【2】起業前は孤独な日々。乗り越えられたのは確信があったから:立山菜穂子さんインタビュー
ペットシッターのサービス開始の準備を始めた立山さん。とっても良いサービスだと思い、意気揚々とペット業界の人たちにビジネスプランを話しましたが、返ってくるのは否定的な意見ばかり。仲間も味方もいなくて、ひとりぼっちだと感じていたそうです。立山さんはそれでも起業に踏み切ります。2回目のインタビューでは、否定意見が多くても起業した、その強さの秘密は何なのかを探ります。
会社を退職。どこにも所属していないことが不安に
―会社を退職してからサービス開始までの1年半、どのように過ごしていましたか?
「元いた会社の契約社員をしながら、サービス開始の準備をしていました。自分の考えているプランを人に話したり、仲間を探したり。実は、この準備期間が一番つらかったときです。とにかく孤独を感じていて、つらかった時期が何か月が続きました。」
―どのような点で孤独だと感じていましたか?
「二つの点で孤独さを感じていて、一つは社会的な接点がないという不安からくる孤独です。会社を辞めて気が付いたんですが、どこにも属していない状態って不安なんです。会社にいれば「株式会社○○の立山です」と名乗れるのに、単に「立山です」としか名乗れないのが孤独だなと思っていました。
もう一つは、仲間がいないことでした。自分のアイディアをペットシッター業界の人に話して、一緒に活動してくれる方を探していました。でも、ほとんどが良い反応ではなかったんです。話した方の内半分は腑に落ちないというか曖昧な反応で、中には否定的な反応を示す方もいました。」
孤独な毎日。自分に言い聞かせた言葉「自分は何も失っていない」
―否定的な反応をされて、落ち込む理由は何だと思いますか?
「こんなに良いアイディアだから、きっとみんな賛同してくれるはずと期待していたのに、そうではなかったからだと思います。みんなも私と同じように新しく何かを始めることにわくわくするだろうと勝手に思い込んでいた部分もありました。」
―孤独をどうやって乗り切りましたか?
「すでに会社をやめていたので、後戻りできないというのもありましたが、やってみたいという思いが強かったので乗り切れました。
それから、自問自答していたことがあります。毎日「私は1日中すごく落ち込んでいるけれど、今日何を失っただろう?」と。でも、考えると何も失っていないんですよね。お金は結構失いましたが…。お金は失ってもいい金額を決めていたので想定内だし、それ以外は何も失っていないというのを毎日、自分に言い聞かせて再認識していました。」
否定されてもやる!自問自答して見つけた絶対的な確信
―周囲の方が否定的な反応だったり、孤独な時期があったりしても起業したのはなぜでしょうか?
「ペットシッターの存在が動物を幸せにするという、絶対的な確信があったからです。ペットシッターさんに来てもらって世話をしてもらう時間は、犬や猫にとって大切だと思います。ですから、ペットシッターさんが増える、世話をしてもらえる機会が増えるというのは、動物の幸せにつながるんです。」
―確信していたからこそ、起業できたのだと思います。自分の思いが確信に変わるまで、どのような経緯がありましたか?
「一人で考える時間を作って、ああでもない、こうでもないと、ずーっと迷って考え続けたことです。自分の心に耳を傾けることってとても大事なんですよ。最初は答えが見つからないけれど、時間をかけてずっと耳を澄ますと、ひらめく瞬間のようなものが来るんです。」
【まとめ】何かを達成するために大切なのは信念
自分自身はとても良いアイディアだと思っていても、他の人はそう思っていないということはよくあることだと思います。周囲に否定や反対をされてしまい、起業をあきらめてしまう方もいるかもしれません。そうならないためには、立山さんのように信念を持つことが大切でしょう。起業をする・しないに関わらず、自分の信念を持っていれば、途中であきらめることなく自分の目標を達成できるのではと考えさせられるお話でした。
次回のインタビューは、イキイキと過ごしている立山さんに起業することの魅力を伺います。