ストレス耐性を高めるには|うまくストレスを回避しよう
ストレス耐性を高める方法とは
ワクチンもなく予防も難しいとされるストレスでも、耐性を高める方法はあります。ただしそれは誰かがやってくれるわけではなく、自分自身で対処しなければいけません。何がストレスになっているのか、どのくらいのストレスを受けているのかは、個人差があります。
ストレスの度合いや受け取り方に違いはあっても、耐性を付けるには自分がストレスを感じていることを自覚して、原因を排除したりストレスを軽減したりするという努力が必用なのは同じです。
ストレス社会で生きている以上、ノンストレスな生活は難しいかもしれません。しかし気の持ち方ひとつでストレスに負けない自分作りができるなら、試してみる価値はあると言っていいでしょう。ストレス耐性を高める方法について解説します。
ストレス耐性とは何か
ストレス耐性というのは、どんな物を指すのか?知っていそうで意外に知られていない、ストレス耐性について見ていきましょう。
ストレスへの抵抗力
ストレスを自覚しないまま生活している人は少なくありません。一見問題ないように見えても、それは自覚がないだけで、目に見えないところでストレスによる影響を受けている可能性は十分にありえます。
ストレス耐性というのは、ストレスに抵抗する力のことです。例えばウイルス性の病気の場合、ワクチンを打っておくと、体の中でそのウイルスに対する免疫を作り、万一ウイルスに感染した場合でも免疫がウイルスを退治してくれるので、症状が出ても軽症で済みます。
目には見えないものの、ストレス耐性というのはワクチンと同じようなものと考えるとわかりやすいでしょう。ストレス耐性が高いほど、ストレスのダメージを受けにくくなります。
ストレスを回避できる力
ストレス耐性があれば、多少のストレスを受けても回避する力があるので、100%のダメージも半分以下に軽減できます。
何%のダメージで済むかについては、ストレス耐性の高さに個人差があるので、一概には言えませんが、高い人ほどダメージは少なく済みます。
ひと言でストレスと言っても、感じ方は人によって違いますし、全く同じシチュエーションでのストレスでも、人により軽く済む人もいれば、体調が悪くなってしまうほどダメージが大きい人もいるのです。
ストレス耐性が低い人は、気づかない間に自分でストレスの原因を作ってしまうこともあります。逆にストレス耐性が高いと、少しくらいではびくともしません。
ストレス耐性が低い人の特徴
ストレス耐性が低い人は、ストレスによるダメージが大きくなってしまう傾向があります。どんな人がストレス耐性が弱いのか、その特徴をチェックします。
真面目すぎる
仕事をする上では不真面目な態度の人よりも、常に真面目で真摯に仕事に取り組む人の方が好印象です。しかし真面目過ぎると、ストレス耐性を低くしてしまう原因になることもあります。真面目なのは決して悪いことではありませんが、なんでもかんでも真に受けてしまうのはデメリットになってしまうでしょう。
例えば何気ない世間話でも、話半分に聞いていればいいところでも、真剣に聞いてそれを全部受け止めようとします。悪く言うと融通が利かないので、知らない間に自分でストレスを大きくしてしまうこともあります。真面目すぎる故に、適度に手を抜くことを知らないのす。
ネガティブ思考である
ネガティブ思考の人は些細なことでも悪く考え、必要上に落ち込みクヨクヨします。ある意味悩んだり心配したりするのが趣味なのかと思ってしまうほど、とにかく全て悪い方に考えて、過剰なまでに落ち込みます。
普通なら考えないような最悪の事態を想定して、そうなったらどうしよう…などといつも不安で押しつぶされそうです。自分を過小評価する傾向があるので、自分なんか何をやってもどうせ…という正反対の性格の人から見ると、ときにイラっとすることも。
持って生まれた資質という部分もありますが、生活環境によってもネガティブ思考になってしまうことはあります。いつも不安を抱えているので、精神的にも落ち込みやすく、自らダメージを大きくしがちです。
完璧主義である
一見何の問題もないように見える完璧主義な人も、実はストレス耐性が低い傾向にあります。周囲にも自身にも常に完璧を求めるあまり、思い描いた通りにならないとそれがストレスの原因になってしまいます。常に自分自身にも厳しいルールを課していても、自分が思っているように動けるのでストレスは低くなります。
しかし周囲に自分のようにできない人がいると、「なんてダメな人なんだ!」と思ってしまい、それだけでもストレスを、感じてしまうのです。生身の人間である以上、完璧な人間などいないのは分かりそうなものですが、理想が高い故に自分以外にも完璧さを求めてしまうのです。
プライドが高い
プライドを持つのはいいのですが、変にプライドが高い人はストレス耐性が弱い傾向にあります。プライドが高い人は失敗したとき、それについて指摘されたり、人前で叱られたりすることを恥ずかしいことと思ってしまいます。
人間ですからミスをするのは仕方ありませんし、仮にミスしてもそれを受け入れ同じ失敗を繰り返さなければいいだけです。しかしプライドが高く常に人前ではかっこいい自分を演じていたいので、カッコ悪いところを人に見られるのは屈辱でしかありません。
ミスをして指摘されるという、よくある光景でもプライドが高い故にダメージが大きくなってしまうのです。
ストレス耐性が低くなる原因
元々ストレス耐性が高い人でも、いくつかの原因によってストレス耐性が低くなってしまうことがあります。その原因とは?
不規則な生活によるもの
不規則な生活は体内時計のリズムが整いにくいので、自分でも気づかないところでストレスを感じている状態です。規則正しい生活を送っていれば、意識しなくても体内時計のリズムが整い、体と精神のバランスも保てます。不規則な生活は、体と精神がバランスを取りにくく、いつも不安定な状態となってしまいます。
寝る時間も食事をする時間もいつもバラバラでは、寝たつもりでも体のバランスが悪いと、寝ているつもりでもしっかりと眠れていないので疲労を回復する力も弱まります。食事をしても栄養をきちんと吸収できません。
無意識でもこれは弱っているのと同じです。そこにストレスが加われば、上手く対処できずダメージが大きくなってしまうのも仕方ありません。
遺伝子によるもの
ある研究によると、日本人は不安を感じやすい遺伝子を持っている人が多い、という結果が報告されているそうです。海外ではストレスに対する考え方もしっかりしており、企業でもストレスを受けるようなシチュエーションがあった場合、メンタルヘルスケアをすることでストレスを軽減する体制が整っています。
しかし日本ではストレスを受けたと主張しても、考えすぎとか大げさに受け取っているだけだ、というようにストレスを軽く考える傾向があります。ストレスに弱い遺伝子を持つ人が多いのに、ストレスを避けられない社会に身をおかなければいけないのは悲しいことです。
ストレス耐性が高い人の特徴
ストレスを受けても耐性が高い人はダメージも少なく、生活に支障が出るようなことはほとんどありません。ストレス耐性が高い人の特徴を紹介します。
気持ちの切り替えが早い
同じストレス社会で生きている人でも、ストレス耐性が高いとあまりストレスの影響を受けずに済みます。嫌なことがあったり、嫌なことを強いられたりするのもストレスの原因です。ストレス耐性が高い人は、その瞬間はストレスを感じますが、気持ちの切り替えが早いのでいつまでも引きずりません。
嫌な思いをしても、それが過ぎれば気持ちを切り替えられるので、ストレスの影響は少なく済みます。嫌だなと思ってもすぐに他のことに気を向けられるので、いつまでも嫌なことをクヨクヨ考えることはしません。
ストレスを発散する場がある
ストレス耐性が高い人でも、多かれ少なかれストレスを感じています。ストレス耐性が高い=ストレスを感じないというわけではありません。では何が違うのか?答えは、ストレスを受けても発散するのでため込まずに済むのです。
ストレス発散法は人による違いはあるものの、嫌なことがあったときすぐにストレスを発散できるので、あまり影響を受けずに済んでいるのです。趣味に没頭して嫌なことを忘れるという人もいれば、誰かに愚痴を言ってスッキリする人もいます。
好きなことをしているときというのは、気分がいいし嫌なことは忘れられます。仕事では嫌なこともありますがオンとオフの切り替えがしっかりできる人も、ストレスを上手く発散できるのです。
スルースキルを持っている
スルースキルというのは、いい意味で余計なことは真に受けず聞き流せるという力のことです。これは仕事でもプライベートでも共通していて、スルースキルが高い人は、誰かに何かを言われても、余計なことは真に受けないのでその分ストレスも軽減されるのです。
嫌なことを言われても、はいはいと受け流せるのでため込みませんし、また言ってるよ…と聞くフリはしますがほとんどを忘れてしまいます。もちろんこれは忘れても差し支えないことだけです。聞くべきところはきちんと聞きますが、どうでもいい小言は聞き流すと言いように、ちゃんと見分ける力もあるのです。
ストレス耐性を高める方法
ストレス耐性が低くても、高める方法を知りそれを実践すれば、ストレスに負けない自分を目指せます。その方法を紹介します。
ストレスがあることを認める
ストレス耐性が高い人は、ストレスを感じたときそれを敏感に察知する力も高い傾向があります。ストレスを感じたという自覚があるので、解消しなければいけないと判断して、自分なりの方法で発散してダメージを軽減できます。
ストレス耐性が低い人は、本当は心のどこかでストレスなんじゃないか?と思っていても、平気なフリをしがちです。ストレス耐性を高めたいなら、自分がストレスを感じていることを認め受け入れましょう。そうすれば、発散しようとするのでため込まずに済みます。
規則正しい生活をする
不規則な生活を続けていると、体のバランスも悪くなります。疲れているのに眠れない、食事をしていても栄養を吸収できないので体はどんどん弱っていきます。こうなると免疫力も低下するので、ストレスを受けたときのダメージが大きくなってしまうことに。
仕事柄難しい部分はあっても、できるだけ規則正しい生活を意識してみましょう。起床時間や食事の時間、お風呂や就寝時間も出来るだけ同じ時間になるようにすれば、自然と体のリズムが整い、ストレスにもきちんと対処出来るようになっていきます。習慣にすることが大切です。
趣味を見つける
好きなことをしているときというのは、気分もいいですしリラックスできます。ストレスを感じているという自覚があっても、リラックス出来る時間がないとどんどんたまっていきます。趣味があるなら、趣味の時間を作ってリフレッシュするのもおすすめです。
趣味なんてない…という人は、なんでもいいのでやってみたいことや、興味があることに挑戦してみてください。没頭出来ることが見つかれば、無理せずリラックス出来るような環境を作れるでしょう。
完璧を目指さない
なんでも完璧にやろうとする人は、無意識に自分を追い込みストレスを強くしてしまいます。真面目に取り組むのは悪いことではありませんが、完璧を求めすぎないようにするのも大切なこと。今まで100%を目指していた人も、少し肩の力を抜いて70%くらいで妥協するようにしてみてください。
どんなに優れている人でも、どこかに欠点はあります。完璧な人間などいません。むしろ欠点や抜けているところがあっても不思議ではなく、それが人間だと少し楽に考えてみてください。
過度なストレスには注意する
ストレスは全身に悪影響を与えますが、その度合いが高いほど影響も大きくなります。過度なストレスを受けたときに人はどうなってしまうのでしょうか?
病気を招くことも
常に過度のストレスにさらされていると、そのうち体にも影響が出始めます。ストレスは目に見えないからこそ軽視してはいけないのです。過度のストレスにより体調不良を起こしたり、最悪うつ病になってしまったりすることもあります。
実際に過度のストレスがうつ病の原因になることも確認されていますし、頭痛や吐き気、腹痛などもストレスが原因で起きる症状です。そうなる前に、発散してため込まないことが大切です。自分ではどうしようもないなら、誰かに助けを求めてください。
体のSOSは見逃さないように
過度のストレスを受け続けると、体は悲鳴をあげます。このとき必ず何らかのSOSサインを出しているので、それを見逃さないことも大切です。
自分はストレスに弱いから、ストレス耐性を高めようと無理してしまい、余計にストレスを強くしてしまうことがあります。ストレス耐性を高めたいとしても、無理をしては本末転倒です。無理をせず出来る範囲から変えていきましょう。
体調がすぐれないとか、気分が落ち込むばかりというのは、SOSサインの可能性があります。何をやっても裏目に出てしまうなら、一旦立ち止まってみるのもいいかもしれません。無理してもあまりいい結果は導けません。
無理をせずにストレス耐性を高める意識を持とう
目に見えないとしても、ストレスは想像以上に体に影響を与えています。自分では大丈夫と思っていても、ある日突然体調不良になったり、日常生活がまともに送れなくなったりすることもあります。
ストレスの程度が軽ければ大丈夫と思いがちですが、軽くても重くてもストレスは受けない方がいいですし、受けた場合は早めに適切に対処することが大切です。ストレス耐性を高める方法を知っておけば、最悪の事態になる前に対処して充実した生活ができます。