仕事のただしい辞め方。退職のタイミングや失敗しない転職の方法
退職を考える前に
会社を辞めたいと思うことはだれにもあることです。勢いで会社を辞めてしまうことは、失敗につながる可能性があります。残念な退職にならないように円満退社につながる退職理由、退職を伝えるタイミングや時期はとても大切なことです。
退職を決心したきっかけは人それぞれでしょう。今後の自身のライフプランにかかわる大切なことです。退職、転職に向けての心構えや自分自身を今一度見つめ直すことをおすすめします。
あなたの退職理由はなんですか
上司との人間関係
会社を辞めたい、辞める理由に多くあげられるのは職場での人間関係です。特に上司や経営者など、自分より地位の高い人との人間関係に不満を持っている場合は、一時は我慢しても、勤め続けるのは難しい状況といえるでしょう。
理不尽なことにも、反論も意見もできないような状況やハラスメントなどがあれば、転職したいと思うのは当たり前のことでしょう。
給与に対する不満
退職理由に多いものとして、給与や待遇面での不満です。自分がこなしている仕事や労働時間に対しての給与が明らかに見合っていない場合、友人の話などを聞くと辞めたい気持ちが強くなっていくものです。
また、勤務先に安定性や将来性がなく昇給を期待することができない場合も、今後の人生設計にかかわる問題といえるでしょう。たとえ職場の雰囲気がよくても、やりがいや楽しい人間関係では生活をしていくことはできません。
みんなの退職理由ランキング
「会社を辞めたい」と思った理由のランキングは次のようなもになります。
- 1位 給与や労働環境に問題
- 2位 人間関係に問題
- 3位 仕事内容に不満
- 4位 社風や経営理念が合わない
- 5位 正当に評価されない
- 6位 会社に安定性、将来性がない
待遇や人間関係に不満を感じ、退職を希望する人が多いことがわかりますが、退職を申し出る際に、正直に理由を伝えることが難しい場合もあるでしょう。
あとくされなく仕事を辞める
退職理由は人それぞれですが、できることなら惜しまれて退職する、今後の生活を応援してもらえるような円満退職が望ましいもの。本当の理由は不平や不満であっても、職場に残る人の気分を害することなく、あとくされなく退職するには、本音よりも建前が大事なこともあります。受け入れられやすい退職理由なども調べておきましょう。
キャリアアップやスキルアップのため
キャリアアップ目的というポジティブな理由を示すことで、周りの人の理解や応援を得やすい状況を作りましょう。
- 現在の職場で興味を持ったフィールドの専門性を高めたい
- 経験を生かして新しい環境でチャレンジしたい
やりたい仕事や夢のため
前からあこがれていた仕事に進みたい、子供のときからの夢だったという理由を否定する上司もいないでしょうし、周りの人も応援しやすい理由かもしれません。
- あこがれの仕事のために資格取得の勉強をする
- 子供のころからの夢を実現させるため
- 海外留学を実現する
- 起業を決心した
家庭の事情で辞めざるを得ない
あくまでも自分としては仕事を続けたいが、辞めざるを得ない状況であることを退職理由にすれば、惜しまれての退職という形へと持っていくことができるでしょう。
- 家族、親戚の具合が悪く事業を手伝わなければならない
- 祖母の介護を手伝わなければならない
- 事情があり実家に戻る必要がある
- 夫、婚約者が転勤でついていかなければならない
- 子供の保育園のため
体調不良のため静養したい
仕事の忙しさ、責任からの重圧などで、疲れが蓄積してしまい療養のための退職を希望すれば、周りも引き留めることはできず、認めてもらえるでしょう。
- 不眠が続いている
- 体調不良のため通勤がつらい
旅行にいったりスポーツを楽しんだりと毎日をエンジョイしている人には、あまりおすすめはできません。?がばれないように、退職を決心したら理由を会社に伝えるまで多少の演技が必要になってきます。
建前理由は転職先でも使える
退職の理由を聞かれた際は、上司や仕事仲間、雇用条件の不満を口にするには注意が必要です。?の理由はおすすめできませんが、角を立てず、応援してくれそうな理由にすることも大事なことです。いきなり退職希望を伝えるよりも、事前に上司や同僚に退職理由につながる相談を持ち掛けておくことも1つの方法です。
ネガティブな退職理由ではなく、ポジティブな退職理由であれば、転職先での志望動機に使うことができます。キャリアアップやスキルアップのためや、やりたい仕事や夢のための退職理由は、次の仕事の面接にも活用できるでしょう。
仕事上のミスや失敗は退職理由にならない
仕事にミスや失敗はつきもの
仕事を辞めたい理由に「ミスや失敗で退職したい」という人はとても多いです。でもミスや失敗をしない人はいるでしょうか?どんなに注意をしていても仕事にミスや失敗はつきものです。職場の上司も先輩も過去に必ずミスや失敗を犯しているものです。
ミスや失敗をすると、自己嫌悪に陥り、周りからのプレッシャーを感じてしまうのはすごく自然なことです。めげずに反省と挽回することに集中しましょう。
失敗したら挽回する
仕事で失敗をしたら、落ち込んでいる暇はありません。まず報告、失敗の余波が周りの人に迷惑をかけるようなら、各担当者、上司に報告をしましょう。失敗をしたら挽回をすればよいのです。
後始末の作業を速やかに進めましょう。そして失敗の原因を考えましょう。同じ失敗を繰り返さないためにも、失敗の原因をはっきりとさせておくことは大事なことです。
モチベーションが低下したら退職OKか
仕事への自信を喪失したら
日々の仕事に楽しさを感じられず、仕事への意欲や自信を無くし、仕事を辞めたくなることもあるでしょう。仕事への自信を無くしてしまう理由はいくつか考えられます。
やりがいを感じない
苦手な仕事ややりがいを感じることができない仕事では、モチベーションはさがってしまいます。給料をもらって働いているとはいえ、誰だって好き嫌いや向き、不向きはあるものです。
達成感がない
個人差はあるでしょうが、仕事上の達成感は、次の努力への原動力となり、自己肯定につながりモチベーションアップの大きな要因といえます。
理解者がいない
1日の多くの時間を過ごす職場に理解者、共感者がいるかどうかは、仕事に対するモチベーションを維持するためには、とても重要な要素です。楽しく陽気な職場では自分自身もうれしい感情になり、「イライラする」とか「うっとうしい」雰囲気を感じている職場では、やる気がでなくなってしまします。
労働環境に問題が
残業などでの長時間労働や、休日出勤、勤務条件に不満な場合はどうしてもモチベーションがさがってしまいます。残業や休日出勤も自分自身で望んでおこなう場合は、自己肯定につながる行動といえるでしょうが、自身が望んでいない場合は、「やらされている」感が仕事への興味や意欲を低下させてしまいます。
頑張りが評価されない
学生のクラブ活動ではないため、ただ頑張ったというだけではなく、結果が必要なことはわかっていても、頑張りを認められないのは、自信喪失へとつながっていくものです。上司や先輩からの一言で「明日も頑張れる」というのはよくあることです。
また、しっかりと期日を守り、ミスすることなく結果をだしていても、評価をされない職場もあるでしょう。いくら頑張っても正当に評価されないのであれば、モチベーションはさがってしまいます。
心身に異常を感じるなら退職を
過労や睡眠不足、人間関係や社会的な環境からくるストレスは、過度になると心身に異常をきたす場合があります。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、虚血性心疾患、自律神経失調症、メニエール病などが、ストレスが病気を引き起こす要因とされています。
ストレスや苦痛はパニック障害、うつ病などのメンタルにも影響を与えます。予兆を感じた場合は、無理をせずただちに仕事から距離を置きましょう。仕事から離れ、肉体的・精神的にも安心感を得ることが大切です。
退職する前に準備しておきたいこと
人間関係や中途半端な気持ちでの退職はNG
退職後も仲良しの同僚との付き合いを続けたい場合や、狭い業界での転職の場合、人間関係での退職理由は自分の首を絞めることになりかねません。?をついての退職や思い付きの突発的な退職などの大人げない残念な辞め方は、自分自身の汚点にもなりかねません。
「会社を辞めたい」このつぶやきを実行するには、自分の現在の状況、今後のライフプラン、キャリアプランをよく考え明確にしましょう。「なにをしたいのか」「どんなふうに働きたいのか」「どんな生活がしたいのか」考えることはたくさんあります。
自分のしたいことが明確になれば、周りの人も納得しやすく、なにより自分の次の行動がわかるでしょう。自分の人生を明るく前向きな気持ちで過ごすためにも、必要なことといえるでしょう。
退職を切りだすタイミングが大事
退職を決心したら、会社に退職を切りだすタイミングが重要となってきます。繁忙期がある場合はやはり忙しい時期は避けるほうがいいでしょう。退職の意思は直属の上司に伝えますが、多忙なときは避け、ある程度余裕のあるとき、時期を考えましょう。
退職の意思表示は就業規則を確認のうえ、引継ぎも必要ですから、退職希望日の2カ月前には退職の意思を伝えましょう。
退職までの期間にやっておくべき手続き
退職が決まり、退職日までにするべき手続き、準備すべきことを理解しておきましょう。
退職届・退職願の提出
口頭での退職希望での話し合いが受け入れられたのち、勤務先により退職届や退職願を書面での届けが必要な場合があります。
支給品の返却
身分証、ネームプレート、セキュリティカード、保険証、名刺、通勤定期、ロッカーやデスクの鍵、書類、マニュアル、備品などを返却します。制服を支給されていた場合は、クリーニングを済ませて返却しましょう。
会社から退職後に必要な書類を受け取る
退職後に休職中に必要な書類、転職先に提出すべき書類があります。
- 離職票(失業保険の受給手続きに必要)
- 雇用保険被保険者証(会社が保管している場合返却・転職先へ提出)
- 源泉徴収票(退職後郵送される場合が多い・転職先での年末調整に必要)
- 年金手帳(会社が保管している場合返却)
- 健康保険被保険者資格喪失証明書(国民健康保険に加入の場合は必要)
- 退職証明書(家族の扶養になる場合は必要)
【失業手当て】しくみをしっかり理解し受給もれがないようにしよう
退職の失敗と成功エピソード
「辞めてよかった」「失敗だった」退職をした人の経験から、退職から転職までの経緯の違いを考えてみましょう。
成功した人は
会社を辞めたい理由が明確だった人は、転職先を選ぶ際に「こんな職場は選ばない」ことを基準にしています。例えばサービス残業や労働時間の長さに不満だった場合は、労働条件に注目して新しい勤務先を選択しています。
また、やりたい事、希望する仕事がはっきりしている人は「実現したい条件」をもとに、転職先を選ぶ基準にしています。今の仕事のなにが不満なのか、変えたいことはなにかを明確にすることが、転職の目的・動機付けとなっています。
失敗した人は
計画なしに感情のまま退職してしまった人は、やはりいい結果になることは難しいようです。退職時に転職先を決めていなかった人、貯蓄がまったくなかった人、転職についての知識がなかった人など、退職・転職になんの計画も持っていない場合は、とりあえず転職さえすれば、今の問題や悩みが解決するのではと行き当たりばったりになってしまいがちです。
条件のいい転職先がすぐにみつかる保証はなく、貯蓄もない状態では、焦って転職先を決めてしまい、結果的に失敗したと感じてしまう人が多いようです。
退職の時期と方法を見極めよう
退職を決心したら、自分自身の今後のためにも、会社に迷惑をかけることなく退社するためにも、早めに準備をはじめましょう。円満退社には事前の計画・スケジュールが重要です。なぜ退職したいのか、今後なにをしたいのかを明確にし、新しいキャリアへ第一歩を踏みだしてください。