【１】海外移住は怖くない！アフリカ人留学生の影響でガーナに移住：大山知春さんインタビュー

最初は日本でファイナンシャルコンサルタントとして勤務した後、バンコク転勤、その後オランダへ留学。卒業後はガーナへ移住し、起業したという大山さん。ガーナでは初めての日本人女性起業家です。「なぜガーナで起業？」と疑問に思いませんか？1回目のインタビューでは、ガーナでの現地法人設立までのストーリーを伺いました。

まるでバケーションの延長。バンコク生活を抜け出し、オランダへ留学

―起業する前はどのようなお仕事をされていましたか？

最初は日本の銀行でファイナンシャルコンサルタントとして2年弱勤務し、その後、外資系金融コンサルティング会社に転職しました。
そこでもコンサルタントとして勤務してたときに、その会社が日本の拠点を閉めて新しくバンコクに拠点を設けることになったんですね。それで、バンコクへ転勤しました。

―海外転勤は抵抗ありませんでしたか？

全然ありませんでした。タイは行ったことがあり、自分が生活する上で楽しめるだろうと思っていましたから。
実際、とても楽しかったです。日本の小さなアパートと同じくらいの家賃でプール付きの豪華なマンションに住めましたし、エステやマッサージも安い値段で受けられるんです。世界で一番コストパフォーマンスがいい国だと思いますね。

―バンコク勤務の後、留学を決めたのはなぜでしょうか？

昔から海外で勉強をしたいという気持ちを持っていたことを思い出したからです。仕事が好きなので、ビジネスの勉強、MBAを取得しようと決めました。
バンコクの生活は楽しかったけれど、バケーションの続きというか生活している感じがしないんですよね。このままこの生活を続けてよいのか考えるようになりました。勤務していた会社も中小企業でしたので、いつも同じメンバーで働き、新しいメンバーが加わることもなく、環境が変わらないんです。そんな生活に疑問を持つようになり、留学を決めました。

クラスメイトとガーナで起業！ガーナ初のオンラインショップ立ち上げ

―MBAというとアメリカというイメージが強いです。留学先をオランダに決めた理由を教えてください。

MBA取得をするのにアメリカでは2年かかるのですが、ヨーロッパだと1年で取得できるんです。自費留学なので、期間を短くしたかったんです。アメリカよりヨーロッパの雰囲気が好きというのもあります。
それで、ヨーロッパ諸国を回って留学先を探しました。何か国が周遊して、一番気に入ったオランダに決めました。アムステルダムから少し離れたブリューケレン（Breukelen）という町です。オランダ人だけでなく、さまざまな国の人たちが学んでいたのが印象深かったですね。

―なぜガーナでビジネスを始めようと思ったのでしょうか？

ガーナ人のクラスメイトから誘われたことがきっかけですね。卒業後そのままガーナへ移住しました。
この大学にはアフリカ出身の人がとても多くて、彼らは自分の国や社会のために何かをしたいという気持ちをとても強く持っているんです。先進国だとサービスがそろっていて、自分がどうにかしなくちゃとは考えませんよね。私もいままでそんなことを考えたことがなかったので、彼らの使命感に大きな影響を受けました。一緒にビジネスを始めたら、私も社会に貢献できると感じたんです。

ようやくプレローンチしたのに。舌ガンで望まぬ帰国

―ガーナではどのようなビジネスを立ち上げましたか？

楽天のようなオンラインショップです。2013年当時、ガーナにはオンラインショップがなかったんですよ。
でも、サービス開始前に帰国したんです。前職時代のお客様が投資してくださったり、スタッフが集まったりして、1年かけてようやくサイトが完成したのに…。

―帰国したのはなぜでしょうか？

ガンになったかもしれない…という状況になりまして。結局、舌ガンだったんですけど。
検査だけしようと一時帰国し、手術しました。その後、3週間に1度経過観察で通院しなければいけなくなったんです。
ガーナと日本の往復に丸2日、飛行機代もエコノミーでも20万円かかるので、それを3週間に1度繰り返すのは不可能でした。それで、そのまま日本に住むことになりました。
帰国は望んでいませんでしたが、実はそれが今のビジネスにつながったんですよ。

【まとめ】行動することで道を切り開こう

日本、バンコク、そしてガーナと移り住み、学び活躍してきた大山さん。海外移住、しかも先進国ではないタイやガーナに移り住むのは勇気が必要でしょう。しかし、大山さんは日本にいるよりも楽しそうだと感じ、躊躇せず動きました。そんな大山さんに対し、投資してくださった方が「行動することがあなたの才能だ」という言葉をくれたそう。行動に移すことでチャンスを掴み、周囲の人の心を動かすのかもしれません。

次回は、舌ガンという大きなピンチを成功に変えたエピソードをお届けします。