足首ストレッチで代謝を上げて全身の血液の流れを良くしよう
知っているようで知らない足首ストレッチの効果とその理由
足首のストレッチは、ふくらはぎにとってもよい効果をもたらします。その理由は、足首がふくらはぎの密接に関係しているからです。ふくらはぎは全身の血液の循環に密接に関係しているため、ここをストレッチすると体によいと言われています。
なぜ足首の柔らかさは全身に影響するのか
ふくらはぎは、「第二の心臓」ともいわれています。下半身に溜まった血液を心臓に戻す役割を担っています。そのため、ここが凝り固まるとさまざまな問題が出てくるのです。
足首は「第二の心臓」ふくらはぎの筋肉と密接に関係している
足首とふくらはぎは繋がっています。そのため、足首をストレッチするとふくらはぎにそれが作用し、ふくらはぎの凝りを解して元の機能を復活させることができるのです。
ポンプ作用を持つふくらはぎ
ふくらはぎの筋肉が凝り固まると、血流が滞ります。心臓に血液を戻す役割がある筋肉ですから、ここが凝り固まると全身の血流が悪くなって代謝が落ちます。「代謝」は、外から摂取したものをエネルギーに変換する作用のことです。
そのため、ふくらはぎの状態が硬くなったり、しこりがあったり、冷たかったり、弾力がなかったりすると代謝が下がって全身の血液のめぐりが悪くなっているといえます。
全身の「めぐり」に関係する場所
ふくらはぎの作用は血液を循環させるだけではなく、リンパの流れにも関係しています。そのため、ここが凝り固まると冷え症や脚のむくみ、女性の場合は生理痛にも大きく関わってきます。
そのため、普段からふくらはぎを解し、適度な弾力のある状態にしておくのがよいといえるのです。
足首が硬いとふくらはぎのポンプ作用がうまく働かない
足首はふくらはぎの筋肉によって動きます。ふくらはぎの筋肉は「下腿三頭筋」と呼ばれ、主に「腓腹筋」と「ヒラメ筋」とに分けることができます。つまり、足首が固いというのは、「それらの筋肉が上手く働いていない」ということを意味しています。
足首は全身の骨格とも密接に関係している
そして足首は、全身の骨格とも密接に関わりがあります。人間が歩くときは、足だけを動かしているだけではなく、骨盤の動きも関わっています。骨盤に手を当てて歩いてみると、ここが前後左右に動いていることが分かります。つまり、この骨盤が歪んでいると歩き方にも影響を及ぼしてきます。
足首から骨盤までが連動してカラダを支えている
骨盤の歪みは歩き方にも影響を及ぼす。その中でも特に多いのは骨盤が後傾している場合です。特に腰が丸くなり、骨盤が後ろに傾いていると、足を後ろに蹴り出すのが難しくなってきます。このような理由で、骨盤が後傾すると足首の動きが弱くなって、硬くなってしまうのです。
足首が硬いと全身のバランスにも影響する
骨盤の歪みが歩き方にも影響を及ぼすのとは逆に、足首一つが固くなることで全身のバランスにも悪影響が及びます。骨盤や背骨がまっすぐでも、体の土台の足首が歪んでいるのでは、体全体が歪んできてしまいます。そのため、足首を矯正することは必要になってくるのです。
足首が硬くなる理由
都会暮らしの人は、足首が固くなるといわれています。足には地面からの衝撃や地面の起伏に対応するため、たくさんの骨が集まっています。ここの動きが制限されること。それが都会生活の人が足首が固くなる原因なのです。
日常生活の中にも要因がある
そもそもむかしの人間は起伏のある地面を歩く機会が多くありました。当然ですね。舗装されていない路は雨が降ると、ぬかるんだりへこんだりします。それ以外に山道を歩く機会も、今の都会に住む人より多くあったので、足首は細かくいろいろな方向へ動いて地面からの衝撃を吸収していました。
しかし現代、文明の発展によって都会の殆どの道路は綺麗に舗装されています。これによって、足首の可動域が知らない間に少なくなり、硬くなってしまうのです。また、舗装された路は足首への負担も大きいです。
足首が固くなる原因は他にもあります。ブーツやハイヒールなどを履いていると、足首の動きが制限されやすいのです。特にハイヒールはかかと部分が高いのでどうしても、かかとが不安定になります。かかとが不安定だと、歩行の際、地面に着地するときにかかとに体重を上手く乗せられず、足全体を使って不自然に着地することとなります。足を蹴り出すときも、上手く足首を動かして親指で蹴り出すことも難しくなります。
そのため、都会生活では特に足首のこまめなストレッチが必要なのです。
柔らかさを保つにはこまめなストレッチが肝心
ふくらはぎと足首の適度な柔らかさを保つためには、ストレッチすることが効果的です。ですが、足首には細かい骨があり、またアキレス腱もあります。痛みを我慢してストレッチしたり、「適度な張りのある綺麗なふくらはぎにしたい」などの理由で一度に何回もやったりすると、怪我をする可能性もあります。
もちろん、「適度な張りのある綺麗なふくらはぎにしたい」と考えるのはよいでしょう。ですが、そのために無理をしないほうがよいということです。適切な回数を毎日、少しずつ行うようにすると、怪我の危険もなくおすすめできます。
足首ストレッチをやってはいけない時
では、具体的にどんな場合だと足首のストレッチをやってはいけないかというと、怪我をしているときです。しかし、「〝怪我をしているとき〟と言われても、どんな場合が当てはまるのか分からない」という方も居るでしょう。
実にいろいろな場合があるでしょうが、確実にストレッチしてはいけないのは、「捻挫をしているとき」です。
捻挫をしている時
足首を捻挫しているときは当然のことですが、ストレッチをしてはいけません。捻挫をしたときは応急処置をした後、安静にしておく必要があります。
捻挫直後は応急処置と安静が必要
捻挫の多くが足首外側の靭帯が損傷して起こる、内反捻挫です。捻挫してから足首を固定したり安静にしたりしないと、慢性的に繰り返して捻挫する原因にもなります。
動かすのは痛みが引いた後から
捻挫の痛みが引いた後は、経過を見ながらリハビリをする必要があります。捻挫からの復帰時に足関節の動きが制限されるのを防ぐべく、アキレス腱のストレッチを行うのです。
今日からできる足首ストレッチ
ではここからは、足首ストレッチを種類別に紹介していきたいと思います。足首をまわすだけの簡単なものから、ふくらはぎをしっかりとストレッチするやり方、ストレッチボードやタオル、マットを使用する方法など、さまざまなストレッチがあるので、自分に合ったものを選んでくださいね。
すぐできる足首まわし3種
足首をまわすやり方は、準備運動などでもよく見るやり方です。「足首の運動」と聞いて、これを連想する方も多いかも知れません。足首まわしは姿勢ごとに大きく分けて、3種類の方法があります。
座って行う足首まわし
- 椅子に座ります。両脚を組むようにして、右足を左膝に乗せます。
- かかと付近のくぼみに右親指を当て、くるぶしの裏にも左の親指を当てます。
- 左手の指を右足の指へと絡ませます。
- 10回外転させ。同じく10回内転させます。
- もう片方も同じようにします。
座る場所があれば、どこでもできるやり方です。便利ですね。
立ったまま行う足首まわし
- 片脚の爪先を地面に付けます。そのまま足首を回します。
- 右に10回まわします。
- もう片方も10回まわします。
- 両方の足を再び10回まわします。
よく見る定番のやり方です。「足首まわし」といえば、これを思い出す方も多いでしょう。
寝たまま行う足首まわし
- 仰向けに寝ます。両脚を肩幅程度に開き、両手を上に持って行きます。
- 両の足首を、10回内転させます。
- そして10回外転させます。
- それぞれの回数が40回になるようにまわします。
ふくらはぎのストレッチ2種
さて、次はふくらはぎのストレッチです。ここを軽視すると血液の循環が悪いままになるので、しっかりとストレッチをしましょう。これも器具なしと器具ありの場合とで4種類あります。器具なしでももちろん可能です。器具を買うとお金がかかるので、器具なしをおすすめします。だいたいの運動は器具なしでも可能なのです。
座って行うストレッチ
椅子に座って行うやり方です。
- 椅子に座り、背筋を伸ばして胸を張ります。
- 片脚を伸ばし、姿勢をまっすぐに保ったまま、爪先に向かって体を倒します。
- 背を曲げないようにして、姿勢を保ちます。できる限り足の指先を掴むように。
- そのまま30秒保ち、もう片方も同じようにします。
立って行うストレッチ
続いて立った姿勢で行う方法です。
- 椅子の背もたれを右側にして立ちます。
- 右手を背もたれに載せ、もう片方の手を腰に添えます。
- 上体をまっすぐに保ち、片脚を半歩後ろへ引きます。
- 腰を反らすことなく、姿勢を保ちます。
- そのまま30秒保ち、もう片方も同じようにやります。
他にも、壁を使ったやり方があります。
- 壁に両手を付けます。片脚を後方へと伸ばします。
- 膝を真っ直ぐにしたまま、腰を曲げていきます。壁を押す必要はありません。
- ヒラメ筋をストレッチするため、膝をゆっくりと曲げていきます。
できる限り、かかとが地面から離れないようにしてください。
器具を利用して行う方法もある
ストレッチボードといった器具を使ってやる方法もあります。これは足首に角度をつけ、アキレス腱やふくらはぎに、太股のハムストリングスのストレッチ効果を高めるものだそうです。
ストレッチボードを利用する
ストレッチボードは横に広がった車のペダルのような器具です。角度を調節して上半身を前に倒し、横に広がった大きいペダルのような器具は、角度の調節後に上半身を前に倒し、体を柔軟させるのが基本的な使い方です。木製のものもあれば、足つぼマッサージも同時にできるものもあるので、気になった方は詳しく調べてみるのもよいでしょう。
このストレッチボードを使う場合は、特にお風呂上りなどの体が温まっているときがよいそうです。筋肉の柔軟性が高く、効果が上がるとのことです。
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タオルやマットを利用する
器具はなくとも、タオルやマットなどを使用するやり方もあります。
- タオルなどを重ね、約10cmほどの高さをつくります。
- 敷物の前に正座します。
- 20秒この姿勢を保った後、ゆっくりとした動きで元の姿勢に戻ります。
- これをもう一度行います。
マットはなくてもよいのですが、他のやり方もあります。
- 腕を立て、頭から爪先までをまっすぐにします。腕立て伏せ開始時の姿勢です。
- そのまま腰を曲げて体を上方向に引き上げます。横から見て、「へ」の字型です。
- そのまま20秒間保ち、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
- 爪先を外向き、内向きとに変えてあと二回行います。
正しい知識で効果的にストレッチしよう
正しく足首をストレッチすることで、都会暮らしの人が陥りやすい足首の硬化を予防し、ふくらはぎの血液循環効果もきちんと働かせることができます。足首の凝りを解すことができれば、おのずと骨盤や背骨の歪みと同じく、足首の歪みを矯正することへも繋がっていくでしょう。骨盤や背骨が歪んでいるのなら、これと併せて矯正することを考えていくとよいかも知れません。
都会生活は、人間の体の仕組みからいって不自然な環境で歩行することが多くなります。これは近代化によって利便性や簡便性だけを求めた弊害ともいえるでしょう。そのためぜひともこまめな足首ストレッチを行い、足首本来の動きを取り戻し、血流の改善によって代謝をよくしていきましょう。
自分に合ったやり方を見つけてストレッチを習慣化してしまえば、あとはそれを続けるだけです。効果的なストレッチで体の機能を改善していきましょう。