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何もしないという決断から2年後に出会った「本当の自分とは?」|在り方で生きるインタビュー:西任暁子さんvol1

西任暁子さんプロフィール2
インタビュー

ラジオDJや本の出版・講師業などでご活躍されていた中、ある時「このまま進んでも自分の求めている幸せにたどり着けない…」と気づき、2年間もの時間をかけ自らと向き合い「本質的な幸せとはなにか?」を探求し続けてきた西任暁子(にしとあきこ)さんに今回お話しをお伺いしてきました。

どうやって自分と向き合ってきたのか?どう変わったのか?また今後のやりたいこと夢まで、色々なお話しをお伺いしています。

現状に何か不安や不満があっても、なかなか前に進めなかったり、変われなかったり…
変わろうと必死にもがいているもののなんか満たされない…
そんな想いを抱えている人にヒントになるようなお話しがたくさんあります。

ぜひ最後までご覧ください。

PROFILE 西任(にしと)暁子さん
Solaris Corporation 代表取締役
慶應義塾大学在学中に、ラジオDJとしてデビュー。
東京FM、FM横浜など、全国のラジオ局でおよそ30本の番組を担当。
またスピーチコンサルタントとして、講演や研修も行う。
その後、すべての活動を断ち、自己探求した2年の中で、自己の本質に気づく。
活動を再開した現在は、「自分に出会い、自分を生きる」をテーマに、学びの場を創造している。
著書に『ひらがなで話す技術』『聞く会話術』『本音に気づく会話術』、また歌手としては、『If you go away』などのCDをリリース。

仕事も止める、人間関係も止める、情報も止める、
何もしないと決めた

「私は15年程、ラジオでDJをやったあと、7年程、『話し方』についての本を数冊出版して、『伝え方』や『人とのコミュニケーション』についてのスピーチコンサルタントや講師をやってきました。

そして、あるとき、『何かが違う気がする』と思って、立ち止まってしまったんです。このまま前に進んでいっても、自分が求めている幸せにはたどり着けないような気がしました。

子どもの頃から、ずっと頑張ってきました。でも、このまま頑張りつづけても、どんなに頑張っても満たされることがない、そんな生き方に限界を感じていたんです。

『私はこのまま、いろいろなことをやりながら、でも、本当の意味で満たされないまま、死んでいくのかな?人生を本気で見つめ直すなら、今しかないかも…』って思って、全部、何もかもやめることを決めました。

そして、何者でもない自分と向き合うことにしたんです。」 
 

不安を埋めることに必死だった過去
ずっと幸せは、外に求め続けてきた

「私は昔から『何者でもない自分であること』が怖くて、一生懸命、その心の穴・不安の穴を埋めるために、いろいろなことを学んだり、誰かのために何かをしたり、必死になって、自分を高めることをしてきました。
要するに、自分の価値を自分の外に求めていたんですね。

だから、正直、何もしないということが、何よりも怖かったんです。スケジュールはいつもいっぱい詰め込んでいました。でも、ずっと恐れていた、『何かしていなければ、何の価値もない自分』に向き合わないと、心から満たされることはないと思ったんです。

『私って、何だろう?幸せって何だろう?』と自分と向き合いながら、考え続けました。

そして、あるとき気づいたんです。

『自分に価値がない』という穴を埋めれば埋めるほど、穴は大きくなっていくことに。穴って、洋服でも壁でも、埋めようとすると広がりますよね。それと同じで、埋めようとする行為そのものが、穴に存在感を与えていた。『埋めようとする限り、穴はなくならない』と気づきました。

幼少時から、『生きているだけでは、価値があるわけない!』とずっと思い込んで、自分の価値を高めよう、自分の価値を実感しようと、何とか、足りないと感じてきた”穴”を埋めようとしてきました。

いろいろと努力して、『何かしなければ、何の価値もない自分』という思いに気づかないように、誤魔化し続けてきた自分をようやく受け入れたんです。」
 

何もしなかった2年間
ただひたすら自分と向き合った

「最初の半年くらいは、本当に何もしませんでした。ただ椅子に座っているんです。テレビも見ない、ネットも見ない、人と会うこともないので刺激もインプットもない…本当に何もしない時間でした。生きている意味なんてないような気がして、苦しかったですね。

でも、そうして何もしないと当然、情報が外から入ってこないので、頭が静かになってきます。そして、ある日、これまで自分だと思ってきた自分は、自分じゃないとわかりました。

部屋の中から、ぼんやり窓の外を見ていたんです。

自分が、窓を見ているのだから、窓は自分ではないなと思いました。

次に自分の足元の床に視線を移すと、床も自分が見ているものだから、床は自分ではないなと。

そして、目線を自分に近づけていって、自分の足が目に入ったときに、足も自分が認識している対象だから、足も自分ではないと思ったんです。

最後に、いま考えている思考や感じている感覚も、自分が認識しているのだから、自分ではない…

こうして『自分が認識できるものは、自分ではない』と、一つ一つ自分ではないものに気づいていくと、最後には何もなくなって、それを認識している意識だけになりました。『あれ?自分って何もない!無だ!』と気が付いて、今までに感じたことのない穏やかな気持ちになりました。」

自分と向き合って
たどり着いたのは‟無”

「自分と向き合い続けていく中でわかったのは、『価値がない自分』という私が必死で埋めようとしていた穴の奥にある【無】こそが、自分であるということだったんです。

『自分である』と言っても、【無】だから何もないんです。ただ意識があるだけ。ブラックホールみたいな無限の広がりです。でも、ブラックというよりは、明るくて平和で穏やか。幸せそのものなんです。求めていた幸せは、ずっとあったのに、見えていなかっただけでした。

『穴を埋めないといけない』と頑張ってきましたが、穴を作っていたのは自分だったこともわかりました。『今のままの自分じゃダメだ』という考えが穴を作り、埋めようとするほど穴を広げていた。言うなれば、すべてが自作自演だったんです。」
  

幸せとは雲の向こうにある空のようなもの

「自分はそもそも幸せだったと気がつくのって、雲がぱっと晴れて、自分は何もない空(そら)だったんだ!と気づくような感覚です。これまでは、雲が自分だと頑なに信じていたから、その奥にずっとあった空が見えなかったんです。

自分が空だと気がつくと、雲って、留まらずに流れていくものなんだと眺めるような感覚になります。いろんな考えや感情という雲を。

この感覚を得てからは、本当の意味で自由になれたし、強くなれた気がします。

そして、眺めている観照者である自己を生きるフェーズに入ったな、と感じています。

それが言うなれば「ほんとうの自分」なんでしょうね。」

自由も幸せもやりたいことも
すべて自分の中にあることをこれからは伝えていきたい

「人ってすでに幸せなんだと気がつくと、『やらなければいけないこと』がなくなって、『やりたいこと』をやっていいと思えるようになりました。

ところが、いざ自由になるとやりたいことがわからないんです。「好き」とか「楽しい」と感じるセンサーが錆びついてたんですね。

罪悪感もあったと思います。好きなことをして楽しんで生きるのって、どこかいけないことのように感じてきたから。

でも、人ってみんなそれぞれ違っているから、自分が本当にやりたいことをやっていい。そうすれば、自ずと誰かのためになるんだと思います。

私は、ありがたいことに、『書くこと』『話すこと』というギフトをもらっていますが、それはあくまでもツールです。

それを使って、何をやりたいんだろう?と感じるうちにわかったのは、すでに好きなことをやっているということでした。実は子供の頃からずっと、自分って何だろうと自己探求をしてきたことに改めて気づいたんです。探していたものはすべて、自分の中にあったっていうわけです。

これからは、幸せも自由も本当にやりたいことも、全部内側にすでにあるよっていうことをいろんな形で伝えたいし、何よりも自分自身がその気づきを生きていきたいと思っています。」

本当の幸せにたどり着いた先にあったやりたいこととは

今回、西任(にしと)さんにお話しをお伺いして、現状に不満や違和感を持っている人は多くても、それをきちんと気づき、向き合っている人はどのくらいいるのだろうか?ということです。

何か環境や状況を変えるということは、誰しも不安が付きまとい、とても勇気がいる行為だと思います。ましてや自分自身を変えることは並大抵のことではありません。

そこに逃げずに向き合ってきた西任(にしと)さんだからこその強さや優しさをとても感じました。

次回は、本当の幸せにたどり着いた先に、西任(にしと)さんがやりたいことについて、具体的にお話しをお伺いしていきます。

次回記事はこちら

(文/エッセンシャル出版・LITORA編集部・写真/Solaris Corporation)

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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