イチゴの知られざる効果と栄養素とは?正しい選び方や保存法を知ろう
いちごの栄養素についての知識を身に付けよう
イチゴは女性が好きな食べ物であるイメージが強いですが、意外に男性も好きな食べ物の1つとして挙げることの多い食べ物です。あなたのパートナーもイチゴ好きだったりしませんか?そこで今回は、男女問わず好まれるイチゴについて、詳しくみていきましょう。
いちごの成分と含まれる栄養素について
まず始めに、イチゴに含まれる栄養素にはどのようなものがあるのかについて、みてみましょう。
成分の約90%は水分で糖質は果物の中では低い
イチゴのおもな栄養素は全体の約90%を占めている水分です。他には糖質が約10%、タンパク質と繊維が約1%などが含まれています。
健康に必要な多くの栄養素を含む
イチゴのビタミンC含有量は果物の中で1位、葉酸も3位とそれぞれトップクラスの含有量を誇ります。また他にも、ポロフェノールやペクチンなどのさまざまな栄養素が含まれます。
炭水化物と食物繊維を含む優れた果物
炭水化物から食物繊維を取り除いたものを糖質とよび、糖質は体を動かすエネルギーを作るために必要な栄養素です。
様々な抵抗力を強めるビタミンCの効果
果物の中で含有量1位を誇るビタミンCの特徴や、その効果をみてみましょう。
1日に必要なビタミンC量を約7粒で摂取できる
イチゴの中粒サイズを約7粒食べるだけで、1日の必要量のビタミンCを摂取できます。またイチゴは一度にある程度の量を食べられるため、よりビタミンCが摂取しやすい果物です。
ビタミンCはコラーゲンの生成促進効果がある
ビタミンCには、コラーゲンの生成促進とともにメラニンを抑制する働きもあり、シワやシミを防ぎハリのある美肌を作ります。
ビタミンCは免疫力を高める効果がある
ビタミンCには、血液中の白血球やリンパ球の働きを活性化させるため、体内に入ったウイルスへの免疫力と抵抗力を高める効果があります。風邪などを予防するために必要な栄養素です。
ビタミンCは副腎皮質ホルモン形成にも必要な栄養素
副腎皮質ホルモンとは、ストレスを感じたときにそのストレスに抵抗してくれる脳内物質であり、「抗ストレスホルモン」ともよばれています。ストレスを軽減するために必要な栄養素です。
ビタミンCは水溶性なので摂り過ぎの心配が無い
水溶性とは水に溶ける性質のことであり、水溶性であるビタミンCは、たとえ多く摂取しても体の外に流れるため摂り過ぎの心配はありません。
女性に大切な栄養素の葉酸を多く含む
次は果物の中で含有量3位を誇る葉酸です。どのような栄養素なのでしょうか。
妊娠前や妊娠中には積極的に摂りたい栄養素
葉酸には胎児の障害リスクを低減する効果などがあり、含有量の高い果物はイチゴ以外にドリアンやライチなどがあります。
赤血球を作る造血作用があり貧血予防に有効
葉酸はビタミンB1、B2、鉄分と結びつくことで健康的な赤血球を作ります。もし不足してしまうと、酸素を運ぶ力が弱まり貧血などの症状が出る恐れがあります。
機能性成分のアントシアニンに期待できる効果
アントシアニン。初めて聞く人も多いのではないでしょうか。その知られざる特徴や効果をみてみましょう。
いちごの赤い色はアントシアニンによるもの
アントシアニンはポリフェノールに分類される青紫色の色素成分であり、イチゴの色を決める色素です。
眼精疲労や疲れ目の解消効果が期待できる
アントシアニンは、「ロドプシン」とよばれるタンパク質の再合成を活性化させる成分が含まれるため、視力の回復や眼精疲労の解消などの目にまつわる効果が期待できます。
抗酸化作用によるアイチエイジング効果
抗酸化作用とは、細胞を錆(さ)びさせる活性酸素を無害化することです。活性酸素は、紫外線やストレスなどで体内に発生し体の老化を促進させるため、定期的に抗酸化作用のある食べ物を摂取する必要があります。
動脈硬化などの生活習慣病の予防効果
アントシアニンには肝機能の向上や、ポロフェノールによる老化予防の効果があります。また心臓病発症のリスクを下げる働きもあるため、心筋梗塞や動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果的です。
水溶性食物繊維のペクチンでデトックス効果
ペクチンとはイチゴやリンゴなどに含まれる食物繊維であり、健康意識の高い人から近年注目を集めている成分です。では、どのような効果があるのでしょうか。
腸内環境を整えることで便通が良くなる
ペクチンには、腸内の善玉菌を強くし腸内環境を整える働きと、老廃物と結びついて便のカサを増やす2つの働きがあります。それらの働きにより、便秘を改善する効果が期待できます。
糖質の吸収を抑えコレステロールの上昇を抑制する
ペクチンは胆汁酸や食物中のコレステロールの吸収を抑制する働きと、血糖値の上昇を穏やかにする2つの働きが期待できます。
ペクチンに含まれるケイ素がコラーゲンを再生する
ケイ素には肌の潤いを保つコラーゲンを再生する働きと、ヒアルロン酸などを束ねて肌を丈夫にする働きなどがあります。コラーゲンもヒアルロン酸も肌のハリや弾力に関わる重要な成分です。
代謝を良くするクエン酸とリンゴ酸
リンゴにも含まれるクエン酸とリンゴ酸ですが、どのような成分なのでしょうか。
クエン酸回路が活発になり疲れにくい体づくり
クエン酸とリンゴ酸はいずれも疲労を回復させる作用があります。クエン酸回路はTCAサイクルともよばれており、さまざまな酸をクエン酸へ変える過程のことをさします。またクエン酸回路はエネルギー代謝にも大きく関わっているため、体の代謝がよくなり疲れにくい体を作ります。
筋肉痛などの原因の乳酸を代謝して疲労回復
クエン酸とリンゴ酸を摂取することで、乳酸の元となる焦性ブドウ糖の蓄積を抑え、乳酸の代謝を高める効果があります。乳酸がなくなることで、疲労予防や回復につながります。
手軽に摂取することができるエネルギー源
イチゴには、果糖やブドウ糖、ショ糖などのエネルギー変換が早い糖質が多く含まれるため、エネルギー補給の即効性を期待できます。糖の補給と代謝を促すことが同時に期待できます。
血液循環をスムーズにするカリウム
カリウムは欠かせないミネラルの1つであり、血液循環をよくさせる働きをもっています。血液循環をよくすることで得られる効果とは一体なんでしょうか。
抗酸化作用があり高血圧の予防効果
カリウムには抗酸化作用があり血液循環をよくさせるため、コレステロール上昇の抑制や高血圧の予防効果を期待できます。
動脈硬化や心筋梗塞発症リスクの軽減
カリウムには、コレステロールが酸化してできる「過酸化皮質」を抑制する働きがあります。過酸化皮質は血管に付着してしまうと、動脈硬化や心筋梗塞などの発症を引き起こす恐れがあります。
尿として排出されるので過剰摂取の心配はない
しかし、肝臓機能に障害がある人はカリウムの調整がうまくできないため、高カリウム血症などを引き起こす恐れがあり注意が必要です。
いちごには天然のキシリトールが含まれている
砂糖と同じ甘さにもかかわらず、カロリーが低いことで注目を浴びている天然キシリトール。口にまつわるあらゆる効果が期待できます。
ミュータンス菌を減少させる虫歯予防効果
キシリトールには、虫歯の原因である「ミュータンス菌」を減少させる働きがあります。イチゴの含有量は100gあたり約350mgと野菜や果物の中で際立って高いのが特徴です。
トータル口腔ケアと歯の再石灰化も期待できる
イチゴの甘味には唾液の分泌を促す働きがあるため、イチゴに含まれるキシリトールと唾液中のカルシウムが結合しやすく、歯からカルシウムが溶け出すのを防いでくれます。また虫歯の原因となる酸や雑菌もよせつけません。
食後の歯磨きをすると更に効果が上がる
イチゴは糖質を含むため、食後の歯磨きは通常通りおこなう必要がありますが、イチゴの天然キシリトールと歯磨き粉の人工キシリトールのダブル使いにより、虫歯予防の効果がより上がるでしょう。
栄養を逃さない食べ方について
イチゴのさまざま栄養を知ったところで、次は正しい食べ方をみてみましょう。
洗う時はヘタを取らない
イチゴは流水につけながら洗い、ヘタはとらないようにしましょう。ヘタをとってしまうと、ビタミンCが流れてしまい、イチゴが水っぽくなる原因にもなります。
新鮮なら熱を通さずそのまま食べるのが好ましい
イチゴに多く含まれるビタミンCは熱に弱いため、ビタミンの効果を発揮させるためにはそのまま食べましょう。またヘタのほうから食べることで、より甘みを強く感じられます。
乳製品と一緒に食べる
イチゴは牛乳やヨーグルトなどの乳製品と一緒に食べることで、ポリフェノールの吸収率が2~3割上がります。
知っておきたいいちごの保存方法
イチゴの栄養素は、保存状態次第で大きく変動します。正しい保存方法を覚えておきましょう。
常温保存の状態は栄養価が失われていく
イチゴは熱に弱く傷むのが早い果物です。そのため、常温では1~2日程度しかもたず、時間がたてばたつほど栄養も失われていきます。
冷蔵庫保存時はヘタの部分を下に
購入時の入れ物はイチゴが傷みやすいため、キッチンペーパーを敷いた浅めのタッパーにヘタの部分を下にしながらきれいに並べましょう。
残ってしまったら冷凍保存がおすすめ
イチゴは冷蔵保存でも4~5日程度しかもたないため、多く残ってしまうようなら冷凍保存しましょう。また、ビタミンCは冷凍しても栄養効果はほとんど変わりません。
冷凍保存時はヘタを取り6ヶ月を目安に
イチゴはきれいに洗ったあと、水気をしっかり拭き取ってからヘタを取り除き、ジッパー付きの保存袋に重ならないように入れましょう。6カ月程度保存するこが可能です。
新鮮で美味しいいちごの選び方
見るからにおいしそうなイチゴでも、実際に食べたら酸っぱくて甘くなかった。なんて経験はありませんか?少しでも新鮮でおいしいイチゴを選びたいですね。
ヘタの付け根まで全体が赤くなっているもの
表面に傷のないイチゴを選びつつ、ヘタの周辺が白くなくツヤがあるものを選びましょう。
ヘタが萎れていないもの
ヘタが萎れているイチゴは収穫から日にちが経っている可能性が高いため、ヘタの緑が濃く反り返っているものを選びましょう。
産毛が目立ちツブツブが立っているものは良質
鮮やかでムラのない、光沢があるイチゴを選びましょう。日によくあたり、高い糖度で新鮮なものが多いです。
購入後に熟すことはないので熟したものを選ぶ
イチゴは収穫以降に追熟しない果物のため、日がたっても赤くなることはありません。そのため、隅々まで赤くなっているものを選びましょう。
いちごの旬のはいつ?
イチゴは真冬に食べるイメージが強いですが、本当の旬はいつなのでしょうか。
熟してから出荷されるので収穫と出荷は同時期
前述のようにイチゴは追熟しない果物のため、1番おいしい時期に収穫されます。そのため、収穫時期と出荷時期が同じになります。
店頭に多く並ぶ時期は12月後半から2月
本来(露地物)のイチゴは3~4月に収穫されます。しかし、ハウス栽培の技術により12月後半から2月頃に多く店頭に並ぶようになりました。
品質改良や促成栽培により出荷時期を調整している
イチゴはクリスマスやお正月の時期にもっとも売れるため、品質改良をおこない出荷時期を調整しています。ほとんどのイチゴが促成栽培されるようになりました。
いちごに含まれる様々な栄養素の効果で健康的な生活を送ろう
イチゴにはあまり知られていない魅力がたくさんありますね。老若男女問わずに人気なイチゴ。さまざまなイチゴの効果で、健康的な生活を送りましょう。