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#1 何をしているときの自分が一番幸せなのか、考える【30歳からのキャリアのつくりかた】

【30歳からのキャリアのつくり方】 30歳からの女性の働き方やキャリア形成について、有識者の方やロールモデルとなる先輩女性にお話を聞くインタビュー企画です。

今回、お話をうかがったのは鎌倉を中心に人材育成、社内研修の構築・実施などを中心に行っている会社「ヒトノコト」代表の渡辺みさきさん。

会社員時代には人事部に所属、新卒・経験者採用で多くの面接を行い、現在はセカンドキャリアステップセミナーなどの講師もされています。そんな渡辺さんに会社員としてのキャリアをどのように築いていけばいいか迷っている女性に対してアドバイスをいただきました。

まずは「自分の仕事を見つめ直し、自分に合ったキャリアを見つけること」が大事

-現在、アラサーの働く女性の多くは会社員として働いています。渡辺さんには彼女たちがどのように映っているのでしょうか。

私のセミナーに来る人なども会社員のアラサーの女性が多いのですが、やっぱりなんとなく不安を持っている人が多い気がします。

でも、それはいつの時代でもそうなのではないでしょうか。いまは会社の仕事が楽しくても「この楽しさがあと30年も続くんだろうか」と考えたりもしますよね。漠然とした不安があるのだと思います。

それにとりわけいろいろと迷うのは30歳の独身女性じゃないですかね。特に、女性は結婚・出産・育児など、ライフステージによって自分の状況が大きく変わる可能性が高いですから。

例えば、子どもができても男性は大きくは変わりません。女性は最低産前産後の4カ月ぐらいは休みますし、それから育児休暇)を取るのか、復帰して保育園に預けるのか、仕事をやめて幼稚園に通わせるのかとか、それぞれの段階で選択肢がたくさんあって、先が見えづらいから不安なんです。

そんな中でも得意な仕事を見つけたり、いまの職場でキャリアアップしたりと明確なプランを持って進んでいる人もいます。先が見えない怖さももちろんあるとは思うのですが、彼女たちの多くは、現状の自分の仕事をしっかりと見つめ直すことで自分に合ったキャリアを見つけているのですよね。

どんな仕事をしていてもその中で自分ができることや得意なことを見つけることができるという自信が、不安を解消する要素になっているのではないでしょうか。

-明確なプランを持っている彼女達は、どうやって自分にあった仕事を見つけたり、キャリアアップしているのでしょうか?

不安に思いながらも自分にあった仕事を見つけたり、キャリアアップしている人達がいるというのは同じ悩みを持っている人からすると心強いですよね。

彼女たちを見ていて一番感じるのは、いまの仕事が自分に合っていると納得しているということじゃないでしょうか。

もし、いまの仕事が自分に合っているのか分からなくなっているのであれば、一度立ち止まって、いまの仕事に対する気持ちを自分に確認してみるのはとてもいいことです。

『私、いまの会社でこの仕事をやっていて結構楽しいじゃん』と思えるなら、仕事に100%注力して、いままでよりパフォーマンスを上げることができるはず。そうやって、みんなのパフォーマンスが上がれば、それまで10人でやっていた仕事をもしかしたら8人でできるようになるかもしれない。会社としても嬉しいですしね。

逆にいうと『いま、この仕事をしていて幸せじゃない』というのは、仕事が合っていないということかもしれない。幸せじゃない仕事をずっと続けていても、未来に対しての自信はつきませんよね。

だからこそ、自分のいまの仕事を立ち止まって見つめ直すことは大事だと思いますよ。

-とはいえ「楽しい」と思えなかったり、自分に合ってないかもと思うことも多いのではないでしょうか?

この仕事が自分に合っているのかどうか悩んでいる多くの女性は、【自分が何をやりたいのか】ということを自分自身で見えていないという傾向がありますね。

そんな人は何をやりたいかということをある程度自分の中でハッキリさせておくことが大切です。やりたいことがハッキリしていれば、社内のどこの部署にいってもやりたい仕事はできるのです。この場合、行きたい職場ということではなく、「やりたい仕事」をハッキリさせることが重要です。

例えば、『人と接する仕事がしたい』から営業職に就きたいという人がいますよね。それで営業職に就くなら転職しかないし、転職するのはなかなか大変だと考えてしまう。こういう風な考え方をする人もいるのではないでしょうか?

でも、別にいまの会社にいたからって全く人と会わない、話さない、という人はほぼいないですよね。

いまの会社の仕事の中で、取引先と対面しているときが一番好きなところだったら、それに力を入れればいい。できあがったものを取引先が喜んでくれたとしたら、それでその希望は叶うということです。

何をやりたいのかがはっきり分かれば、部署を変えたり、職場を変えたりしないでも、いまの職場の中でそれを見つけることができるのです。

その取引先がすごく評価してくれれば、会社の中で評価があがりますし、それが昇給や昇格といった形として自分に返ってくるかもしれません。

どこで仕事をしていても、自分のやりたい仕事というのは自分の意識で変わるのだと思います。だからこそ、やりたい職種ではなく、やりたい仕事、楽しい仕事とはどんなことかをしっかりと確認することが大切です。

自分がやっていて楽しく、好きで頑張れる。そういう仕事だからこそ「自分に合っている仕事」と言えるのではないでしょうか。

あきらめないことこそ
キャリアアップの秘訣

-キャリアを築ける人と築けない人の違いはどんなところにあると思いますか?

好き・嫌いとか、できる・できないということを基準にキャリアを見極めるのも重要なことですが、実は一番大切にしてほしいことは「あきらめないこと」と私はよく言っています。これは多くの女性が自分で限界を決めて「私にはできない」とキャリアアップすることをあきらめてしまうのを見てきたからです。

例えば、何かのプロジェクトに参加するかどうか打診があったとしても最初からあきらめてしまう人が多いのですが、会社員だったら仕事を与えられたのならば、目の前の仕事を100%全力でやってみて欲しいのです。

実は挑戦するというだけでそこから抜け出すことができる人も意外と多いのですが、それは挑戦した人にしか分からないですよね。自分だけの力でできることは少ないかもしれないですし、挑戦したけれどできないこともあるかもしれません。でも最初からあきらめていたらその土俵にもあがることはないのですよ。

もちろん自分では100%でやったつもりでも、周りからの評価がダメだった場合、そこが限界ということになってしまうかもしれません。

そのときはそのときになってから、異動するか、いまの職場でも違う仕事の仕方をするか、それが嫌なら自分で起業するということを考えても遅くないですよね。

自分の限界を自分で決めて勝手にあきらめるのではなく、まずは挑戦してみることがキャリアを築ける人と築けない人のちょっとした差なのかもしれません。

-もし何かうまく行かずに失敗してしまった時は、どんなことに注意すればよいでしょうか?

もちろん自分の仕事が楽しく、やりたいことができている人ばっかりだとは限りません。うまく行かず挫折してしまうこともあるでしょう。そんな時もやっぱり「自分が何をやりたいか」をしっかりと確認することが重要ですね。

もし、やりたいこととは違う仕事をしているというときは、それが本当に嫌いなのか、苦手なのかということを客観視することがとても大事ではないかなと思います。自分は一生懸命やっていると思っていても客観的に見てみるとやはり合っていないということもあります。

例えば、第三者に客観的にぶつけてみる、というところで、友だちや先輩に気軽に話をしてみてもいいのではないでしょうか?

ただ愚痴を言うということではなく、客観的に見て楽しそうにしているか、仕事がしっかりと回っているかを確認してみてください。

そのためにも、まずは話を聞いてくれる人を見つけることが大事だと思っています。そこで得意だと思っていたことが不得意だったと気づくこともありますので、客観的に見てもらえる人を見つけることが重要かもしれませんね。

ただし、自分に都合のいいことばかりを言う人ばかりに聞いてはいけませんよ(笑)

働くことが幸せであることが大切

-これから先、アラサー女性が幸せに働いて生きていくために、大切なことはなんでしょうか。

世の中は働き方というと、効率やお金について考える人が多いと思いますが、私は働き方=幸せだと思っています。

働くことが幸せであることで、周りの人も幸せになっていくことができればそれはとても良いことなのではないでしょうか。

ですから、幸せに働くためには、自分が何をしているときが楽しいのか、一番ワクワクするものがどこにあるのかをある程度知りつつ進んでいくことが大切かと思っています。そしてその答えは実は既に自分の中に持っているのだと考えています。

“私”の言葉(答え)は“私”の中にあるので、それをちゃんと客観的に認識することですね。自分の中から生まれた答えだからこそ、自分で責任を取るしかありませんしね。

それから、何が理由で楽しそうだったのかをきちんと分析していくと、自分が何に対していつも楽しいと思っているのかが分かるようになると思います。

もちろん、周りの人が意外と見ていたりするので、聞いてみるのもいいですね。周りから見て楽しそうだったら、自分はそれをやっているときに幸せを感じている、ということではないでしょうか。

毎日忙しく過ごしていると時間はどんどん過ぎていきますし、流されていくこともあると思います。そんなときは、急がずにきちんと立ち止まって、自分の心に問いかけることが必要なのだと思います。

最近「丁寧に生きる」という言葉がよく聞かれますよね。これって、仕事でいうと、自分がどういう状況なのか、なぜこの仕事を続けていられるのか、その時々の自分の気持ちの移り変わりをちゃんと自分で見てあげるということなのだと思うのです。

20代の若い頃とは違って、落ち着いて自分のことを見ることができつつある年代だからこそ、丁寧に自分の気持ちと向き合いながら、幸せなキャリアを築いていってほしいですね。

キャリアを作るためには自分自身と向き合うことが大切

30歳から自分のキャリアをつくるために、まず大切なのは、自分と向き合って、自分が何をしたいかを知ること。「自分の答えは全部自分の中にある。自分の中から生まれた答えなら、自分で責任を取るしかありませんよね」と渡辺さんは言います。何がしたいか、どうなりたいか。30歳という節目に、一度立ち止まって、見つめ直す機会が必要なのかもしれません。

(撮影/土田凌 取材・文/LITORA編集部)

<取材協力>
ヒトノコト代表 渡辺みさき

ソニーグループに入社、人事部へ配属。新卒・経験者採用にて、2000名以上の面接を行う。人材育成・社内研修の構築・実施、ジョブローテーションの策定・実施。経営企画部にて、新規事業所設立、グループ内企業合併時の諸規定整備、広報、渉外業務に携わる。2016年、「ヒトノコト」設立。鎌倉市を中心に、採用や人材育成など各種人事サービスを提供している。鎌倉市との協働事業「キャリアのセカンドステップセミナー」講師。「鎌倉の朝からプロジェクト」主催。


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