• HOME
  • 働く
  • 働き方
  • 「保育士が不足している原因とは」現状と今後の改善点について
働き方

「保育士が不足している原因とは」現状と今後の改善点について

よくニュースなどで、保育士の不足が取り上げられています。保育士の資格を持っている場合、資格をいかして仕事をするか迷うところでしょう。なぜ保育士が足りていないのか。保育士を取り巻く現状と、問題点に対する改善策をみていきましょう。

保育士不足は解決できるのでしょうか

保育士の不足や、それに伴う待機児童の増加に関する話題が、ニュースなどをにぎわせています。実際に、自分の子供が待機児童であったり、自分が保育士の資格を持っていて、それをいかした就職先を探したりしている場合、保育士を取り巻く環境が気になるでしょう。

この記事では、保育園の保育士不足の原因や、それらの問題点について取られている改善策、そして資格を持っている場合に、それをいかして働ける就職先についてまとめています。資格を持っているのなら、今後のキャリアを考えるうえでも参考にしてください。

保育園の保育士不足の原因

保育園の保育士が足りていないことには、原因があるはずです。どのようなことが問題とされているのかを、みていきましょう。

労働に見合わない月給

保育士には、2種類あると考えていたほうがよいです。一つは、公立保育園やこども園で勤務をしている保育士。こちらは、公務員の一般行政職という扱いのため、保育士の中でも高収入だといわれています。東京都練馬区の例をみてみると、平成26年の資料で月給が約33万円。年収は約530万円で意外に多いことがわかります。平均年齢は、44歳くらいです。

しかし、もう一方の私立の保育園で働く保育士は、公務員扱いの保育士と比べて、かなり安月給です。平成28年の賃金構造基本統計調査によると、平均月給は約22万円。そして、平均年齢は36.3歳なので、結婚や出産を機に、辞める保育士が多いことがわかります。保育士不足の大きな原因の一つは、安い給料にあるともいえるでしょう。

職場の人間関係

保育園の職員は、昨今男性職員が増えてきたとはいえ、女性がメインの職場です。そのため、人間関係でのトラブルが多く、それを原因として辞める職員もあとをたちません。

給料も安く、子供相手の仕事で、保護者対応もしなければならないため、ストレスはたまる一方です。そのはけ口を、同僚に向ける女性が多いこともわからなくもありません。多くの保育士は、極力地味に徹して目立たないようにしたり、休日にプライベートでストレス発散をしたりして、やり過ごすことが多いようです。

保育士に限らず、人間関係が悪化しやすい会社は、よい人材が逃げてしまう傾向があります。

保護者との接し方が難しい

子供を預けている保護者の中には、モンスターペアレントといわれる過保護な保護者もいます。そのような親は、なにかと保育園のやり方に難癖をつけてきます。

少し子供を叱っただけでも、保育園に乗り込んできて園長先生に抗議をしたり、発表会の演目に注文をつけてきたり。特に若い保育士は保護者から見下されがちで、上から目線で教育論などを説教されることもあるでしょう。そのような保護者とのやりとりに、疲れ果てる保育士がたくさんいます。 

保育現場の過酷な現状

保育園に子供を預ける親は、多くの場合、勤務前に子供を保育園に預けていきます。そのため、保育園はその受け皿として、早い時間から準備を始めなければなりません。一般的な保育士の勤務時間は、7時から20時くらいまでです。

また、24時間運営している保育園などの場合には、深夜までの勤務や、24時間勤務ということも。そのような朝早くから夜遅くまで働く長時間労働は、保育士不足の大きな問題の一つとされています。昨今では、シフト制やパートなどの勤務体制も広がりつつありますが、まだまだ労働環境の改善は不十分です。

サービス残業が多い

厚生労働省が発表している保育士の残業時間は、1カ月4時間だそうです。しかし実際には、そのくらいの残業で終わるわけがありません。保育士の仕事量は多く、事務作業から壁面制作、子供たちの行事の準備など、多岐にわたります。

また、保育士のサービス残業が多いことは、その仕事の内容にも関係しています。制作物や年間計画の書類、クラス便りなどは、持ち帰って家で仕事をする保育士が多いのです。

保育士不足の対策は

保育士不足を解消するためには、どのような対策をとればよいのでしょうか。いくつかの案をみていきましょう。

業務の改善をする

仕事量が多く、残業や持ち帰りの仕事が多いことが、保育士不足に直結していますので、その部分の業務を改善する必要があります。とはいえ現状は保育士が少なく、その分、現職の保育士に負担がのしかかっている状況です。

すぐには改善できないかもしれませんが、まずは保育士一人一人がメリハリをつけて、明日までに終わらせなければならない仕事から優先順位をつけて、仕事を片付けていくとよいでしょう。特にお昼寝の時間など、すき間時間を個人の仕事に当てる方法もあります。

そして業務の見える化と、チームワークです。苦手な仕事は余計に時間がかかってしまうもの。しかし逆に得意分野なら早く終わります。保育士同士で、得意不得意の分野を分け合って分担すると、意外に仕事は早く片付くかもしれません。

給料を増やす

保育士の仕事は、小さくても重い命を預かる責任の重い仕事です。判断を誤ってしまうと、尊い命が失われる可能性もあるため、決して簡単な仕事ではありません。しかし、その仕事量と責任の重さの割に、給料はほかの職種と比べて低いことが現実です。

実際に、給料の低い私立保育士よりも、給料の高い公立保育士のほうが離職率は低く、平均年齢も高いのです。また給料だけではなく、昇給制度や福利厚生の充実を図ることも重要でしょう。実は、私立保育園の保育士の多くは、産休育休が取りにくく、出産を機に退職してしまう保育士が大勢いるのです。

多様な働き方を取り入れる

保育士が、結婚や出産後に退職してしまう理由のほとんどが、家事と仕事を両立できないためです。たとえば、7時からの勤務の場合には、なかなか子育てをしながら出勤することは難しいでしょう。

保育園にシフト制を取り入れて、社員の生活に柔軟に合わせられる職場にする。それにともない、保育科の学生を人手が足りない時間帯に、アルバイトとして雇うなどの対応が必要になってきます。多様な働き方を取り入れることは、今後の保育園の課題です。

保育士資格保持者を増やす

保育士資格保持者の絶対数が少ないということも、保育士が不足している原因の一つです。保育士資格保持者を増やすためには、学校の授業で保育を取り入れるなどの工夫が必要です。保育士資格の勉強は、のちのち自分の子育てにも役に立つことです。勉強する人が増えることは、メリットしかありません。

または、保育士の資格を取りたいと考えている専業主婦を、支援することも一つです。全国で、そのように資格を取りたいと考えている人向けの受験対策を、することもよいでしょう。

保育所以外で保育士の資格が必要な就職先

保育士資格を持っている人が働ける職場は、保育所以外でどのような場所があるのでしょうか。

小学生を対象とした学童保育

小学生を対象とした学童保育は、正式名称を「放課後児童健全育成事業」といいます。2015年に、放課後児童指導員という資格ができてはいるものの、そこで児童に接する学童保育士になるためには、特に資格は必要ではありません。

しかし、実際に児童と接し、遊んだり宿題の面倒を見たりすることになるので、学童保育の指導員は、保育士の資格を持っている人が望ましいとされています。10時~19時くらいまでの勤務。そして小学校低学年ということで、幼児よりも手がかからないことを考えると、就職先として考慮の余地ありです。

幼児教室の講師

幼児教室とはどのような場所なのかというと、未就学児を対象として、知育、情操教育、語学教育、受験対策などを行う教室のことです。保育士の資格は必須ではありませんが、資格があれば大きな信頼につながります。

求人情報などでも、必要な資格として、幼稚園教諭や保育士の資格、勤務経験などがあげられ、さらにそれぞれの分野が得意であることが望ましいとされます。たとえば英会話教室なら日常英会話が、スイミングスクールなら水泳が得意なことが、必要条件となります。

社内託児サービスのある会社

社内託児サービスとは、会社に併設されている託児所に、社員の子供を預けられる託児サービスのことです。法律上、認可外保育所として分類されるので、社内託児サービスで働くために、保育士の資格は必要ありません。

しかし、実際に子供に携わる仕事なので、保育士の資格を持っている、または保育士を目指したいという人に向いています。気になる給与面ですが、企業により異なります。大企業の社内託児サービスでは、ほかの社員と同等の給料が出るところもあります。しかし、企業によっては給料が低く、会社の業績によって給料が下がったり、施設自体が閉鎖されてしまったりすることも。

大企業で好待遇の求人はとても倍率が高く、なかなか応募がかからないので、辛抱強く求人を待つことになります。

保育士不足を解消するのにはまだ時間が必要です

保育士不足といわれるようになって久しいですが、まだまだ保育士を取り巻く現状は厳しいものがあります。多すぎる仕事量とサービス残業、職場の人間関係の悪さや低賃金。問題点が改善されていかなければ、今後も保育士は減り続けることでしょう。

社会全体が、保育現場をよりよいものにしていくように、取り組む必要があります。また保育士は、保育士資格を有効活用して、保育園以外の就職先を検討してもよいかもれません。


LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

プロフィール