インタビュー

【4】アートはもっと自由でいい! アーティストとして独立したい人へのアドバイス

鮮やかで力強い色合いが印象的な絵を生み出す須山裕子(すやまゆうこ)さん。イラストレーター、コンテンポラリーアーティスト、そして造形教室の講師として活躍しています。「いつから絵を描き始めたのか覚えていない」と言うほど、幼少のころから絵を描き続けていた須山さん。大人になってからもデザイナーやイラストレーターの仕事をたのしみながら覚え、現在も仕事ではなく「遊んでいる」感覚なのだそう。ところが、明るくパワフルな須山さんでも、絵を描くのがつらかった時期がありました。その時期から得た須山さんの人生観を4回にわたってお届けします。

「賞をとらなくちゃ」「ギャラリーについてもらわなくちゃ」「誌面に乗りたい」と多くのしらがみがあり、自由に動けないアーティストが多いそうです。そんな中、須山さんはすべてのしらがみを取っ払う存在、そんなアーティストの一本の道になりたいと言います。インタビュー最終回は、須山さんが持とうとしている「美術館」について語っていただきました。

ひとりひとりがアート。人の内面を描いた肖像画を100人分集めた「100人美術館」


人の内面を描き、それをTシャツにプリント。着て外に出ることでその人が作品となり、目にした人が鑑賞者となる。

―将来について伺います。今後やってみたいことを教えてください。

「100人美術館」というのを作ろうと思っています。美術館と言っても建物があるわけではないんです。

私が出会った人の内面を肖像画として描いて、それをTシャツにするんです。そのTシャツを来た人がコンビニに行く、電車に乗る、それを目にする人がいる。そこで、もう作品と鑑賞する人、という美術館ができあがるんですね。
世界中の人にそれをできたらいいなと思っています。だから、世界中の人に会いに行きたい。

―内面の肖像画、どのような絵でしょうか。

会った人を思い浮かべて、浮かんだ色を描きます。人って自分の内面の色を知ると自分のことが少しずつわかってくるようになります。本来の自分を思い出そうとしますよ。

アーティストのしがらみを取っ払う!覚悟を決めたらまわりがついてきた。


色鮮やかで力強い須山さんの作品。「目にした人の心に光が降りる(フックがかかる)」よう、描いているそう。

―そのような美術館を作りたいと思ったのはどのような理由でしょうか?

アーティストたちが状況や環境のせいでやりたいことができないという状況を変えたいと思っているんです。アーティストって賞をとらなくちゃとかギャラリーを持たなきゃとか、しがらみが多いんですよ。私はそれを取っ払ってやりたい。ギャラリーなんてつかなくていい。自分で作ればいいと思ったんです。

その目標をあきらめないという覚悟を決めたら、周りもついてきてくれました。

―周囲の方たちは、須山さんをどのようにサポートしてくれていますか?

マネージャーが、学芸員の資格を取るために美大に入学しました。
一般の人が私の作品を見て「すばらしい」と言うのと、学芸員の資格を持つ人が言う「すばらしい」という一言は重みが違う。そんな想いで美大生になったそうです。
私の作品をたくさんの方に見てもらえるように、彼はキュレーターを目指しています。
彼は、会社も設立してしまいました。仕事も取ってきてくれて、私がやることは絵を描くだけ。「iiima(イーマ)」という会社、「いい今」という意味です。

―社名にはどのような想いがこめられていますか?

「今」に集中することが大切という考えで名付けました。
今、目の前にあることに集中して取り組めば、いい未来を生み出し、過去を作り直す。「今」に集中して、「いい今」の瞬間をつないでいけば、自分が望むもの以上の未来になると思います。

それから、「今」に集中すると過去も変わるんですよ。
今の状態が変われば、過去のできごとがあったから今の自分がいるのだと思えるようになります。

考え方が変わると現実も変わる! 第一歩は自分の心の中を認識すること

―アーティストとして独立したい方へアドバイスをお願いします。

自分の本当の気持ちは何なのか、しっかり向き合って認識することです。人間ですから、汚い部分や嫌な感情があります。それでも、目をそらさない勇気が必要です。
自分の嫌なところを愛せなくてもいいから、私には嫌なところもあると認識することが第一歩です。そうすると、物事の見方が変わってくるんですよ。
ひとつの出来事も良いか悪いかのどちらかではなく、多面的になってきて、すべてが美しいと思えるようになります。見方や考え方が変わると、不思議と現実も変わるんですよ。

―例えば、どのように現実が変わりますか?

「私ってどうしてアーティストとして世の中に認められないの?」と考えているときって、自分自身が認めていないんです。「ない」状態に着目しているから。
もっと言うと「お金がない」と考えているときは「ない状態」に目を向けているから、お金がないんです。でも、本当にお金ってないのかな? モノを持っているし、着る服もあるし、住む場所もある。こういうふうに「ある」モノに目を向けていくと、「お金がある」という現実になるという不思議な理論を持っていて、実践しています。

こうやって心が変わるって、すごく素敵じゃないですか?

まとめ:心の声に耳を傾け、自分を大切にすることがカギ

4回に渡って、心の深い部分までお話してくださった須山さん。全体を通して感じたのが、大切なのは自分の心を大切にしているということ。私たちは日々のやるべきことをどうこなすかに目を向けがちですが、まず自分の心を整えてから行動することが、自分を大切にすることであり、その結果物事はうまくいくのではないかと思います。人生観を見つめ直すきっかけとなったインタビューでした。

須山さんのサイト「iiima」はコチラ
https://www.iii-ma.com

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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