気象予報士になるには│仕事の内容と待遇について詳しく紹介
気象予報士ってどんな仕事?
テレビやラジオなどのニュースの時や番組と番組の間に必ずと言っていいほど見聞きするのが天気情報です。多い時で一時間に2回ほどの周期で流れています。その情報を作成し伝えているのが気象予報士です。
以前は、局のアナウンサーが天気情報を伝えていましたが、最近では気象予報士が直接出演して伝えることが多くなりました。そのため、気象予報士の活躍の場も増えてきています。
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気象予報士になるためには
天気予報士が伝えている天気の情報は千差万別です。もちろん、天気に関する予報や現在の状況などはデータから正確に伝えていますので、大きな違いはありません。今ではさまざまなメディアで活躍している気象予報士はどのような経過でなれるのでしょうか。
独学か専門の学校に通って学ぶ
昨今の人気資格である気象予報士は、独学でも専門学校に通学しても資格を取る勉強が出来ます。最近では大型書店などで気象予報士専門の参考書や問題集が数多く出版されています。これらを利用して勉強している人も多くいます。
気象学を極めたい人は理系や地理学系など専門性の高い大学で学ぶのがいいでしょう。さらに気象予報士のエリートともいえる気象庁で働きたい人は気象大学校があります。気象大学校は気象庁のエリートを養成するための学校ですので、入学金や授業料が無料のうえ毎月15万円ほど支給されるなど、一般の国公立大学とは違います。
試験に合格する
独学、通学に関わらず、気象予報士になるためには年2回行われる気象予報士試験を受験、合格しなければいけません。気象予報士の試験は年齢や男女別制限、学歴などに制限はありません。
しかし、筆記試験だけではなく実技試験もあり、合格率はおよそ5%程度とかなり難度の高い試験です。
合格後には気象庁長官に登録申請をし、登録が完了した時点で晴れて気象予報士となります。登録料は4,000円です。
しかし、気象予報士は経験がものをいう仕事ですので合格してからも勉強を怠らずに続けることが大切です。
気象予報士の仕事内容
気象予報士の仕事はメディアや勤務先により若干の違いはありますが、おもに次のような仕事をしています。
- 気象庁発表の観測データであるアメダスを独自の視点から分析する。
- 地域や時間ごとの天候を予測する。
- 視聴者やクライアントのニーズに合わせた情報にまとめる。
- 分かりやすい言葉で伝える。
最近では、メディアだけではなく企業ごとの仕事も増えてきました。そのため、より専門性の高い知識が求められるようになってきています。
気象予報士の待遇
さまざまな形で活躍の場が広がりつつある気象予報士ですが、給与や勤務時間などの待遇はどうでしょうか。ここで待遇面について詳しく解説します。
気象予報士の収入
他の国家資格の中でも合格率が低く専門性の高い気象予報士ですが、収入の相場はどのぐらいなのでしょうか。ここでは職場別に解説します。
民間の気象サービス会社
現在では、気象サービスを専門に行っているサービス会社や、大企業などでは会社内の一部署として気象調査を行っている所もあります。
このような所の気象予報士は、それぞれの会社の給与規則に則っています。平均して年収300万程度のようです。
通常の企業は昼間勤務の所が多いですが、気象予報士の仕事は24時間稼働するのが一般的です。夜勤や休日の仕事もあります。そのため、通常の給与のほかに夜勤手当や休日手当なども別途支給されています。
お天気キャスターの場合
テレビなどで「お天気コーナー」などを務めているような、いわゆる「お天気キャスター」は局の職員ではなく「プロのお天気屋さん」のため、芸能人のように1年ごとの契約をしています。
テレビ局や出演頻度などでかなりの違いがありますが、年収300万~600万円です。芸能人並みに人気のある気象予報士の場合は、書籍刊行や講演会なども行い、プラスアルファの部分もかなり多いようです。
また、番組によってはテレビ局のアナウンサーやタレントなどが天気情報を伝える場合があります。この時の気象情報の原稿は気象予報士が作成しています。気象予報士はメディアの裏方としての仕事もしています。
気象庁の場合
気象庁は国の省庁のため、気象庁職員も国家公務員です。そのため、一般の国家公務員規則に則った額が支給されています。年収は300万~500万程度です。気象庁は1日24時間365日間運営していますので、シフト制をとり常に職員が常駐しています。
そのため、夜勤や休日出勤などもありますので、日勤の一般的な国家公務員としての基本給与のほかに夜勤手当や休日手当なども支給されています。
勤務時間は職場によって異なる
気象情報は24時間365日絶えず変化しています。そのため、お休みがありません。常に情報収集を行っています。気象庁だけではなく、メディアや企業でも24時間体制で運営しています。ほとんどの施設ではシフト制をとっているため、何人かが交代で勤務しています。
勤務時間は一般企業と同じように一人当たり1日8時間程度ですし、休日も定期的にとっています。これらはそれぞれの会社や団体の就業規則に則ったものです。ただし、一般職と違う点は夜間勤務や休日勤務が多い点です。
気象予報士の就職先
気象予報士の仕事はテレビやラジオなどに出てお天気情報を伝えるだけではありません。現在では、気象に関するあらゆる仕事をする気象予報士も増えてきています。また、さまざまなニーズに応えられるような会社なども増えてきており、気象予報士の仕事の選択肢も増えつつあります。
国家公務員として気象庁で働く
国が管轄する気象庁の職員は国家公務員のため、まずは国家公務員になる必要があります。国家公務員試験に合格しなければ気象庁職員にはなれません。気象予報士の資格を取るだけではなく国家公務員試験に合格するための勉強も必要です。
気象庁は、気象に関するあらゆる情報を提供する大切な部署です。メディアや気象に関するすべての企業や団体へあらゆる気象データを提供しています。
そのため、気象に関する知識に長けています。気象に関する知識は豊富で専門性の高い部署といえます。気象庁には気象大学校で学んできた人が多く、気象学のエリートが集結する場といえる施設です。
気象情報を伝えるメディア
気象庁から提供された気象データをもとに番組独自の視点から分析し、テレビやラジオ、新聞などで気象情報を伝えています。特にテレビやラジオでは視聴者層に合わせた独自の情報を提供するため、一般的な気象情報を伝えるだけではなく関連した雑学的な情報なども踏まえた幅広い知識を提供しています。
さらに、あらゆる年齢層が見聞きするメディアでは、全ての人が理解できるように分かりやすい言葉で伝える工夫も気象予報士の仕事です。
一般企業での求人もある
最近では気象に左右されやすい運輸業界やレジャー産業、アパレル業界などが、会社独自の気象データを収集・分析する部署を設けている企業が増えてきています。企業のスタッフの一員として気象予報士を常駐するようになりました。
企業内に社員として気象予報士を置く企業はまだまだ多いとは言えませんが、少しずつ増加傾向にあります。社内の技術職として気象予報を専門とする社員の求人を行っている企業もあります。
民間の気象会社
さまざまな観点から気象データを専門的に収集・分析して提供するサービス会社があります。クライアントの知りたい情報のデータを収集・分析し、提供する仕事が業務内容です。民間の気象会社は企業や団体と個別に契約を結んで業務を行っている会社がほとんどです。
テレビやラジオなどで見聞きするような気象データからは得られない、クライアントだけが必要とする専門的なデータの提供のみを扱っています。
また、インターネット上でサイトを運営して独自の気象情報を配信している気象会社もあります。今後もこの手の会社が増える傾向にあります。
気象予報士の仕事先は何通りかある
以上のように、気象予報士は天気の予報をするだけではなく、独自の視点からデータを分析して幅広いエリアの気象状況から狭いエリアの情報までいろいろな情報を細かく調べています。
また、天気に関するさまざまな情報なども調べて、より分かりやすく伝える工夫もするなど、とてもやりがいのある仕事といえます。それだけに、気象の知識は豊富でなければいけません。
およそ5%の合格率なので資格を取るだけでも大変ですし、資格取得が難しい割には仕事に就けないのが現状です。しかし、最近ではメディアなどで気象予報士の活躍の場が増えつつあります。今後多くの需要が見込まれます。皆さんも、真剣に勉強して気象予報士を目指してみませんか?