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インタビュー

広告の仕事を通して気づいた人間の本質「ワクワクするほうに進め!」|クリエイティブディレクター サトー克也さんインタビューvol1

誰もが心の中で感じてきた「弱気・不安・諦め」という業(ごう)を肯定し、平成時代に漂いがちだった閉塞感を越えて、しなやかに凛と生きる女性を応援するメッセージビジュアルブック『Dちゃん』。「でも・だって・どうせ」という言い訳を乗り越えて、自分らしく生きる一歩を踏み出す女性を応援する特集企画(LITORA×エッセンシャル出版社)

「でも。だって。どうせ。」

誰もが心の中で感じてきた「弱気・不安・諦め」という業(ごう)を肯定し、平成時代に漂いがちだった閉塞感を越えて、しなやかに凛と生きる女性を応援するメッセージビジュアルブック「Dちゃん」が令和2年2月22日誕生します。

今回のインタビューでは「Dちゃん」の産みの親であるクリエイティブディレクターサトー克也さんに、お話をお伺いします。

今まで多くの広告・CMを手掛けられてきたサトーさんが、なぜ「Dちゃん」を誕生させるに至ったのか?そこまでには、サトーさんが広告という仕事を通して行き着いた「人間の本質」がありました。

第1回目は、サトーさんが今まどんな仕事を手掛けられて、どんなことを考えて来られたのか、仕事の哲学を中心にお話をお伺いしています。

30年携わってきた広告の仕事

「ボクは30年以上、広告の全体を統括するクリエイティブディレクターをやっています。
広告を企画し、演出して、広告を作る仕事です。今まで手掛けてきたのはこのような広告です」

日清食品『出前一丁』

「20代の頃は、日清食品さんの広告で、『出前一丁』のアニメーションを手がけました。『出前坊や』以外の『出前家族』をオリジナルで創りました。

それが世の中に届いたと感じた最初の仕事です。」

日立マクセル『ずっとずっと。』

 
「その後、日立マクセルさんのDVDで、『ずっとずっと。』という広告シリーズを手がけました。

鹿児島県の新留小学校という生徒3人の鹿児島県の小さな学校が、廃校になるまでの7日間の記録を撮影したものです。

社会現象として、どんどん少子化になっていき、学校も廃校になっていくことが増えていく時代に、その最後の7日間をきちんと記録として、ずっとずっと残しておこうというコンセプトのもと、まったくのドキュメンタリーで撮影しました。

このCMで、ACCという広告賞のグランプリをいただいたり、アドフェストというアジア最大の広告賞や、カンヌ(ライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル)の賞なども受賞しました。」

あえて広告業界の主流に逆行することが、
世の中を面白いものに変えていく

「広告業界がどんどんエンターテイメント化していく中で、ボクのスタンスとしては、『真逆の完全ドキュメンタリーをやってやろう!』と思っていました。

皆が行く方向とは逆の方向で、『こういう方法もあるよ』という別の視座を与えられるように作った作品が、このマクセルのCMなのではないかと思います。

皆がやっていることをやるのって、面白くないんです。

皆がそっちの方向に行くならば、別のことをやりたいと思っています。
世の中の主流じゃないところでも“できること”を示して、業界全体が活性化すれば面白いんじゃないかと思っていました。

それが世の中全体も面白い方向に行く秘訣かな、と。」

広告は時代の空気を創る

「時代の空気が“当たり前”と思っているものと違うものを、広告で創ることができたら、より時代としては面白くなっていくのではないかと思っています。

最近そんな想いで手掛けたものが、早稲田アカデミーさんのCMで『15のキミヘ』という15才に向けたメッセージソングです。子どもたちに受験のモチベーションを持ってもらうために作りました。

ただ単に『勉強を頑張ろう!受験に受かろう!』というメッセージだけではなくて、『受験という時間で得られるものは大きいものなんだ!』ということを提示してあげたくて、早稲田アカデミーさんと創ったCMです。

今やっている受験勉強は、大人になって振り返ったときに、『あの時、自分の力で頑張って乗り越えた!』という体験として、自分の力になっていくはずです。

大学にいっても、会社にいっても、おじいちゃん・おばあちゃんになっても、何か壁にぶち当たったときに、あの時頑張った成功体験がきっと力になります。

だから、15才を遥か昔に過ぎた人たちの目にも涙が流れるし、『全く15才じゃないけど、進みたくなったし、扉を開きたくなった!』『才能を出し惜しみしないでやってみよう!やれることをやろう!!』という感想が多数届いています。」

早稲田アカデミーブランドムービー
『15のキミへ』

今、(2020年1月29日現在)ユーチューブで180万回以上のPVが再生されています。

人間の本質をついた作品は年代を超える

「大人は『勉強頑張れ、頑張れ』って無責任に言いがちですが、子どもたちは、何のために頑張っていいかわからないんです。僕も15才のときはわからなかった。

でも、自分が大人になってみたら
『あの時の成功体験があるから、いろいろ頑張れたことあるな』という実体験もあり、このメッセージが贈れたんだと思います。このメッセージは受験でも仕事でも通じるものだと思うんですよね。
 
人生って全部、相似象でできているので、人間の本質をついた作品ならば、15才に向けてメッセージを作ったとしても、18才の人にも30才の人にも響くものになると思います。

本質的なものは、絶対に年代を超えちゃうはずなんです。

芥川龍之介や太宰治の小説もそうですけど、『新たな観念・生き方・感動』の提示をしていくことで、人間の観念というものは、変わっていくんです。」
 

広告の仕事でプロになるには
人間の本質・仕組みの理解が必要

「この仕事をし始めてからずっと考えてきたのは、

『人はどうして物を買うんだろう?』
『企業はどうしてこんなに頑張っているんだろう?』
『ただ物を売るためなのかな?』ということでした。

そのことを考えれば考えるほど、広告業界こそ、人間の本質、人間の仕組みというのを理解しないと、広告の仕事でプロフェッショナルにはなれないな、と思ったんです。

だから、心理学や社会学も学びました。そして、人間には何億年という歴史があるので神話についても探求しました。

人間に対する造詣を深めれば深めるほど、広告は、人間の普遍性から外れてはいけないんだなと思うようになりました。
それは、絵本でも本でも音楽でも、何にでも通じることだと思います。」

人間を突き詰めてたどり着いた
“ワクワクする方に進め!”

「30年間、いろいろな広告の仕事をやりながら、人間を突き詰めていくと、『多くの人が言い訳をしていること』に気づきました。

人はやりたいことがあっても、言い訳してやらないでいるんですよ。

それを更に突き詰めていくと、
人間ってワクワクするという科学では解明できない気持ちに導かれて、人生を進めると、やりたいことに近づけるんだなということにも気づいたんです。

いろいろな哲学書や賢人の言葉を読んで考えたりしていったら、ワクワクする方に進むことが、自分のやりたいことがやれる幸せな人生への近道であると。

実は、幸せに生きるということは、すごく簡単なことなんですよね。

でも人は、『自分のワクワクを優先させると、会社に迷惑をかけるし、上司に怒られるかもしれないし、××だからできない……』と言い訳を言うんです。

確かに、迷惑かけて怒られたり、嫌われたりするのは怖いですよね。

でも、そんな憶測にひるまず、自分のワクワクを優先させることは大事なことなんです!

ワクワクする方に進めば、まず、自分が幸せになれますから。

自分の幸せを大事にできない人は、結局、他人の幸せを大事にすることもできません。

そんなメッセージをみんなに伝えたくて、今回『Dちゃん』というフォトメッセージブックをつくりました。」

『Dちゃん』のテーマは【本当の自分を生きること】

広告という人の心を動かす仕事に、深く携わられてきたサトーさんだからこそ、たどり着いた『自分がワクワクする方に進めば、自分を幸せにすることが出来る』という人間の本質。

本当はそうやって生きたいのに、多くの人が『そんなことをしてもいいのかな?怒られないかな?』という恐怖心で、言い訳『でも・だって・どうせ』を言いながら生きています。

サトーさんは、そこに着目し、もうそんな言い訳も捨てて、本当の自分を生きようよ!という想いが込められたという本が、フォトメッセージブックが”Dちゃん”です。

次回は『Dちゃん』について引き続きサトーさんにいろいろなお話しをお伺いしていきます。

『Dちゃん』のテーマは本当の自分を生きること|クリエイティブディレクターサトー克也さんインタビューvol2
(2月22日公開予定)

(文/エッセンシャル出版社・LITORA編集部、写真/野上かおり)

サトー克也さんの仕事の哲学がたくさん
和法(わほう) ~和して無敵のコミュニケーション法~

今回お話しをお伺いしたサトーさんの仕事の哲学や考え方はこちらの本にもたくさん詰まっています。こちらもぜひご覧ください!

どうすれば、想いは伝わるのか?どうしたら、幸せに働けるのか?ワクワクしながら自分に素直に生きるためのクリエティブバイブル!

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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