便秘が体操で良くなるのは本当か、便秘の原因と対策を徹底調査
便秘で困っているすべての女性へ
生活習慣やストレスによる便秘の場合、原因を明確にして対策をすればかならず治ります。便秘を放っておくと命にかかわることもあるため、諦めずに改善していきましょう。
一口に便秘といっても、さまざまなタイプに分類されます。この記事では、生活環境などの急な変化によって起こる一時的な症状ではなく、症状が長く続いている状態である慢性便秘について取り上げていきます。
便秘の種類を理解しよう
慢性便秘は「弛緩性便秘」、「直腸性便秘」、「けいれん性便秘」の3つに分類されます。これらの便秘がどのような原因で起こるのか、確かめていきましょう。
生活習慣が原因の便秘
弛緩性便秘は腸の管が運動するときに使う筋力が低下することで、腸の動きが弱まったときに起こる便秘です。原因となる筋力の低下には生活習慣が関係しています。例えば、食事や水分を摂らない、運動をする習慣がないことが挙げられます。
食事をバランスよく摂ることで消化活動が規則的になり、便を出しやすくなります。また水を飲むことで便がやわらかくなり、スムーズに排便を促します。運動を習慣づけて腹筋や背筋を鍛えると、便を押し出す力が増します。筋力をつけて便秘を改善したい場合は、体操が役立ちます。
便意が感じられなくなる便秘
直腸性便秘は便意を我慢することが習慣化することで起こります。例えば、忙しいことを理由に便を出したくなっても我慢した、という経験がある方で便秘に悩んでいる方は、直腸性便秘かもしれません。便意を我慢することで、腸内が便が溜まっている状態に慣れてしまい、便意を感じられなくなってしまうのです。腸は正常に動いているにもかかわらず便秘になる、厄介なタイプです。
直腸性便秘の方はヨガを行うと良いでしょう。便意に鈍くなった腸を、ヨガのリラックス効果で調整できるからです。ヨガの深い呼吸で自律神経を整えましょう。
ストレスから来る便秘
けいれん性便秘は強いストレスによって引き起こされます。人間は交感神経と副交感神経をバランスよく調整しながら生活していますが、ストレスが強いと交感神経の割合が増えてしまいます。このような自律神経の乱れが便秘を引き起こします。
けいれん性便秘は、便秘だけでなく腹痛や下痢などの症状があるため、早めに改善したいものです。解決策としては、自律神経を整えるヨガを行うと良いでしょう。また、ストレスを軽減するために休息の時間を設けるなど、身体を休めることが大切です。
簡単にできる便秘体操
手軽にできる体操を10種類挙げています。隙間時間や寝る前に取り入れて、便秘改善を目指しましょう。
ガス抜き体操
仰向けになった状態で行う体操です。便秘でお腹の張りが気になるときはこの体操を行いましょう。
やり方
- 1.寝そべったまま、両膝を抱え込みます。
- 2.両膝を体に引き寄せていき、そのまま上体だけ起こします。ゆっくりと息を吐きながら行いましょう。
- 3. 2の状態を5秒ほどキープします。
- 4.2の状態から、少しお尻を浮かせて揺らすように動かすと効果が上がります。
ポイント
ひねり体操
腰をひねる動きで腸に刺激を与え、排便を促します。
やり方
- 1.仰向けになります。両手を横に広げ、力を抜いて楽にします。
- 2.両膝を立てて、左側にゆっくりと倒していきます。顔は右側に向けましょう。
- 3.膝をゆっくりと元の位置に戻します。
- 4.反対側も同様に行いましょう。
ポイント
- この体操は肩を床につかせたまま行います。
- 体全体をひねるような感覚で、落ち着いた呼吸で行いましょう。
おしり歩き体操
腰回りを動かし、お尻で歩くように筋肉を鍛える体操です。
やり方
- 1.床にお尻をつけ、膝をゆるく立てて座ります。
- 2.1の状態で腕を振り、腰を動かし前進していきます。このとき、腰まわりなどの使っている筋肉を意識しながら進みましょう。
- 3.10歩前進、10歩後退を1セットとし、3セット行いましょう。
ポイント
- 前進・後退するときはお尻を持ち上げるようにして進んでいくと良いでしょう。
よつんばい体操
猫のような姿勢になって行います。腹筋を鍛えることができます。
やり方
- 1.四つん這いになります。このとき、両手は肩と同じ位置に、膝は股関節と同じ位置に置きます。
- 2.息を吸いながら徐々に背骨を丸めます。目線は背骨を丸める動作に合わせて下げていき、へそ辺りを見るようにします。
- 3.息を吐きながら背骨を反らしていきます。お尻をくいっと持ち上げながら行いましょう。
- 4.一連の動作を5回行います。
ポイント
- 1のとき、背筋が曲がらないように注意しましょう。また、つま先は立てましょう。
- 背中を逸らすと同時に、目線も上げていきましょう。
腕組み体操
手軽にできる腹筋運動です。腰痛持ちの方も行うことができます。
やり方
- 1.床に仰向けになります。太ももをくっつけ、膝を直角に曲げたまま持ち上げます。手は胸の前でクロスするか、頭を支えます。
- 2.1の体勢を保った状態で、腹筋を丸めるように上体を起こします。
- 3.10回で1セットとし、まずは1日1セットから少しずつセット数を増やしていきましょう。
ポイント
- 頭の後ろで手を組む場合、力を入れすぎて首に負担をかけないよう注意してください。
- 力いっぱい上体を起こす必要はありません。腹筋が硬くなった位置までで十分です。
起こし運動
腕組み体操よりさらに軽めの腹筋運動です。寝る前のストレッチとして取り入れましょう。
やり方
- 1.床の上に仰向けになります。
- 2.両手を頭の後ろに持っていき、頭を支えます。
- 3.足のつま先を見るように上体を少し起こします。
ポイント
- 頭だけ持ち上げるのではなく、軽く上体を起こしてつま先を見ましょう。
上半身ななめ体操
筋肉のストレッチではなく、排便を促すためお腹に圧力をかける体操です。
やり方
- 1.脚を肩幅に開き、まっすぐに立ちます。
- 2.両手をろっ骨の下に添えます。
- 3.体全体を伸ばし、手に力をこめ、お腹に圧力を加えながら体を前に倒します。
- 4.体を元に戻します。
- 5.1から4を8回行います。
ポイント
- 体を倒すときの角度は45度くらいです。
- へその横や骨盤の真上に手を添えて、同様の動きを繰り返すと良いでしょう。
バタバタ体操
うつぶせになって行う体操です。寝る前にトライしてみましょう。
やり方
- 1.うつぶせになり、両腕を顔の下に持っていきます。
- 2.脚を大きく上下に動かします。
- 3.上下運動を10回行ってください。
ポイント
ゴロゴロ体操
とても簡単な体操です。負担なく、何回でも行えます。
やり方
- 1.うつ伏せになります。両腕を伸ばし、上にあげます。
- 2.そのまま左右に転がります。
- 3.5,6回転しましょう。
ポイント
立ったままクロス体操
自律神経を整える体操です。直腸性便秘、けいれん性便秘の方はぜひ取り入れましょう。
やり方
- 1.床に立ち、肩と同じくらいの幅に足を開きます。
- 2.両腕を上げ、手首をひねって両手をくっつけます。
- 3.ゆっくりと左右に倒れます。各10回行いましょう。
ポイント
2の状態で、大きな円を描くように腕を回すと良いです。
便秘体操をもっと詳しく知りたいのなら本がおすすめ
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体操をもっと効果的にするためのマッサージやツボ
簡単なマッサージやツボ押しは、体操のように場所を選ばずオフィスでも実践できます。思い出したときはすぐに行動しましょう。
ぐるぐるとお腹をなでる
おへそのまわりを両手で、左回りにぐるぐるとなでます。腸をなでて排便を促すように優しく10~20回、お腹をさすってみましょう。
お腹をさすることでリンパの流れが良くなることも期待できます。腹部にはリンパ節が集中しており、流れをスムーズにすることで老廃物などをろ過する働きが活発になり、お腹周りに脂肪がつくことを防いでくれます。
左下腹部を押す
下腹部にあり、おへその左横に位置するS状結腸を刺激するマッサージです。
やり方
- 1.片手をS状結腸あたりに添え、もう一方の手を重ねます。
- 2.上から軽く20回押します。
- 3.手の位置を斜め下に少しずつずらし、股辺りまで移動します。
- 4.1~3を10回行います。
合谷(ごうこく)のツボ押し
合谷と呼ばれるツボを押すことで腸の働きを良くします。合谷は手に存在し、人差し指と親指の付け根が一緒になる谷間から、やや人差し指側にあります。親指を使って心地よい痛みを感じる強さで刺激します。
合谷は万能のツボとして良く知られており、その効果は頭痛、肩こり、めまいなど全身に渡ります。大腸とも関係があり、合谷を押すことで便秘改善が期待できます。
耳のをほぐす耳ヨガ
「耳ヨガ」とは、耳をつまんで引っ張ることで自律神経を整え、便秘改善を促すものです。
やり方
- 1.引っ張る場所は耳の縁の上、真ん中、下です。
- 2.親指と人差し指で強めにつまみ、引っ張ります。
- 3.息を吸い、耳を引っ張ると同時に息を吐きます。
ポイント
- 5秒間かけて息を吐きだしましょう。吐き終えたら引っ張っている手の力を抜きます。
- 引っ張る場所に順番はありません。1日1回ずつは行いましょう。
便秘にならないための生活習慣とは?
便秘にならない生活を送ることが出来たら、便秘に悩まされることはなくなりますよね。便秘を予防するために必要な3つの条件を解説します。
過度なダイエット
意外に思われるかもしれませんが、過度なダイエットは便秘の原因となります。具体的に言うと、ダイエットの食事制限が体に悪影響を及ぼすのです。
食事のあと、大腸が活発な動きを始める「胃・大腸反射」と呼ばれる現象が起こります。よって、ダイエットだからといって普段食べている食事量より少なくすると、腸の働きが弱くなってしまいます。便秘を引き起こさずにダイエットをするなら、単純に食事量を減らすのではなく、量を減らさずに栄養バランスに気遣った健康的な食事にするよう意識しなければなりません。
運動不足
運動不足がもとで便秘になることがあります。例えば、運動不足により、腹筋が衰えて排便のさいに力みが足りなくなってしまうことが挙げられます。また、適度に体を動かさないことで自律神経の乱れを整える機会が減ることも考えられます。
ほどよい運動は健康によい効果をもたらします。汗をかいたり、筋肉を動かしたりすることで血行が良くなり、老廃物の排出や免疫力の向上を促します。また、ストレスも軽減します。つまり、運動をすることで便秘改善を含むあらゆるメリットが期待できるのです。
ストレスを溜め込みすぎ
「けいれん性便秘」でもご紹介した通り、ストレスをため込むことで自律神経の乱れを引き起こし、便秘につながることがあります。また、ストレスによって衝動的な過食になってしまったら、過度なダイエットを行ったときと同様の流れで便秘になってしまうかもしれません。
適度なストレスは決して害悪なものではありません。生産性や集中力が高まる、一時的に免疫力が上がるなど適度なストレスは良い影響を持つことが研究で明らかになっています。自分なりのストレス発散法を身につけておくことが大事であるといえます。
便秘改善の理想の習慣
便秘になってしまったとき、どのようなことを意識しながら生活すればよいのでしょうか。便秘改善の理想の習慣を3つご紹介します。
寝起きすぐ、コップ1杯の水か牛乳を飲む
水分を取り入れることで便が軟らかくなり、腸を移動しやすくなります。1日1.5L以上の水を飲みましょう。まずは朝にコップ1杯分の水もしくは牛乳を飲む習慣をつけましょう。
注意したいのは利尿作用のある飲み物です。コーヒーや緑茶などは利尿作用が含まれているため、尿として出て行ってしまい、便を軟らかくする水分にならないことがあります。便秘を改善するなら、水や白湯など利尿作用のないものを飲みましょう。
野菜や果物を積極的に食べる
食物繊維が便秘に良いという話はよく聞きますよね。では、食物繊維は2種類あって、それぞれ便への働き方が異なることはご存知でしょうか。食物繊維の働きを知ってみましょう。
食物繊維が豊富
りんごやキャベツなどに含まれている水溶性の食物繊維は、腸内で水に溶けるため、軟らかい便をつくります。また、サツマイモやごぼうに代表される不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収します。水分でかさを増した便が腸壁を刺激することで排便を促します。
つまり、食物繊維が豊富な野菜や果物を食べることは便秘に効果があるのです。
ただし摂りすぎNG
食物繊維が便秘に良いからと言って、摂りすぎることは良くありません。不溶性食物繊維は腸壁を刺激し、腸の動きを活発化させるため、食べ物から十分に栄養を吸収できないまま排便してしまうかもしれません。野菜などを積極的に摂取しても、鉄分やミネラルなどの大切な成分を捨ててしまっている可能性があるのです。
また、不溶性食物繊維は水分を吸収する性質があるため、腸内から水分を奪い、スムーズに排便できなくなることがあります。よって、不溶性食物繊維を多く含む食材を食べるときは、水分を多めに摂るよう気をつけなければなりません。
ヨーグルトやチーズなどの発酵食品も一緒に食べる
腸内環境は、腸の中にいる細菌によって左右されます。全体的に悪玉菌が優勢な状態だと便秘や下痢などの症状が引き起こされます。食物繊維に加え、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品を取り入れることで、善玉菌を増やし腸内環境を改善しましょう。
また、納豆は善玉菌を活発化させる働きだけでなく、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維も含んでおり、ひとつで2役の便秘改善にうってつけな食品となっています。積極的に取り入れましょう。
便秘改善ですっきりとしたお腹になろう
多くの人が便秘で悩み、あらゆる解決策を求めています。お通じを良くするために大切なことは、ずばり健康的な生活を送ることです。息抜きの時間がある、適度な運動の習慣がある、水分をよく摂る、栄養バランス・量ともに適切な食事をしている…これらの全てを完璧にこなすことは難しいかもしれません。しかし、ひとつひとつは決して難易度の高いことではないのです。
日頃のちょっとした気遣いが健康的な生活につながります。便秘改善に向けてこつこつ努力を重ね、すっきりとしたお腹を手に入れましょう。