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歯科衛生士という働き方。歯や口の健康をサポートする専門家

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歯科衛生士の魅力を伝える

歯科衛生士という仕事をご存知ですか。歯の治療に歯科医院に行くと、ピンクの白衣を着た看護師さんのような女性がドクターの補助をしているというイメージがあります。

確かに、それは歯科衛生士の仕事の一面かもしれませんが、実はそれだけではなく、歯科衛生士はさまざまな場面で活躍する歯の衛生と予防のプロです。

歯科衛生士という資格、仕事内容、そしてこの職業の魅力について、理解を深めてみましょう。

歯科衛生士になるには

歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験に合格して歯科衛生士免許を取得する必要があります。歯科衛生士国家試験の受験資格を満たすためには、どこでどれくらい学ぶ必要があるのでしょうか。

色々な養成学校がある

高校卒業後、文部科学大臣指定の歯科衛生士学校か、都道府県知事指定の歯科衛生士養成所となっている短大や専門学校に3年間通い、必要なカリキュラムを履修します。

または、4年制大学の歯科衛生士養成課程で学ぶこともでき、この場合は一般教養など専門以外のことも学習します。

さまざまな養成学校があるため、国家試験対策の充実度や実習環境、介護ヘルパーなどの資格も併せて取れるなど、それぞれの学校の特徴と、自分の必要としているものや目標と比べて、自分に合った施設を選びましょう。

専門学校へ行く

歯科衛生士専門学校は全国に数多くあり、夜間部のある所や就職へのサポートが手厚いところもあります。いずれも3年制が基本です。

修業年数は最低何年かかるのか

歯科衛生士養成機関の就業年数は、以前は2年でした。しかし、平成17年度より3年以上とされ、現在では最低でも3年かかります。1年目は教室で講義を受けることが多く、2年目は基礎実習を行い、3年目は応用的な内容の臨床実習が中心となります。

歯科衛生士国家試験の合格率は95%以上となっています。どの養成施設で教育を受けたとしても、3年きちんと学べば合格できる確率が高いといえるでしょう。

歯科衛生士の就職口

歯科衛生士の国家資格を取得した後は、どのようなところで働けるのでしょうか。意外と幅広いその就職口について見てみましょう。

歯科医院だけではない

歯科衛生士の就職先としては、歯科医院が最も多く、全体の90%以上を占めています。とはいえ、歯科衛生士の活躍の場は、実は歯科医院だけではありません。歯科衛生士の、口腔ケアに関する専門知識や技術を必要とするさまざまな分野からの求人が寄せられています。

大学病院や医薬品会社のほかにも、保健所などの行政機関に勤務し公務員となる場合や、介護保険施設で口腔ケアを担当する場合、歯科衛生士養成施設で指導員として働く場合などもあり、活躍の場は幅広いといえるでしょう。

大学病院で働ける

大学病院や総合病院に、口腔外科という診療科があるのをご存知でしょうか。抜歯などの歯科治療だけでなく、口の中のさまざまな疾患に対応するところです。

たとえば、交通事故などであごや口に外傷を負った場合や、手術が必要な病気などの場合に、治療や手術が行われます。

このようなところでは、歯科衛生士は手術室に入ることもありますし、手術の前処置や後処置にかかわるため、一般の歯科医院で働くのとは幾分違ったところもありますが、基本的な仕事の内容は同じです。

大学病院などで働く歯科衛生士は、全体の5%前後といわれています。

大手医薬品からの求人がある

歯科衛生士に対しては、歯科材料や歯科器材のメーカーからの求人もあります。企業の中の歯科診療室で勤務するほか、営業担当者として雇用され、学校や他企業、歯科医や歯科衛生士などの専門家を対象とした宣伝・講演活動を行うことも考えられます。ほかにも、専門家として開発や研究業務に携わる場合もあります。

歯科衛生士と歯科助手の違い

歯科医院で見かけるピンクの白衣の女性たちが、すべて歯科衛生士とは限らないことにお気づきでしょうか。診療室で診療のサポートをしているのは、歯科衛生士と歯科助手です。

ぱっと見ただけでは見分けがつきにくいかもしれませんが、歯科衛生士と歯科助手の間には大きな違いがあります。

歯科衛生士にしかできない仕事

歯科衛生士は国家資格ですが、歯科助手は無資格です。歯科助手は法律上、治療行為を行うことができません。カルテ管理や材料の管理、型取り材料やセメントを練ること、機械や器具の準備、ライトの位置調整など、治療をサポートすることが主な仕事内容となります。

一方、歯科衛生士は、歯科予防処置(歯石除去やフッ素塗布など)、歯科保健指導(歯磨き指導など)、歯科診療補助(クラウンなどをくっつけた後にはみ出したセメントをきれいに取り除くなど)の業務を行うことができ、歯科助手と違って患者の口の中に手を入れることが可能です。

お給料が違う

歯科衛生士と歯科助手は、給料にも違いがあります。歯科医院はとくに、院長の裁量で給料やボーナスが決まってしまうため、職場によってまちまちではあるのですが、歯科衛生士全体の平均でみると、月収25万円前後、年収335万円前後というデータになっています。

歯科衛生士の収入が特に高いというわけではありませんが、歯科助手の収入はそれよりも少し安い水準となっていることがほとんどです。

一般的な感覚としては、歯科助手が時給850円~とすると、歯科衛生士は1,000円~。歯科助手の月給が16万円~とすると、歯科衛生士は20万円~といった感じの違いがあるでしょう。

歯科衛生士からキャリアアップをする

資格を取得して働きだした後も、絶えず自分を磨きキャリアアップしていきたいもの。歯科衛生士という資格の将来性について考えてみましょう。

認定歯科衛生士資格の取得

歯科の世界は幅広く、予防や歯周、矯正、小児歯科、最近注目されているインプラントや審美歯科など多岐にわたるうえ、それぞれに専門性が要求されます。

そのため、特定の分野で専門的な研鑽を積んだ歯科衛生士が、その分野に特化した「認定歯科衛生士」資格を取得することができます。

たとえば、日本口腔インプラント学会の「インプラント専門衛生士」資格、日本歯科審美学会認定の「ホワイトニングコーディネーター」資格などがあり、自分の現在の仕事や今後の展望に合わせて取得するとよいでしょう。

歯科医院によっては、これらの資格取得にかかる費用を補助してくれることもあります。

ケアマネージャーの資格受験資格

ケアマネージャーとは、介護支援専門員のことで、要介護認定を受けた人に対するケアプランを作成する仕事です。

看護師や理学療法士、社会福祉士などの資格保持者で、一定以上の実務経験のある人が、介護支援専門員実務研修受講試験に合格することで、取得が可能です。

歯科衛生士も、実務経験が5年以上あれば、ケアマネージャーを受験することができます。

資格と経験を活かし、高齢化社会でますます需要が高まる介護福祉の分野へのキャリアチェンジを狙うなら、ケアマネージャー受験を目指して実務経験を積むのもよい方法です。

これから歯科衛生士の資格を取りたい

歯科衛生士という働き方の魅力について、理解を深めていただけたでしょうか。歯科衛生士資格に興味を持たれた方は、ぜひ以下の情報を参考になさってください。

他職種から歯科衛生士の資格を取りたい

現在別の仕事に従事していて、歯科衛生士の資格を取りたいという場合、いったん現在の仕事を辞めて養成施設で最低3年間学ぶことが必要になります。そのため、まずしっかり計画を立てることが必要です。

気になる学費ですが、公立の養成施設であれば3年で100万円から150万円前後、私立の場合3年で300万円から350万円前後とされています。

歯科衛生士養成施設に在学中は、普通の大学生のように遊んだりアルバイトしたりする時間はほとんどないといっても過言ではありません。授業が非常にタイトで休めないことに加え、実習やレポートなどが非常に多いためです。

ですから、学費に加え3年間の生活費も事前に用意できているか、あるいは家族の経済面での協力が得られることを確認しておきましょう。入学してからアルバイトでまかなおうと考えている人は、計画を立て直す必要があります。

働きながら歯科衛生士の資格を取りたい

歯科衛生士国家試験受験資格は、通信教育では取得することができません。さまざまな専門知識の習得に加え、臨床実習を数多く行う必要があるためです。

いくつかの歯科衛生士専門学校では、夜間部を設置しています。昼間働きながら、夜間に3時間程度のカリキュラムを毎日こなすことになります。夜間部の場合も3年制が基本です。

カリキュラムはかなりタイトになりますが、3年間頑張れば国家試験を受験できます。

志望動機を明確にする

社会人から歯科衛生士学校に入学する際、志望理由書や面接において「なぜ進路を改めて歯科衛生士になろうと思ったのか」を明らかにすることが求められます。

なぜ進路変更を決意したのか、数ある医療職の中でなぜ歯科衛生士を志望するのか、数ある歯科衛生士養成学校の中でなぜこの学校に入学したいのか、といった点を自分の中ではっきりとさせておくことが大切です。

その際「安定した収入」、「就職に困らない」、「手に職をつけたい」などの理由を前面に出さないほうが賢明です。

経済的安定や将来の安心はもちろん間違った動機ではありませんが、数ある安定した収入を得られる仕事の中でも歯科衛生士を選んだのはなぜか、もう一歩進めてよく考えましょう。

そのうえで、この職業のすばらしさや医療への貢献などをメインに据えるのがベストです。

国家資格「歯科衛生士」を目指そう

歯科衛生士資格は、一度取得すれば一生の財産になる国家資格です。結婚や出産で一度退職しても、社会復帰が比較的容易ですし、パートでの求人も少なくありません。

患者さんの口腔の悩みに寄り添い、状況が目に見えて改善することで感謝されることも多い、やりがいのある仕事です。

これからの高齢化社会、ただ長生きするだけでなく、健康で生き生きと生活する「健康寿命」を延ばすことに注目が集まっています。

健康寿命は、いつまでも自分の歯で噛めることと深い関連があるため、口腔ケアに携わる歯科衛生士は今後ますます必要とされる医療職といえるでしょう。

歯と口の健康の専門家の国家資格「歯科衛生士」、ぜひ目指してみませんか。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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