臨床工学技士の年収はどのくらい?医療現場での需要と共に把握しよう
臨床工学技士の年収を把握しよう
医療現場ではなかなかピックアップされないイメージの臨床工学技師ですが、医療においてとても重要な役割を担う仕事です。その臨床工学技師の年収や仕事内容を把握していきましょう。
臨床工学技士の給料についてチェック
臨床工学技士は、さまざまな医療機関で働くことができますが、働く医療機関の業務形態や働く地域で年収は変わってきます。
平均年収
臨床工学技士の平均年収は450万円?600万円前後となります。
20代の平均年収
400万円前後となります。(346万円~431万円)
30代の平均年収
500万円前後となります。(473万円~540万円)
40代の平均年収
630万円前後となります。(607万円~679万円)
50代の平均年収
700万円前後となります。(698万円~728万円)
60代の平均年収
800万円前後となります。(750万円~820万円)
臨床工学技士の最大年収は60代の700万~800万円で経験年数と役職などもついている時期がピークに当たるようです。また、夜勤のある業務に就く場合も年収は高くなります。
平均月収給料
次は、現実的に捉えやすい平均月収をチェックしていきましょう。
20代の平均月収
平均20万~25万円になります。
30代の平均月収
平均25万円~30万円になります。
40代の平均月収
平均35万円~45万円になります。
50代の平均月収
平均50万円になります。
60代の平均月収
平均55万円になります。
平均的に50代から60代が月収のピークになるのが分かったのではないでしょうか?経験も豊富になり技術の成熟と勤続年数に比例して月収は高くなります。60代になると時短勤務や雇用形態が変わってしまう病院もある為、月収が平均よりも少なくなってしまう場合もあります。
生涯年収
臨床工学技士の生涯年収は2億~2億3,000万円となっています。
勤める病院の大きさや、役職についていたか、夜勤があるのか、賞与の金額、残業時間などで金額は前後する場合がありますが、平均生涯年収は上記金額となります。
サラリーマンの平均生涯年収が2憶円~2憶5,000万円となっているので、平均的な金額と捉えていいでしょう。
臨床工学技士は他の仕事と比べて高い?それとも低い?
臨床工学技士の年収が他の業種と比べて高いのか低いのかを見ていきましょう。
一般的なサラリーマンの平均年収は、420万円前後となっており先ほど記載したように、臨床工学技士の平均年収は、450万円から600万円前後なので、比較的高めとなっています。
次は、同じ医療現場で働く業種の平均年収とくらべてみましょう。
・医師:1,350万円
・看護師:590万円
・理学療法士:406万円
・薬剤師:590万円
・臨床検査技士:461万円
・医療事務:250万円~350万円
医師の給料は別格ですので、比較対象にはできませんが、同じコメディカルの臨床検査技士と同等の年収であることが分かります。
結果としては、高度な専門知識に加え、技術も必要になる職種ですので、給与仕事内容に比例して高くなります。
臨床工学技士で年収1,000万円は可能?
臨床工学技士で年収1,000万円を目指すことは可能なのでしょうか?
今回調査してみる限り、年収1,000万円を目指すのはなかなかハードルが高く感じられました。しかし、より高い年収を目指す方法はいくつかあります。
1.より多くの認定資格を取得する
2.夜勤の時間帯に働く
3.透析クリニックに就職する
以上3点の条件が入っているだけでも、一般的な病院で働く臨床工学技師より高い年収になるでしょう。
特に3.の透析クリニックでは、認定資格の透析技術認定士があると給与も高くなる傾向があるようです。
臨床工学技士の仕事概要
臨床工学技士は、医師から指示を受け、診療の補助として生命維持管理装置の操作やメンテナンスを行う仕事で一般的にCE(ClinicalEngineer)またはME(MedicalEngineer)とも呼ばれています。
主な業務内容
1.血液浄化療法業務、2.手術室業務、3.集中治療室業務、4.呼吸療法業務、5.高気圧酸素療法業務、6.医療機器管理業務があります。
臨床工学技士が取り扱う医療機器は、血液浄化装置、人工心肺装置、人工呼吸器、心臓ペースメーカー、輸液機器などとなっています。
医療技術の高度化が進み、さまざまな医療機器が登場している近年の日本では、臨床工学技士の役割は大きく、さまざまな医療機関で需要が高まっている職業と言えるでしょう。さらに、患者の命を維持させるための機器を扱うため、とても責任が大きな仕事となります。
臨床工学技士になるための勉強や資格
医療機関で重宝される臨床工学技士ですが、どのような大学でどのような勉強をし、どのような資格が必要なのか見ていきましょう。
臨床工学技士になるためには、臨床工学技士の国家資格に合格することが必須条件となります。その前に臨床工学技士の国家資格の試験を受ける資格が必要で、その条件は以下4パターンあります。
2.大学、高等専門学校または厚生労働省令で定める学校、文教研修施設もしくは養成所において2年(高等専門学校は5年)以上修業し、指定の臨床工学技士養成施設で1年以上の過程を修了する
3.大学、高等専門学校または厚生労働省令で定める学校、文教研修施設もしくは養成所において1年(高等専門学校は4年)以上修業し、指定の臨床工学技士養成施設で2年以上の過程を修了する
4.大学(短期大学をのぞく)で厚生労働大臣の指定する科目を修了する
また、国家資格の他に、臨床工学技士認定制度があり、臨床現場で必要な認証資格を取得するとよいでしょう。
1.透析技術認定士
2.血液浄化専門臨床工学技士
3.体外循環技術認定士
4.臨床高気圧酸素治療技師
5.臨床ME専門認定士
6.3学会合同呼吸療法認定士
など他にもさまざまな資格を取得することができます。
女性は働きやすい仕事なの?
病院、クリニック、診療所で女性の臨床工学技士が働きやすいどうかを見ていきましょう。
臨床工学技士は、工学技士と言う名前の通り、機器を取り扱う仕事の為、男性職員が多いように感じます。
しかし、最近では女性も働きやすい職場環境や勤務形態も増え、女性の臨床工学技士も増加傾向にあります。
さらに、日本臨床工学技士会では男女共同参画委員会を設置し、ワークライフバランスを重視しつつ、男女が平等に働ける環境づくりを進めており、女性技士が子育てをしながら働き続けるために、「両立支援ガイドブック」が配布されており、育児休業制度の内容、育児休暇の取得や復職をスムーズに行うためのポイントを紹介し、認識の普及に努めています。
また、院内保育がある病院就職することで、育児と仕事の両立も不可能ではありません。
臨床工学技士の男性と女性で給与に差はありませんが、時短や日勤のみの勤務形態による年収の差は出てきます。
以上の点を踏まえると、時短制度や日勤帯のみの勤務を利用することができれば、女性も復職しやすく、働きやすい環境といえるでしょう。
多くの専門知識を身に付けることで高い年収へ
臨床工学技士は、人の命を繋ぎ止める、維持させるための機器を操作、メンテナンスする仕事です。
まずはしっかりと専門知識を身に付け患者の命を救いたいと思う気持ちを強く持つことで、技術に加え人としての信頼も厚くなり、自然と給与にも反映されるでしょう。
医療の進歩は日進月歩です、最新の医療技術、機器が登場する中でもしっかりと知識を身に付ける努力をしたいものです。