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【4】「調和の心」を日本から世界へ、新たな着物アップサイクルコンテンツにチャレンジ

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山村さんに今後について伺ったところ、海外の人へも、「あきざくら」の着物アップサイクルを通じて「調和の心」「モノを大切にする心」を伝えたいと話してくれました。コロナ禍前に海外のイベントに参加した際には、海外での着物アップサイクルの可能性に確かな手応えを感じたと言います。将来的には都内と長野の実家、そして海外の他拠点生活も考えている山村さん。海外の拠点候補地には、ヨーロッパに狙いを定めているのだとか。起業を望む女性の方たちに向けて、メッセージも頂きました。

海外の人たちにも、日本の「調和の心」や「モノを大切にする心」を伝えたい

ーー「あきざくら」の今後についてお聞かせください。

海外の人にも着物アップサイクルを楽しんでもらおうと、現在「あきざくら」の海外展開について、様々な可能性を探っています。

ーー海外に広めたいと思うようになった理由は何でしょうか?

実は、「あきざくら」スタート前から、海外への展開は考えていました。当初は、先に海外に持っていって、そこである程度人気になったものを逆輸入という形で日本に持ってきて、展開しようと考えていました。日本人って、自分達の文化の魅力に気づいてなくて海外で評価されたものの方が価値があると思いがちなのですよね。しかし、準備段階で思ったより日本での反響があったので、日本から世界へという流れになりました。

ーー日本での注目を集めるために海外に広めたいと思っていたのですね。方向転換した今でも海外展開を考えているのはなぜですか?

日本の伝統文化を学んでいた時に、「調和の心」など昔の日本人の精神性は、今世界中で求められていることだと思ったのです。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉も、この頃からメディアでよく見かけるようになっていました。更に、海外展開へのリサーチしていた時に、「日本文化」「職人技」「アップサイクル」は海外の人の関心も高く、着物アップサイクルというコンテンツを楽しんでもらえる可能性を感じました。実際、海外のイベントに参加した時も、反応はとてもよかったです。

ーー具体的にどんな反応があったのですか?

シンガポールの「桜祭り」というイベントの時は、浴衣の着付けの提供もしつつ、着物アップサイクルの小物の販売もしていました。参加者の方は、自分の浴衣姿に喜びつつ、更に着物傘を持って写真が撮りたいと、レンタル用の着物傘を手に取る方がとても多かったです。また、着物扇子を購入する時に、元はどんな着物だったか聞いてきたり、元の着物の写真を欲しがったりと、アップサイクルだからこそ購入するがたくさんいました。

将来的には日本と海外の多拠点生活へ、狙うはヨーロッパ

ーー海外に着物アップサイクルを展開するために、準備していることはありますか?

海外だと、機能としての日傘はほぼニーズがありません。日傘という文化がないんです。着物傘に関しては、おしゃれアイテムとしてやアートとしてとしての可能性を探っています。また、海外の方が日常に取り入れやすい小物もリサーチし、アイテムの追加も考えています。将来的には、海外にも拠点を置きたいですね。都内と実家、海外の多拠点生活を考えています。

ーー具体的には、どの国に拠点を置こうとお考えですか?

ヨーロッパです。ヨーロッパの人たちも歴史や文化を積み重ねてきた民族だからこそ、伝統あるものを重んじる傾向があると感じています。過去にフランスで現地のビジネスパートナーが扇子を販売した時、着物の柄の質問をよくされたと言っていました。

ーーその時は、どのようなお話をされたのでしょうか。

例えば、梅の柄の扇子を購入してくれた方は、「なぜ梅の花が描かれているのか」と気になったようでした。梅の花は、まだ寒い春先に他の花よりも早く咲く花です。梅の柄には「厳しい寒さの中でも花を咲かせる強さを持ってほしい」という願いが込められていることを説明すると、共感してくれたとのことです。ただ「美しい!」だけじゃなくて、その奥の考え方まで興味を持ってもらえるのは嬉しいです。着物の柄の意味は、自然をリスペクトし、自然と調和して生きてきた日本人だからこそと思っており、ヨーロッパだったらそれを感じてもらえるのではと期待しています。

大変なことも含めて「愉」しめる何かを見つけよう

ーー起業において大事なことは何だとお考えですか?

起業をするなら、「自分を知る」ことは重要だと思います。「自分が本当に好きなことは何か?」「自分が作りたい未来はどんな未来か?」など自分の軸がわかれば、ブレずにやり続けることが出来ます。「儲かりそうだから」「周りがやっているから」と他人軸で始めてしまうと上手くいきません。

ーー山村さんも「あきざくら」を立ち上げた時、興味があった日本の伝統文化を深めたと仰っていましたね。

はい。自分が本当に好きなことを考え、おもしろいと思ったら行動に移してみるのがベストだと思います。行動することで必ず何かは見えてきます。もしやってみて違うと思ったらまた次の行動をすればいいだけです。「違った」ということがわかるのは前進したということですから。

ーー今の時代正解がないからこそ、自分の感覚を信じて行動することが大切なんですね。

そうなんです。私は10年後はまた大きく社会が変わっていると思っています。昔みたいに先輩が正解を知っているという時代ではないので、自分を信じて行動し、全てを愉しんで欲しいですね。

国内とヨーロッパの多拠点生活を実現して海外へ着物文化を発信したい

山村さんは今後、「あきざくら」を通して海外の人たちへも「調和の心」や「モノを大切にする心」を伝えたいと考えています。海外の方が求めている形で着物アップサイクルを提供できるように、新たな形を模索というチャレンジをしている山村さん。将来的には日本と海外の多拠点生活を実現し、特にヨーロッパでの活動をしていきたいと話してくれました。大変なことも含めて人生を「愉」しんでいる山村さんのさらなる活躍を楽しみにしています。

「あきざくら」公式HP

https://akizakura.net/

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