ストレスが原因の症状って?正しく知って早めの対処を心がけましょう
ストレスが限界を超えるとどのような症状が
普通に生活していれば、誰でも持っているのがストレスです。適度なストレスなら問題はないのですが、限界を超えてしまうと心や体に不調をきたします。ストレスが限界を超えるとどんな症状が現れるのでしょう。最近ストレスが溜まっているかも、と心当たりのある人は、しっかりとチェックして深刻な症状に進行しないよう、早めの対策を講じましょう。
ストレスは悪いものと思われがちですが、実は人にとって良いストレスもあるのです。ストレスにはどんな種類があり、どんな要因で引き起こされるのか、また具体的な症状や改善法を詳しくみていきます。
ストレスの種類
ストレスは「良いストレス」と「悪いストレス」の2つに分類することができます。まず初めに、良いストレスとはどのようなものなのかを見ていきましょう。
自分を高める良いストレス
良いストレスとは「これがやりたい!」と思ったときに現れる「やる気」や「向上心」のこと。これはストレスとは別物に思えますが、実はこれも立派なストレス。ストレスとは心や体が刺激を受けることで、負荷がかかる状態のこと。この「やるぞ!」といった気分の高揚こそが「良いストレス」なのです。良いストレスは心身に好影響を与えてプラスに働きます。なので、人間として成長するためには、必要なストレスなのです。
ただし、注意したいことがあります。やる気がみなぎっているときは、やる気ホルモン「ドーパミン」の作用で、疲れを感じにくくなっています。そのため、睡眠時間を削ったり休憩をとらずに、作業に没頭することがあるでしょう。そのときは不調を感じなくても、ほっと気を抜いた瞬間体調不良を招く危険性があります。
このことから、やる気MAXになっているときは、一定の目標を設定して、達成した時点でしっかりと休憩をとりましょう。睡眠時間を削るなんてもっての外。疲れが溜まってせっかくの「良いストレス」が「悪いストレス」に変わってしまいます。やる気を維持するためにも、生活リズムを崩さないよう注意しましょう。
自分を追い込む悪いストレス
私たちが日頃「ストレス」と感じているのがこの「悪いストレス」です。悪いストレスとは「不快」と感じることすべてが当てはまります。「これは嫌い」「やりたくない!」と思えば、それを避けようとするのが自然なことです。ですが、生活していく上で、不快に感じることは山ほどあるはず。
これをすべて避けることは不可能に近いでしょう。そうなれば、不快なことでも我慢するしかありません。この我慢が積もりに積もった状態が「悪いストレス」として蓄積されていくのです。蓄積によって限界を超えてしまった「悪いストレス」が、心身に悪影響を与えるので、体調不調が起こってきます。
ストレスのしくみ
ストレスの正体とは何なのか、その仕組みについて詳しく見ていきましょう。
そもそもストレスって何
ストレスとは
ストレスとは身体的・精神的に「不快」と感じる刺激を受けたとき、それに反応する状態のことを言い、「ストレス反応」とも呼ばれます。先述したように、同じ刺激でも不快に感じなければ、ストレスにはなりません。またストレスの要因になるものを「ストレッサー」と呼びます。ストッレッサーは、以下のように分類することができます。
- 物理的要因:気温・騒音・匂いなど
- 生物学的要因:睡眠不足・栄養不足など
- 精神的要因:人間関係・欲求の阻害など
これらのストレッサーによって引き起こされたストレスが、うまく処理できず蓄積することで、様々な問題が起こってくるのです。そのため、ストレスは適度であれば健康に影響することはありません。人によって許容量が違うので、ストレスの限界も違うのです。
ストレス反応の種類
ストレッサーの種類や強度によって、心身に現れる症状が違ってきます。ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は以下の3つに分類できます。
- 精神的不調
- 身体的不調
- 異常行動
ストレスの要因や強さによって、主に以上のような面に問題が起こってきます。ストレスとは非常に複雑で、個々によってすべて違う厄介な現象なのです。
不調の原因はコルチゾール
ストレスが蓄積され限界を超えると、心身に様々な不調が起こります。これは「コルチゾール」と呼ばれる物質が原因と考えられています。コルチゾールとは炭水化物や脂肪・タンパク質の代謝を制御する役割を担う「副腎皮質ホルモン」の一種です。生物にとって必要なホルモンで、毎日一定量分泌されています。
コルチゾールは交感神経を刺激し、脈拍や血圧を上昇させて、ストレスから心身を守っています。一方でコルチゾールはストレスによって増加する特性をもっており、これが心身に不調をもたらせるのです。コルチゾールの分泌量が増加すると、以下のような副作用が起こってきます。
- 糖尿病
- 高血圧
- 骨粗鬆症
こういった症状は、コルチゾールが原因で起こると考えられているのです。
ストレスを感じると交感神経が優位になる
ストレスは自律神経と密接な関係があり、ストレスを感じると交感神経が優位になると言われています。交感神経は心拍や血圧を上昇させ、体を緊張状態にしてストレスに立ち向かうための防御反応を起こします。こういった緊張状態は、怒りっぽくなったり、不安を感じやすくなるという精神面に影響を与えるのです。
交感神経が優位な状態が続くと、よりストレスが過剰になってコルチゾールが増加する、それによって体調不良に陥るという悪循環が起こってきます。ストレスに立ち向かうために作用している反応が、プラス面だけでなくマイナスに働いたときに、このような悪循環が起こってくるのです。
ストレスが溜まると現われる症状をチェック
ストレスが溜まることで現れる症状とはどんなものか、具体例を挙げて説明します。
ストレスによる体調不良の例
ストレスで病気とまではいかなくても、何となく体調がすぐれないときもあるでしょう。具体的に以下のような不調を感じることはありませんか?
- 眠っても疲れがとれない
- 食欲の低下・過剰な食欲
- 肩こり・手足のしびれ
- 頭痛が続く
- 耳の聞こえが悪い
- めまい
こういった不調を感じていたら、ストレスが溜まっているのかもしれません。重症化させないためにも、早めに対処しましょう。
ストレスによる精神的不調の例
ストレスによる精神的不調とは具体的にどういった症状か、例を挙げて説明します。
- イライラする
- 気が滅入る
- 劣等感にさいなまれる
- 物事に対して興味がなくなる
- 人付き合いが面倒に感じる
些細なことでもイライラしたり、自分がダメな人間に思えて他人と関わりたくないと思うようになったら、ストレスが溜まっているのかもしれません。うつ病などの辛い病気に進行しないよう、注意が必要です。
行動面に現れる症状
具体的にストレスが行動に現れるとしたら、どういった行動なのでしょう。以下のものが当てはまったら要注意です。
- 理由もないのに悲しくなって涙がでる
- 朝起きるのが辛くてなかなか起きられない
- 今までスムーズにできていたことがテキパキできなくなる
朝起きるのが辛いのは誰にでも当てはまるものかもしれません。ですが、理由もなく急に悲しくなったり、今までできていたことができなくなるのは、普通では考えられない症状です。こんな症状が現れたら、精神科医や心療内科を受診しましょう。
ストレスを引き起こす要因
ストレスを引き起こす要因はいろいろあります。具体的に見ていきましょう。
気温や騒音など物理的要因
気温や天候
暑い寒いといった気温を不快に感じるときは、それだけでストレスを受けていることになります。夏の暑い日差しの中にいると、涼しい場所に避難したくなるでしょう。それでも、日差しの中で仕事をしなければならないようなときは、我慢する他ありません。
また天候によっても気分が変わります。カラッとした青空が広がっているときは、気持ちもスッキリ晴れやかですが、梅雨で雨の多い時期は気分も憂鬱になりがち。こういった自然現象が要因でストレスを感じることも多いのです。
騒音
車の交通量が多い場所や工事現場などといった騒音レベルの高い場所にいると、気持ちが落ち着かずイライラすることはありませんか?人間は80デシベル以上の音を聞くと「うるさい」と感じるそうです。
普通に生活していれば、不快に感じる音を聞くことも多々あるでしょう。うるさいからと、移動できればいいのですが、その場所から離れられない状況のときは我慢をする他ないのです。こういった騒音から逃れられない状況がストレスの要因になるのです。
異臭
異臭が鼻につくと、イライラしたり頭痛や吐き気を起こします。アロマをもちいた癒やしがあるように、匂いは人の脳に刺激を与え様々な反応がでるのです。「この匂いは嫌い」と感じる異臭をかぎ続けるとストレスになってしまいます。
上記のような物理的要因が、ストレスを引き起こすと考えられます。「不快」と思う環境がそもそもストレスであり、それを我慢するしか手立てがない場合にストレスが蓄積されるのです。
栄養不足や睡眠不足など生物的要因
健康的な生活を送るには、栄養バランスのとれた食事を心がけ、質の良い睡眠をとることが重要です。食事は健康の源であり、摂取した栄養が血液に取り込まれて細胞にいきわたることで、身体機能も正常に働きます。偏った食事や無理なダイエットをすると、新陳代謝が低下して体調不良に陥り、ストレスの要因になるのです。
また浅い眠りが続いたり睡眠不足になると、健康的な生活を送ることはできません。睡眠はホルモン分泌や傷ついた細胞の修復をする大事な時間です。これが満足にとれないと心身ともに疲弊してしまい、ストレスの要因になるのです。このような生物的要因がストレスの要因と考えられます。
家族関係など人間関係に関する要因
人間がストレスとして認識するのは、家族関係や人間関係に問題がある場合が多いと言われています。こういった自分だけの問題でなく、相手が存在する問題は解決が難しいものです。
お互いが納得できる結論に至るには時間もかかります。そうなれば長期にわたって悩みを抱えることになるので、ストレスが蓄積されていくのです。人の感情はその時々で変わってくるものなので、家族関係や人間関係は問題が発生しやすいと考えられます。
職場や学校における役割上の問題に関する要因
学校行事の際、何らかの役割を引き受けたり、生徒会委員などで役割を与えらることがあるでしょう。与えられた役割が自分に「向いていない」と負担を感じるものだった場合、大きなストレスを抱えることになります。
また職場においても同じことが言えます。与えられた仕事が自分のキャパシティを超えていた場合は、時間や労力を費やしても、求められる結果が出せないでしょう。そうなれば焦りや悩みを抱えて、平常心でいられなくなるかもしれません。このように与えられた役割が自分の能力にあっていないと、精神的に追い詰められて過剰なストレスを招くのです。
欲求の阻害に関する要因
人はさまざまな欲求を持っています。例えば以下のようなものです。
- 眠くなったから睡眠をとりたい
- お腹がすいたから何か食べたい
- 素敵な洋服を見つけたから購入したい
- 好きな異性を独占したい
こういった生きていれば当たり前の欲求が、何かによって阻害されると、思い通りにいかないジレンマからストレスに繋がるのです。
ストレスが原因で起きる心の病気
ストレスが原因で起きる病気には、心に現れるものと体に現れるものがあります。まずは心に現れる病気を紹介します。
自律神経の乱れによって起きる自律神経失調症
自律神経とは呼吸機能や消化機能などを司っている、生きていく上で必要な生体機能のこと。これは体を緊張状態にしてアクティブにする「交感神経」と、リラックス状態にして心身を休息させる「副交感神経」から成り立っています。
この自律神経のバランスが乱れると「自律神経失調症」を発症します。自律神経失調症の大半は、交感神経が優位になり緊張が続く状態です。それによって脳が疲弊して、精神が不安定になるのです。自律神経失調症は精神面だけでなく、体に不快な症状を招きます。それは以下のような症状です。
- 頭部:頭痛・脱毛
- 耳:めまい・耳鳴り
- 口:口の渇き・味覚障害
- 手足:しびれ・冷え
- 心臓:動悸・圧迫感
- 皮膚:多汗・痒み
- 筋肉:肩こり・脱力感
- 全身:微熱・疲労感・食欲不振
他にもありますが、代表的なものを挙げてみました。それぞれ部位別の疾患かと思ってしまいがちな症状も、実はストレスからくる自律神経失調症が原因のときもあるのです。
気力が低下するうつ病
ストレスで気分が落ち込む日が続くと、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の分泌量が減り、うつ病を発症する危険性があります。うつ病の症状は「心の症状」と「体の症状」に分けられます。心の症状には以下のものがあります。
- 今まで好きだった趣味などに興味がなくなる
- 人付き合いが面倒になる
- 小さなことでも決断できない
- 人が言っていることがなかなか理解できない
- 理由もなく不安が募ってじっとしていられない
また、体のの症状には以下のものがあります。
- 食欲不振
- 過食になる
- 不眠
- 疲労感がとれない
- 息苦しや窒息感
このようにストレスが原因で起こるうつ病は、心だけでなく体にも不快な症状が出るのです。
環境に適応できないストレスが原因の適応障害
環境が変化することで、それまでと同じ生活が送れなくなる病気を「適応障害」といいます。これは環境が変わったことが、そのままストレスになって体が適応できない状態です。症状には以下のようなものがあります。
- 【心の症状】イライラ、不安感、気分が落ち込む
- 【体の症状】動悸、吐き気、めまい、集中力の低下
適応障害の場合、ストレスの要因を取り除くことで、これらの症状改善に期待ができます。
強いショックが原因で起きる急性ストレス障害
事故や災害・犯罪被害などによって、強いストレスを受けたことで発症する病が「急性ストレス障害」です。事故や犯罪被害などで、命に関わるほどの危険にさらされると、精神に大きなダメージを受けて様々な症状が出ます。例を挙げると以下のような症状です。
- 幸福感・満足感が得られなくなり恐怖感や絶望感に支配される
- 被害にあったときの感覚が蘇って心理的苦痛を感じる(フラッシュバック)
- 離人感になり現実感や時間感覚がなくなる
これは3日以上症状が続くものが対象で、2日以内でおさまるものは病気とはみなされません。
急性ストレス障害が重度になると起きるPTSD
生死に関わる怖い体験によってトラウマを抱え込んでしまった状態が「急性ストレス障害」です。これは3日以上続き1カ月以内でおさまるのが特徴です。この症状が1カ月を超えてもおさまらない状態を「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と呼びます。
ストレスが原因で起きる身体の病気
ストレスが原因で起こる病気についてみていきましょう。
呼吸が浅く息苦しくなる過呼吸
自律神経の乱れや過度なストレスで過呼吸になる場合があります。精神的ストレスが要因で起こる過呼吸は「過換気症候群」や「過呼吸症候群」といった病名で呼ばれています。これは緊張や不安で呼吸数が増えることで、血液中の二酸化炭素濃度が低下し、呼吸中枢によって呼吸が抑制されることで、呼吸困難になる状態です。
また過換気症候群は血液がアルカリ性に傾くため、血管が収縮して筋肉が痙攣を起こしたり、手足のしびれが起こります。他にもめまいや動悸・胸の痛みを感じる人もいます。
胃腸の病気
ストレスによって消化機能を司る自律神経が乱れることで、胃腸の病気を発症することがあります。病気には次のものが挙げられます。
- 神経性胃炎
- 胃潰瘍
- 急性胃炎
- 過敏性腸症候群
- 十二指腸潰瘍
これらは他の要因でも発症しますが、ストレスも大きな要因の一つです。
めまいや立ちくらみを起こすメニエール病
ストレスが原因でメニエール病を発症することがあります。メニエール病は激しいめまいや嘔吐・発汗などを伴う辛い症状です。これにはストレスによる自立神経の乱れが影響していると考えられています。
ストレス性の脱毛症
頭部に丸い脱毛が起きる「円形脱毛症」や、髪の毛全体が薄くなっていく「びまん性脱毛症」もストレスが原因で起こります。こういった症状が現れたときは、ストレスを軽減する努力をすれば、改善の可能性が期待できます。ただし、脱毛症に関しては他にも多くの要因が伴うので、頭皮環境の改善や生活習慣の見直しも同時におこなったほうがよいでしょう。
倦怠感や集中力の低下を招く不眠症
不眠症の原因もストレスと考えられます。ストレスで自律神経が乱れると交感神経が優位になり、緊張状態が続くため、ノンレム睡眠がとれなくなるのです。眠りが浅いと睡眠不足になって、倦怠感を招いたり集中力が低下して物事がスムーズに進まなくなり、余計にストレスが溜まるという悪循環が起こってきます。不眠症は重症化するとうつ病に進行するので、早めの対処が重要です。
ストレスを緩和させるための対処法
ストレスを緩和するためにできる対処法はどんなものか、ご紹介していきます。
深呼吸をして精神を安定させる
緊張したときに深呼吸をすると、気分が落ち着きます。これは酸素をしっかり取り込んで、脳をリラックスさせる効果があるからです。また自律神経の乱れを整えるには、腹式呼吸が有効と言われています。その理由は、腹圧を使うことで横隔膜に刺激を与えるため。
横隔膜には自律神経が多く通っているので、刺激を受けると交感神経と副交感神経のバランスが整うのです。ストレスが溜まったと感じたら、お腹に空気をためてゆっくり吐き出す深呼吸をしてみましょう。
1人で抱え込まずに誰かに話す
不安や悩み事を1人で抱え込んでも、解決は難しいものです。親しい友人や信頼できる人に、相談してみるとよいでしょう。胸の内を吐き出すだけで気持ちが軽くなりますし、自分では思いつかない視点からのアドバイスがもらえるかもしれません。
十分な休息を取る
ストレスを軽減するには、ゆっくりできる時間を持つことが大切です。忙しい日常から離れて、ゆっくり眠るのもいいでしょう。自然に体の緊張がほぐれて、気持ちも軽くなるはずです。
ストレスの原因から遠ざかるという選択肢を持つ
ストレスの原因が明確にわかっているときは、それから距離を置くことが改善への近道とも考えられます。不快な要因から離れられないでいると、ストレスを受け続けることになり、雪だるまのように膨らむばかりです。可能な限り我慢を強いられる状況から遠ざかって、快適な生活を送るよう心がけましょう。
専門の医療機関を受診する
自分で緩和するのが難しいと思ったら、専門の医療機関を受診しましょう。知らず知らずのうちに溜まってしまったストレスは、突然重症化することも考えられます。大事に至る前に早めの対処をしてください。
ストレスによる不調を改善する方法
すでにストレスによって体に不調が起きているときは、どのように改善すればよいかご紹介します。
しっかり睡眠をとる
人は眠っている間に細胞の修復やホルモンの分泌をおこなっています。すでに起きている不調も、質の良い睡眠をしっかりとれば改善が期待できます。
睡眠はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の繰り返しです。レム睡眠とノンレム睡眠の違いは以下の通りです。
- レム睡眠:体を休めるための浅い睡眠
- ノンレム睡眠:脳を休めるための深い睡眠
一晩のうちにこのレム睡眠とノンレム睡眠が、約90分を周期として交互に繰り返されます。ストレスが溜まるとレム睡眠が多くなり、ノンレム睡眠がとれなくなるので、脳を休めることができなくなるのです。これでは心身ともに疲れ切ってしまいますし、自律神経の乱れも生じてきます。
質の良い睡眠とは、ノンレム睡眠がしっかりとれている睡眠のこと。そのためには入浴のタイミングや、就寝時の環境を見直すことが大切です。眠くなるタイミングは、入浴によって一旦上がった体温が下がってくるときです。これは大体風呂上がりの1時間~1時間半後と考えられています。そのため、入浴は就寝の1時間前~1時間半前におこなってください。スムーズに眠りにつくことができて、質の良い睡眠がとれるでしょう。
運動をしてセロトニンを分泌させる
ウォーキングや縄跳びなどの運動をすることで、神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が促進されると言われています。セロトニンは快楽を感じる「ドーパミン」と不快感や恐怖を感じる「ノルアドレナリン」を制御して、気分を落ち着かせる効果があります。また他にも抗ストレス作用があるとも言われています。
セロトニンを増やすには、一定のリズムを刻む運動をするのが効果的。ウォーキングや縄跳びなどは手軽にできる運動で、自分のペースで実践できるのでおすすめです。
お風呂で身体を温める
38度~40度のぬるま湯に浸かって体を温めるのもストレス改善に効果があります。ぬるま湯はゆっくりと体温を上げていくので、副交感神経が活発になり、リラックス効果が得られます。40度以上の熱いお湯では交感神経が活発になり逆効果になるので、お湯の温度には注意しましょう。
ぬるま湯で体の芯まで温まれば、冷え性改善にも繋がります。冷え性を改善して体の隅々まで血液が巡れば、各細胞に酸素や栄養がいきわたるので、ストレスに強い体作りに役立ちます。
サプリメントをとる
ストレスにさらせれることで、普段よりも消化されやすい栄養素があります。これを食事で補うのは難しいかもしれません。効率よく摂取するには、サプリメントを利用するのがおすすめです。ストレスで体調不良に陥ったときに摂取したい栄養素は、以下のものです。
- ビタミンC
- ビタミンB群
- カルシウム
- トリプトファン
- マグネシウム
- GABA
これらの栄養素が含まれているサプリメントを飲んで、ストレス対策を講じましょう。
限界を感じたら専門家に相談しよう
ストレスにも「良いストレス」と「悪いストレス」があります。良いストレスはやる気や向上心に繋がり、自分自身を高めることができます。一方で「悪いストレス」は心身に悪影響を与え、限界を超えると病気を招く恐ろしいものです。
不快に感じることが多く、イライラしたり気分が落ち込むときは、ストレス解消を心がけてください。それでも改善が見込めないときは、早めに専門家に相談しましょう。