上である場合
・会社の役員に就任した場合(1日の労働時間は問いません)

つまり、アルバイトをする場合は週に20時間を超えないように契約をすれば大丈夫です。

嘘の報告はしない

失業申告認定書に実際に行っていない求職活動を申告したり、会社役員に就任していることを申告せず、それが虚偽であることが判明した場合には、それ以後の手当が貰えなくなるだけでなく、これまで受給した給付の返還を求められます。最初から嘘の報告はしないようにしましょう。

情報を集める

次の就職先が決まっていない状態で離職したとき、「失業手当が貰えるだろう」から少しくらいゆっくり旅行にでも行こうと考えたり、とりあえず今の会社が合わないから退職したけど今後の方向性が未定のままだったりする方は「失業保険」というワードに安心しているかもしれません。

しかし、失業保険はあくまで「再就職を目指して積極的に就職活動をしている方への支援」ということを知っておきましょう。

・だれでも貰えるわけでもなく、退職の理由によっては貰えるまでのタイムラグ(給付制限)が生じてしまうこと
・退職前6ヵ月間の給与や年齢によっても支給金額が変わってくること
・失業保険を受給するには、4週間に1回の認定日ごとに失業状態であることと2回以上の求職活動の実績を報告し、認定されなければならない

これら3つは退職前には知っておくべき知識です。退職してから「もっと稼いでおけばよかった」と後悔したり、「退職理由が会社都合の特定受給資格者にあたるような環境であったが自己都合としてしまった」など退職してしまった後にはどうしようもない条件もあります。

失業保険をもらって安心して生活する

失業保険は、生活の不安を抱えたままの状態で就職活動をすることを避けるために給付されます。生活のためにとりあえず就職したがためにすぐに会社とのミスマッチが生まれてしまい、また離職してしまった…という状況を回避することも目的のひとつです。

だからこそ認定には数多くの条件があるともいえます。失業中だけではなく、再就職が決まった際には「再就職手当」や「就業促進定着手当」といった手当も受給できます。「再就職手当」は受給期間の早期に再就職した場合にさらに条件がよくなったり、再就職後の給与が著しく下がってしまった場合の給付金として「就業促進定着手当」を申請することができます。

意欲さえあれば、失業の間にもできることや次の就職につなげることができますので、失業保険をもらってしっかりと自分を見つめなおしながら次の就職先を探しましょう。


LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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