「冷え性の改善策」を知る。今日から冷え知らずの身体を手に入れよう
体温が低いと悪影響ばかり
冷え性という言葉は簡単に使用していますが、じつは女性にとって大病につながりかねないことです。代謝の低下や免疫機能の低下、血行不良によるコリなど体温が下がることによって、体に悪影響を及ぼします。しかし、冷え性で毎日つらいと悩んでいる人は半数以上います。
ただ単に冷えているから温めるのではなく、冷え性という症状を知り、どのようにすれば改善できるかを探っていきましょう。また、どのような食事をすればよいのかの方法や、運動・日常生活で改善できる方法はあるのでしょうか。
冷え性にはどんな種類がある?
冷え性は基本的には血のめぐりが悪くなることなどによって手足が温まりにくく、冷えていると感じる状態です。しかし、種類などはあるのかみていきましょう。
手先・足先だけが冷たい末端冷え性
とくに女性に最も多いのは、身体は温かいのに手足の先だけ冷たい末端冷え性です。身体の先まで血が巡りきらないために、夜も寒くて寝付けないという方です。なぜそのような症状になってしまうのかというと、理由はいくつかありますが、筋肉量の低下や血行不良でうまく血液が循環していないなどあげられます。
筋肉量が落ちると自然と代謝も下がり、自分から熱を発せなくなってしまうのです。また、高齢によるホルモンバランスの乱れからくる冷えもあります。自分の足の冷たさに驚いて目覚めてしまい、良質な睡眠を得られないため、悪循環になってしまいます。
内臓が冷える内臓型冷え性
このタイプはあまり気づかないために別名「かくれ冷え性」ともいわれています。内蔵型冷え性の人は、手足の先は温かいのに冷えを感じる 、平熱が低い、風邪を引きやすい、倦怠感があるなどの特徴があります。原因はさまざまで、交感神経が弱い体質や、冷暖房の部屋にずっと長時間いる人、過度の疲労で体のバランスが崩れたという場合に起こりやすいのです。
自分ではなかなか気づかないため、セルフチェックをしてみましょう。10分間体温計を測ってみて、36.3℃以下や、二の腕や太ももが冷たい人は要注意です。
代謝が悪い下半身型冷え性
女性に多い冷え性の一つ「下半身型冷え性」です。昔は年配の人がなりやすいといわれていましたが、最近では、若者でも下半身型冷え性にかかるようになりました。原因の多くはおしゃれな服を着るために、無理をして締め付けがきつい洋服など着ている人や、運動不足などです。
この冷え性の特徴は、「ふくらはぎが重い」「午後になると足がむくむ」「汗をかきやすい」「めまいがする」「冷たいものが欲しくなる」などです。いくつかが当てはまる人は、下半身型冷え性かもしれません。
冷える原因
体が冷える原因を突き止めれば、正しい改善策も見えてきます。自分の症状と照らし合わせて、原因を探ってみましょう。
下着の締め付けや貧血による血行不良
自分に合わないサイズの下着などを着用していると、無理な締め付けによって血液の巡りが悪くなります。血の巡りが悪くなり貧血や、顔色がくすんで見えたり悪影響なことだらけです。また、筋肉が緊張してストレスがたまり自律神経が乱れる、といった症状も表れてしまう可能性があります。
女性がよく履くストッキングなども、締め付けがきついと体調が悪くなる原因です。詳しくいうと内臓が圧迫されて、血液がうまく巡らなくなるのです。引き締め効果のために脚やせのための商品を購入する際は、まず正しいサイズかどうかを、よく見極めましょう。
筋肉量の減少
体重のうち女性の体についている筋肉率は、平均で20代は39%、30代は37%そして40代になると33%、と下がっていくのがわかります。人間の身体の仕組みにより、筋肉の量は30代から落ちていくといわれています。健康だった人でも、70歳になれば筋肉量は23%ほどなのです。筋肉率は自分でも調べられます。
体内の筋肉量が多いと発熱量が大きいため、体内の血液をうまく巡らせることができます。逆に筋肉が減るとその分発熱量が少なくなり、免疫力も下がり冷えにつながりやすくなります。大まかな計算式でもありますが、自分でも簡単に計算できますので筋肉率を知りましょう。
・筋肉量=「体重ー(体重 x 体脂肪量 x 0.01)」÷ 2
・筋肉率=筋肉量 ÷ 体重
平均を基準として、あまりに低い数字が出てしまったら要注意です。冷え性にならないためにも、筋肉量を増やすトレーニングが必要です。
食生活の乱れによる栄養不足
人間が日常生活で行動するときや、運動したり内臓や脳が動いてくれるときにも、全て口から食べ物を摂取したものを、エネルギーに変えてくれているのです。胃の消化作業にも熱が消費されますので、胃が頑張って血を流し、体内を温めてくれるのです。しかし、食生活が乱れてしまうと栄養不足になり、胃に送られる栄養源が少ないために、胃はエネルギーに変えられないのです。
さらに、急に冷たい水などを飲んで胃にストレスを与えてしまうと、血液がうまく巡らなくなりますので、なるべく常温か温かい飲み物を取るように心がけましょう。食生活による栄養不足は、ビタミンやミネラルといった冷えを改善してくれるはずのものが不足し、冷え性につながるのです。
自律神経の乱れ
交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、極端にどちらが優位になると、血管の収縮や拡張システムがうまくいかなくなり、血のめぐりが悪くなってしまいます。しかし、自律神経といわれても、実際にはどのような働きをしているのかがわからない人も多いものです。ここでは2つの違いと、その働きについてみてみましょう。
交感神経
主に昼間活動しているときに働く神経です。緊張した状態や、ストレスを感じているときなどにも働いています。日常生活の行動においてはほぼ働いていますので、人間の身体に重要な神経なのです。
副交感神経
これは交感神経とは反対の働きをする神経で、主にリラックスしている状態や睡眠中、お風呂に入っているときなどにも働きます。別名、幸せの神経ともいわれています。
副交感神経が多く優位になっているときには、ストレスもなくなりリラックスした状態です。一見よいことだらけですが、交感神経だけ働きすぎると、常に緊張状態になってしまい血管が縮んでしまいます。よく神経質といわれる人が、急に血管が切れてしまうという症状は、交感神経が働きすぎなのでしょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスとは女性ホルモン量のバランスのことで、大きく分けて二つあり、月経の周期と大きく関わってくる大切なホルモンなのです。その詳細をみていきましょう。
エストロゲン
女性が輝くために必要不可欠なホルモンです。生理後の排卵期にエストロゲン量はピークになります。つまりは排卵期は女性が一番輝く時期なのです。エストロゲンが優位の時期には、コラーゲンやヒアルロン酸などが分泌されて、化粧のノリもよくなることがわかります。
プロゲステロン
プロゲステロンホルモンは排卵後、女性の身体が妊娠しやすいように子宮内の内膜を厚くして、環境を整えるという大切な働きがあります。妊娠を望む方にとっては強い味方です。しかし、強く働いてしまうと生理前のイライラが多くなってしまうのです。
食生活の栄養不足や日常での不規則な生活は、ホルモンバランスが乱れる原因です。自律神経の働きにも影響がでます。女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、ホルモン分泌の指令を出すのは、脳の視床下部です。視床下部というのは自律神経にも関連していますので、ストレスや不規則な生活による自律神経の乱れからホルモンバランスが狂い、同時に冷えにもつながります。
冷え性がひどくなると
冷えを軽く考えていると、ますます症状が悪化する可能性があります。ここでは冷えからくる体の不調には、どのような症状があるのかをみていきましょう。
頭痛に悩まされる
冷え性が進行すると、脳の血管の血がスムーズに流れず痛みが生じます。頭と手足は離れているのに、なぜ頭痛になってしまうかの疑問が出てきますが、冷え性によって血の流れが悪くなり、身体の隅々まで血液が行き渡らなくなり酸素不足になるのです。脳の血管が拡張することで、「三叉神経」という頭部の大部分に分布している皮膚感覚の大部分を担う箇所が刺激されます。そして刺激で発生する炎症物質が、さらに血管を拡張して「片頭痛」を発症してしまうのです。
冷えによって頭が痛む場合の多くは偏頭痛です。同時に、冷えからくる肩こりは「緊張型頭痛」であることもあるようです。
肩こりがひどくなる
偏頭痛になる前に、肩こりの症状がやってくることが多いようです。冷えを感じているときには、血行が悪くなっていることが多いため、筋肉の中に老廃物が溜まりやすくなります。酸素や栄養素が行き届かずに、コリが生ずるという流れなのです。
肩こりの原因が冷えからくるもの、という事実を知らない人が意外と多いようです。肩こりの原因がPCの長時間の作業や長時間同じ体勢をしていたため、ということを原因にしてしまいがちです。しかし肩こりは冷え性が原因と十分に考えられるのです。身体が痛みを感じる物質「発痛物質」が冷えによって血液が滞り、発痛物質が体内に大量に産出されて、肩こりなどの症状が出てくるといわれています。
つらい生理痛
つらい生理痛にはさまざまな原因があります。生理中から終わるまでの期間にひどい生理痛がある場合は「月経困難症」と呼ばれてます。生理痛が酷いときには、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの疾患が疑われます。月経困難症は若い女性に多くみられ、冷え性により症状が重くなるという特徴があります。
月経前から月経中にかけての期間に、頭痛やイライラした気持ち、乳房の痛みなどさまざまな不快な症状がある場合は「PEMS(周経期症候群)」に当てはまります。女性であれば閉経までの間に、誰しも少なからず経験することなのです。冷えはPEMSをひどくし、神経系に異常をきたします。血行が悪くなると全身の血管が収縮し、生理痛が悪化する可能性があるのです。
肌が荒れたりくすんだりする
冷え性の人の特徴の一つとして、身体の中心に血液が集まってしまいます。そのために血の流れが悪く十分に栄養が行き届かないと、細胞の働きが弱くなります。肌にももちろん影響が出てきて、ターンオーバーという新しく生まれ変わるための、肌再生が十分に行われないということになります。肌がくすんだり荒れてしまうのもそのためでしょう。
腸が弱っていると肌荒れが起こりやすくなります。冷えは便秘になりやすいといわれていますが、それは血液が内蔵まで巡らないために、便を引き出すための力が弱くなっているからなのです。いくらスキンケアを頑張って行っていても、腸内環境が整っていないと肌荒れになってしまいます。
よく眠れない
人の身体は眠る前に手足の血管を広げて、血流を増やすことで体に溜まった熱を放散します。しかし手足が冷えているとうまく熱を逃がせられず、熟睡しにくいといわれています。眠りを誘うためには、血の巡りにとても重要な役割があります。体温をあげなければ人は眠りにつきにくく、おやすみモードに切り替わらないのです。
眠くなると手が温かくなったり、顔が赤くなったりすることを、自分で経験している人も多いのではないでしょうか。これは身体から放熱することで、うまく眠りにつけるように体を誘導しているためなのです。眠いときに人の手を触ってみると、とても温かいものです。これとは逆に、神経が鋭くなっているときには、手足が冷えているといえます。これは何かに集中しているときには不都合はありませんが、眠るときに手足が冷えていると、なかなか寝付けなくなってしまうのです。このことから分かるように、冷え性の人は睡眠不足が多いのです。
冷えのぼせになる
冷えのぼせとは「下半身や手足の先が冷えているのに、顔や頭はのぼせたように熱くなる状態」を指します。女性3人のうち1人は、冷えのぼせの症状があるといわれていますが、これは血行不良の悪化が原因なのです。特に夏の温度差が大きい季節には、自律神経が乱れてしまい血行不良が起こりリンパや血液が滞ります。そのために正常に水分を排せつできずに「むくみ」が発生します。しかし、身体は本能的に手足よりも頭部に優先的に血液を巡らせようとします。
このように、手足と頭部の温度差が大きく出てしまうと、結果的に冷えのぼせになるのです。つまり、冷えのぼせになると緊張感の神経といわれる「交感神経」とリラックスを司る神経「副交感神経」が休みなく働こうとしています。両方の神経が正常に戻ろうとして無理をしているので、自律神経のバランスが崩れてしまい、精神的にも不安定な状態になってしまいます。
冷え性を漢方薬で乗り越える
自分では改善ができない場合、すぐ薬に頼ってしまいがちですが、まずは漢方薬に頼ってみてはいかがでしょうか。ここでさまざまなタイプの漢方薬を解説しますので、自分に合った漢方薬を見つけてみましょう。
熱を作り出せない熱源不足タイプには
熱の量が少ないために全身を温めることができず、全体的に冷えやすい人や比較的体力がなくカラダの弱い人に多いタイプです。もともとの虚弱体質や慢性疲労、老化、胃腸の弱りや無理なダイエットなどが原因となっています。
手足が冷える人に八味地黄丸(はちみじおうがん)
自分の力では熱を作り出せない人に、おすすめです。八味地黄丸は身体を温めて、全体の機能低下を回復するよう促してくれます。人の身体を構成し、全身に巡る重要な要素の「気」「血(けつ)」「水(すい)」をバランスをよくします。
それら三つをめぐらせる生薬と、身体を温めてくれる生薬の組み合わせて、冷えを解消してくれます。また、胃の働きをよくしてくれて、新陳代謝アップにつながります。
胃腸の消化・吸収機能を補う補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
冷えによる食欲不振や胃腸の不調などに、日常生活でとても重要な役割をしてくれるエネルギーの「気」を増やしてくれます。「補中益気湯」の「中」とは胃腸のことを指し、「益気」とは「気」のことを指しています。
胃腸の消化や吸収を手助けしてくれて、自分の体内に「気」を生み出す力を与えてくれます。また、病気に対する免疫力もアップしますので、もともとあまり元気がない人にぴったりの漢方です。
手足の冷えが気になる方に十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
身体が全体的に弱く、「気」と「血」の不足を補ってくれます。「十全大補湯」は、完全に大いに補うというう意味があります。胃腸の働きを活発にしてくれて、食べ物の栄養分をしっかりと消化吸収できるように「気」と「血」を増やします。また「気」「血」を全身に巡らせて、冷え性の他に貧血や皮膚の感想、疲労倦怠感などの症状の人にもおすすめです。
栄養をいきわたらせる人参養栄湯(にんじんえいようとう)
人参の高い栄養素を漢方することによって、冷えや気管支などにも効果があります。「補中益気湯」などと同様に、弱った体を回復してくれる漢方でも有名です。その中でも、気が減ることによる心身疲労や血流不足、貧血症状の状態を改善させるため、人参養栄湯がおすすめです。また、病気などで体力も気力も衰えている人が、正常な状態に戻すために人参養栄湯を使用してもよいでしょう。
水分代謝を整える当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
産婦人科の三大漢方薬の一つといわれている「当帰芍薬散」は、血行不良などをあらわす「血」の不足を補い、血液の巡りをよくして身体を温める漢方です。PEMSや月経困難症などに効果があり、水分代謝を整えてむくみも軽減してくれます。とくに痩せて体力のない「虚証」といわれる人におすすめです。
血行を促進する当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」は、身体を温め熱をつくるのを手助けして、血行を促進します。手足などの末梢を温めるとともに、内側から温めてくれますので、冷えによる諸症状を根本的に改善する効果があります。また、緊張を和らげてくれますので、緊張による胃腸が弱い人にもおすすめです。
熱が行き届かない循環不足タイプには
ここでは、特に熱が届きにくい手足や末端、下半身など局所が冷えやすい人におすすめの漢方を紹介します。「循環不足」の多くは食生活の乱れや運動不足、ストレスなどの生活習慣が原因といわれています。
体の熱自体はあるのでむやみに温めると、顔がのぼせたり気分が悪くなるなど逆効果になることもありますので、充分注意しましょう。
気のめぐりをよくする半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
血の巡りをよくすることで気持ちを穏やかにさせて、冷え性や不安、緊張感を和らげる作用があるとされています。血の巡りが悪いと仕事や人間関係などでストレスがたまり、お腹の調子が悪くなったり、動悸がしたりといった症状があらわれることがあります。これらを軽減してくれる効果がありますので、仕事などでストレスで不調の人はおすすめです。
体のバランスを整える桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
神経が過敏な人や、常にイライラしてしまって疲れてがでてしまう人にピッタリの漢方です。心と身体のバランスを整えてくれて、ゆとりがある生活になるように改善します。眠りが浅い人やストレスが軽減されない虚弱体質の人にはぴったりです。
自律神経を安定させる抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
筋肉や腱など全身のエネルギーのバランスを保ち、自律神経を正常に戻してくれる働きがあります。冷えによるイライラなどを解消し、感情もコントロールできるようになりますので、少しのことでも気が立つ人はこちらの漢方を試してみてはいかがでしょうか。
冷えのぼせを解消する桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
「桂枝茯苓丸」は血が滞ってしまう状態にある「瘀血(おけつ)」を改善する「駆瘀血剤(くおけつざい)」として用いられています。体力はほどほどありますが赤ら顔や冷えのぼせ、下腹部が張る感じがする人におすすめです。また月経異常からくる肌荒れにも効果があります。
血行を促進する加味逍遙散(かみしょうようさん)
「気」が熱に変わると、体内で暖房で温められた空気が上に上がっていくように、頭部が熱くなります。「加味逍遙散」は、この「気」を下に降ろして全身にめぐらせるとともに、たまった熱を冷やします効果があるのです。自律神経のバランスを調整し、イライラやのぼせを鎮めて、血行も促進してくれます。また、便秘がちな人やお酒をよく飲む人にも効果があります。
熱をつくって冷えを追い出す桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
「桂枝加朮附湯」は冷えにより体力がない人や、身体は熱を作り出せるのに「血」が滞ってしまうというタイプの人におすすめの漢方です。また、関節痛や神経痛などにも効果があります。
新陳代謝機能を高める八味地黄丸(はちみじおうがん)
めぐりが悪くて、体に熱が行き届かずに冷え性になっている場合、熱を作り出せないタイプと同様に、「八味地黄丸」が有効です。こちらは、熟地黄・山薬・山茱萸・沢瀉・茯苓・牡丹皮・桂皮・附子の8種類の生薬が配合され、めぐりをよくして新陳代謝を高めてくれます。
体を温めて血行を良くする牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
体力があまりなく、疲れや冷え性によるむくみがある人におすすめの漢方です。特に腰から下が冷えるという人に効果があり、「気」のバランスをよくしてくれます。
冷え性にぴったりな栄養素
冷え性対策にまずは大事な食物の栄養素の勉強をしましょう。体内に食事から自然に栄養素を摂り入れる習慣をつけて、冷え知らずの体を目指しましょう。
血行を促進するビタミンE
ビタミンEを多く含みものは、主にアーモンはドなどのナッツ類や、玄米、かぼちゃやほうれん草などがあります。ビタミンEは熱に強いため、加熱しても栄養はあまり変わりません。ビタミンEの摂取で、血液の循環がよくなれば、全身に酸素や栄養素が行き渡るようになるため、冷えも起こりにくいのです。
自律神経の働きのサポート役のビタミンC
ビタミンCが多く含まれている主な食材は、ビーマン、芽キャベツやレモン、キウイなどです。野菜や果物などはほとんど入っていますが、水や熱に弱いため、そのまま生で食べる調理法がおすすめです。自律神経の乱れを防ぐ効果がありますので、積極的に毎日食べるように心がけましょう。
筋肉づくりに欠かせないたんぱく質
なるべく低カロリーで高たんぱく質の、大豆製品や脂質の少ない肉類が筋肉を作ることには欠かせません。筋肉は発熱しやすい部位ですので、筋肉量が増えると冷え性も改善し、基礎代謝もアップして体温も高くなります。また、食事だけでなく運動をプラスして冷えを解消しましょう。
血液を運ぶ鉄分
鉄分の代表格であるレバーやほうれん草をなるべく食べるようにしましょう。また、プルーンといったフルーツにも鉄分が含まれていますので、意識的に摂るように心がけてください、鉄分を十分に補充して、全身に酸素が運ばれるようになれば、体温も下がりにくくなり、結果として顔色もよくなり生理痛も和らぎます。
冷え対策サプリメントを選ぶときに注目したい成分
普段の食事からでは補えないサプリメントも視野に入れていきましょう。いくつかピックアップしてみました。
短期型のカプサイシン
カプサイシンの効能は身体を温める即効性があるため、冷えを感じたらサプリメントで摂取するとすぐ効果が出ます。しかし効果に持続性がないため、摂るタイミングが重要になってきます。できるだけ運動前に飲むようにすると、脂肪分解につながり、血液の巡りも良くなります。
持続型のショウガオール
ショウガを乾燥または加熱したとき、生のショウガに含まれる「ジンゲロール」という成分が変化してできるのがショウガオールです。生のショウガにショウガオールは含まれないため、80℃くらいに加熱して食べるようにしてください。加熱したショウガや乾燥したショウガを料理に使用し、ぽかぽかの身体を手に入れまししょう。
万能な高麗人参
高麗人参に含まれる栄養素サポニンには「ジンセノザイド」と呼ばれる高麗人参にしか含まれない物質があり、血管を拡張して血流を促進する働きがあります。その他にも、鉄やマグネシウムなど栄養素の代謝を助けるミネラルも豊富に含まれており、血行がよくなり代謝が上がりやすくなります。
冷え性を改善する食べ物・飲み物は?
なるべく冷え性を改善するものを積極的に食べたり飲んだりすることで、内側からぽかぽかになるようにしましょう。
ぽかぽかの元になるショウガ
ショウガ=温かくなるというイメージ通りに、ショウガには「ジンゲロール」が含まれており、血管を拡張させる働きがあります。ショウガは血の流れをよくしてくれるので、冷えのほかに肩こりや頭痛などの改善によいとされています。生姜湯などで寝る前に温まってぐっすりと快眠しましょう。
納豆やチーズなどの発酵食品
発酵食品には身体の代謝をよくする酵素が入っているため、内側から身体を温めます。発酵食品として代表的な食べ物は、味噌や納豆、醤油、漬物、チーズやヨーグルトなどがあります。毎日欠かさず食べることで、冷えにも効果があります。また、発酵食品には肌をきれいにしてくれる作用がありますので、女性にはうれしい食材です。
栄養たっぷりの玄米
精米していない玄米は内蔵を強くするといわれ、血行がよくなり体質改善が期待できます。さらに冷え性や、風邪をよく引く人も常食していると、徐々に体質が変化していくといわれています。玄米は意外と食べやすい米ですので、白米から玄米に変えてもすぐに慣れるでしょう。栄養価がかなり高いため女性に人気があります。
大豆イソフラボンたっぷりの豆乳
年齢が高くなるほど女性ホルモンは減っていきます。女性ホルモンは生まれてからの生涯の総量は決まっているため、食事で補わなければいけません。ホルモンバランスを整えることで、自律神経からくる冷えが解消されます。また、豆乳はなるべく無調整のものを選ぶようにしてください。食事などで豆乳鍋を作ってみてもよいでしょう。
内臓温度を上げる白湯
白湯の1日の摂取量は800mlを目安に4回に分けて飲むと冷えに効果てきめんです。白湯タイミングは起床後や昼食時、夕食時、就寝前がよいとされています。白湯の作り方は簡単で、ヤカンなどに水を入れ強火で沸騰させます。そこからフタを開けさらに弱火で10~15分ほど煮立たせ、体温より少し熱めの温度(40~50℃)くらいになればOKです。
ホットココア
ココアには食物繊維やポリフェノール、ミネラルが含まれています。ココアを飲むことで、ゆっくりと体温が上昇し長時間続くので、冷えにくい特徴があります。またココアは、特に下半身を温める効果がありますので、下半身の冷えに悩む人にもおすすめのドリンクです。牛乳から豆乳に変えてココアを飲むとさらに効果があがりますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
冷えを解消する運動
日常の中で、運動をプラスすることで冷え性への効果がアップされます。下記はどれも簡単な運動ですので、ぜひ時間を見つけて試してみましょう。
リンパと血流をアップするヨガ
ゴキブリのポーズ
仰向けに寝て、手足を天井に向けてぶらぶら振るだけです。意外と腹筋や背中の筋肉が使われるので、全身運動になります。30秒~1分間行えば、体がぽかぽかしてくるのを感じるでしょう。途中きついときなどは、自分で時間を調整して無理しないようにしてください。
英雄のポーズ
大きな筋肉を鍛えて代謝アップが期待でき、冷え性が改善されます。まっすぐに立ち片足を後ろに引いて、足裏をつきます。後ろ足のつま先を30度~45度開き、そのとき骨盤は前にきているように意識します。前足は90度に曲げ床と平行になるようにします。ポイントは背筋をまっすぐに伸ばすことです。これを左右とも30秒ほどキープしましょう。
コブラのポーズ
うつ伏せになり足を肩幅くらいに広げます。そのまま両腕がまっすぐになるくらいまで上半身を持ち上げます。ポイントは顔が肩に埋まらないように、首をしっかり伸ばしてください。深呼吸を5回ほど行えばゆっくりと戻しましょう。背中を刺激することで自律神経を整え冷えにも効果的です。
一見行儀が悪そうなジグリング(貧乏ゆすり)
絶えず足を小刻みに上下する貧乏ゆすりでは、ふくらはぎの筋肉も使われます。ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれる重要な役割を果たす筋肉です。貧乏ゆすりによってふくらはぎの筋肉が鍛えられ、血液循環もよくなりリンパの滞りも改善され、冷え性改善に繋がります。
ゆっくりした動きでスクワット
- 足を肩幅に開いて立ち、両手は前に出すか頭の上で組みます。
- 膝を曲げて腰をゆっくり落としていき、膝がつま先より前に出ないようにお尻を後ろに出す感じで行います。
- 5~10秒間キープしてゆっくり元の位置に戻りましょう。
- 無理しない程度に10回繰り返す。
足の筋肉を鍛えることによって血液が循環しやすくなり、冷え性改善につながります。仕事休憩や時間があるときに試してみてください。
伸ばすストレッチ
- 座って足首を反対側の膝の上で抑え、足首を10回まわしながら足の指を強めに押します。
- 次に足首を離して、ふくらはぎを揉みながら足首を10回まわします。
- ふくらはぎと足裏を揉みながら、また足首を10回まわし、反対側も同じように行いましょう。
血流に大きく関わるふくらはぎをストレッチすることで、血の流れをよくし血行がよくなります。
冷えをカバーするグッズ
冷え性解消グッズに頼って、徹底的に冷えから身体を守りましょう。ここでは、おすすめの冷え性対策のグッズを紹介しますのでチェックしてみましょう。
薄手の腹巻
腹巻きはお腹だけを温めるイメージですが、じつは全体的に温めてくれるのです。腹巻きはさまざまな素材が発売されていますが、おすすめは「シルク」です。シルクは肌にも優しく、汗などの吸収性や保湿性、放湿性が抜群です。締め付けないものを選び、ウエストより少し高い位置に巻きましょう。体内の臓器も温まり冷えに効果があります。
ブーツ替わりのレッグウォーマー
おしゃれとしても使用できるレッグウォーマーは、暖房による冷えのぼせを防ぐ効果があります。頭部に熱が集まるのを拡散してくれます。足首を温めて冷え性対策はいつでもできるようにしましょう。また、最近ではおしゃれなレッグウォーマーも沢山揃っていますので、普段使いとしても使用できます。
太い血管の熱を逃がさないネックウォーマー
首には太い血管が流れていますので、ここを温めると血行がよくなるのです。女性はとくに首元が細いため冷えにつながりやすいのです。とくに首は冷えると自律神経が乱れやすくなりますので、常に意識して温めるようにしましょう。日常からネッグウォーマーを使用して冷え対策を行ってください。
変えたい生活習慣
冷え性の人は知らず知らずに、冷え性になる習慣が身についてしまっています。日頃から、冷え性にならない生活習慣を身につけましょう。
シャワーですませず湯船に浸かる
仕事から帰ってきて、疲れて面倒だからといって、ついついシャワーで済ませてはいませんか?シャワーだけでは疲れが取れない上に、芯から温まることができません。おすすめしたい方法は、じんわりと汗をかくくらいが目安のぬるめのお湯(38~40度)に15分程度じっくり浸かることです。熱すぎてしまうと心臓や身体に負担がかかってしまうので避けましょう。できればお風呂に浸かる前に、白湯を飲んでおきましょう。
厚着すぎるのは逆効果
寒いとついつい厚着になりがちですが、厚着で汗をかくと逆に身体が冷えるため、汗をかかない程度の着衣がおすすめです。室内外の温度差によって調節できるように、すぐに脱ぎ着ができるタイプの衣類を、タマネギ状に着るのが一番よいでしょう。また、厚着をすることにより、身体が締め付けられてしまいますので、血液の流れが悪くなり冷え性の原因となります。
「首」とつく場所を温める
冷え性には三つの首を温めるのがよいとされています。その三つとは「首」「手首」「足首」です。大きな血管の近くにあり、外気の影響を受けやすいのです。これらが冷えてしまうと、筋肉が収縮してますます血管が細くなってしまうという悪循環につながります。露出しやすい部分ですので、普段からも温めることを意識しましょう。
喫煙は血管を収縮させる
タバコに含まれるニコチンが、細い血管といわれる毛細血管を縮小させてしまいます。一度下がってしまった体温を取り戻すための時間は、約2時間といわれています。2時間以内にまたタバコを吸ってしまうと、ますます身体が冷え切った状態になるのです。タバコを吸っている人に多い特徴が、顔色が悪いということです。本当に冷え性を治したいのであれば、節煙ではなく禁煙することをおすすめします。
身体の内と外から温めよう
冷え性で悩んでいる人はかなり本気で取り組まなければ、なかなか改善しないものです。外から体を温めるだけでは効果は薄れますし、食を改善するだけでも解決しません。全てをバランスよく行うことで、効果が十分に発揮できるのです。
女性にとっての冷えは大病につながるといわれています。「私は冷え性だから」と、簡単に諦めてしまっては危険です。今からでも遅くはありませんので、早速にでも冷え改善策を実践して、冷え性を改善していきましょう。