失業保険はいつまでに申請?受け取るために大事なのは早めの申請
失業保険の申請には期限がある
昔に比べ、一度は転職を経験する方が増えてきた昨今、離職中に一定金額の支給を受けることができる失業保険を知る人も増えています。失業保険には退職時の年齢や理由等の条件から支給期間や申請期限が人により異なり、それを完全に把握することは困難。
しかし期限を過ぎてしまうと本来ならば受給できる金額を満額受給できなくなるので、自身の支給期間と申請期限の把握は大変重要です。
本記事では条件による支給期間と申請期限の確認、そして期限の延長方法を見ていきます。また、合わせて受給できる金額の計算方法についても確認してみてください。
まずは自分の受給可能日数を知ろう
受給できる日数は人によって違う
会社を退職した後、働く意思がありながら転職活動の結果が出ず再就職が決まらない状況にある人を雇用保険上は失業者と定義されています。失業者であれば、ハローワークにて失業保険の支給を受けることができますが、受給できる日数は退職した理由や年齢、雇用保険の加入期間により人によって異なります。
簡単ですが、下記にまとめます。後に説明する受給資格の期限にも関わることですので、自身がいつまで受給できる日数があるかしっかりと把握しておきましょう。
退職理由が自己都合では雇用保険の加入期間によって異なり90~150日、会社都合では退職時の年齢と雇用保険の加入期間によって異なり90~330日です。
障害者等の就職困難な人では、雇用保険の加入期間が1年未満で150日です。雇用保険の加入期間が1年以上であれば、退職時の年齢が45歳未満で300日、45歳以上で360日です。
失業保険はいつから支給されるのか
失業保険の支給を受けるためにはハローワークでの手続きが必要です。手続き後7日間の待機期間を含め、問題なければ支給後およそ1カ月で支給を受けることができます。
しかし、自己都合退職の場合は失業保険を受けるまでに7日間の待機期間に加えて、3カ月の給付制限があります。そのため、失業保険の支給を受けるのにおよそ4カ月の期間を必要としますので注意が必要です。
失業保険はいつまで支給されるのか
失業保険はいつまでもらえるのでしょうか?それは、一部例外を除き、退職日の翌日から1年間、失業中の期間に限りとされています。1年を経過したり、再就職が決まるもしくは働く意思が見られない等の条件を満たさなくなった場合には、失業保険の支給はされなくなります。
失業保険はいつまでに申請しないといけないのか
失業保険の受給資格は1年間
先にも説明した通り、失業保険の受給資格は退職日の翌日から1年間が基本となっています。
一方で、退職理由等から受給できる日数が330日以上ある場合、受給資格は1年以上です。受給できる日数が330日ある場合は30日、360日ある場合は60日、1年に加えられた期間が受給期間になります。
申請が遅れると途中で受給資格が消滅してしまう危険が
離職日の翌日から1年間、受給日数が330日の場合は1年と30日、360日ある場合は1年と60日が過ぎてしまうと、受給できる日数にいくら残りがあっても過ぎて以降は受け取ることできません。
もし、失業保険の申請が遅くなることで失業保険の支給開始日が遅れ、支給終了時期が遅くなると、支給額全額を受け取れない可能性があります。
そのため、期間内に失業保険支給額全額を受けるためには、早めの申請が大切です。転職活動で忙しいかもしれませんが、いつまでに申請が必要か把握し、早めの行動を心がけましょう。
受給可能日数から申し込み期限を逆算することが大切
受給日数が330日以下では失業保険の受給資格が1年間、330日で1年30日、360日で1年60日と受給資格が消滅してしまう時期は退職時の状況により異なります。
申請する際には7日間の待機期間に加え、自己都合退職では更に3カ月の給付制限もスケジュールに考慮する必要があります。
受給日数と受給資格が消滅する時期と申請スケジュールは申請する人自身の年齢や状況により異なりますので、失業保険全額の支給を受けるには、受給資格が消滅する前に全額受け取れるようなスケジュールで申請を進める必要があります。そのためには受給可能日数から申し込み期限を逆算することが大切です。
失業保険の受給を延長したい場合
申請すれば失業保険の受給を延長できる
失業保険は最初にも書いた通り、働く意思がありながら転職活動の結果が出ず再就職が決まらない状況にある人を失業者と定義し、支給対象としています。
そのため、働く意思があったとしても妊娠や病気等の身体的問題で就職自体が困難な場合は、失業者とみなされず失業保険の支給を受けることができません。
その一方で、先にも紹介した通り失業保険の受給資格には期限があり、期限を過ぎてしまうと受給資格を失ってしまいます。つまり妊娠や病気等の身体的問題で就職自体が困難な人の場合、失業保険の支給を受けられないまま受給資格の期限を迎えてしまう可能性が。
その打開策として30日以上働けないと認められた場合、その日数分、最長で3年まで受給期間の延長を申請できる特別処置があります。この処置により、出産後や病気の完治後に失業保険の受給を開始することができ、受給資格を失うことなく支給額全額を受け取ることができます。
後述するように失業保険の延長申請にも期限があります。失業保険の受給を延長する必要が出てきた場合には、延長申請をいつまでに処理する必要があるか把握し、直ちに申請するようにしましょう。
延長申請にも期限がある
失業保険の受給期間延長もハローワークで申請可能です。退職の翌日以降、妊娠や病気等で働けない日数が30日以上となった時点で申請が可能になります。
ただし延長申請にも期限があります。申請可能となる30日以上になった翌日から1カ月以内が延長申請手続可能期間とされていますので、たった1カ月の猶予しか与えられていません。延長申請が必要となった場合には至急処理するようにしましょう。
尚、延長申請は代理でも手続き可能で、更に郵送でも行えます。中には入院中で外出ができない方もいるかと思います。延長申請の期限は1カ月しかありませんので、本人で対応できない場合は、これらの手段で至急申請を行ってください。
失業保険はいくら貰えるのか
失業保険額の計算方法を紹介
受け取れる失業保険額は、退職前6カ月間の給料と退職時の年齢により計算されます。賃金日額と給付率により算出された基本手当日額に、受給日数をかけた金額が受け取ることが出来る失業保険額です。
まず、賃金日額はボーナス等賞与を抜いた退職前6カ月分の給料を、180日で割ることで算出します。給付率は賃金日額と退職時の年齢により決められており、給料が安ければ給付率は高く、給料が高ければ給付率は低くなります。
給付率については下記サイトにまとめられているので、計算する際の参考にして下さい。
【参考URL http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000168716.pdf】
基本手当日額は賃金日額と給付率をかけることで計算します。基本的には賃金日額の50~80%です。以下に上述した計算式をまとめます。
・賃金日額=6カ月分の給料÷180日
・基本手当日額=賃金日額×給付率
・受け取れる金額=基本手当日額×受給日数
早めに転職すると転職手当が貰える可能性も
失業保険の支給を受けている際に早めに転職を成功させると、お祝い金と呼ばれる手当が貰えることがあります。お祝い金の種類として、再就職手当と就業手当というものがあります。
再就職手当をもらうためには一定の条件を満たす必要がありますが、それは失業保険の残額が転職時どれだけ残っているかです。具体的な計算方法は下記の通りになります。計算式を見てわかる通り、転職が早く決まるほど再就職手当は多くなります。
・支給残日数2/3以上の再就職手当=基本手当×70%×支給残日数
・支給残日数1/3以上の再就職手当=基本手当×60%×支給残日数
また、転職先の6カ月分給料が前職6カ月分よりも少ない場合、手当を更に受け取ることができます。これがもう一つのお祝い金である就業促進定着手当です。転職後も引き続き手当を受け取れる大変便利な制度です。是非利用しましょう。
失業保険を全額受け取ってから転職を考える方もいるかもしれませんが、早めに転職を成功させれば再就職手当を受け取ることができ、転職先によっては就業促進定着手当も貰えます。早めの転職成功を実現させましょう。
失業保険の手続きは早め早めに行うのが吉
失業中にお金を受け取ることができる失業保険ですが、期限が設定されていることから早め早めに手続きを済ませることが重要です。
計算が多かったり仕組みが難しいことから、申請を後回しにして先に転職活動を進めようとする方もいるかもしれません。しかし、その結果として貰えるべきお金を貰えなくては非常にもったいないもの。申請の際、分からないことがあればハローワークの担当者の方が丁寧に説明してくれます。
失業中は収入がないため、一刻も早く新しい職場を見つけようと転職活動に重点を置くのは大切なことですが、失業保険の手続きを済ませ失業中に貰えるお金を確保することがより大切です。失業保険により失業中のお金を確保することで心にも余裕が生まれ、より良い転職活動ができるでしょう。