一級建築士を独学で習得するには、スケジュールを知ろう

資格・語学

一級建築士を独学で取得する方法は

家や建物を建てたい人の希望を、具体的な形として実現させる建築士。その中でも一級建築士は最上位の資格であり、取得すると建築士としての仕事の幅もぐっと広がります。ですが仕事をしつつ取得を目指すことになる資格なので、ハードルが高いと感じる人がたくさんいます。また、独学の場合は、どうやって勉強すればいいか分からない、という人も多いのではないでしょうか。

一級建築士の資格を目指す上で、勉強は避けては通れません。この記事ではそんな人の為に、独学で目指す場合の流れやおすすめの勉強方法、テキスト、独学で取得するメリットについて解説していきます。

一級建築士を独学で目指すときの流れ

まずはどのような流れで一級建築士を目指していくのかをおさえます。資格を取る条件が不足している、ということがないようにしておきましょう。

大学で指定科目を修めるか二級建築士の資格を取る

一級建築士の受験資格を得るには「学歴」と「実務経験」という2つの条件をクリアする必要があります。学歴においては、建築科目において指定科目を学んでいることが条件です。また受験資格を認めてもらえる学歴は、卒業年度と財団法人建築技術教育普及センターが認定した学校かどうかによって異なります。自身の大学や学部が認定されているかどうか、事前にチェックしておきましょう。

一方、資格によって受験することも可能です。二級建築士か建築設備士の資格を取得している場合は、学歴ではなく実務経験のみで受験資格が判断されます。

受験資格として必要な実務経験を積む

2つ目の条件となる実務経験は、学歴によって異なります。4年制大学の場合は2年以上、3年制大学の場合は3年以上、2年制短期大学や高等専門学校の場合は4年以上、卒業後の実務経験が必要になります。また二級建築士か建築整備士の資格を持っている場合は、4年間の実務経験で取得可能になります。

ただし、この実務経験には大学院在学中のインターンも含まれる場合があります。また大学院在院中にインターンシップ関連の講義を30単位取得すると2年分の実務経験と同じ扱いをされるので、大学院卒業後すぐに受験資格を得ることができます。

学科試験を受ける

受験資格をクリアしたら、次に一次試験として学科試験を受けることになります。学科試験はI?Vまでの5項目あり、個別に合格ラインが設定されています。個別の合格ラインと合計点数の合格ライン、それぞれを越えて初めて、学科試験に合格できます。

問題内容は非常に幅が広く、建築的な知識をまんべんなく問われます。中には、読解力を試すような内容もあるので、注意が必要です。ここがまず試験の壁となる部分なので、コツコツと勉強を積み重ねることが大切です。

設計製図試験を受ければ合格となる

学科試験に合格した後は、設計製図試験を受験することとなります。6時間30分という長時間の試験であり、その内容はあらかじめ設定されている設計製図課題を基として、図面と記述を完成させるという内容になっています。ですが設計条件の詳細など、細かな部分は試験当日まで確認できません。

たとえば2017年度には「小規模なリゾートホテル」という課題が与えられました。この課題からどのような条件が想定されるかを事前に予想して、いくつかのパターンを考えおく必要があります。なお、不合格でも2年間は学科試験が免除されます。

一級建築士に独学で合格するための勉強法

独学で合格するには、とにかくコツコツと勉強して知識を積み上げることが第一になります。特に学科試験は独学で大きな範囲をカバーできます。

参考書を用いて知識を深める

まずは参考書を読むことでポイントを整理し、理解を深めていきましょう。実務経験を積むことで、実地的な知識はどんどん身についていても、いざ基本に立ち返った場合の知識を忘れていたり、不足している可能性は十分にあり得ます。もし可能なら、先輩から実際に使った資料や参考書を紹介してもらい、より勉強を効率化していきましょう。ネットから情報を得ることも可能なので、自分が勉強しやすい方法を選ぶことをおすすめします。

問題集や過去問題を何度も解く

市販の問題集や参考書には、合格に必要な知識が掲載されています。情報を広く得るためにも、問題集や過去問題は繰り返し解いて、隅々まで知識を得ましょう。過去問題を配布しているサイトもあるため、有効活用して覚えていくことが大切です。

通勤や休憩時間を暗記の時間にする

法規は法令集を用いて暗記し、正しい情報を覚えておくことが大切です。法令集は試験にも持ち込めるのですが、ゆっくり引いている時間がありません。そこで、通勤や休憩時間といった隙間時間を、暗記の時間にしてみましょう。またトイレのドアに資料を貼ったり、スマートフォンで資料を撮影して持ち運ぶのもおすすめです。

作図は早く書くことを目標にする

作図は時間を取られやすい部分です。早く書くコツとして、フリーハンドや省略などを駆使することが挙げられます。ですが答えがしっかりある場合を除くと、作図は自分で書くと正解かどうか分からないという面もあります。時には予備校などを活用して、自分の弱点を正確に克服していきましょう。

一級建築士の独学受験者におすすめテキスト

要点がしっかりとまとめられている、独学受験者におすすめのテキストを3つ集めてみました。

一級建築士試験学科ポイント整理と確認問題(平成30年度版)

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試験に必要な知識がコンパクトにまとめられており、ポイントを整理しながら読み込むことで知識を再確認し、さらに確認問題で知識が定着しているか確認することができます。購入した人限定の特典として、環境問題や震災を受けての法改正や、新技術などの新傾向問題を学べる冊子をもらえるのも嬉しいポイントです。

一建築士要点整理と項目別ポイント問題(平成30年度版)

[wpap service=”with” type=”detail” id=”4863585330″ title=”1級建築士 要点整理と項目別ポイント問題”]
重要ポイント編で要点を学習し、確認問題で復習ができる1冊です。法改正に伴う情報が反映されていることも重要なので、新しい年度のものを購入しましょう。また平成29年本試験問題と解答もついているので、過去問も1年分一緒に解くことができます。

一級建築士 過去問題集チャレンジ7 平成30年度版

[wpap service=”with” type=”detail” id=”4863585322″ title=”1級建築士 過去問題集チャレンジ7″]
過去問をしっかり解くことは、問題の傾向や出題されやすい知識を得たり、実践的な問題を学ぶのに役立ちます。特に、近年の問題は10年分くらいは当たっておくことをおすすめします。こちらの問題集は、平成29年~平成23年までの7年分の過去問題を収録しており、読み込みながら進めることができます。

一級建築士 学科過去問スーパー7 平成30年度版

[wpap service=”with” type=”detail” id=”4864172463″ title=”1級建築士試験 学科 過去問スーパー7〈2018(平成30年度版)〉”]
同じように7年分の過去問題にあたれる問題集ですが、オリジナルの解説がついており「一級建築士 過去問題集チャレンジ7 平成30年度版」に比べると本自体がややコンパクトという特徴があります。持ち歩きながら勉強を進めたい、という人におすすめです。

一級建築士資格を独学で取得するメリット

最後に、独学で学ぶことで得られるメリットを見ていきましょう。

スクール代を節約できる

独学は自分で勉強計画を立てる必要がありますが、スクールに通う手間やスクールにかかる30~70万円の費用を節約することができます。ですが2次試験の製図のみ、製図に関する独自ルールがあるため予備校に通う必要があります。

反対にいえば学科試験は独学でも合格できる可能性が、十分にあります。コツコツと勉強を積み重ねて、1発合格を目指しましょう。

一目置かれる存在になる

一級建築士の独学合格者は2割程度のため、独学で合格した場合、周囲から尊敬される可能性が高いです。業界内で一目置かれるきっかけにもなるので、そうした名声を求める人は独学を選ぶ上での1つのメリットと言えるでしょう。

自信が持てるようになる

とにかく幅広い分野の知識を求められる一級建築士の試験では、真面目にコツコツ勉強を続けることが何よりの近道。しっかりと勉強してきた、という努力にプラスして結果が出れば、自信にも繋がります。自分の実力をよりアップさせたい、という人にも試験勉強を通して知識面を強化できます。

自分のペースで勉強できる

予備校では実力把握を兼ねて、課題の提出を求められることも多々あります。しかし仕事の合間をぬって学校に通うことになると、そうした宿題などの強制的な勉強によって、日々の生活が圧迫されることもあります。自分のペースでじっくり取り組むことができるのが、独学で勉強する強みです。

独学で一級建築士の一発合格を目指そう

一級建築士の資格は、取得できれば転職でも大きな力を発揮してくれます。女性の建築士の人口も増えつつあり、女性目線で考える住宅は人気も高まっているので、これから先も活躍の場がどんどん広がっていくと予想されます。

自分の活躍する場所を広げるためにも、独学で一級建築士の一発合格を目指してみましょう。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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