年代別や職業別の平均年収とは?お金についてじっくり考えてみよう
同年代や同業種の人との年収の比較
社会人にとって年収はとても気になるもの。「周りの人はどのくらいの年収なんだろう」と疑問を感じていませんか?今回は、年代別や職業別の平均年収について詳しく解説してきます。
周りの年収を知り、自分と比較を行っていきましょう。平均と比較することにより「自分の年収は平均的なのか、そうでないのか」知ることが可能です。
日本人の平均年収
さっそく、日本人の平均年収についてチェックしていきましょう。
年収とは税金や保険料が差し引かれる前の年間の総支給額
年収というのは、税金や保険料が差し引かれる前の年間の総支給額のこと。「年収=手取り金額」だと勘違いしてしまう方も多いですが、そうではありません。
たとえば、税金や保険料が差し引かれる前の総支給額が「年間300万円」手取り金額が「年間250万円」だったとします。この場合、一般的に年収を指すのは「300万円」という数字になります。
ここで出てくる平均年収は、すべて税金や保険料が引かれる前の金額。手取り前の金額ではないので、注意して読み進めていってください。「自分の年収がわからない」という場合は、年末に会社からもらえる源泉徴収票に記載がありますので、チェックしてみましょう。
日本人全体の平均年収は414万円
日本人全体の平均年収は414万円。これは、国税庁が発表した民間給与実態統計に記載されている金額です。源泉徴収義務者に勤務している給与取得者すべてが対象の調査です。所得税の納税の有無などを問わないため、幅広い人が対象となっています。
また、給与取得者のすべてが対象であるため、年代や雇用形態も関係ありません。働きはじめの20代も、定年が近い60代の方もこの統計に含まれているのです。
そのため、日本人全体の平均年収は一つの目安として考えましょう。幅広い人が対象であるため、自分と差があって当然。「平均年収より低い…」と気にする必要はありません。
日本人女性の平均年収は272万
日本人女性の平均年収は272万円となっています。日本人全員の平均年収が414万円であるのに対し、女性の平均年収はかなり低くなっていることがわかります。これには、女性の働き方が大きく関係していると考えられるでしょう。
共働き世帯も増加している日本ですが、出産で会社を退職する女性も少なくありません。また、子育て中はフルタイムではなく、パートやアルバイトという働き方を選択する女性も多いです。パートやアルバイトは、フルタイムと比較すると給与が低いため、女性全体の平均年収が低くなってしまうのです。
もちろん、女性の中にもバリバリと仕事をし、キャリアを積んでいる方がいらっしゃいます。272万円は、あくまでも日本人女性の平均。自分との差が大きくても、気に病まないようにしましょう。
年代別の平均年収
では、年代によって平均年収に差はあるのでしょうか。年代別の平均年収をチェックしていきましょう。
20代の平均年収は貯金まで回らない
20代前半の平均年収は248万円、20代後半の平均年収は344万円となっています。この統計には新卒で会社に勤めたばかりの人や、大学生のアルバイトも含まれるため、数年会社に勤めた20代後半とは年収の差が大きくなります。
また、20代の平均年収をみると貯金をするのはとても難しいことがわかります。年収はあくまでも総支給であり、実際手元に残るのはこの金額より少なくなるのです。そのため、生活するのに精一杯で貯金まで手が回らないという20代が多く存在します。
とくに20代前半は社会人歴が短く、まだまだ十分な収入が得られない時期。なかにはアルバイトなどで生計を立てている方もいらっしゃいます。貯金が難しい場合は、月5,000円、月1万円など少ない額からお金を貯めていきましょう。
30代は年収の差が顕著になる
30代の平均年収は455万円。300~450万円前後の場合が多いです。この時期になると、年収の差が顕著になります。年収が300万円の人もいれば、500万円の人も。20代では周りと年収の差がなかった場合でも、30代になって差が大きく開くことがあるのです。
しかし、455万円という数字は平均でしかありません。職種や住んでいる地域によって、どうしても年収に差が生じてしまいます。東京などの都会と比較すると、地方の年収は少なめです。また、特殊な知識や資格が必要とされる専門職とその他の職業を比較すると、専門職の年収が高くなる傾向にあります。
30代は年収の差が顕著になる時期ですが、過剰に平均年収を意識する必要はありません。自身の生活が苦なくできるかどうかを重視しながら年収について考えてみましょう。
40代の平均年収は400万~500万円
40代の平均年収は400~500万円。30代と同様に、年収の差が顕著になっていることがわかります。年収の差があまりないのは20代の時期だけ。それ以降は、職種やキャリアによって、年収の差が大きく開いてしまうことが多いのです。
もちろん、平均より年収が低くても十分な貯金ができており、生活が苦なくできるなら問題ありません。また、扶養家族の有無によっても必要な年収は変わってくるでしょう。20~40代の平均年収を踏まえた上で、自分の年収に問題はないのか、これからこの年収で大丈夫なのかを考えてみてください。
学歴によって平均年収が違う
学歴によって平均年収は異なります。大卒(新卒)の平均年収は230万円前後。対して、高卒(新卒)の平均年収は180万円前後となっています。
しかし、これはあくまでも新卒1年目の年収を比較したもの。高卒であってもキャリアを積み、専門知識を増やしていくことで大卒と同様の年収を得ることが可能です。「学歴がないから収入が心配…」という方は、資格などを取得し、年収アップをはかりましょう。
また、学歴が欲しい方は社会人になってから学校に通うという手段もあります。通信大学などであれば、仕事をしながらでも大学に通うことが可能。なにか学びたいことがある場合は「大学へ通うこと」を検討してみてはいかがでしょうか。
年収と手取りの違い
年収と手取りはどう違うのか疑問をお持ちの方も多いでしょう。冒頭でご説明した通り、年収は「税金や保険料が差し引かれる前の総支給額」、対して手取りは「銀行に振り込まれる額」給与が支払われて、実際に手元に入るお金のことを手取りといいます。
手取りは毎月の給与明細で簡単に確認できます。年間の手取りを知りたければ、源泉徴収票でチェックできます。ただし、年収が上がったときはそれに応じて税金や保険料の額が上がります。「年収〇〇円になったときの手取りが知りたい」という場合は、手取り計算のシュミレーションなどを使用して金額をチェックしてみましょう。
平均年収は目安で仕事の全てではない
周りの平均年収はとても気になるものですが、一つの目安にすぎません。年収が平均より低くても、貯金をしながら生活ができていれば問題なし。反対に、年収が平均より高くても生活が困難であれば、収支に関して考える必要があります。
大切なのは「今の年収で自分に問題がないのか」「仕事内容が今の年収に見合ってるのか」をしっかりと考えること。周りの年収を一つの目安として参考にしながら、お金について考えてみましょう。