引っ越しの際の失業保険の手続きについて。早めに方法を確認しよう
引っ越す場合の失業保険の手続きについて知ろう
引っ越した場合の失業保険の手続きについて、どこで手続きをするのか、必要な書類は何かなど、疑問に思うことはたくさんあります。
失業保険の手続き前に引っ越す場合と、失業保険を受給中に引っ越す場合とでは、少し手続きの方法が異なるので注意が必要です。受給前に引っ越す場合と受給中に引っ越す場合と、パターン別に手続きの方法をまとめているので、引っ越す予定がある方は、自分に当てはまるパターンを中心に確認しておきましょう。
氏名や住所を変更するときの手続きについて
結婚する場合は氏名も変わります。氏名や、引っ越しで住所が変わるときの手続について確認していきましょう。
手続きは住所地を管轄するハローワーク
失業手当は、引っ越して住所が変更になっても受給可能です。引っ越しの予定が決まっている場合、失業保険の受給に関する手続きは引っ越し先の住所地を管轄するハローワークで行います。引っ越し前の住所地を管轄するハローワークで手続きをすることはありません。
しかし、退職後1カ月以上先に引っ越す予定の場合は、それまで手続きをしないとなると支給開始日が遅れてしまうので、今住んでいる住所地を管轄するハローワークに相談しましょう。また、失業手当の手続きが済んだ後に引っ越しが決まった場合や、受給期間中に引っ越しをする場合でも、必要な手続きをすれば失業手当を受給できます。引っ越し後は管轄のハローワークで書類をもらい、住所変更の手続きを行う必要があるので、担当者に相談して必要な書類を受け取りましょう。
手続きに必要な書類について
引っ越し先で失業手当の手続きをする前に、必要な書類を確認して用意しましょう。以下が手続きに必要な書類です。
・受給資格者住所変更届(住民票記載事項証明書等の証明書類を添付)
・新住所が確認できる書類(氏名と新住所が記載されている住民票や免許証など)
・失業認定申告書
雇用保険受給資格者証は、失業保険の申請の手続きをしたときに発行されるもので、求職活動実績が記載されている書類です。受給資格者住所変更届は、ハローワークの窓口でもらうことができます。失業認定申告書は、失業の認定日に提出する求職活動の実績を報告する書類です。住所変更の手続きが完了したら、引っ越し前の記録が引き継がれ、新住所で失業手当を受給することができます。
手続きするときの注意点
事前に手続をするときの注意点も抑えておくことで、手続きで失敗することがなくなります。
受給期間は1年間
失業保険の受給期間は1年間です。?原則として離職日の翌日から1年間(所定給付日数が330日の方は1年+30日、360日の方は1年間+60日)と定められており、この期間内で受給できる日数は、退職の理由や退職時の年齢、雇用保険の加入期間により決定します。
ただし、その間に妊娠や出産、育児などの理由で引き続き30日以上働くことができない場合は、その働けない日数分の受給期間を延長することが可能。最長で3年間まで延長できます。この場合も、早めに住所地を管轄するハローワークで申請しましょう。
住所地を管轄するハローワークを確認する
失業手当の受給は「住所地を管轄するハローワーク」で申請手続きをする必要があります。すぐに引っ越しをする予定であれば、引っ越し前の今住んでいる住所を管轄するハローワークではなく、引っ越し先の新住所を管轄するハローワークで申請手続きをしなければいけません。
そのため、まずすることは住所地を管轄するハローワークを確認することです。手続きを行うハローワークを確認したら、必要書類を用意して早めに申請手続きをしに行きましょう。
失業保険の手続き前に引っ越す場合
失業保険の手続き前に引っ越す場合、申請の手続きはどのようにしたらいいのかを説明します。
早めにハローワークで手続きを開始する
失業保険の手続き前に引っ越す場合、引っ越した後はなるべく早く引っ越し先の新住所を管轄するハローワークで手続きを開始しましょう。住所の変更と、氏名の変更もあれば同時に変更を行います。その際には、変更に必要な書類を忘れないように注意しましょう。
必要な書類が足らずにもう一度足を運ばなければいけないとなると、日にちがかかり受給開始日が遅れてしまいます。そうならないように、引っ越し前に一度ハローワークに足を運び、必要な書類の確認等をしておくと安心です。
受給説明会へ参加する
離職票を持っていれば、引っ越し前の住所を管轄するハローワークで失業保険の手続きをすることが可能です。その際に、引っ越しをすることをハローワークに伝えてください。その後、受給説明会(初回認定日)にハローワークに行くことになります。
受給説明会の日にちの目安は、受給申請後4週間です。受給説明会に参加するのは引っ越し前、後どちらのハローワークでも可能。待っている間に引っ越しをしたのであれば、新住所を管轄するハローワークで参加して、それ以降はそのまま引っ越し先のハローワークで手続きができます。
失業保険の受給中に引っ越す場合
失業保険の受給中に引っ越す場合の手続について確認していきましょう。
早めに転入手続きを行っておく
失業保険の受給中に引っ越す場合は、早めに転入手続きを行っておく必要があります。引っ越した後も引き続き失業保険を受給できるように、住所変更の手続きをしなければいけないためです。
転居後すぐに住民票と印鑑を持って新住所を管轄するハローワークに行って手続きを行うことで、前住所を管轄するハローワークからの引き継ぎが行われます。転居後には役所へ転入手続きを行っておくことが必要なので、早めにハローワークに行って手続きを行わなければいけないのです。認定日を迎える前には転入手続きを行い、住民票を用意しておきましょう。
速やかにハローワークで手続きを開始する
引っ越し前の住所を管轄するハローワークで行う手続きは特にありません。引っ越し後に、速やかに引っ越し先を管轄するハローワークで手続きを開始することが大切です。ただし、引っ越し日の直前や直後が認定日の場合は、事前に引っ越し前の住所を管轄するハローワークで確認しましょう。
引っ越し後に、新住所を管轄するハローワークで住所変更や氏名の変更の手続きを行います。変更の手続きの際には、ハローワークの職員が書類の説明をしてくれるので、それに従って書類の記入をしていくだけです。不明な点は質問をすれば丁寧に教えてくれるので、わからないことがあれば職員に質問をして手続きを進めていきましょう。ハローワークでの手続きが済んだ後に、役所で住民票や戸籍などの転入届の手続きを行うことになります。役所で住民票を出してもらったらハローワークに行き、住民票の手続きをする書類や雇用保険受給資格者証を提出するなどの変更手続きも必要です。
求職活動をする
失業保険は、定められている「失業保険の受給条件」を満たしていないと受け取ることができません。失業保険の受給条件とは、以下のような内容です。
・いつでも就職できる能力があること
・積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業についていないこと
失業保険を受給するためには、求職活動の記録と報告が必要です。例えば、初回認定日に参加する受給説明会も、求職活動をしたという実績に数えられます。認定日ごとに求職活動実績の回数が定められており、指定の回数の求職活動を行わないと失業保険を受給できません。以下は、求職活動として認められる例です。
・求人への応募(電話での応募で断られたなど、転職サイトにエントリーしたが不採用になったなど、不採用になった場合も含む)
・ハローワークで職業相談
・民間企業が開催している職業相談やセミナー、転職フェア、合同面接会などに参加
・職業訓練に応募、ハローワークが開催している職業訓練の説明会に参加
・各種国家試験や検定等の資格試験など、再就職に資する資格試験を受験
ハローワークで職業相談をするのは求職活動になりますが、ハローワークでただ検索して帰っただけでは求職活動にはなりません。また、他にも求職活動になる例や、ならない例があるため、判断に迷ったらハローワークに相談して確認しましょう。
受給日や認定日の変更について
基本的には4週間に一度が「」原則です。しかし、例外として、やむを得ない事情により認定日にハローワークに行くことができない場合は、特別扱いとして受給日や認定日の変更が認められることがあります。うっかり忘れてしまって認定日に行かなかったなどの場合は、変更が認められません。この場合、4週間分の受給額を予定通りに受け取ることができず、受給日が先延ばしになってしまいます。
先延ばしになるだけで受給額が減るわけではありませんが、受給期間は離職の翌日から1年間のみなので、受給日が遅れたことで受給期間内にすべてを受け取ることができない可能性があります。その場合、残りの受給額は消滅してしまうので注意しましょう。やむを得ない事情で変更が認められたとしても、証明書の提出が求められるなどの特別な手続きを行うので、ハローワークに確認して必要書類の確認をしておくことが必要。変更が認められるようなやむを得ない事情の例には、以下のようなものがあります。
・認定日に公共職業安定所の紹介による求人企業の面接がある
・認定日にハローワークが開催している公共職業訓練等を受ける
・天災など、その他やむを得ない事情がありハローワークに行けない
引越しがわかったら早めに手続きしましょう
失業保険の受給期間は1年間と決まっています。住所や氏名の変更手続きが遅れてしまうと、受給期間が終了してしまい、受け取れるはずの失業保険が消滅してしまう可能性があるので注意が必要です。
また、手続きに時間がかからないように、事前に手続きの方法、受給条件、必要な書類などを確認して準備しておくことも大切。引っ越しがわかったら、引っ越し先の住所を管轄するハローワークで早めに手続きを行いましょう。