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食品衛生管理者の資格を取得する。知識の幅を広め、新しいステップへ

資格・語学

厚生労働省が管轄下の国家資格

食品衛生管理者とは、厚生労働省が管轄下になっている国家資格です。つまり、食品衛生管理者は、確実な需要が求められている資格だといえます。

将来のために国家資格を取得したいのであれば、資格についての内容を知ることから始めましょう。仕事内容を理解するだけでなく、その仕事をすることで求められることを理解することも重要です。

資格の内容や仕事内容について理解できたら、取得方法を知るために、取得に必要な要件を確認します。食品衛生管理者によく似た、食品衛生責任者との違いも学んでおくとよいです。内容を理解して、将来のために役立てましょう。

食品衛生管理者について

食品衛生管理者とはどのような資格なのか、具体的に確認していきましょう。

食品の加工工場で必要とされる国家資格

精肉店やスーパーのお肉、お魚コーナーに「食品衛生管理者○○」と名前の書かれたプレートを見たことがあるのではないでしょうか。名前からして、どのような資格なのか想像がつくかもしれませんが、実は食品衛生管理者のおかげで、私たちの食卓に安心で安全な食品が並んでいることをご存じですか?

食品衛生管理者は、食品の製造や添加物を加工する施設で、必要とされる国家資格です。食品衛生法によると法で定められているものの、製造や加工を行う営業者は、その製造や加工の衛生管理のために、その施設ごとに専任の「食品衛生管理者」を置くことになっています。つまり、食品衛生管理者のいない工場では、食品を製造できません。

設置が義務付けられている業種

食品の製造や加工のために、設置が義務付けられている食品衛生管理者。具体的な例を挙げると、全粉乳、加糖粉乳、調製粉乳、食肉製品、魚肉ハムや魚肉ソーセージ、日本ではジャガイモのみが許可されている放射線照射食品、マーガリンやショートニングといった食用油脂、添加物などの衛生面を管理するのです。

衛生的であることを特に求められる食品の加工工場において、施設ごとに少なくとも一人は食品衛生管理者を設置することが、法律により義務付けられています。このことから、食品衛生管理者は、食卓に欠かせない食材を製造する施設では、必要不可欠な存在となっていることが分かります。

届け出先は都道府県知事

食品衛生管理者を設置した施設は、15日以内にその旨を届け出なければなりません。届け先は都道府県知事、または保健所です。申請するのに費用はかかりません。また、届け出に必要な物は、各都道府県により異なる可能性がありますが、主に以下のものが必要になることが多いです。

  • 食品衛生管理者設置・変更届出書2部(1部は写しでもOK)
  • 履歴書2部(1部は写しでもOK)
  • 資格を証明する書類(例えば、卒業証明書2部(1部は写しでもOK)または卒業証書の原本(確認後に返却)と写し2部のどちらか)
  • 雇用証明書(営業者の場合は不要)
  • 管理者変更の場合、全管理者の食品衛生管理者設置届出書

届出に必要な書類(食品衛生管理者届など)は、窓口で配布またはホームページでダウンロードすることが可能です。必要な書類については、各都道府県または保健所に確認しましょう。

食品衛星管理者の仕事内容と求められること

食品衛生管理者の仕事内容と求められることを知り、その仕事の存在意義を考えましょう。

公衆衛生を守り食中毒を防止すること

食品衛生管理者の仕事の一つは、公衆衛生を守ることです。公衆衛生とは、人間の生命及び健康を脅かす存在を取り除き、身体的にも肉体的にもより良くするという概念のことを指します。食品衛生管理者の資格を保有していると、知識と技術を活かして、食品の衛生検査を行わなければなりません。

衛生検査では、食品に住み着いた菌の数により、その食品が衛生的で安全かどうか調べる事ができます。菌の数が一定の数より少なければ、その食品は安全だと確認できるのです。この衛生検査を行うことで、先ほど述べた公衆衛生を守ることが可能。これは大腸菌により引き起こされる食中毒を、防止することにつながります。

食品衛生管理者は、食品が加工及び製造され食卓に届くまでに、菌の混入や事故が起こらないよう、その安全を守らなければなりません。些細なミスやわずかな汚れなど、不衛生につながるものを見逃さないように、細かい所にも気を配れる集中力が求められます。

食品衛生法を遵守すること

食品衛生管理者の仕事のうちもう一つは、所属する施設の加工や製造が、食品衛生法から外れてしまわないように管理することです。食品衛生法は公衆衛生の考えに基づいて、腐敗した食品はもちろん、有害な菌や微生物が付着した食品、異物が混入した食品などをあらかじめ取り除いて、衛生上の危険を未然に排除しておくための法律をいいます。

これを守ることは、すなわち食卓や飲食店へ届けられる食品の安全を、守ることでもあるのです。さらに、これは消費者の健康を守ることにつながるので、食品衛生管理者は、人々の健康を支えられる資格であるともいえるでしょう。食中毒を防ぐときと同じように、ちょっとした不安材料を見逃さない集中力や、食卓を守っているという責任感、職員に指示を出すためのリーダーシップなどが必要になります。

食品衛生管理者になるための要件

食品衛生管理者になるためには、定められている以下の要件を満たしている必要があります。

医師や薬剤師免許の所持者

医師、薬剤師、歯科医師、獣医の免許を持っている方は、食品衛生管理者になれます。つまり、医師や薬剤師などであれば、食品衛生管理者になるために、改めて学校に通ったり勉強をする必要がなく、資格を取得できるということです。

医師や薬剤師ではないと、食品衛生管理者になれないということではありません。医師や薬剤師などの免許を持っていない方は、ほかの方法で資格を取得できます。

所定の学校で勉強する

食品衛生法第48条第6項2・3によると、大学や専門学校で特定の科目(畜産学、獣医学、水産学、医学、歯学、薬学、農芸化学)の過程を修了して卒業した方も、食品衛生管理士になれます。また、食品衛生管理者の養成施設を卒業した方も、資格の取得が可能です。

医師や薬剤師などの免許を持っていなくても、大学や専門学校、食品衛生管理者の養成施設で、食品衛生についてしっかりと学び、卒業していれば資格が取得できます。そのため、資格を取得したいと思ったら、それらの学校や施設で学ぶという選択肢があります。

3年以上の業務従事経験と講習会の修了

免許を所持しておらず、大学や専門学校を卒業していなくても、資格を取得することはできるのでご安心ください。高校卒業程度の学力と、食品を加工、添加する施設で、加工や添加などの食品衛生管理の業務を3年以上経験し、なおかつ定められた講習会を修了すれば資格が得られます。

講習会の受講料等は自治体ごとに異なるので、自分の住んでいる地域での料金を前もって調べておきましょう。ただし、この条件で資格を得た人は、3年以上勤めていた施設と同じ種類の業務を行う施設でのみ、この食品衛生管理者として就職できるという点に注意してください。

似ているようで異なる食品衛生責任者

似ているようで異なる、食品衛生責任者についても確認しておきましょう。

飲食店などで必須の公的資格

食品衛生責任者は、主に食品を製造、製造する施設で必要な食品衛生管理者と違って、食品を販売する施設では、必ずこの資格を持っている人を設置していなければなりません。食品衛生管理者が必要ない施設でも、設置が義務付けられており、飲食店はもちろん、コンビニエンスストアにも設置していなければならない資格です。

食品衛生管理者よりは、難易度が低く幅広い資格ですが、食品衛生を守るためにやらなければならないことは、たくさんあります。冷蔵庫の温度を管理したり、調理場が衛生的かどうかをチェックしたりするだけでなく、食品の梱包がきちんとできているかの確認、さらには従業員の健康状態の確認などです。

しかし、この資格を持っていると、自分で飲食店を開業できますし、もしも転職することになったときに、飲食関係の職に就くときに有利に進められるかもしれません。

講習を受けることで取得できる

食品衛生責任者は、栄養士や調理師の免許があれば、すぐに資格を取得できますが、免許がなくても自治体によって、定められた講習を受けることで資格を得られます。食品衛生責任者は、食品衛生管理者よりも簡単に資格を取得できるので、資格を取るための講義の受講を希望する人数が多いです。

受け付けの申し込みは、先着順となってしまいます。受講修了書は当日に交付されるので、もし資格を取得したい場合は、早めに申し込んだほうがよいでしょう。食品衛生管理者の資格を得るための条件を満たしている場合、講習を受ける必要はありません。また、資格を取得し、飲食店の経営を始めたあとも、定期的に講習を受けることが推奨されているので、ぜひ講習を受けるようにしましょう。

食品衛生管理者を取得してスキルアップを目指そう

食品衛生管理者の資格を取得しておくと、知識の幅やできる仕事の幅が広がり、スキルアップにつながります。食品の衛生を管理するという仕事は、食卓の安全を守るために大切なことであり、需要が高い仕事です。

医師や薬剤師などの免許がない方は、資格を取得するために学校や専門の施設で学ぶか、3年以上の業務従事経験と講習会の修了で、資格を得られます。スキルアップを目指すために資格を取得し、新しいステップを踏み出しましょう。

LITORA編集部

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