【3】葛藤があったチームプレイ。勇気を出してやってみたら、信頼関係が構築できた:島田紀子さんインタビュー
起業してすぐは、「これってどうやるの?」とやったことのないことに直面し、それでもやらなければならない…という状況に陥るのではないでしょうか?島田さんもその一人でした。さらに、長女気質の島田さんは、他の人に仕事を頼むのがとっても苦手だったそう。しかし、チームで動く以上は自分ひとりで仕事をすべきではありません。悩みぬいた末、島田さんは仲間を信頼し、仕事を任せられるようになりました。そんな島田さんがチームワークで大切にしていることは? チームワークが円滑になる秘訣を教えていただきました。
独立したらわからないことばかり。どんどんやって切り抜けた
―独立してスタジオを経営し始めてから、どのような点で苦労をしましたか?
苦労した点は二つあります。まずひとつは、運営方法から税金のことなど、わからないことだらけだったことです。登記ってどうやるんだろう、税金の申告ってどうやるんだろう…。大学では経営学部を専攻していたし、周囲の経営者にアドバイスをいただいているのに、実際やってみるとわからないことばかりでした。
―どのように切り抜けましたか?
「何が正解かわからないから、やっちゃえ!」と、体当たりでした(笑)最初の数年は、「これのやり方わからない!どうしよう!でもやらなくちゃ!やるしかない!!」ということが多かったように感じます。もちろん何度もやり直すこともありましたが、結果的に体当たりで挑戦したことは、私にとって、とてもよかったと思います。やるべきこと一つ一つのやり方を理解するのを待っていたら、きっとその前に怖くなってしまって永遠にできなかったような気がします。
勇気を出して個人プレーからチームプレーへ
―もう一つの苦労した点は、どのようなことですか?
徐々に仕事が増え、一人では仕事を完結できなくなったとき、もちろんチームで取り組まなくてはならないですよね。ここに大きな葛藤があったことです。なんでも自分ががんばらなくては、と一人で抱え込んでしまうことがよくありました。よく言えば責任感が強い、悪く言えば、自分ひとりで完璧を追おうとするところがあったんです。当時は、チームメンバーを信じて任せる!というようなことは出来ませんでした。これを乗り越えるのが大変でしたね。
―どうやって乗り越えましたか?
他のスタッフたちが、仕事に真剣に取り組む姿をみて、自分は今までなんて狭い世界の中で生きていたんだろうと気付かせてもらえたんです。仕事に向き合うメンバーの姿にとても安心しましたし、私が苦手なことは、誰かが得意で、誰かが苦手なことで私にできることは私がやればいいんだという気持ちに変わっていきました。
チームワークで大切なのは価値観の共有
―チームで動くのに、どのようなことが大切だと思いますか?
価値観や目標をチームで共有し合うことです。価値観の交換。相手が大切にしているものを知り、理解していくことで、その人の本質、人間性がよく見えてくると思います。
―相手の本質や人間性を知ることは、仕事にどのような効果をもたらしますか?
仕事の結果さえ良ければ良い。というビジネス的な考え方もあると思います。もちろん経営している以上そのような部分も理解していますがやっぱり人同士、信頼関係を築いていきたいし、価値観を認め合いながら良い関係の中で良い仕事したいですよね。相手にとって、何が大切で、何を目指しているのか。これをわかろうとすることで、より会話が生まれ、仕事もスムーズに進みます。このようなことは、自分だけの世界で一人でがむしゃらにやり続けていたら見えなかったことだと思います。
≪まとめ≫チームプレーはお互いの本質を知り合うことが大切
考え方や習慣の違いから摩擦が起こり、仕事上の人間関係で悩んだことのある方は多いはず。そんな方に試していただきたいのが、島田さんが実践している「価値観の交換」。相手のことをよく知ることは、信頼関係を築けると島田さんは言います。仕事などの人間関係で悩んでいる方は、一度、お互いを知る時間を作るのはいかがでしょうか? 自分が大切にしている価値観や考えを相手に伝えることで、きっと相手も心を開いてくれるでしょう。