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年収と手取りは違う?知って得する源泉徴収票を見ながら計算する方法

源泉徴収票はもらっている給料を確認するのに大切な書類。将来設計のために年収・手取りの違いを把握する必要があります。そこで年収について・手取り額の計算方法・累進課税制度・全国平均年収一覧・貯蓄額を増やすコツなどについて知識を得ていきましょう。

年収と手取り額についての知識を高める

年収と手取りの違いについて、しっかり回答できる人は意外と少ないようです。きちんと把握していないと、将来設計の上で失敗してしまうかもしれません。年収と手取りの知識を高めて、生活費と貯金・老後対策を行うことは基本。

ここでは、源泉徴収票の見方や年収について・手取り金の計算方法・累計課税制度・男女別全国平均年収・貯蓄額を増やすコツなどを一緒に学びましょう。

給与所得の源泉徴収票について

毎年年末に会社から渡される源泉徴収票。とはいっても数値が列挙されている中でどれが年収・所得なのか分からない部分も多いでしょう。ここでは給与所得の源泉徴収票について解説します。

源泉徴収票で年収や手取りを確認できる

会社づとめの人は、毎年12月に源泉徴収票をもらいます。その年の所得税を確定させるために、会社では年末調整を実施。その結果を源泉徴収票として従業員に渡します。とはいってもいろいろ項目が書かれているので分かりづらい部分も多いでしょう。

従業員が気になるのは、年収・手取りが一体いくらになるか、その部分を確認したいと思っているはずです。「年収」の部分は源泉徴収票の「支払い金額」になります。年収は税金・社会保険料などをすべて含んだ金額。

所得は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が該当し、気になる手取りは、源泉徴収票項目より計算してください。支払金額-源泉徴収税額-社会保険料などの金額=手取り。ただし、住民税は源泉徴収票には載っていないので、1年分を手取りから差し引く必要があります。

個人事業主には源泉徴収票がない

会社勤めの場合、会社が代わって所得税を支払ってくれますが、自営業などの個人事業主の場合、自分で支払う必要があります。1年に1度行う確定申告。個人事業主やフリーランスは、デザイン業・執筆業などは基本的に源泉徴収の対象。

自分が支払う側にある場合は、税務署と報酬を支払った相手に対して源泉徴収票を発行する義務が発生します。一方、完全に一人で仕事をしている場合は対象になりません。そのため、源泉徴収票を発行する必要がないのです。

発行するときは、国税庁HPからPDFで書式をダウンロードしましょう。手書きの必要性はありますが、渡す相手は少ないので、とくに問題ないでしょう。

年収と総支給額について

年収と総支払額は違うのか、同じなのか、疑問に思う人も多いでしょう。そこで年収・総支給額について一緒に学んでいきましょう。

一般的に聞かれる年収について理解する

よく「年収」という言葉を聞きますが、しっかり把握している人は意外と少ないものです。年収の基本は、税金(所得税・住民税など)・保険料(健康保険料・厚生年金保険料など)が差し引かれる前の年間総支払額。

簡単にいうと、雇用主が支払う金額全部を意味し、「税込年収」「額面年収」とも呼ばれます。この金額を12ヶ月で割ったものが月収になるのです。源泉徴収票では、「支払い金額」の項目に該当。1年間に支給された金額をきちんとチェックしてください。

年収は、保険料などが引かれていない状態なので、すべての金額が自分の手元に届くわけではないということを理解しておきましょう。

年収は総支給額と同じ意味

年収(額面)と総支給額はほぼ同じ意味で使われます。基本給+各種手当+立て替えた経費の払い戻しなど、雇用主が支払う金額すべて。保険料や税金が引かれる前の金額なので、手取り金額より多いことで浮かれてはいけません。

就職面接やその他の面接などで、年収を聞かれることがありますが、そのときは、総支給額を答えるとよいでしょう。年収や総支給額を確認するには、給与明細書の「総支給額」・「支給額合計」欄に記載。

あらかじめしっかりとチェックしておくことで、唐突に聞かれてもあたふたすることなく、どうどうと回答することができます。

源泉徴収票のどこを見たら年収がわかるか

源泉徴収票は、数値が列挙されているので、一目で分からない人も多いようです。基本は「支払い金額」という欄をチェックしましょう。1月~12月に会社から支給された総額が「年収」であり、税金・社会保険料などが差し引かれる前の金額。

この金額を基に、税金や各種保険料などを引いて計算したのが手取り金となるので、基本となる金額として源泉徴収票を手にしたら、しっかり確認してください。例えば、Aさんの支払い金額が500万円であった場合、この金額がAさんの年収になるのです。

夫婦共働きの世帯年収は単純に足し算する

独身の場合、一人あたりの年収がそのまま総支給額となりますが、結婚して夫婦共働きの場合は、一人一人の年収ではなく、世帯年収になります。つまり二人の年収を合計した金額が世帯年収。各人の源泉徴収票から「支払い金額」という欄をチェックしてください。

それぞれの支払金額を合計したものが、その年の年収になり、単純に足し算をするだけなので簡単です。夫婦のいる世帯のうち、夫も妻も働いている世帯数は増加しており、それに比例して世帯年収も増えています。

子育てがひと段落して、仕事を始める主婦も多いので、世帯年収の計算は必然的。源泉徴収票でしっかり確認しておきましょう。

手取り額の計算方法と注意点

税金や保険料など差し引かれた金額が手取り額。そのため、自分で計算をする必要があります。ここではその計算方法や注意すべき点について学んでいきましょう。

手取り額の計算式

年収(額面)よりも額が少なくなるのが手取り額。だいたい額面給与の75~85%が手取り金として入ってきます。例えば、独身で月給が額面で22万円の場合、およそ80%の17万6,000円が手取り金となるわけです。

結婚をして扶養者が出来る場合は、扶養手当などがあるので、額面給与が変わるため、正確な手取り額を知るには、自身で計算をしてみましょう。簡単にいうと、総支給額から保険料・税金などの控除を引けばよいだけです。

25歳独身一人暮らしの場合、総支給額合計-控除合計(介護保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税)=手取り額となります。

手取り額は税金や保険料などの差引後の金額

総支給額合計から税金・保険料などを差し引いた金額が、手取り額。保険は健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険があり、税金には所得税・住民税があります。介護保険とは、自分の老後や家族を介護するときのサポートになってくれる存在。

厚生年金は、国民年金に上乗せで給付される年金です。また、雇用保険は労働者が失業したときの生活支援となり、所得税は1か月の所得に対して、一定割合で課せられる直接税、住民税は市町村民税・道府県民税の総称で、その地域に住んでいる人が負担する税金。

これらの保険料・税金が総支給額合計から引かれることで、手取り額が決定するのです。総支給額が手取り金であると勘違いしないようにしましょう。

税金や保険料は給与で変動する

所得税は、1年間の所得をもとに計算します。これは仮のもので、1年間の所得が確定してから精算する仕組み(年末調整)。所得税は収入のみならず、配偶者・扶養家族がいるかどうか、生命保険に加入しているかどうかなどさまざまな要素で決定されます。

一方、住民税は、県民税・市民税と呼ばれ、会社によっては「普通徴収」として個人で支払う場合もあるのです。所得税・住民税は1年間の所得にかかる税金ですが、住民税は前年分を翌年に支払う特徴があり、去年の収入をもとに計算。

つまり、税金も保険料も給与によって変動するのです。そのため、必ずしも一定の税金や保険料になるわけではありません。

源泉徴収票には住民税の記載がない

源泉徴収票から自分の住民税額を知りたいと思っても、実際掲載されていません。所得税に関しては、源泉徴収票の右上に「源泉徴収票額」という欄があり、そこに記載されています。そのため、源泉徴収票では住民税は確認できないのです。

住民税を知りたい場合は、「決定通知書」を見てみましょう。サラリーマンの場合、5月の給与明細ともらうことが多いようです。住民税の計算額は、給与明細の1カ月の金額×12の給与所得を基準にして、保険料や扶養人数などの所得控除を引いて、税率をかけて計算します。

算出された年税額を12で割って、端数があれば6月分に額がプラスされるので、6月は多めの住民税が引かれることになるのです。

年収1000万の手取り額を計算してみると

基本となるのは、給料-各種控除の合計=課税所得。控除の金額が多くなれば、その分所得が増えることになります。給与所得控除の計算は、1,000万円×10%(給与所得控除額)+120万円=220万円(給与所得控除額)です。

社会保険料控除額は、1,000万円×14.4%=144万円、所得税控除額の合計は基礎控除38万円+給与所得控除220万円+社会保険料控除144万円=402万円、所得税課税所得は、1,000万円-402万円=598万円、住民税控除額の合計は、基礎控除額33万円+給与所得控除220万円+社会保険料控除144万円=397万円。

住民税課税所得は1,000万円-397万円=603万円、所得税住民税の合計137.4万円とます。なり、年収1,000万円の手取り給料は、1,000万円-所得税・住民税137.4万円-社会保険料144万円=718.6万円。独身や扶養家族など条件も異なるので、約690万ほどの手取りになるでしょう。

同じ年収でも手取り額が異なる理由

手取り額は、自分が生活する上で使えるお金です。この額は、同じ年収でも異なってくるのは、さまざまな要因が潜んでいるからです。そこで、手取り額が異なる理由について、解説しましょう。

税金や保険料が異なる

同じ年収でも、税金や保険料額によって手取り額は異なります。そのため、自身の手取り額を計算するには、まずは税金や保険料がいくらになるのかをしっかり把握しなければいけません。例えば、健康保険は給与の4.955%、介護保険は給与の0.825%、厚生年金は給与の9.091%。
雇用保険は給与の0.3%、住民税は前年の年収控除から引いた上で10%をかけ、均等割5,000円を足して総額算出して12ヶ月に分けて支払うことになります。これはあくまでも参考程度で、必ずしもこの金額ではありません。

また、自営業の場合、認められる経費(所得控除)が会社員より少なく、個人事業税という税金が増え、社会保険料(健康保険・年金)が全額自己負担になるので、手取り額は異なってきます。

家族構成や扶養の有無で控除額が変わる

独身と既婚者では、手取り額が違ってきます。家族構成や扶養家族がいるかどうかで、控除される額が異なるのです。つまり、独身の人の方が支払う税金が多いということになるでしょう。もちろん、独身でも控除される項目は多く、お得に控除を受けることが可能。

同じ既婚者でも、扶養者人数によって控除額は異なり、例えば夫婦共稼ぎの場合は、扶養に入ることがないので普通に税金を納めることになります。扶養家族が多ければ多いほど、控除額が多くなるわけです。

累進課税制度が適用されているため

例えば、年収1,000万円の人と年収500万円の人では、年収1,000万円の人は年収500万円の人の2倍の手取り額がもらえると思ってしまいます。しかし、実際は2倍にはなっていません。これは累計課税といわれており、年収が多くなるほど税率が高くなる課税方式。

逆にいうと低所得になれば税負担率が低くなるので、低所得者にとっては嬉しい仕組みでしょう。好景気になると所得者が増えて失業者が減る時期であり、税負担も増加するので、消費や投資を抑制。逆に不景気のときは所得が減って失業者が増加するため、税負担が減って消費・投資が増加します。

この累進課税制度によって、年収で必ずしも手取り額が決まるわけではないということを頭に入れておきましょう。

累進課税制度について詳しく理解する

年収額に応じて課税額が異なってくる累計課税制度。一体どんな仕組みになっているのか、気になるところです。ここでは、累計課税制度について詳しく理解しましょう。

年収により税金が高くなり手取割合が減る

手取りを計算する上で大事な要素となってくるのが、累進課税制度。この制度では、年収額が大きいほど税率が高くなります。そのため、その分、手取り額が少なくなってしまうのです。逆に年収額が少なければ、その分税率は低くなり、支払う税金が減少。

年収が少ない人は、それだけ生活するための費用も少なくなるので、生活水準レベルも低くなります。その上、税金までも増えてしまっては毎月生活するのも大変です。税金の負担を減らすことで、生活水準の低下を予防しています。

高年収の人にとっては、不公平さを感じてしまいますが、生活レベルの幅を安定させるためには、必要な制度といえるでしょう。

年収が100万増えると税金は約1%増える

年収が100万円増えるごとに税金が約1%増える制度が累計課税制度。年収100万円の人と年収1,000万円の人を比較すると、年収100蔓延の取得割合は約80%、年収1,000万円は約72%と、手取りとしてもらえる率が年収1,000万円の方が少ないのが分かります。

消費税は所得に関係なく一定額を支払うので、所得が低い人ほど負担が増加。消費税は逆進税と呼ばれ、すべてこの税金に統一されると、富裕層が有利になって、貧困の差が広がります。税金の平等化においては必要な税金でしょう。

ただし、所得税などは年収によって左右されるため、一人が負担する額は大きなものになってきます。年収1,000万円と年収100万円で同じ税率では所得格差が生まれるので、この格差を無くすために累進課税の導入は必須になってくるのです。

平成27年度男女別全国平均年収一覧

全国の男女別で平均年収をデータ化した一覧があります。平成27年度の男女別全国平均年収一覧を覗いてみましょう。

日本の20代の平均年収

日本の20代の平均年収は、男女別で男性365万・女性319万と、男女間で金額に違いがあります。20代の各年齢での全体平均年収を見てみると、20歳277万円・21歳286万円・22歳279万円・23歳293万円・24歳320万円・25歳342万円。

26歳360万円・27歳376万円・28歳388万円・29歳402万円となります。年齢とともに年収も増加しているのが分かるでしょう。20代で平均年収が高い業種は、1位投信投資顧問539万円・2位たばこメーカー536万円・3位財務会計アドバイザリー457万円。

20代で平均年収が高い職種は、1位投資銀行業務627万円・2位運用ファンドマネジャー566万円・3位経営コンサルタント559万円となっています。

日本の30代の平均年収

日本の30代の平均年収は、男女別で男性487万円・女性386万円と違いがあります。30代の各年齢での全体平均年収を見てみると、30歳416万円・31歳430万円・32歳445万円・33歳452万円・34歳459万円・35歳468万円。

36歳475万円・37歳483万円・38歳485万円・39歳501万円となります。20歳に引きつづき、年齢が上がるごとに年収も上昇。30代で平均年収が高い業種は、1位証券会社720万円・2位投信投資顧問678万円・信託銀行661万円です。

30代で平均年収が高い職種は、1位投資銀行業務1155万円・2位経営コンサルタント854万円・3位運用ファンドマネージャー834万円となっています。

日本の40代の平均年収

日本の30代の平均年収は、男女別で男性587万円・女性423万円と男女で違いがあります。40代の各年齢での全体平均年収を見てみると、40歳513万円・41歳515万円・42歳523万円・43歳525万円・44歳543万円・45歳542万円。

46歳559万円・47歳574万円・48歳585万円・49歳594万円になります。こちらも年齢に合わせ、緩く上昇。40代で平均年収が高い業種は、1位投信投資顧問930万円・2位医療メーカー768万円・3位証券会社751万円となります。

40代で平均年収が高い職種は、1位運用ファンドマネージャー1294万円・2位経営コンサルタント849万円・3位営業一医療品メーカー847万円です。

年収300万層がいちばん多い

年齢とともに年収も比例して増加していますが、各年収別に比較すると、年収300万層がいちばん多くなっています。中でも20代がもっとも多く、高校や大学を卒業して、新入社員として入社勤務が浅く、月収も少な目。

保険料や税金などが年収から引かれることになるので、手取り金は生活をしていくのにギリギリラインでしょう。その中でいかに節約をしながら貯蓄をしていくことがポイントです。独身であれば十分ですが、子どもがいる既婚者となれば、食事や光熱費・教育費もかさんできます。
20代はまだ子供が小さい家庭も多いので、夫婦共稼ぎは難しく、夫に頼ることになり、ますます節約が基本になるでしょう。

年収300万層は全体の約20~30%

年収300万層は20代・30代に多く、40代・50代になるにつれて、400万層に入っていきます。年収300万層は全体の約20~30%ほど。20代は経験も少なく、キャリアも浅いので、年収も少な目で生活はとても大変でしょう。

若さもあり、副業などのダブルワークを考えている人もいます。独身であれば十分賄える範囲内でも、既婚者は夫婦共稼ぎをする家庭もいるでしょう。その場合は、年収は二人分として合計されます。

年収平均は、あくまでも平均であり、同じ会社に長く働いている場合のキャリア昇給などを考慮。転職などによって年収は異なってくるので、今の現状を変えたいと思っている人は、若いうちから転職を考えているようです。

年収1000万超は全体の約5%

年収1,000万超は、20代で0.3%・30代で1.6%・40代で5.6%・50代で16.9%となっています。全体でみると約5%。とくに注目すべきなのが、20代・30代は極少であるのに対し、40代でやや上昇、50代で一気に伸びてきているのです。

50代になると、役職もあがって、それに比例して昇給につながります。ボーナスなども増えることから、より年収も多くなって、少し優雅な生活を送れるようになるわけです。

手取り額は15年減少し続けている

生活の糧となる手取り額はここ15年ていど減少している傾向があります。その理由は、保険料や税金が背景にあり、いったいどんな理由で減少しているのかについて学んでいきましょう。

年収が同じでも引かれるお金が増えている

給料の手取り金は15年減少傾向。つまり同じ年収でも引かれるお金が増えていることになります。中には18年間で1割以上も減っているケースもあり、手取り額が減ってしまうのは、生活をしていく中で結構な痛手になってしまうのです。

例えば、額面年収700万円の場合、15年間(2002年~2017年)で50万円の減少で、額面年収500万円でも35万円の減少になります。数値化するとかなりの金額に戸惑ってしまう人も多いでしょう。

税金の改正が実施され続けている

手取り金額が15年連続して減少している背景には、毎年手取りが減る改正が行われた背景があるのです。2003年以降からさまざまな税金改正が実施されています。2003年社会保険料の総報酬制でボーナス手取りカット、2004年配偶者特別控除の一部廃止で専業主婦・パート妻の夫の手取り減。

2006年定率減税廃止で、所得税・住民税アップ、2011年中学生以下の子ども扶養控除排除・高校生以上の子供の扶養控除縮小で、世帯手取り減少しています。2011年の中学生以下の子供は税金面で扶養から外れるという改正によって、手取り額が大きく減っていることでの増税は大きな痛手。
例え児童手当があっても、手取り額が減ったのでは、あまり意味がないと考えている家庭も多いようです。

国の年金保険料が毎年引き上げられている

手取り額が減ってしまった原因は、税金が増えたことだけではなく、保険料についても同様に引きあげられています。例えば、厚生年金保険の場合、14年間連続(2004年~2017年)で上昇。収入は減っているのに、支出が増えてしまうことは将来の不安にもつながるでしょう。

老後の年金支給のために支払っていく保険料が、今の時点で厳しくなってくるのは、目に見えない将来のことよりも今現在の経済不安の方が高いということに、ますます社会問題としての課題になっていきます。

税金や保険料は今後も上昇するといわれている

手取り金額が15年間も減少しているのは、税金や保険料が上昇している背景がありますが、これから先もこの状態はつづき、今後も上昇するといわれています。小泉政権下では、保険料上限と給付水準下限を設定しました。

給付水準の下限とは、例えば老齢年金の給付水準は現役サラリーマンの平均所得50%維持が義務づけられることであり、これによって年金制度の破綻を防止。保険料値上げは2017年度までで終了とされていましたが、2019年4月以降、目安として産前産後免除のために国民年金保険料は100円値上げ。

産前産後の期間は国民年金の保険料を免除されるのですが、その分、納付しなかった人の保険料を穴埋めして財源を確保する必要があるため、税金や保険料は今後も増えてくる可能性があるのです。

将来を見据えた手取り額を考える

今現在手取り額に満足していても、それがずっと先まで続くとは限りません。ここでは将来を見据えた手取り額について考えてみましょう。

年収が上がっても手取り額の上がりは少ない

年収1,000万円と聞くと、かなりリッチな生活が待っているイメージが強いでしょう。とはいってもそこから保険料や税金がとられて、手元に残る収入はまるまる1,000万円ではありません。実際にどれくらい引かれるのかは、所得税が主になります。

年収1,000万円の場合、33%で330万円の税金がかかり、年収400万円では20%で80万円ていどなので、4倍近い大差に。日本の所得税は、900万円を超えると10%以上上がるので、年収900万円の人と年収850万円の人では手取りが後者の方が高くなる現象が生まれます。

そのため、年収が上がっても手取り額も比例して増えるということではなく、少ない場合もあるので、一概に優雅な生活とは言えないのかもしれません。

国の年金受取額は18年間減少し続けている

給料の手取りだけでなく、国の年金受取額に対しても、18年間減少傾向。例えば1999年・2017年の手取りを見ると、厚生年金と退職金の一部を年金とした場合、年金収入は合計300万円の場合、1999年の手取りは290万、2017年は257万円と減少しています。

これは、18年間で1割以上減っていることになるのです。年金収入の手取りについても、一般の給料同様に額面収入から税金・保険料が差し引かれる仕組み。介護保険もプラスされ、年金にかかる所得税・住民税も増えることで年金受取額も減少し続けているのです。

計画的に運用しながら貯蓄額を増やすために

貯蓄は若い年代から行うのが理想。ここでは、計画的に運用しながら、貯蓄額を増やすコツを一緒に学んでいきましょう。

大切な場面に備えての貯蓄を考える

大きな出費は突然の場合も多いです。例えば、冠婚葬祭。避けては通れない行事に対して、きちんと蓄えておくことが、突発的な出費であたふたすることがありません。また、結婚・出産・子育て・教育資金・マイホーム購入といった場面ではお金が必要。

年代別にやってくるライフイベントに必要な資金は事前に貯めていくことで、その場になって切羽詰まることがないのです。貯めるときは、「これぐらいあれば」といったあいまいな計画ではなく、将来設計を立てた上で、具体的に進めていきましょう。

老後の必要資金を考えた行動

老後生活というと、子供が独立して夫婦2人きりになるケースが多くなります。二人で老後生活を送るためには、最低日常生活費として月額22万円。これは日常生活を送る上で、基本となる費用であり、ゆとりのある生活を求めるのであれば、もう少し上乗せが必要でしょう。

最低日常生活費にゆとりの上乗せ額をプラスした場合、ゆとりある老後生活を送るために必要な平均月額は、34.9万円です。ゆとり生活費とは、趣味や人との付きあいで生じる費用。例えば、旅行・趣味・友人との付きあい・子どもや孫への援助などが挙げられます。

若いときはしっかりと働いて貯蓄をして、老後はゆったりのんびり過ごせるように、きちんと計画をもって貯めていきましょう。

年齢毎の平均年収を参考に将来の目標を立てる

年齢に応じて、キャリアを積むことで年収も増加します。年齢ごとの平均年収を参考にしながら、将来設計を立てることが失敗なく理想的な方法でしょう。例えば、20代は一人暮らし、または結婚・出産費用が必要なので、リスクの低い定期預金から始めてください。

30代では、結婚・出産する割合が増え、マイホーム購入を検討。子供の教育資金も必要になるので、大きなイベントごとも多く、まとまった出費のために収益性の高い外貨預金などを検討しましょう。40代は、子どもが中学・高校・大学と進むので、教育費が必要。

老後資金の準備をスタートさせるために、安定性の高い定期預金と収益性の高い運用を考えてみましょう。50代以上になると、子供の教育費負担も終わり、自身の病気や老後が中心。老後に必要な資金を具体的に計画していきます。

年収アップ率を考慮しすぎない資産運用

将来は税金や保険料が増えて、その分、手取りが少なくなってしまう可能性が高いと懸念されています。将来設計をしていく中で、年収アップ率を計算内に入れてしまうこともありますが、あまり考慮しすぎないことがポイント。

あくまでも基本の年収をもとに計画をしていくことで、実際の年収の揺れ幅に左右されるリスクを抑えることができるでしょう。

貯蓄と家庭の安定を比例させる

20代は収入も安定せず、なかなか貯蓄まで頭が回らない人も多いでしょう。しかし、生活費を節約して少しずつでも貯蓄をしていくことで、ゆとりある将来設計が可能。そして、年齢とともに貯蓄と家庭の安定を比例させることで、将来の不安も減少するのです。

また、年齢が上がるごとにどちらも右肩上がりが理想。生活の安定とともに貯蓄もしっかり行うようにすることで、突然の出費にもすぐに対応することができます。

収入減や支出についても再確認をする

将来収入減や支出が多くなる可能性も十分考えられます。そこで、収入減・支出が考えられる原因について再確認していきましょう。

女性は出産など休職時の収入減を見込む

男性は定年まで同じ会社で働くことができますが、女性の場合は、さまざまなライフイベントがあります。例えば、出産などで休職という形になっても、収入減は避けられません。夫婦共稼ぎで優雅な生活を送っていても、子どもができると出費がかさみます。

その部分の穴埋めをどうするのか、事前にしっかりと計画を立てていく必要があるでしょう。育児休暇中は、旦那さんに残業を多くしてもらうなど、きちんと対策をとることが大切。

子どもがいる場合は教育費の計算をする

教育費は、幼稚園~高校、大学と長期間にわたってかかる費用。まえもって計算をしておくことで、いざというときにしっかり準備することができます。もちろん、子供が進むべき道は子供自身が決めることなので、私立や海外留学などの費用も検討しておきましょう。

幼稚園~高校までの学習費平均額は、幼稚園(公立66.2万・私立161.1万)、小学校(公立182.1万・私立881万)、中学(公立137.9万・私立383.8万)、高校(公立117.5万・私立275.4万)文部科学省平成22年度子どもの学習費調査より。

マイカー購入による大きな出費やローン

人生の中でもっとも大きな買い物はマイホーム購入。その次に多くかかるのが、マイカー購入でしょう。自動車購入を検討している場合、多くの人が利用する自動車ローンはいろいろな種類があります。自動車ローンの金利は固定金利と変動金利の2種類。

利率が変動しない固定金利に対して、景気動向で変動する変動金利があり、自動車ローンの多くは固定金利となっています。例えば200万円の車を5年ローンで購入。60回払いで金利2%では支払総額が2010万3330円でローン手数料が10万3330円となります。

金利が10%では支払総額が254万9644円でローン手数料が549,644円と40万以上も違ってくるので、自動車ローンを利用するときは金利をチェックしましょう。

レジャーや行事のための雑費用

子どもがいる家庭では、学校での行事や家族旅行など、レジャーに楽しむ時間も増えていきます。雑費は他のどの勘定科目に属さず、使用用途が明確にされないので、多く使いすぎてしまう傾向が。使い勝手がよくても手取りの中で引かれる金額です。

そのため、毎月の生活費や貯金などを計算した上で余った分を雑費用として充てるようにすると、ついつい使いすぎることがないので、しっかり管理しましょう。

マイホーム購入計画がある人への注意点

将来マイホームを購入したいと思っている人も多いでしょう。しかし、家を買うのは大きな買い物。そこで購入計画のある人が選ぶときの注意点について解説します。

住宅ローンは家庭の収支にマッチしているか

マイホーム資金計画では、まず自己資金を見つめなおすことからスタート。将来の年収や手取も想定して自己資金を計算しますが、毎月の生活費の他に、小・中・大学入学費用など子どもにかかる教育費や老後資金なども考慮することが大切。

住宅購入は高い買物になるので、先の先までしっかりと見極めながら、家庭の収支と照らしあわせて計画していくようにしましょう。

固定資産税と修繕費や諸経費の想定

住宅購入では、土地や建物費用の他に、諸経費が住宅資金の10%ほどかかります。例えば、新築3,000万円の庭付き一戸建ての場合、プラス500万円の諸経費がかかると考えた方がよいです。固定資産税や修繕費などを忘れてはいけません。

家を建ててからハッと気づくのではなく、家を建てる前からしっかりマイホーム予算を決めておくことをおすすめします。

家具などの初動諸経費の蓄え

住宅を購入したからといって、それで終わりではありません。生活をしていくために必要な家具や家電などが必要。家具はソファーやベッド・ドレッサーなど、家電はテレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・掃除機など。

入居してすぐに使うものなので、住宅ローンの他に家具・家電費用もしっかりと計算して、マイホーム建築中に欲しい商品を下調べしておきましょう。

夫婦2倍力ならその間の高額返済が理想

夫婦共稼ぎの場合、独身時代の年収の2倍になるので、この時期にしっかり住宅ローン返済を目指すのが理想的。子どもができてしまうと、食事などの生活費の他に教育費もかかってくるので、ローン返済もギリギリになってしまいます。

例えば、20代でマイホーム購入した場合、夫婦2倍力でしっかりローン返済をしていくと、返済完了年数が縮まり、老後にゆとりが生まれるのでおすすめ。

家族年収と手取り額を知り賢い将来設計をする

手取り額は、年収から保険料や税金などを差し引いた金額。自分の手取り金はいくらなのかしっかりと把握することが大切です。また、家族がいる場合、一人一人の年収と手取り額も知った上で、将来設計をしていくようにしましょう。

子どもにかかる平均教育資金などは、あくまでもデータ上のもので、場合によってはそれ以上かかることも多いのです。どんな選択枠でも対応できるように、余裕をもって生活設計を目指してください。

LITORA編集部

自分らしい生き方を見つけたい。大好きなものに囲まれる生活をしたい。暮らしや仕事、オシャレも美容も恋愛も“自分らしく心地よく”を軸に自分のライフスタイルに合わ...

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