【3】「普通の人間」が努力する姿を見せることで、誰かに希望を与えるかもしれない:島袋尚美さんインタビュー
島袋さんが普段から意識しているのは、自分がされて嫌なことをせず、周りに「自分がされて嬉しいこと」をすること。人と関わる時は自分を大きく見せず、誰とでも変わらぬ態度でいること。仕事においても、一緒に働く人たちと真っ直ぐに向き合い、忖度することなくお互いに意見をぶつけ合うのだそうです。経営者として日々活躍する島袋さんですが、自身を「普通の人間」と評しています。特別な人間ではない「普通」の自分が人生を変えようと努力する姿を見せることで、誰かに希望を与えられたらそれは喜ばしいことだと話してくれました。
自分がされて嫌なことをせず、そのうえで「自分ができること」を考える
—前回の記事で「自分は人に恵まれている」とありましたが、理由は何だと思いますか。
「起業時にお世話になったメンターの影響が大きいのではないでしょうか。メンターの信念は、「自分がされて嫌なことはしない、自分がされて嬉しい仕事をする」。常に相手の立場に立って物事を考えなさいと言われていました。一緒に働いている時は、『それを人にされたら嬉しいか?』と指摘されることも多かったです。
メンターの考えに長く触れてきたことで、目の前の人のために自分ができることは何だろうと考える癖が付きました。相手のことを考えながら仕事をしていくうちに、私の思いを感じ取ってくれる人が自然と集まってくるようになったのかもしれません」
—自分と同じ思いの人を引き寄せているということでしょうか。
「そういう考え方もできますね。私のことを知ろうとしてくれる人は私から何かを感じ取り、興味のない人は離れていく印象です。ファンタジーの話のようですが、相性の良い人たちが集まることで起こる相互作用、『ケミストリー』は存在すると思います」
人と関わる時は自分を大きく見せず、誰とでも変わらぬ態度でいることを意識
—人生において大事にしていることは何ですか。
「取り繕わずに、素のままの自分でいることです。私が育った環境には自分を取り繕う人がいなかったこともあり、自然と素のままで周りと接することができるようになりました」
—裏表がないということでしょうか。
「そうですね。学生の時に留学した際、人種が違うことでいい加減な扱いをされた経験があります。私は特別な存在でも何でもない、普通の人間です。ぞんざいに扱われるのが本当に不快でした。育った環境や留学時の経験から、誰に対しても変わらない態度で接することを心がけています。相手の身分が高かろうが低かろうが、同じように接すると自分の中で決めています。
世の中を上手に渡り歩くタイプではありません。不器用な生き方しかできない普通の人間である私が、必死に人生を変えようと努力している姿を誰かが見て、『こいつにできるなら私にもできるのでは?』と生きることに希望を持ってくれたら良いですね」
真っ直ぐ仕事をできる間柄であるべき、意見をぶつけ合うのは良いこと
—表面上だけ取り繕って何を考えているか分からない人よりは、不器用でも自分を曝け出してくれる人の方が親しみやすい気がします。
「疑問や不満に思うことがあれば、意見を述べることは問題ありません。信念を持った上でお互いにぶつかり合うのは、むしろ良いことだと考えています。言いたいことがあっても皆の前では黙っていて、裏で愚痴をこぼす方が一緒に仕事をする上では良くないですよね。
弊社では、裏で文句を言うことは禁止です。言いたいことは、良いことも悪いことも全て会議で伝えることを徹底。真っ直ぐな自分で仕事に取り組める人間関係づくりが大事だと考えています。引き寄せの話にも繋がりますが、弊社の考え方を心地いいと感じる人が集まってきていると思います」
≪まとめ≫自分がされて嬉しいことをして、ありのままの自分で周りと接する
メンターから「自分がされて嬉しいことをしなさい」と教えられた島袋さんは、常に相手のために何ができるかを考えながら仕事に取り組んできました。仕事に取り組む中で大事にしてきたのは、素の自分で周りと接すること。口で言うのは簡単ですが、実行するとなるとなかなか難しいものです。しかし、島袋さんは信念を曲げることなく、自分を曝け出して日々邁進しています。その姿に勇気をもらっている人は、必ずいるはずです。そんな島袋さんが目指す未来とは。次の記事でご紹介します。