【2】プライベートと仕事では別人格? アグレッシブだけどネクラな一面も:森田美佐子さんインタビュー
もともと営業職で、HTMLなどウェブサイトを作るための知識はなかった森田さん。ところが、サイトの更新くらいは自分でやりたいと勉強したそう。森田さんはできることは自分でやった方が良いと考えています。また、おもしろそうだと思うと、すぐにやってしまう。行動力に満ち溢れ、イキイキとした印象の森田さんですが、実は以外な一面も。今回は、森田さんがどんな方なのかを探っていきましょう。
商売人の血を引き継いだ?やれることは自分でやる
―前回のインタビューでご自身でウェブサイトを作ったり、ご自身で仕事を取ったりしたとお話していただきました。ご自身でなんでもやろうとするのはなぜでしょうか?
小さいころから、なんでも自分でやりたいと考えていましたね。父が自営業、商売人でしたのでその血が流れているんだと思います。
それから、私ケチなんです。人にやってもらうとお金かかっちゃうじゃないですか。
でも、ウェブサイトを自分で作ればその分お金が浮くし、仕事を自分で取ってくればギャラはすべて自分の懐に入るんですよ。逆に事務所に所属すると、マージンを引かれてしまいます。
―お金をかけるべきだと思うことはありますか?
自分でできないけれど、必要なところにはちゃんとお金をかけたいですし、かけています。例えば、ウェブサイトを作るとき、まったく一から作るのは私には難しかったです。そこで、サイトの骨組みだけ作っていただき、自分でできるところだけ自分で作るようにしました。また、事務仕事がとても苦手なので、税理士に経理をお願いしたり電話代行秘書を使ったりもしています。
ダメだったらやめればいい。おもしろい事はやってみる
―行動力がすばらしいと思いますが、起業するなど大きな行動に移すときに不安になることはありませんか?
ありませんね。おもしろいと思ったことはすぐに行動に移してしまいますし、失敗したらやめればいいと思っています。
私、ナレーターとして独立する前に2年間ほどネットショップを運営していたことがあるんです。やってみたいなと思ってすぐにサイトを立ち上げました。でも、それがこれ以上やってもうまくいかないなと感じたときにスパっとやめたんですよ
―そのときのエピソードを教えていただけますか?
楽天やアマゾンなどがなかった時代に、主婦の方がネットショップを運営しているのを偶然見つたんです。そのとき、ブランドの子ども服をリサイクル販売したらおもしろそうだなとひらめいて、始めてみました。
そうしたら、思った以上に反響が大きくて取材していただくようになりました。当時はネットショップ、それもブランドの子ども服をリサイクルで販売するということが珍しかったんです。
―反響があったのになぜやめてしまったのですか?
大手企業のネットショップにもリサイクルのブランド子供服が参入し始めたんです。彼らは、クレジットカード決済を可能にしたり、ショッピングカードを導入したりしているんですよね。個人でやっていてもカード決済とかできないから、勝負にならない、やめようと判断しました。迷いはありませんでした。
実は話すのが苦手なネクラ気質。仕事のときはスイッチオン
―森田さんからはパワフルで明るい印象を受けます。プライベートな時間も仕事中と同じようにアクティブに過ごしていますか?
まったく逆です。編み物をしたり、黙々と文章を書いたり、そういうことが大好きなんです。本当の私は、他人と目を合わせられないほど人見知りで、しゃべれないんです。
コンビニでお弁当をレジに持っていくと「温めますか?」と聞いてくれるじゃないですか。そんなとき、店員さんの目を見れないですし、話せなくて首を縦か横に振るだけしかできないときもあるんです。
―そんな姿はとても想像できませんね。人話せないようには、とても見えません。
仕事になるとスイッチがオンになるんです。人前に出て話すことも怖くなくなりますね。仕事中はもう一人の自分を俯瞰でみている感覚です。
仕事のときは明るく見えますが、本当はネクラなんですよ。妄想癖もあります。
ある物事に対して、「こうなったらこうする」というパターンを頭の中で作るんです。その中にはとってもネガティブなパターンもあるんですよ。自分が死んじゃうパターン。
―なぜ、自分が死んでしまうと考えたのでしょうか?
大きな病気をしたことがあったんです。そのときにもいろいろなパターンを想定して、一番最悪なのが自分が死んでしまうパターン。
家族が困らないよう、口座それぞれの暗証番号を紙に書き残したりしました。でも、これをすることで自分自身の考えを整理できますし、パソコンに保存したり紙に書くなどして、人に伝えることが難しいこともうまく伝えられるんです。
≪まとめ≫ビジネスにはメリハリが大切。どう決断するか見極める力を培おう。
お金をかけるところはかけ、かけないところは自分でやる。ビジネスがうまくいかないと感じたら、すぐにやめる。こんな思い切りの良さが、ビジネスを成功させているのかもしれません。しかし、決断をするには状況を見極める能力も必要でしょう。
森田さんのその能力の秘訣は「妄想癖」にありそうです。常に、いくつものパターン想定しどう行動するかを考えています。その結果、ある状況になったらどう動くのが良いか判断できるのでは?と感じました。
ネガティブになりすぎるのも考えものですが、最悪の状況を想定してそのときの行動を考えておけば、問題がおきてもあわてずに済みそうです。