秘書はどんな人が向いている?仕事内容を知って転職に備えよう
秘書とはどのような仕事なのか
秘書の仕事というとまず、思い浮かべるのは上司のスケジュールを管理することではないでしょうか。確かにスケジュール管理は秘書の仕事の1つですがそのほかにもたくさんの仕事があります。ここでは秘書の種類や秘書の仕事について知って今後の転職活動に役立ててください。
秘書は主にどんな仕事をしているか
秘書の仕事は上司のスケジュール管理や書類作成、来客や電話の応対、情報収集などが主な仕事です。ほかにも上司が仕事をしやすいように環境を整える仕事もあります。
秘書の役割
秘書の仕事には、企業や団体の上司の仕事である経営判断や業務などがスムーズに進むようにサポートすることが主な役割です。主に、上司のスケジュールの調整や管理をしたり、身の回りのお世話をしたり、電話やお客様の応対などがあります。
秘書にはさまざまなスキルが求められます。日本語力や英語力はもちろんのこと、コミュニケーション能力や情報収集能力など幅広く知識が求められる職業です。
具体的な仕事内容
スケジュールの管理や調整、来客の応対、電話やメールの応対、文書の作成業務、郵便物の処理、情報収集などがあります。ほかにも上司の周りのこまごまとした雑務もこなします。
スケジュール調整や管理をする
秘書の仕事の最も重要なものがスケジュールの調整や管理をすることです。多忙な上司が仕事に集中できるように社内外とコミュニケーションを取りながら優先順位を決めます。常に周りを見渡して情報を収集しながら、秘書はそのときに上司が何を必要としているかを理解することで、上司は仕事をスムーズに進めることができます。
また、そのときの体調などを考慮しながらスケジュールを調整することも大切です。日々の上司の行動や考え方などを理解することで、お互いに信頼することができ仕事もスムーズに進められます。
来客応対をする
来客応対をすることも秘書の重要な仕事の1つです。これには高いコミュニケーション能力や日本語能力が求められます。敬語・接遇用語などを正しく使うことも重要です。正しい言葉使いも必要ですが、それ以上に必要なのが相手のことを思いやる心やコミュニケーション能力です。
来客した相手の立場に立って話しかけることで印象をよくすることもできますし、親しくなれればそれ以上の情報を得られることもあります。秘書は常に相手の立場に立って物事を考え、失礼のないように応対できなければなりません。
電話やメール対応をする
秘書には上司の代わりに電話やメールの対応をすることもあります。電話の応対であっても来客の応対であっても自分は上司とのつなぎ役であるということを忘れてはいけません。お客様の要件をタイムリーに正確に上司に伝え、今後の仕事が上手くいくようにコミュニケーションをとることが重要です。
秘書は上司が仕事をスムーズに進めるための陰で支える存在です。正確な伝達能力も秘書に必要なスキルの1つになります。
文書業務をする
秘書業務の中には文書業務もあります。これは配達されてきた郵便物を種類別に分類し、上司に渡したり開封し優先順位ごとに処理の依頼をしたりするものがあります。また、上司の依頼で社内外宛ての文書を作成したり、作成した文書の送付の作業もあります。
また、文書をファイリングすることも秘書の仕事です。ファイリングとは文書を種類や形式ごとに分別し、見やすく整理して保管することを言います。多忙な上司が必要な資料をすぐに見ることができるようにまとめることも秘書の仕事になります。
情報収集をする
秘書が付いている上司というのはそもそも多忙な人が多く、仕事上の情報を集める時間などもなかなか持つことができません。秘書は上司の代わりに新聞や雑誌で仕事に役立ちそうな情報を集めたり、仕事に関係あるカタログやパンフレットを取り寄せたりして、上司がすぐに閲覧できるようにまとめてファイリングすることも重要な仕事です。
また、秘書の仕事には上司の出張の手配などもあるので電車の運行情報や宿泊施設の情報も上司の好みに合わせて前もって調べておくことも必要になります。
他にもさまざまな仕事がある
上記の仕事以外にも秘書にはさまざまな仕事があります。上司が出張に行く際のチケットや宿泊施設の手配もそうですし、机周りの環境を整えることも仕事です。備品の管理なども仕事の一部です。秘書の仕事は担当する上司の仕事によってさまざまな仕事内容があります。
企業の秘書や医師の秘書、議員の秘書など職種はさまざまでその上司に合わせて秘書の仕事も変わってきます。医療秘書や議員秘書は企業や団体の秘書とは違い、特別な知識を求められることもあります。
個人秘書とグループセクレタリー
個人秘書は上司一人に対して一人の秘書がつきます。それに対して、グループセクレタリーはグループ全体の秘書をすることを言います。数人の上司のサポートを行うことも、数人の秘書で一人の上司のサポートを行う場合もあります。
グループセクレタリーと呼ばれるのはどういう場合か
秘書の仕事というと1対1でつく個人秘書とグループセクレタリーと呼ばれる複数の上司に対して一人の秘書が付く場合があります。これは上司が複数の場合もあれば、一人の上司に複数の秘書がつく場合もあります。グループセクレタリーの仕事は担当する上司の仕事によって変わってきますが、基本的にはスケジュールの管理や書類の作成・管理、来客・電話の対応、情報収集などです。
個人秘書とグループセクレタリーの業務の違い
グループセクレタリーはそのグループ内全員のスケジュール管理や調整をします。そのグループ内でスムーズに仕事が進むように上司たちのスケジュールを調整します。個人秘書と違い、複数の上司のスケジュールを管理しなければなりません。また、部内に届く郵便物を分別することもあります。部内の仕事環境を整え、部内に気を配るのがグループセクレタリーの仕事です。
さまざまな秘書の種類
秘書にもさまざまな種類があり、役員秘書や医療秘書、弁護士秘書や教授秘書、議員秘書などがあります。
経営者や役員に付く役員秘書
一般的に秘書と言われるものは企業の経営者や役員をサポートする個人秘書や部署などを担当するグループ秘書のことを言います。担当の役員のスケジュール管理や電話・来客の応対、会議資料やお礼状、挨拶状などの作成、経費精算や車両手配、出張の手配などが仕事になります。
役員秘書は専門職として採用され秘書業務に専従する場合と、一般職として採用され秘書課に配属される場合があります。最近では社長や副社長など極秘情報を握る経営者以外の役員の秘書は派遣でまかなわれているところがほとんどです。
医師の仕事を助ける医療秘書
病院の院長やドクターのサポートをする秘書を医療秘書、または医局秘書と言います。医療秘書は医師の補佐のほかに、カルテの管理や患者への応対、レセプト(診療報酬明細)の作成、学会資料の作成、診断書の作成などが業務に含まれるため、医学的な基礎知識や医療関連の知識、医療関連法規などの知識が必要となります。
院長やドクターのスケジュール管理や身の回りの世話、職場環境の整備など普通の秘書と同じ仕事もあります。医療秘書になるためには特に制限や資格は必要ありませんが、業務上医療知識は必要となるので医療秘書技能検定試験を受けるなどして医学や医療に対する基礎知識を勉強しておく必要があります。
法律事務所で働く弁護士秘書
弁護士事務所で働く秘書を弁護士秘書といいます。弁護士秘書の仕事には弁護士のスケジュールの管理や調整、電話の応対、来客へのお茶出し、裁判所への書類の提出・受領、公的書類の取り寄せや郵便物のあて名書きなどがあります。主に弁護士の周りの一般的な秘書業務を行います。
それに対して、弁護士事務所にはパラリーガルと呼ばれる人も働いています。弁護士秘書と似た業務を行っていますが、専門知識を持っているので裁判所への提出書類の作成をしたり、判例を調べたり、内容証明の書類を作成したりと弁護士の仕事の一部を手伝う形になります。
パラリーガルと弁護士秘書は一般的にはっきりとした線引きはなく、事務所によってパラリーガルが弁護士秘書の仕事も一手に行っているところもあります。
議員の活動を支える議員秘書
議員秘書には2種類の秘書が存在します。私設秘書というのは議員が個人的に直接雇用して、議員自身が給与を支払って雇う秘書のことです。それに対して、公設秘書は公務員であり、議員一人につき3人までつくことができます。この中には政策担当秘書が含まれており、法案の作成に関する仕事をサポートします。
議員秘書の主な仕事には議員のスケジュール管理や資料収集、企業・団体への挨拶回り、イベントへの代理出席、選挙活動のサポートなどがあります。政策担当秘書は法案の作成などが業務に含まれるため、政策担当秘書資格という試験に合格してなければなりません。
議員秘書は人に会うことが多い秘書のため、高いコミュニケーション能力やビジネスマナーを兼ね備えた人が求められます。
大学教授をサポートする学者秘書
大学の教授にも秘書がつくことがあります。全ての研究室に秘書がいるわけではありませんが、教授の代わりに研究以外の雑務をこなす秘書を雇っている研究室もあります。主な仕事は電話や来客の応対、経費の計算、研究室での庶務一切が業務になります。大学教授は講演や学会に出席することも多いのでその管理も仕事になります。
大学教授の秘書になるには特に資格を必要としません。大学のホームページでの募集に応募することでなることができます。また、大学の研究室の秘書は派遣やパートの人も多いので派遣に登録しておいて紹介してもらうこともできます。
秘書にはどんな能力が求められるか
秘書にはその仕事によってさまざまなスキルが要求されます。政策担当秘書以外は特に資格は必要ありませんが自分のスキルを磨く必要はあります。
必要な資格は何か
秘書になるには特に資格は必要ありません。しかし、秘書の仕事は役員とお客様のパイプ役です。上司の代わりに電話や来客の応対をするので最低限のビジネスマナーや社会常識は必要になってきます。秘書検定はそんなビジネスマナーや社会常識などの、秘書としての必要なスキルを確かめる試験なので資格を取っておくことで仕事に活かすことができます。
議員の公設秘書の1つである政策担当秘書は法案の作成のサポートをするので政策担当秘書には国家資格が必要になります。
どんな人物が求められるか
秘書の仕事は担当する上司のタイプにより仕事内容が変わってきます。上司が仕事をしやすい環境を整え、上司の人間関係がスムーズに運ぶようにサポートするのが秘書の仕事です。秘書は上司と密接な関係にあるため、プライベートのことも知ることがあります。そのため、秘密保持は絶対です。
秘書は上司の意向に従い忠実に働く縁の下の力持ち的存在です。周りに気を配れて、人あたりのよいコミュニケーション能力に優れた人が求められます。
秘書は職場や上司によってさまざまな仕事内容がある
秘書の仕事は担当になる上司の職種によっても仕事内容が変わってきます。特に資格などは必要がないものがほとんどですが、秘書の行動で担当上司の印象にも影響を与えるので最低限の社会常識やビジネスマナーは必要です。また、仕事を進めるにあたり、日本語力や英語力、OAスキル、コミュニケーション能力が求められることもあります。
これらの能力は秘書だけではなくほかの仕事に就いても役立つスキルなので、転職活動前にさまざまなスキルを身に着けておくことをおすすめします。